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ビール飲みますか? 人間やめますか?
中国で製造されているビールの95%にホルムアルデヒドが使用されているという報道は、中国国内でも物議をかもしだしています。

7月5日付けの「環球時報」という新聞がビールメーカー以外の研究所で働いている読者からの投稿として紹介し、ビール業界の関係者がそれを認めたことで、一気に火がついたようです。

恐らく日本で想像する以上に、中国人の"消費者意識"は強力です。買った商品に不都合があると、バンバン文句をつけます。毎年3月15日の「消費者デイ」を挟んでの「消費者週間」の頃には、中国企業はいろいろ対策を練りつつもドキドキしています。
マスコミも遠慮なく"不都合な"製品やサービスのことを叩きのめします。このあたりは大手広告代理店がもみ消し工作を行う日本などとは大違いで、大広告主だからといっても容赦しない場合がほとんどです。政府や党や軍部など"その筋"からの圧力には脆いのですが....

「環球時報」の記事を後追いする形で、中国のマスメディアが一斉に騒ぎ始め、大手ビールメーカーに取材が殺到しました。青島ビールや燕京ビールでは、もちろん報道を否定したのですが、歯切れが悪い対応だったようで、疑いが収まらなかったようです。こうしているうちに日本や韓国にも問題が波及して、中国産のビールの販売を自粛する動きになったようです。

この問題、いよいよ昨日あたりから、いよいよ"その筋"が収拾に動き出した様子です。
7月14日にようやく業界団体が報道を否定する声明を発表しました。
7月15日付けの「第一財経日報」は、"言いだしっぺ"の「環球時報」の報道を批難する記事を掲載しました。
「環球時報」はどちらかと言うと"その筋"の評判がよろしくないメディアで、「第一財経日報」のほうは"その筋"の影響力が強く及ぶメディアだというのも、中国の"分かりやすい点"ではあります....
そして遂に"その筋"の大御所「国家質量監督検験検疫総局」(食品検査部門)のご登場!「中国産ビールのホルムアルデヒドの含有量はWHOが定める基準を下回っており、安全なので、安心して飲んでください」(千龍網)という声明が発表されました。

いまではこの"デマ報道"の責任を問うような方向になっています。
さっそく新華社が"デマ報道"の責任を強く問うような姿勢の記事の配信を始めました。
この"デマ報道"は株価にも悪い影響を与えてしまったし(公安網)、中国の国際的イメージも悪くしてしまったので、「その責任は重い」というわけです。
"長いものに巻かれる"中国メディアは「韓国や日本の皆さん、ビールの検査大歓迎です! 中国はビビったりしません!」などという記事(科技網=中国青年報からの転載)まで出し始めました。

"その筋"がここまで熱心に大々的にやり出すと、余計"胡散臭さ"を感じてしまいます。
そもそもホルムアルデヒドって何なのかと調べたら、要はホルマリン(37%以上の濃度のホルムアルデヒドの水溶液を言うようです)のようです。日本ではシックハウスの元凶としてメジャー・デビューしたようですが、食品に対しても防腐剤としての効能があるとのこと。WHOの下部機関から"発がん性"を指摘されているのも事実のようです(「ホルムアルデヒドの話」で美しく解説しています)。

中国でビールを飲むと、たまに「クスリっぽい匂い」を感じることがありますが、やはりホルムアルデヒドなのでしょうか?いやホルムアルデヒドで無いにしても、別の有害物質が混入されている可能性は充分あるかもしれません....

とは言え、ビールはやめられません!! どうせ肝臓でアセドアルデヒドに変わるんだから(ホルムアルデヒドとは兄弟みたいだけど、危険性は全然違うようなので、まぁどちらもご注意ください)........
今後北京で催される日本人同士の酒宴がちょっと楽しみです、中国産のビールは遠慮されてしまうのでしょうか?
by pandanokuni | 2005-07-15 17:24 | 社会ネタ
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