稼ぎまくった外貨を大盤振る舞いでばら撒きに行ったのに、胡錦濤さんの内心は穏やかではなさそうです。
まず、ホワイトハウスでの歓迎式典で国歌を演奏する際、国の名称を紹介する男性アナウンスが"Republic of China"とやってしまいました。 ご存知の通り、胡錦濤さんが率いる(操られている)中華人民共和国は"People's Republic of China"です。"Republic of China"は中華民国、つまり台湾を表わします。 中国で稼ぐ外国企業にとって、"Republic of China"と言う言葉は"禁句"です。とりわけ中国のお役所とやり取りするときには注意が必要で、台湾は"Taiwan"と表現しなければなりません。うっかりしても"Republic of China"とか"ROC"とか使っちゃいけないのです。 身近なモノから探してみてください...."Made in China" とか "Made in PRC" とか "Made in Taiwan"と書かれた商品はすぐに見つかると思いますが、"Made in ROC" とか "Made in Republic of China" などと書かれた商品はそう簡単には見つからないはずです。かつて日本の大手メーカーが台湾で生産した商品に"Made in ROC"と記載して、中国当局にえらく苛められたことがありました。ですから、中国で稼ごうと思うなら "Republic of China" は使わないほうが賢明なのです。"自主規制"です。 もっとも、 "Republic of China"(中華民国)を承認している国家はエルサルバドルやセネガルなどアフリカ、中南米の20数カ国のみで、アメリカや日本など多くの国家にとって存在しない国家の名称であるとも言えるのですが....。 スピーチを前にして緊張気味の胡錦濤さんには、軽いジョブ攻撃になったようで、国家演奏を聞く表情もどこと無く冴えませんでした。 お次は、胡錦濤さんのスピーチの最中の小憎らしい演出。スピーチが始まって間もなくのことでした.... 「21世紀の中米の建設的な協力関係を全面的に推進していきたいと思います。」と中国語で言い終えて、英語の通訳が始まったとき、メディアの取材エリア最後方のカメラの中から女性の叫び声が聞こえ始めます。スピーチしている胡錦濤さんのほうを向いていたブッシュさんも、顔を正面に廻し、叫び声の主を探している様子。英語の通訳が終わっても、叫び声はおさまりません。胡錦濤さんの表情は幾分引きつりましたが、傍にひかえるブッシュさんに促され、気を取り直して次のパラグラフのスピーチを再開します。それまで流暢だった胡錦濤さんのスピーチは、センテンスごとに原稿に目を落とし、声もちょっと震え気味、と冴えない感じになってしまいました。 叫び声は約1分30秒続きます。胡錦濤さんのスピーチに向いていたテレビカメラの一部は、叫び声を挙げている中年の東洋系女性のほうにパンします。その後、叫び声の主はセキュリティ・サービスやガードマンではなく、隣に居た東洋系のテレビカメラマンに口を塞がれそうになり、促されて引っ込んでいきます。最後はガードマンに連れて行かれたみたいですが....この間、2分近くの白熱の演技は、CNNやFOXニュースの映像で全世界に生中継されたので(YouTubeにアップされたCNNの映像)。 歓迎式典が行われたのはホワイトハウスの敷地内ですから、フツーの人はまず入れません。叫び声の主は王文さんと言う方で、中国では非合法な団体になっている"気功集団"『法輪功』系の新聞『大紀元時報』の臨時記者章を持っていたそうです(Sankei Web:『大紀元』ネット版では王文怡さんとなっています)。CNNの音声から私は聞き取ることができませんでしたが、「胡主席、あなたに残された日はもうわずかだ。ブッシュ大統領、法輪功への迫害をやめさせてください」と、中国語と英語で叫んでいたのだそうです。 歓迎式典でのこの二つの出来事は、予期せぬハプニングとして処理され、ブッシュ大統領は会談に入ったあと、胡氏に対して「不幸な出来事だった。残念に思う」と遺憾の意を示した(asahi.com)そうですし(これはアナウンス間違いに対しての遺憾の意とのことらしいですが)、『大紀元時報』もホワイトハウスや国務省に謝罪したらしいです(王文怡さんはほんとうに『大紀元時報』の記者だったわけです)。ブッシュさんは、ほんとにハプニングだったのだと思っているのでしょう。 まぁ、最初の一件はほんとうにハプニングだったのかもしれません。