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出国審査官の「こんにちは!」
中国は"五一"(メイデイ)の連休を5月1日から7日までと"行政指導"しています。7日間連続の連休と言うわけですが、4月30日(土)と5月8日(日)は、振替出勤日という"行政指導"ですから、土日を除けば実質3日のお休みと言うことになります。
私は、中国の取引先の来日などもあって、4月28日に日本に戻りました。

4月28日は8時台の便で東京に戻るため、チェックインを済ませ、ボーダー・コントロール(出国審査)に並んでいました。北京首都空港の出国審査は"櫛形"行列になっていて、比較的待ち時間も少なくなっています。ちなみに、入国審査のほうは、外国パスポートであっても「中国公民」の通路に並んでも問題なく入国審査してくれます。成田に戻って、外国パスポート所持者のほうにだけ長い行列ができているのを見ると、ちょっと申し訳なく思ってしまいます。

さて、北京首都空港の出国審査で、前に並んでいた日本人老夫婦の奥様のほうが私に声を掛けてきました。
「あのぅ、すみません。日本人の方ですかぁ....」
菊の紋章の日本国パスポートを誰にでも分かるように持っていた私なのに、きっと"中国人化"してしまって見えたのでしょうか?ちょっとショックでしたが、わたしは"しっかりした"日本語で応対して差しあげました。
そのご夫婦は「出国カード」の記入内容について、私に確認したかったようでしたが、サイン(署名)と日付欄以外の部分は、既にきれいにタイプ打ちされて記入済みでした。パッケージツアーで北京に観光に来られたご夫婦のようでしたが、さすが日本の旅行代理店の手配だけあって、出国カードの記入もしてくれているんだなぁ、と感心してしまいました。
「ここにサインときょうの日付を書き込めば、大丈夫なはずです」というほんの短い会話があって、あとはお互い無言のまま出国審査の順番を待っていました。

"櫛形"行列なので、ボーダー・コントロールのところで、ご主人は右奥のほうに通されました。次いで、奥さんのほうが行列の正面のカウンターに通されました。私は真後ろで奥さんのほうを何気なく見ていました。
彼女が日本のパスポートを出国審査のカウンターに提示すると、濃いグレーの公安制服の公安審査官の20代後半と思しき男性が、大きな声で彼女に向かって「こんにちは!」と声を掛けたのです。彼女は、一瞬後ろにふらつくくらい動揺しているように見えましたが、すぐに小さな声で「こんにちは」と発声していました。その後は無言のまま、所定の手続きをして、出国スタンプをパスポートに押してもらった彼女は、ちょこんとお辞儀をして、前方に抜けていきました。

スグに私の番がやってきました。その奥さんと違うカウンターで20代の女の子が出国審査官でした。私は、日本国パスポートを提示すると、明るく元気な声で「こんにちは!」と言いました。でも、彼女は手渡されたパスポートのページをめくりながら私と目もあわせずに、小声で「にーはお」でした。それから、パスポートの最初の写真のページにめくり戻ってようやく顔を上げ、私の顔をじぃいっと見つめます。思わず愛想笑いをしてしまいました。そして、ピタンと出国スタンプを押すと、放り出すようにパスポートとボーディングバスを私のほうに戻しました。
ちょっと、態度がちがうんじゃないかぁ、と思いつつ、この人たちは「観光客」と「ビジネス客」の扱いを使い分けているのだろうか、そんなマニュアルまで存在していたらスゴイなぁとか、或いは対応の違いはやはり”個人差"によるものだったのだろうか、などと考え込んでしまいました。

成田空港に到着すると、いつもながらに"違和感"を感じてしまいました。入国審査の日本人用と外国人用の列の長さの違いもさることながら、都心へのアクセスも含めて、外国の方にはなんて不親切なんだろうなぁ、と。北京首都空港も決して親切なつくりだとは思いませんが、日本語対応可能な"ぼったくり"タクシーに捕まったとしても、日本円で2~3,000円、時間にして30分ほどで、中心部のホテルまでたどり着くことができるのです。
日本語も英語も分からない中国人が、鉄道かバスで都心のホテルまでたどり着くのは至難の業ですし、料金も時間もすごくかかってしまいます。
by pandanokuni | 2005-05-01 01:27 | 社会ネタ
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