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乱射事件の犯人は中国人??中国人も自虐的!?
4月17日の朝、出張先・北京のホテルで見たテレビニュースで、米バージニア工科大学乱射事件のことを知りました。CNNとかNHKワールドでは、犯人も自殺した模様、としか報道していませんでした。
ところが、オフィスに行くと、北京の現地スタッフが、「アメリカの大学の乱射事件のこと知ってますか?犯人は中国人みたいですよ。」と言うのです。さもありなん、とは思いつつ、何で?と尋ねると、すでにネットでそのように報道されているらしい....。

あとで調べてみると、北京時間4月17日午前9時の時点で、中国の複数のニュースサイトのが、"犯人=中国人留学生説"を報道したようです。アメリカの捜査当局が、"犯人と思われる東洋系の学生は自殺した"と発表した直後のことでしょう。
捜査当局によると、犯人は留学ビザでアメリカに渡航した24歳の中国人で、ビザは上海のアメリカ領事館が発行した模様。現在、出国記録を照合中.....なんてニュースが、中国を駆け巡ったのです。
中国青年報によると、"犯人=中国人留学生説"を最初に報道したのは、中国新聞網(中新網)/だったようです。
そして、捜査当局により韓国人犯人説が発表された4月17日夜10時まで、中国のニュースサイトでは「史上最悪」「大学内大虐殺」「中国人留学生」「どうなる中米関係」などなど、センセーショナルなニュースが掲載されていきました。

まぁ一部の日本人は凶悪事件が発生して犯人が中国人だったりすると、さもありなん、と感じたりするのですが、意外に中国人自身もそうだったりするのかぁ、などと思ってしまいました。日本人は過去の歴史などで中国人などに対して自虐的だなどとおっしゃる方もいらっしゃいますが、その中国人も自虐的だったりするのかぁ、と。

ところが、"犯人=中国人留学生説"は、一部のニュースサイトによるページ・ビュー(閲読数)を増やすための策略だった、らしいのです。
中国にはたくさんのニュースサイトがあり、主として広告収入により運営されています。ページ・ビュー(閲読数)が多いサイトほど、広告は高く売れるわけです。ですから、センセーショナルなニュースを掲載して、読者を集めよう、と言う魂胆との批判が始まったのです。
結局、"犯人=中国人留学生説"は、誤報(というよりはでっち上げ)だったわけで、「クリック数より信頼こそ大事」(光明日報のサイト)などと、非ネット系のメディアが一斉に批難を始めました。"中華人民共和国電信条例"まで持ち出して、「ネットメディアも社会的・法律的責任を全うしなければならない」、「嘘つきニュースで人々は憤慨」(人民網=中国青年報の引用)などと、ニュースサイトに押され発行部数を落としている新聞系メディアはここぞとばかりの反撃です。

ちなみに4月17日午前"、犯人=中国人留学生説"がニュースサイトに掲載されるや、ケータイのショートメールのトラフィックも増大したそうです。たくさんの中国人がこの"嘘つきニュース"を友達などに転送したのでしょう。もしかしたら、ケータイ・キャリアもグルだったのかなぁ....
まわりの中国人に聞く限り、「ええっ、まさか中国人がぁ...」と言う気持ちよりも、「あいやー、やっぱ中国人かぁ」と言う気持ちで受け取った人が多かったようです。
そうした、中国人の自虐的性格を利用したニュースサイトとケータイ・キャリアによるトラフィック拡大作戦だったのかもしれません.....。
by pandanokuni | 2007-04-20 19:41 | 社会ネタ
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