オリンピックの表彰式で国旗や国歌を間違えることもあるくらいですから、日本人以外のほとんどの地球人は正確性をさほど重視してません。アナウンサーが緊張のあまり"People's"を読み忘れたのかもしれません。 とは言え、原稿に意図的な細工がしてあった可能性も否定はできないですね。 でも、第二の出来事のほうは、少なくとも未必の故意と言えるのではないでしょうか。"民主主義と自由の国"などと自慢しながら、そうでも無さそうなアメリカのことです。記者章の申請だって、"自由に"拒否しちゃうお国柄でしょうから、『大紀元時報』の取材をお断りすることもできたはずです。そうまでしなくとも、ホワイトハウスにしょっちゅう出入りするようなメディアでは無さそうな『大紀元時報』の王文怡さんなる記者の人物照会くらいすることはできたと思います。 飛行機に乗り込むときにあれだけ面倒なチェックをするくせに、報道機関の所属と言うだけで大統領のお膝元にラクラクと乗り込めるなんて不思議な話です。防げたのに防がなかった"911"みたいです。 こんな気の利いた演出を考え出したのは、少なくともブッシュさんでは無いでしょう。ホワイトハウスの嫌中派あたりが筋書きを作ったのではないでしょうか。 いや、もしかしたら江沢民さんの仲良しグループあたりが中国からディレクションしていたのかも知れません。なにせ叫んだセリフが「胡主席、あなたに残された日はもうわずかだ。」ですから....。 さて残念ながら夕べは夜遊びしていたので、CCTV(中国中央電視台)あたりがこの記念式典が"ほぼ"生中継で放映していたのか確認できておりません。でも生中継で放映していたとしても、"ほぼ"生中継ですから、こんなお恥ずかしいハプニングも大多数の中国人民には気づかれずに済んでいるはずです。 きょうのCCTV夜7時のニュース(新聞聯播)ではしっかりトップ扱いで、華やかな記念式典を伝えておりました。"叫び声"のことはもちろんスルーです。 スピーチは順番を編集して「このたびブッシュさんの熱烈なご招待に応え、貴国を訪問することができ、たいへん嬉しく思います」から始め、叫び声の直前のことば「21世紀の中米の建設的な協力関係を全面的に推進していきたいと思います。」でしっかり映像は終わっていま(CCTV.com)。 現時点で新華社のサイトは、歓迎式典での胡錦濤さんのスピーチ全文をアップしていません。その代わり、歓迎式典の後に開催された晩餐会(胡錦濤さんは国賓ではないので、ブッシュさんは晩餐会を主催しませんでした。代わりにアメリカの友好12団体が主催した晩餐会です。)でのスピーチを全文掲載しているのです(新華網)。政府公式行事での国家元首のスピーチではなく、民間団体主催行事のスピーチのほうを全文(?)掲載するなんて、中国では異例のことですから、"叫び声"演出による"公式映像の欠如"がビミョーに影響しているのでしょう。 とは言え、新華網に掲載されている「アメリカの友好団体主催晩餐会でのスピーチ(全文)」は、歓迎式典でのスピーチとほとんど同じ内容です。 アメリカから帰ったらいよいよボクがほんとうの主役になれるんだ、と期待していた胡錦濤さんでしたでしょうに、アメリカの(?)気の利いた演出のおかげで、引き続き身内から足を引っ張られかねない雰囲気です。もう北京に帰りたくない、って思っているかも知れません.... ところで昨日私は、米中首脳会談で日中関係について話題にのぼるかどうか、知人と賭けをしました。 (a)ブッシュさんが胡錦濤さんに「もうそろそろ小泉くんに会ってあげてよ」とお願いする (b)胡錦濤さんがブッシュさんに「頑固な小泉さんを何とかしてよ」とお願いする (c)ふたりとも、小泉さん(日本)のお話をスルー 私は(c)に100RMB賭けたのですが、どうも当ててしまったようです。 ホワイトハウス当局者の記者説明によると、一部で議題化が取りざたされた日中関係については、米中首脳会談で取り上げられなかった。(Sankei Web) ご愁傷様でした。 胡錦濤さんとブッシュさんの"にこやかな"ツーショットの横には、神主に率いられて靖国神社を参拝する96名の国会議員の集合写真、更には「日本の侵略野心が露呈された by 韓国」の記事。中国の新聞やニュースサイトを見ていると、日本は何だかスゴイ状況に陥っているように思えてしまいます。
by pandanokuni
| 2006-04-22 01:03
| 政治ネタ
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