中国の知的所有権に対する意識なんてこんなもんです、と言う好例をご紹介しましょう。
とある地方都市で開催された「中国○○国際展示会」。中国では大都市でも地方都市でも展示会や見本市がいまだに盛んに開催されていますが、タイトルに正式に「中国」と掲げることができるのは、中国の国家クラスのお役所が主催団体に名を連ねることが条件となります。この国際展示会も中国商務部("部"は日本の"省"に該当しますから、"商務部"は日本で言うと"経済産業省"の一部の機能を持つお役所になります)。が主催団体の最初に名を連ねています。 この展示会の開幕式は、10月12日午前9:00に始まる予定でしたが、舞台の貴賓席に主催団体のVIPなどが並び始めたのが定刻を15分ほど過ぎてからでした。冒頭司会者が「神舟6号の打上げは、ただいま無事成功しました」と始めたので、政府のお偉い方は、観衆を待たせて控え室でテレビ中継に注目していたのでしょう...."国際展示会"と言うくらいですから、海外15カ国から出展者があり、開幕式には外国からのお客さんもかなり出席していました。 さて、開幕式の会場の座席には、一人1セットずつ、展示会の案内チラシとミネラルウォーター、さらに屋外での開催に気を配ったのか、ご丁寧にキャップ(帽子)まで用意されています。中国の観光地で団体ツアーの人たちが被らされている例の安っぽいキャップです。座席のブロックごとに色が違っていて、私の座席には赤いキャップが用意されていました。キャップのフロントには、NIKEのロゴマークとそっくりの刺繍がほどこされています。 でもこのキャップ誰がどう見ても、本物のNIKEではなさそうです。陽射しが強いせいもあって、開幕式に出席したお客さんは中国人も欧米人も喜んで、この偽物キャップを被っています。 開幕式では、中国の経済産業省とも言える商務部の副部長や知的所有権問題で外国からの矢面に立たされている国家貿易促進委員会のお偉いさん、そしてこの"省"の"知事"までが挨拶していました。千人近い観衆は皆、そうした主催者から配布された偽物NIKEのキャップを被っているのです.... 中国において知的所有権問題を抱えている外国企業も出展している"国際展示会"で主催者側が平気で偽物NIKEキャップを配っていたわけですが、私の見る限り、誰もイチャモンをつけることも無く、第1日は大成功だったようです。 まぁ、アパレル関係の展示会では無かったのが良かったのかもしれません。
by pandanokuni
| 2005-10-14 19:10
| 社会ネタ
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