北京市内の道端で売られている肉まんの中身が段ボール紙だった、という話題(SANSPO.COM)は日本でも盛り上がっているようですが、こんなことに驚いていたら、中国とは付き合っていけません。
最近、見聞き、体験した"まがい物"のお話を少し....。 その1。 北京の現地スタッフに、交通警察から突然呼び出しがあったそうです。スピード違反の嫌疑がかけられているらしい...。オービスの写真に映し出されたのは、紛れも無く彼女のクルマのナンバープレートだったそうです。ナンバープレートから"足"がついて呼び出しを喰らったわけです。 ところが、証拠写真をよく見ると、クルマの色も車種も自分のものとはぜんぜん違っていたそうです。当人のクルマは真っ赤なのに、オービスの写真は黒い輸入車だったのです。 つまり、スピード違反したほうのクルマのナンバープレートが"まがい物"だったわけです。 どっちが本物なのか、交通警察と小競り合いはあったものの、何とか彼女のナンバープレートの正当性が証明されて、罰金を払わずに済んだらしいのですが、彼女にしてみれば、いい迷惑、だったでしょう。 いっぽう彼女のナンバープレートをコピーしたクルマは、いまだに平然と走っているわけです.....。 中国、特に都市部ではナンバープレートを取得するのに時間とお金ががかります。特に非正規ルートで輸入されたクルマの場合は、なかなかナンバープレートが取得できないのです。ですから、怪しげなルートでクルマを売る業者さんは、偽物ナンバープレートをサービスしてくれるようです。 その2。 日本では、豚肉から牛ひき肉を作り出したお肉屋さんが世論の集中砲火を浴び、遂には廃業とのことですが、北京では豚肉を羊肉だと言って提供しているレストランがあります。去年あたりから、中国国内では報道されていたのですが、遂に私も"まがい物"羊肉を食する機会を得ました。 北京の人たちは羊のお肉をよく食べます。しゃぶしゃぶも羊ですし、炒め物やラーメンのスープにも羊を使います。そして最もポピュラーなのは、焼き鳥ならぬ焼き羊、つまり羊の串焼き(羊肉串)でしょう。この季節、ビールのお供には最高です。 北京の日本人居住地から程近い女人街のとある小汚い食堂で、その羊肉串を注文したところ、どうも羊肉の食感と違う感じだったのです。まぁ羊肉串はお肉の新鮮度や厚み(大きさ)、脂分の比率、スパイスの配合などによって、"当たり外れ"があるので、ここはちょっとハズしたな、くらいに思っていたのですが、さすがモノゴトを曖昧にしない中国人、同席した現地の知人が、食堂のオヤジに、「これは"まがい物"だろう」と問いただしたのです。すると、そのオヤジはあっさりと、"まがい物"であることを認めてしまいました。知人が更に文句を言うと、1串2RMB(約35円)の串焼きを1.5RMB(約25円)にまけるから勘弁しろ、ということになったのです....。 まぁ、原材料が段ボールで無かっただけラッキーと言わざるを得ません。 北京では羊肉は豚肉の2倍くらいのお値段で取引されているそうです。安い豚肉を羊の脂に浸して冷凍すると、"まがい物"の羊肉ができるそうです。怪しげな食品添加物で風味を調製することもあるらしいです。ニュースサイトを検索してみると、まがい物羊肉の製造場所がしばしば摘発されているようですが(4月12日付『新京報』など)、なかなか無くならないんですね.....。 日本でもミートホープの摘発を尻目に、ウチはバレ無いと平気でまがい物牛ひき肉を製造している工場があるのかもしれませんが.....。 その3。 羊ではなくて、牛丸ごと一頭の"まがい物"も出没しているそうです。牛は牛でも牛乳を搾れるホルスタイン(乳牛)。 これはNHK-BS1のBSドキュメンタリー『“牛乳王”をめざせ~中国・沸騰する酪農ビジネス~』(7月7日放送)で視たお話です。 中国の内モンゴルあたりでは、ちょっとした牛乳バブルに沸いています。中国全土で牛乳の需要が急増しているからです。「牛乳に相談だ。」などと相談した人がいたとしても、何万リットルもの牛乳を廃棄処分にしている日本とは大違いなのです。 ですから、羊や馬などと自給自足の遊牧生活をしていたモンゴル族の方々も、現金収入が得られるホルスタインを飼って牛乳を搾ることになっているのです。 とある遊牧民の一人も、牛乳バブルにあやかろうと、大枚叩いておっぱいの大きそうな乳牛(ホルスタイン)を購入したのですが、いつまで経ってもおっぱいが出てこないのです..... 調べてみると、その牛のおっぱいはシリコン"で豊胸"したもので、ホルスタイン独特の白黒の斑も、ペンキで塗り分けたものだったことが発覚!! その遊牧民は、"まがい物"のホルスタインを掴まされたのでした。 まとめ。 ナンバープレートにしても、羊肉にしても、ホルスタインにしても、そんな手間かけるくらいなら、ホンモノのほうが安くつくのではないか、と思うのですが、そこはさすがに中国。"手間"はコストと認識しない世界が残っているのでしょう。 著名ブランドのカバンやお財布、化粧品にシャンプー、日本ブランドのお菓子やウーロン茶、このあたりの"まがい物"はときどき日本のメディアでも半分ヒマネタで取り上げているようですが、大学の卒業証書から運転免許証、警察官からポータルサイト、テレビ番組からホテルチェーンに至るまで、日本では信じられないような"まがい物"が平気で流通しているお国ですから、"まがい物"を掴まされたときは、諦めるしかないでしょう。 ただ、著名ブランド品や外国映画のDVDなどの"まがい物"は、日本人を含む外国人が意識的に"上顧客"になって広がっていることにも、留意しておくべきでしょう。
by pandanokuni
| 2007-07-12 02:09
| 社会ネタ
|
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