![]() 私たち『天洋食品工場』は河北省食品輸出入集団公司の傘下で、家畜をお金に変えるお仕事をしております。2000年の生産額は3,000万RMB(約4億5,000万円)を超えました。 ![]() ![]() ま、中国企業のウェブサイトにありがちな、ホームページ製作業者のフォームをとりあえず埋めただけで、あとは放ったらかし....。生産額が2000年のデータのままになっているところをみると、5年くらいは更新していないんでしょう。中国語が専門ではない私がみても、稚拙で怪しげな中国語の文章です。 会社紹介のテキストから読み取れる、主力製品は"肉類加工冷凍食品"ですが、このウェブサイトに掲げられた製品写真は、アイスクリームとお菓子です。きっとホームページ製作業者が手元の画像で"食品"っぽいやつを貼りっ放しにしているのでしょう。 圧巻は、「市場構造(マーケット・ストラクチャー)」のページに載っている"輸入製品"のところ。そもそも"輸入"じゃなくて"輸出"の間違いだと思うのですが、「"輸入国家"アメリカ」の国旗が、こんなんです....。 ![]() これって、確かデンマークの国旗じゃなかったでしたっけぇ.....。 日本では、企業ウェブサイトのメンテナンス状態で、その企業の管理体制が見える、などと言われるようですが、中国の多くの企業の管理体制なんて、こんなものなんです....。 この工場は、"河北省"と冠された企業集団傘下にあるようですから、「国有」系企業であるのは確かでしょう。一部日本で報道されているとおり、中央政府とか地方政府(河北省)とかその党委員会とかが関係している企業でしょうから、省レベルの検査で一定の要件が満たされれば、国家品質監督検査検疫総局(中央レベル)による輸出時の権益検査は免除されるのでしょうね。 でも、こういう待遇を受けているのは何もこの『天洋食品工場』だけではありません。たくさんの企業がこうなんです。 日本は食糧の60%以上を輸入に頼らなければならない国家なのです。 件の冷凍餃子も、コストを抑える目的で中国加工にしたのでしょうが、仮に日本で加工したとしても、材料の大部分は中国産になってしまっていたでしょう。 こうした事件に接して私たちは、中国を叩くよりもまず、私たち日本の"食品安全保障体制"を見直すことからはじめるべきだと思います。 でなければ、日本は将来海外市場に頼らざるを得なくなる製造業やサービス業を捨ててでも、食糧自給自足の道を歩み始めなければならないでしょう。外貨が稼げなければ、エネルギーも自給自足しなければなりません。 そもそも、日本の輸入元・販売元はどのような管理をしていたのでしょうか? 日本の著名ブランドをくっつけて、日本の"一流企業"が販売していたわけでしょう。日本の消費者は、中国製品に警戒しつつも、そのブランドを信頼して購入したのではないでしょうか? 冷凍の"日本式焼き餃子"など、一部の日本人向けスーパーを除いて、中国では売られてません。おそらく、商品企画、パッケージデザイン、レシピ、調理仕様書などのすべては、日本側から、委託製造先である『天洋食品工場』に提供されていたでしょう。 製造を委託した日本企業側は、品質管理マニュアルくらいは用意していたかもしれませんが、製造現場における品質管理まで、しっかり行っていたのかは甚だ疑問です。 私が推測するに、お塩かうまみ調味料の代わりにメタミドホスを入れてしまったとか、野菜の洗浄工程をショートカットしたとか、そんな原因だったのでしょう。過失か故意かは別として、中国ではよくある話なのです。気に入らない上司のお茶に雑巾の絞り汁を入れちゃうOLみたいな感覚で、ライバルの飲食物に農薬を混入させることさえ日常的と言えるのです。 こうした事故を防ぐには、現場の管理を徹底するほかありません。 農薬や殺虫剤は調味料とは別に管理する、調理中の工場には持ち込まないようにする、各工程の責任者は1時間ごとに状況をチェックし記憶を残す、材料野菜は仕入れた日ごとにサンプル検査を行う、そうした対応が取れていれば、異物は混入されなかったでしょうし、日本の販売元が工程管理記録を共有していれば、材料付着農薬残留の危険性などを把握することができて、日本の消費者の手に渡る前に未然に不具合を発見できたはずです。中毒者が出て、1ヶ月も知らん振りするようなことは無かったでしょう。 日本の輸入元・販売元は、委託製造先の現場に品質管理責任者を配置していたのでしょうか? 日本ブランドの電機製品の多くも、中国系工場で委託生産されています。 でも私の知る日本メーカーは、委託先の工場に日本から品質管理責任者を常駐させています。