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こんどはウナギですかぁ...食の安全はお金で買おう。
有害の合成抗菌剤が検出され、シンガポール政府は中国産ウナギと加工製品の輸入を禁止したそうです(22日に時事通信Webや毎日Webが速報を掲載しましたが、その後リンクが切れています)。アメリカのカリフォルニア州では中国産ウナギの回収を始めたとか(yahoo-Hong Kong)、この騒ぎが香港やマカオにも広がったとか(Serchina)、何だかたいへんな状況です。
中国産ウナギをいちばんご贔屓にしていそうな日本ではどうなのか調べてみると、合成殺菌剤が検出されたことを8月4日時点で厚生労働省が発表し、輸入業者に自主検査を指示していたようです(gooニュース)。
でも、中国在住の私が知る限り、日本国内の報道で大きく取り上げられたような感じは受けませんでした。最大需要期である土用の丑の日(今年は7月28日だったのかな?)を過ぎてからの"公式発表"は、日本の業界団体や消費者にまで配慮した"日本官僚的"対応だったニオイすら感じてしまいます。
日本在住の皆さんに、中国産ウナギについて、8月4日以降、日本国内でどんな風に取り上げられたのか、教えていただきたいくらいです。

ブタの病気は終息宣言が出されたようですが(Searchina)、食の安全については不安が広がるばかりです。

中国製ビールのホルムアルデヒドの問題は、言いだしっぺの新聞社を中央宣伝部が懲らしめると言う、中国らしい方法で終結しつつありますが(Searchina)、聞くところによると、中国のローカルビールの中には防腐剤としてホルムアルデヒドを使用していたところがあるらしく、これに代わる防腐剤のコストが高いので使ってしまっていたとの話。ウナギにおける禁止物質の使用も、もしホントだとするとコストを一層下げるために使っていたのでしょう。

日本では国産ウナギが高いから中国産ウナギが浸透したわけです。いくらい中国の人件費が安いからといっても、労働集約型の工業生産物ならいざ知らず、ウナギの養殖にどれくらい人件費の安さが貢献するのかは疑問です。コストは人件費がすべてではありません。日本の食品衛生水準に適った処理をするにはそれなりのコストがかかるでしょう。さらに食品加工というプロセスが加われば、人件費の安さだけではコストを大幅に下げることは難しくなるでしょう。野菜や果物にしても、肥料や農薬など、安全性が高ければ高いほどコストも高くつきます。養鶏や養豚だってそうです。

ですから、安いということは危険を伴うこと、だと最初から頭に入れておくのが良いのではないでしょうか。(中国で暮らすと実感します。特に夜の世界では....)

これは何も中国に限ったことではないと思います。
アメリカの牛肉は、どう考えても現状の日本の安全基準をクリアすることができないのです(「日本はこのまま米国産牛肉を受け入れていいのか」(神保哲夫氏=rice showerさんの紹介による))。日本の要求をクリアすれば、コストが高くなって、日本の国産牛肉と同じくらいの値段になってしまうので、アメリカの牛肉が売れなくなります。ですから、最初っから日本の要求を呑む必要が無いわけです。

中国産のウナギにしても野菜にしても、国産のものと値段が同じならば、売れなくなるでしょう。日本国民は国産モノを求めるかもしれません。でも日本だけでは、需要を満たすだけの生産力が無くなってしまっています。将来的には、安いということで中国など外国産の食品を選ぶのではなくなるでしょう。食の安全はお金で買うしか無いでしょう。日本国内産だけでは足りないのですから....
by pandanokuni | 2005-08-22 22:48 | 社会ネタ
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