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"文明国家"を襲ったハリケーン。中国の"天災"との比較。
きょうの北京は久々に雲ひとつ無い青空に恵まれました。ことしの北京は例年と違い曇りの日や雨が多く、カラリと乾燥する夏場ですらじめーっと湿度が高い日々が続きました。北京の砂漠化を防ぐために、当局がウルトラCでも用いたのではないだろうか、と思うくらい変な天気が続いたのです。

黄河以北が砂漠化の危機に曝されているのとは裏腹に、揚子江上流から中流域では毎年のように洪水被害に襲われています。ことしは98年の大水害に次ぐひどさだということです。
中国全土の水害による被害は、今年これまでに死者1,024人、行方不明者293人、直接的な経済損出は1,028億RMBに及んでいるそうです((新華通信ネットジャパン)。今年は台風がやってきた沿岸部での被害が特に大きいのが特徴のようです。中国のテレビニュースを視ていると、連日のように洪水の被害や復興のために頑張る(?)当局者の姿が出てきます。

もちろん、当局から発表された被害状況が真実を表わしているのかは定かではありません。ただ中国ではこうした災害が発生すると、メディアなどを通じて人民の不安を取り除くようにしています。例えば、被害視察する国家指導者、復興に向けて動き出した住民のインタビュー、懸命に働く解放軍の姿などをお手製のメディアなどを通して、被災者だけではなく広く人民に伝えるわけです。こうした取組みによって復興への意識は意外と高まるでしょうし、略奪や暴動などの"二次災害"もある程度抑制されているのではないかと、思ったりします。ストレートに言えば、天災として片付いてしまうわけです。

アメリカ南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」の被害は、私の想像を絶する規模になりそうな感じです。死者は数千人、避難民は数100万人にのぼるという報道もあり、直接的な人的・物的被害は甚大なようです。それ以上に驚かされたのが、略奪や強姦などが横行していること。ニューオーリンズは無法地帯と化してしまい、警察官まで職場を放棄し、支援活動すらできない事態になっている、との報道さえあります(Asahi.com)
いかに南部とは言え、文明国家アメリカでは無いですか。これが中国やインドでの出来事でしたら、またか、と通り過ぎる日本人が多いような気がします。

スマトラ沖の大津波のように、予報システムが完備されていない地域で起きた災害ならいざ知らず、「カトリーナ」はフロリダ州でひと暴れしていたワケで、進路だって予測されていたわけです。避難命令も出されていたようで、突然やってくる地震や津波とはワケが違うはずです。自然災害ではありますが、"人災"の要素が相当強そうです。
一応"自由の国"ですから、一部メディアでは既にブッシュさんを批判する論調も出てくるでしょう。イラクなどに州兵を派遣しているから、国内の治安も守れない云々....「ブッシュは嘘つき、何もしてくれない」と叫んでいるオバさんがNHKニュースで流れていました。
中国ではもちろんNGワードになりますけど、多くの人民は体制を批判しても復興が早まるわけではないことをわかっていますから...

"911”で少なくとも2,749人の犠牲者の報復のため、莫大な国家予算を投じアフガニスタンに侵攻し、イラク戦争まで敢行したブッシュさん。「カトリーナ」へどのように報復するのでしょうか。"自由の文明国家"では天災としては片付かない問題のようですから....
by pandanokuni | 2005-09-02 21:13 | 政治ネタ
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