いくらマニュアルを徹底させても、中国人マネージャーを教育しても、日本の企業や消費者の要求をみたすような満足のいく管理ができないから、そうしているのです。製造現場で、材料の品質は要件に適しているか、製造工程に不必要なモノが持ち込まれていないか、各工程のチェックリストに不備がないか、24時間体制でチェックしています。販売ブランドの信頼性を守ると言うのは、こういうことでしょう。 こうした品質管理体制をとっていても、不具合が認められたとすれば、批判の矛先は、中国の委託製造元ではなくて、日本メーカーに向きますし、その日本企業も委託製造元の中国の工場のせいなどにはしないでしょう。 その点、私たちの生命の安全により直接関わる食品を提供する日本企業の姿勢は、どうでしょう....。 中国「天洋」ブランドだったら100円でも売れない冷凍餃子を、日本のブランドをつけて、3倍4倍の値段で販売しているのですから、そのくらいの覚悟はしてほしいものです。 食の安全保障を国家間の問題にしようとするマスメディアの動きもありますが、まずは輸入元や日本の販売元の責任を追求し、改善を求めるような世論に導くのが筋ではないかと思います。 BSEでアメリカ産牛肉を輸入禁止にしたのも、安全を確認したと言って輸入再開を決めたのも日本政府(農林水産省と厚生労働省)でした。 日本では長い間、牛丼が食べれなかったわけですが、その牛丼屋さんは、肉牛の誕生から飼育、食肉処理に至るまで、日本企業である自社による厳格な管理体制を敷いていたのです。日本の消費者に安全な牛丼を提供する体制が整っていて、自信を持っていたにもかかわらず、日本政府は杓子定規にアメリカ産牛肉はすべてNGとして、私たちから牛丼を奪ったわけです。 いっぽう、日本政府は政治的な圧力で"全頭検査"の要求を取り下げた挙句、安全が確認されたとして、慌てて輸入再開したのですが、その直後に管理の不備が発覚して、輸入が再禁止されたという、いきさつはご承知のとおりでしょう。 輸入元や販売元が日本の消費者の信頼に応えるように振舞えるのなら、政府がやることは無駄で邪魔なだけです。そもそも、冷凍餃子を一個ずつ検疫検査などできるでしょうか? #
by pandanokuni
| 2008-01-31 16:30
| 社会ネタ
"日中友好"モードになってしまった日本の有力メディアではあまり取り上げられていないようですが、年末から年始にかけて、中国では『表現をめぐる規制』をめぐって怪しげな動きが進行しています。
ひとつは、先日このブログでも取り上げましたが、『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』の発表です。 この規定を一言で言うと、"YouTubeみたいなインターネットで動画を扱うサイトの運営は、国家が株式の過半数を持つ会社でなければならない"と言うことです。いま中国で人気を博している動画投稿系サイトは外資などを取り込んだ私企業ですから、この規定を素直に解釈すれば、1月31日以降こうしたサイトは運営できなくなります。 もうひとつは、日本語の"リンゴ"を意味する『苹果』と題する映画が上映中止になった事件です。 中国の映画館では、日本で言えば"省"のひとつにあたる中国広播電影電視総局(ラジオ映画テレビ総局)のセンサーシップ(検閲)を経て、"上映許可証"をもらった映画だけを上映できます。いくつかの難関を経ながらもこの『苹果』は"上映許可証"を得て昨年11月末から中国の映画館で上映されていたのです。最近は日本メディアでも時々見かける人気女優・ファン・ビンビン(範冰冰)らが主演し、07年のベルリン映画祭に出品された話題作であったにも関わらず、1月3日までに中国のラジオ映画テレビ総局はこの映画の"上映許可証"を取り消したのです。つまり、一旦は上映を許可しながら、1ヶ月ほどして取り下げてしまったのです。 ![]() この映画は、日本人の駐在員奥様ご用達の"怪しげでないフツーの"フットマッサージ店で働くファン・ビンビン扮する"苹果"と、日本だとゴンドラに乗ってする作業を中国ではビルの屋上からロープ1本で吊り下がって行うのが一般的なビルの窓掃除の仕事をしている"苹果"の夫、そして不覚にも"苹果"をレイプしてしまったフットマッサージ店の社長とその妻と言う、夫婦二組4人による人間ドラマです。 北京に関わりのある日本人には馴染み深い国貿橋付近の東三環路の風景から始まるこの映画は、都会で働く地方出身の若者、成金おやじ、中国の強い女性、男の煩悩など、いまの北京でよくありがちな情景を、テンポ良くリアルに表現しています。