中国にもYoutubeみたいな投稿型動画サイトがあります。
代表的なものは土豆網(土豆はポテトの意味)や六間房(6 Rooms)など。ネット・ユーザーからの投稿動画だけではなく、自社でも動画コンテンツを集めてアップしたりしています。例えば、六間房(6 Rooms)は香港のフェニックステレビの一部番組を見ることができます。 とは言え、再生回数の多い人気コンテンツはやはりユーザーが勝手にアップしたテレビ番組など。お色気系や日本・韓国などのテレビドラマ、映画なども人気です。どちらも、Youtubeなどの人気をみて中国の若手起業家が始めた"二匹目のどじょう"企業なのですが、現時点でのiReserchのサイト・ランキングでは、六間房が第7位、土豆網が第17位と、いずれも人気サイトとして急成長しています。 中国広播電影電視総局(ラジオ映画テレビ総局)と中国信息産業部(日本で言うと総務省みたいなもの)は12月20日付で『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』を発表しました。20日付け発布なのですが、中国のメディアで報道され始めたのは29日になってからです。 『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』は、中国国内で大衆向けにモバイルを含むインターネットで動画コンテンツを提供するサービス活動に関して適用されます(第2条)。 そして、何と言っても驚きは第7条と第8条。 第7条では、動画コンテンツのプロバイダーは広播電影部門(テレビ局やラジオ局や映画の内容を監督する国家或いは地方政府の機関)から、情報ネットワークで動画コンテンツを放送する"ライセンス"をもらわなければならない、と定めています。 そして第8条によると、その"ライセンス"を申請できるプロバイダーの条件として、法人格を持った国有の独資企業か、国有の株式会社(株式の過半数を国家或いは国家機関が保有する株式会社)で、過去3年間違法行為が無かった組織、と定義しているのです。 つまり、「国有企業でなければ動画コンテンツのサービス・プロバイダーを経営できない」と言っているのです。 前述の通り、土豆網も六間房も私企業で、なおかつ中国国外の投資家の出資も受け入れていますから、この規定が厳密に運用されるなら、"ライセンス"を申請する資格すら無くなりますから、動画投稿サイトというビジネスそのものがNGになってしまいます。 この規定どおりにコトが進めば、中国のネットユーザーは 中国の"国有企業"が提供した動画しか、インターネット経由ではみることができなくなっちゃいます。CCTVとか新華社のサイトで、当局垂れ流しのニュースだけ見ていろ、とでも言うのでしょうか!? まさに"鉄の掟"(iResearch News)といえるでしょう。 このネット規制強化の"鉄の掟"には、中国当局の"権力闘争"が見え隠れしています。 前述の通り『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』は広播電影電視総局と信息産業部(どちらも日本流に言えば"省")の連盟で発表されましたが、動画コンテンツ・プロバイダーの"ライセンス"を発給するのは、広播電影電視総局傘下の地方政府部門です。 従来インターネットは管理しているのは信息産業部です。インターネットのコンテンツ・プロバイダーの"ライセンス"は信息産業部傘下の地方政府部門が発給しています。 ところが動画コンテンツ・サービスについては、広播電影電視総局が"ライセンス"発給の主導権を取った形になりました。ある意味で"反動"と言えます。 そもそも、広播電影電視総局はテレビや映画を管轄するところ。中国のテレビ局やラジオ局は100%国有企業または国有株式会社です。悪名高き、テレビ番組や映画のセンサーシップ(検閲)もこの広播電影電視総局がやっていて、御眼鏡にかなわないコンテンツの放送や上映を拒んでいるのです。 この広播電影電視総局と比べたら、インターネットや通信を管轄する信息産業部のほうは、まだ革新的でした。中国トップ・ポータルサイトの新浪網は私企業ですし、中国国外のNASDAQに上場できているのですから....。 『インターネットの動画コンテンツ・サービス管理規定』は、これからインターネット上の動画もテレビや映画と同じように取り扱うぞ、 という中国当局の宣言文みたいです。そして、中国では動画サイトはテレビ局と同様の扱いをされようとしているのです....。 お色気系や暴力系など"社会の秩序"を乱すような動画コンテンツの管理などと大義をかざしているかもしれませんが、本音は"報道管制"なんですね....。「ニュースや報道系の動画は、放送番組制作のライセンスが必要」という第9条ではその本音が明らかにされています。 そうそう、『規定』では動画配信できるのは、ライセンスを持つ法人に限ると定めていますから、個人サイトに動画を貼り付けるのもきっとNGになっちゃいますね。中国にお住まいで中国の大衆の皆さん向けに、ご自身のホームページで動画配信しようとされている皆さんは、どうかご注意ください。 さて、この『規定』は2008年1月31日から施行されるそうです。土豆網や六間房は無くなってしまうのでしょうか? でも、ニュースや報道系の動画コンテンツを"自主規制"すれば、エンタメ系コンテンツには目をつぶっちゃってくれるのかもしれません....。"政策あれば対策あり"の中国ですから....。
by pandanokuni
| 2007-12-31 22:47
| 社会ネタ
|
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