首相の靖国参拝。最後だから/一回だけなら、まいっかぁ? でも....
日本人であっても、靖国神社について、正確に説明できる人は少ないのではないでしょうか?
東京に住んでいた頃、何度かお参りに行きました。過去の戦争で日本のために亡くなられた方を悼む気持ちというより、自分や家族が幸せで仕事がうまく行きますように、と祈っていたのだと思います。その頃の私にとって、靖国神社は明治神宮や護国神社や天神さまやお稲荷さまと、大きな違いはありませんでした。

中国で仕事をするようになって、靖国神社について、少し知っておく必要を感じました。靖国神社のウェブサイトを何度も訪ねました(現時点で私の接続環境からは繋がりません...。たぶん当局が"アク禁"してるのかもしれません。アク禁しないほうが、当局にとっても良いのではと思うのですが....。)小林よしのりさんを皮切りに、三浦朱門さん、上坂冬子さん、高橋哲哉さんの書かれた書物を読んだりしました。出張で東京に戻ったのときに、遊就館を見学することもできました。
必要が生じたときは、中国の人たちに、できるだけ客観的に靖国神社のことを説明してきたつもりです。

小泉さんが公約を守るために、最後のチャンスである8月15日の靖国神社にお参りに行くとか、靖国参拝を支持する安倍さんが次期首相に当確だとか、なかなか思惑通りにならない日本の状況に、中国当局の混乱と焦りが垣間見られます。

次期首相候補の官房長官・安倍さんの靖国参拝が発覚すると、中国外務省スポークス・パーソンの秦剛さんは、8月4日、
日本の指導者は第2次世界大戦のA級戦犯が祀られている靖国神社参拝を止めて、日中関係の正常な発展を阻害する政治的障壁を取り除く実際の行動をとることが、両国国民共同の願いであり、両国の基本的利益に適うものです。日本と中国が一つの方向で、両国関係を一日も早く正常な発展の軌道に戻るよう希望します。
というコメントを出しました。両国国民ってとこが、いいですねぇ....。

8月10日は中国全土で、"感情的な嫌日家"とも言える江沢民さんの論文や演説などを集めた『江沢民文選』が発売され、CCTVの19時のニュース『新聞聯播』ではトップで取り上げ、全国の書店で平積みされる光景や工事現場の労働者までが待ちに待ったとばかりに読みふけるシーンなどが紹介されました。この書物の中で、江沢民さんは日本に対して「歴史問題、永遠に言い続けよ」と言っているそうです(Yomiuri Online)。

8月13日、共同通信は複数の日中、日韓関係筋からの情報として、中国と韓国が首相の靖国参拝を1回に限り容認すると言うニュースを配信しました(gooニュースの転載記事)。

"火の無いところに煙は立たない"ということを信じれば、中国の指導者の一部はきっとこのような考えを持っているのでしょう。安倍さんが日本の首相になる可能性が高い現状で、「いつまでも"靖国問題"に固執していては中国にとってマイナスの影響が大きい。」などと冷静に考えている人たちだって居るってことでしょう。

ところが、と言うか、当然と言うか、中国外務省は即座に共同通信の報道を否定しました。
共同通信の中国側が日本の「次期首相の靖国神社参拝を一回限り容認する意向」の報道はまったく事実無根である。
中国側は日本の指導者が第2次大戦のA級戦犯が合祀されている靖国神社参拝問題における立場は明確的で、いささかも変わっていない。われわれは中日関係の正常な発展を阻害する政治的障害を一日も早く取り除かれ、中日両国関係が正常な発展の軌道に戻るよう希望する。
このコメントは、在日本中国大使館のウェブサイトに掲載されましたが、私が調べた限り8月14日の時点で中国外務省のウェブサイトをはじめ、中国国内メディアでは報道されていないようです。

もちろん、新華社通信のウェブサイト「新華網」は、「日本はまだ民主主義国家なのか」と言う環球時報の記事を引用し、「小泉さんの靖国参拝は日中関係を阻害する」と言う"鬼"の文字入りバナー付き(ただし、中国語の"鬼"には亡霊の意味もあります)の特集ページを用意して、小泉さんの参拝を警戒しています。
私はかの国に"民主主義国家か"などと問われたく無い日本人の一人ですが、日本の世論調査の結果の多くが、小泉さんの靖国参拝に"反対"が"賛成"の割合より多いようですから、ちょいとハッとする見出しではあります。

さて日本では、独自の文化だから、風習だから、心の問題だから、よその国に説明する必要も、どうこう言われる筋合いも無い、とおっしゃっている方々がたくさんいらっしゃるようです。

例えば、教育方針から子どもを学校に通わせない親がいるとします。学校にも来ず、外でも見かけない子どもを心配して、ご近所の人たちや学校の先生や、或いは教員委員や民生委員が、このお家を訪ね、親に説明を求めるでしょう、日本は良い国ですから....。この時、「ウチの教育方針だから、家庭の問題だから、自分の子どものことだから、干渉しないで欲しい、放っておいて欲しい」と何の説明もせずに追い返したとしたら、いかがなものでしょう?
もし、この親が信念を以って自分の子どもに独自の教育を施しているのであれば、しっかり説明してご近所や学校の先生を安心させるほうが良いのではないでしょうか。親の義務として学校に通わせるべきだ、とか、子どもが可哀相だ、とか批難する人たちがいたとしても、彼らが納得するまで説明したほうが良いのではないでしょうか?さもなくば、子どもを虐待しているのではないか、とか、あの家庭はヘンだとか、思われて、コミュニティから相手にされなくなるでしょう。町内会の寄り合いで、尤もらしい意見を述べても、聞き入れてもらえなくなっちゃうのではないでしょうか?

ご近所が関心を持っていることなのですから、引きこもるのは良くないと思います。もっと丁寧に説明したほうが良いと思います。共同通信の勇み足報道が示唆するように、きっと根回しだって不可能では無いように思えるのですがね....。
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by pandanokuni | 2006-08-14 23:04 | 政治ネタ
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