軽いとはいえないストーリーを喜劇仕立てにしているあたりは見事です。特に、ほぼ全編にわたる手持ち撮影によるカメラワークは秀悦だと思いました。恐らくフィックス(固定カメラ)の画は"苹果"の表情を捉えたラストシーンだけで、突然テンポが落ちる最後の10分間で、夫婦・親子・男女の愛情と言う普遍的なテーマをマジメに追っていた映画であることを再認識できるはずです。 テーマに対する女性監督リ・ユゥ(李玉)の"ひたむきさ"はエンドロールの背景映像にも表れています。朝陽門外大街で立ち往生した愛車・ベンツを二人で推し進める社長夫妻。笑えるおまけ映像が、夫婦の絆の重さを表しているように思えるのです。 地方から出てきたマッサージ嬢とベンツを乗り回し高級マンションに住むフットマッサージ店の社長が中国で拡がる"貧富の差"だ、などと言っていたら中国人は務まらないわけで、社会不安を煽るようなテーマでもないし、政治的なテーマでもないし、お決まりの"善良な"公安(警察官)も登場させているし、上映禁止になるような内容とは言えないでしょう。 ただ、この映画には冒頭に2回のセックスシーンがあります。 "苹果"と夫との夫婦間交渉と"苹果"が社長にレイプされるシーンです。当然のことながら、中国ラジオ映画テレビ総局はこのシーンのチェックに労力を使ったことでしょう。ベルリンで発表された"国際版"と"上映許可証"を得て中国で公開された"中国版"では、"濡れ場シーン"に大きな違いがあります。 つまり一旦は、"国家のお墨付き"をもらったセックスシーン込みでの"上映許可証"の交付だったのでした。 それではなぜ、中国ラジオ映画テレビ総局は一旦与えた"上映許可証"を取り消すことになったのでしょう。政府系メディアはその理由として、以下3点を挙げています(人民網より)。 (1)許可を得ていないセックスシーンがインターネット及びDVDなどで出回っている (2)については、"上映許可証"を交付する前から分かっていたことなので、完全に"あとづけ"です。ポイントは(1)(3)でしょう。 前述の通り、映画『苹果』には中国当局のセンサーシップ(検閲)を経てないセックスシーンを含む"国際版"と"濡れ場"を大幅にカットした"中国当局お墨付き版"があります。 中国の映画館では当然この"中国版"が上映されていたのですが、インターネットでは過激な(!?)"国際版"が出回っています。正規版のDVDは"中国版"ですが、海賊版では"海外版"をみることができます。(1)はこのことを指摘しているのでしょう。 ただし、インターネットにしても海賊版DVDにしても、表向きは映画会社が関係しているはずもありません。一般的に考えれば、そんなものが出回れば出回るほど、映画館や正規版DVDの収入が減ってしまうわけで、むしろ映画会社にとっても困った問題のはずです。本来であれば、"知的所有権対策"の一環として中国当局に積極的に取り締まってもらうべき話のに、映画会社の"管理不行き届き"を責められた、と言うことになるでしょうか....。 ところが、これに(3)であげられた"プロモーション活動"が絡むと話が変わってきます。 映画『苹果』のプロモーションは"表向き"健全に行われたはずです。中国ではプレス発表を皮切りに、主要ポータルサイトやストリート・アドボードなどを利用して話題づくりをしていくのが一般的です。 とは言え、"管理の行き届かない"インターネットの動画投稿サイトや個人系サイトにアップロードされる著作権を侵害した映像も、充分に話題づくりに貢献できることは、YouTubeなどが証明済みです。 海賊版に尻込みする日本のコンテンツホルダーに「海賊版はプロモーションの一環。広告費を使わなくても、作品の知名度が浸透する。」と言い切った中国のDVD発行会社がありましたが、海賊版DVDもある意味で作品のプロモーションにはなるのです。まして、"中国版"未公開の"濡れ場シーン"が映像素材となれば、これは大きな話題づくりにつながるはずです。 ここからは推測の域を出ていないのですが、映画会社が未必の故意で"海外版"の映像がインターネットや海賊版DVDに流出するのを黙認していたとも考えられます。映画のプロモーションの一環にもなるので、少なくとも積極的な対策を施さなかったことが、中国ラジオ映画テレビ総局の逆鱗に触れ、"上映許可証"の取り消しにつながったのでしょう。つまり、(1)と(3)合わせて一本、と言う感じ。 長くなりましたが、映画『苹果』とインターネットの動画投稿系サイト規制(『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』)は密接な関係にあると思います。 CGM(Consumer Generated Media)として、フツーの人民が制作したり、どこからか拾ってきてネット上にアップロードしたコンテンツ(とりわけ動画)が大きな影響力を持つことに気づいた中国ラジオ映画テレビ総局が、自らの存在意義を失うことに強い危機感を抱いたのでしょう。 エロ・グロ・暴力対策とならば、善良な人民は何となく納得しますから、"世論"を味方につける取っ掛かりとしては良い題材だったと思います。 それと前回取り上げた「夫の不倫を暴露した段ボール肉まんキャスター」の映像なんかも、微妙に関係しているかも知れませんね....。 ちなみに、マジで政治体制に不利になるようなネット上のコンテンツは、中国ご自慢の"金盾"でアクセス不能にできちゃいますから、このことが直接政治的言論統制の強化につながるとは思えません。 これはインターネットの影響力増大で影が薄くなりつつある中国ラジオ映画テレビ総局の反撃、中国の省庁間の"縄張り争い"、つまりは"利権争い"くらいに考えておいてもよろしいのかもしれません。 #
by pandanokuni
| 2008-01-14 11:41
| 社会ネタ
中国中央電視台=CCTVは、中国共産党の指導の下、中国人民に必要な情報を垂れ流す由緒あるテレビ局です。NHKは地上波と衛星を合わせると5つのチャンネルですが、CCTVは17チャンネルくらい持っています。その中でCCTV-5(5チャンネル)と呼ばれていたスポーツ番組を中心に受け持つチャンネルが、1月1日から"CCTVオリンピックチャンネル"になりました。
まぁ、このこと自体、北京オリンピックを盛り上げようとする当局の浅はかなプロモーションなので、当然のごとく、記者発表をして大々的にアピールしようと考えたのでしょう。"開局"を3日後に控えた、2007年12月28日、"CCTVオリンピックチャンネル"の"開局記念記者発表会"は、このチャンネルの男性"看板キャスター"である張斌さん進行のもと、華やかに開催される運びでした。 もちろんこの記者発表会には、オリンピックのメダリストなど著名なスポーツ選手も多く招かれており、それぞれに開局の"祝辞"を述べることになっていたのです。 ところが、進行役である張斌さんの"呼び込み"に応え、内外のジャーナリストが見つめるステージに上ったのは、オリンピック選手ではなく、この張斌さんの奥さんでした。 記者発表会に参加していたジャーナリストの皆さんは、"特別ゲスト"の登場だとでも思ったことでしょう。 というのも、"CCTVオリンピックチャンネル"の看板キャスターである張斌さんの奥さんもまた、"著名な"テレビキャスターだったからです。知的美女である胡紫薇さんは、北京テレビのアナウンサーとしてベスト・キャスターの栄誉を受けたこともある売れっ子"局アナ"でした。北京テレビは"ローカル局"ではありますが、日本の"地方局"の"局アナ"とは比べ物にもならないくらい"全国区"の人気を誇っていたのです。中国では"ローカル局"であっても、"良い"番組は全中国の人民が視聴できる仕組みになっているからです。 ところが、そんな彼女に"不幸"が襲い掛かりました....。 昨年の夏、日本で大きな話題を振りまいた例の『段ボール肉まん』"虚偽報道"の張本人として、中国当局が支配するテレビ番組の表舞台から消されてしまったのです。 2007年7月8日に放送された、胡紫薇さんがプロデューサーとキャスターを務める北京テレビ3チャンネルの人気情報番組『透明度』が、豚肉の代わりに刻み段ボールを加えた肉まん屋さんの"実態"を報道したのです。 その後の顛末については、多くの方がご存知だと思いますので多くは触れませんが、この報道は"やらせ"だったとして、弱い立場のアルバイト・アシスタント・ディレクターが懲役刑を課せられてしまったのです。もちろん、番組は打ち切り、プロデューサー兼キャスターであった胡紫薇さんは北京テレビを追われることになってしまいました。 中国の知人の多くは、いまでも『段ボール肉まん』のレポートは真実であったに違いないと、考えているようですが.....。 テレビ界のメイン・ロードから追われてしまった胡紫薇さんではありましたが、"看板スポーツキャスター"の夫・張斌さんとの"おしどり夫婦"ぶりを時折メディアが追いかけたりしていたわけですから、その夫が司会進行を勤める"晴れ舞台"への登場は、"サプライズ・ゲスト"を思わせたに違いありません。 ところが彼女は、、内外ジャーナリストの前でマイクを奪い取ると、夫の不倫を暴露し始めたのでした....。 「今日は五輪チャンネルと張斌にとって特別な日ですが、わたしにとってもそうです。2時間前にわたしの隣にいる張斌が別の女性と不倫関係を持ったことが分かったからです。」 記者発表会に駆けつけたジャーナリストたちは仰天し、CCTVのスタッフがステージに駆け上がり、胡紫薇さんを引き下ろそうと取り囲みましたが、彼女の"演説"は続きます....。 「いくらオリンピックを開けるような"大国"になったとしても、世界的な価値観を共有することができない以上、"真の大国"になることはできないわよ!!」と夫の不倫が、中国人の価値観の問題へと飛躍するあたりは、まさに"名キャスター"ならではです。 当然のことながら、CCTV側ではこの記者発表会の映像の"発禁"を命じました。ですからテレビや新聞では報道されませんでしたが、瞬く間にニュースサイトなどインターネットで広がり、"土豆網"などの動画投稿サイトには記者発表会の映像までアップロードされてしまいました。 折りしも、『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』が発表されたばかり。"土豆網"など中国の動画投稿サイトは映像の削除に躍起になりましたが、YouTubeの映像まで削除することはできはしません。 『段ボール肉まん』についても、夫の不倫についても、きっと"真実を報道"したハズなのに、空気が読めずに干されてしまった胡紫薇さんは、ほんとに気の毒な美人キャスターだと思います。 #
by pandanokuni
| 2008-01-08 11:54
| 社会ネタ
中国にもYoutubeみたいな投稿型動画サイトがあります。
代表的なものは土豆網(土豆はポテトの意味)や六間房(6 Rooms)など。ネット・ユーザーからの投稿動画だけではなく、自社でも動画コンテンツを集めてアップしたりしています。例えば、六間房(6 Rooms)は香港のフェニックステレビの一部番組を見ることができます。 とは言え、再生回数の多い人気コンテンツはやはりユーザーが勝手にアップしたテレビ番組など。お色気系や日本・韓国などのテレビドラマ、映画なども人気です。どちらも、Youtubeなどの人気をみて中国の若手起業家が始めた"二匹目のどじょう"企業なのですが、現時点でのiReserchのサイト・ランキングでは、六間房が第7位、土豆網が第17位と、いずれも人気サイトとして急成長しています。 中国広播電影電視総局(ラジオ映画テレビ総局)と中国信息産業部(日本で言うと総務省みたいなもの)は12月20日付で『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』を発表しました。20日付け発布なのですが、中国のメディアで報道され始めたのは29日になってからです。 『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』は、中国国内で大衆向けにモバイルを含むインターネットで動画コンテンツを提供するサービス活動に関して適用されます(第2条)。 そして、何と言っても驚きは第7条と第8条。 第7条では、動画コンテンツのプロバイダーは広播電影部門(テレビ局やラジオ局や映画の内容を監督する国家或いは地方政府の機関)から、情報ネットワークで動画コンテンツを放送する"ライセンス"をもらわなければならない、と定めています。 そして第8条によると、その"ライセンス"を申請できるプロバイダーの条件として、法人格を持った国有の独資企業か、国有の株式会社(株式の過半数を国家或いは国家機関が保有する株式会社)で、過去3年間違法行為が無かった組織、と定義しているのです。 つまり、「国有企業でなければ動画コンテンツのサービス・プロバイダーを経営できない」と言っているのです。 前述の通り、土豆網も六間房も私企業で、なおかつ中国国外の投資家の出資も受け入れていますから、この規定が厳密に運用されるなら、"ライセンス"を申請する資格すら無くなりますから、動画投稿サイトというビジネスそのものがNGになってしまいます。 この規定どおりにコトが進めば、中国のネットユーザーは 中国の"国有企業"が提供した動画しか、インターネット経由ではみることができなくなっちゃいます。CCTVとか新華社のサイトで、当局垂れ流しのニュースだけ見ていろ、とでも言うのでしょうか!? まさに"鉄の掟"(iResearch News)といえるでしょう。 このネット規制強化の"鉄の掟"には、中国当局の"権力闘争"が見え隠れしています。 前述の通り『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』は広播電影電視総局と信息産業部(どちらも日本流に言えば"省")の連盟で発表されましたが、動画コンテンツ・プロバイダーの"ライセンス"を発給するのは、広播電影電視総局傘下の地方政府部門です。 従来インターネットは管理しているのは信息産業部です。インターネットのコンテンツ・プロバイダーの"ライセンス"は信息産業部傘下の地方政府部門が発給しています。 ところが動画コンテンツ・サービスについては、広播電影電視総局が"ライセンス"発給の主導権を取った形になりました。ある意味で"反動"と言えます。 そもそも、広播電影電視総局はテレビや映画を管轄するところ。中国のテレビ局やラジオ局は100%国有企業または国有株式会社です。悪名高き、テレビ番組や映画のセンサーシップ(検閲)もこの広播電影電視総局がやっていて、御眼鏡にかなわないコンテンツの放送や上映を拒んでいるのです。 この広播電影電視総局と比べたら、インターネットや通信を管轄する信息産業部のほうは、まだ革新的でした。中国トップ・ポータルサイトの新浪網は私企業ですし、中国国外のNASDAQに上場できているのですから....。 『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』は、これからインターネット上の動画もテレビや映画と同じように取り扱うぞ、 という中国当局の宣言文みたいです。そして、中国では動画サイトはテレビ局と同様の扱いをされようとしているのです....。 お色気系や暴力系など"社会の秩序"を乱すような動画コンテンツの管理などと大義をかざしているかもしれませんが、本音は"報道管制"なんですね....。「ニュースや報道系の動画は、放送番組制作のライセンスが必要」という第9条ではその本音が明らかにされています。 そうそう、『規定』では動画配信できるのは、ライセンスを持つ法人に限ると定めていますから、個人サイトに動画を貼り付けるのもきっとNGになっちゃいますね。中国にお住まいで中国の大衆の皆さん向けに、ご自身のホームページで動画配信しようとされている皆さんは、どうかご注意ください。 さて、この『規定』は2008年1月31日から施行されるそうです。土豆網や六間房は無くなってしまうのでしょうか? でも、ニュースや報道系の動画コンテンツを"自主規制"すれば、エンタメ系コンテンツには目をつぶっちゃってくれるのかもしれません....。"政策あれば対策あり"の中国ですから....。 #
by pandanokuni
| 2007-12-31 22:47
| 社会ネタ
ことしは私にとってわりと良い年だったと思います。
南京陥落65周年も無難に過ぎていきました。 中国経済は相変わらず盛り上がっています。 日本はと言うと、一種の衆愚政治に陥っているのかもしれません。 知人へのクリスマスとお正月のご挨拶に、一度やってみたかったことにトライしました。 ![]() 1966年に発表されたThe Beatlesの名作アルバムのジャケットをいじってみたかったのです。 "アルバム"も"ジャケット"もほとんど死語になってしまいました。 i-Podみたいな音楽の聞き方は、"アルバム"のもつ曲順やコンセプトという概念を破壊してしまいましたし、30cm四方のレコード・ジャケットに施された芸術であるジャケット・アートですら、4インチのLCDの中に閉じ込められてしまうのです。 ![]() 当時のThe Beatlesの意図にできるだけ近づくことができるよう、私が関心をいだいている人物から60数人を抽出して"ジャケット"にご出演いただきました。 地球の存続可能性を保持するため、つまり戦争が起こらず環境ができるだけ悪化しないため、皆さんには頑張ってほしいと願っています。 すてきなクリスマスとお正月を。 #
by pandanokuni
| 2007-12-25 22:10
| ひまネタ
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お知らせ
[China-Japan Organism] 中国/北京関連情報の入口。"かの国"を知って、この国を強くしましょう!!。 [北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地] 北京駐在9年の経験から考え直してみる中国のお仕事。 [北京/東京重ね地図] 北京と東京の地図を同縮尺で重ねてみました。便利ですよ。 ブログパーツ
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