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中国の日本人、日本の中国人。
今回の反日デモに関しても、或いは日常のビジネスにおいても、日本に居る日本人との間である種の”温度差"を感じてしまう私。
中国で暮らし、仕事をして7年以上になるこの私を"中国人化した日本人"を呼ぶ日本人もいます。でも、私個人としては日本人としてのアイデンティティや祖国を愛する心を、日本で暮らしていたとき以上に意識して、大切にしたいと思っているのです。
中国に居る日本人には、いわゆる中国大好き日本人、中国に深い思い入れを持っていらっしゃる方がいるのも事実だと思います。でも私自身は、どうしても中国で暮らしたい、どうしても中国で働きたい、と思っているタイプの日本人ではありません。私にとって中国は、魅力的に感じる部分もありますが、そうでない部分もあります。自ら望んで中国に居る人ばかりではないですし、自ら望んで中国にいらっしゃった方でも、盲目的に中国を愛している日本人がすべてではないと思います。
産経新聞の古森さん(Hatena Daiary : ここのプロフィールは支持できませんが他に見つからなかったので)は、<日本の中国スペシャリストと言われるジャーナリストは、中国で取材活動ができなくなると存在理由を失うので、中国政府当局を刺激するような取材活動や記事は書けないのではないか>と指摘していましたが、中国在住の日本人の多くが同じような理由で中国に対して、"甘い見方"をする、とは思いたくないですし、実際にそうでない日本人が私の周りにはたくさん居ます。
ですから、私の言う"温度差"とは、「日本で言われているほど、中国は酷くない」とか「大変じゃない」ということだけではなく、「日本で考える以上に、中国は大変だ」或いは「酷いことになっている」ということも含んでいますし、「こうした現状だから、日本では不思議に思うかもしれないけど、中国に居ると妙に納得する」という意味合いもあります。

前回のポストに対して、華南のレストランでの日本人への嫌がらせに関するコメントをいただきました。事実関係は確認できませんが、北京に居る私は、「こういうことも当然あるだろうな」と言う"妙に納得する"感覚でした。長く北京で暮らす私にとって、反日や日本人への"迫害"は、さもありなん、と言ういわば当たり前のことだったからです。
こちらが顧客であるはずのタクシーやレストランで、日本人だということで、いろいろイチャモンをつけられたことが、私自身何度かあります。この時期だからこそ、タクシーの日本人乗車拒否が日本のニュースになるのでしょうけど、私は主として日本人だという理由でタクシーを降ろされ、氷点下十数度の真冬の一本道をテクテク歩きながら歩いたこともありました。もちろん怒りがこみ上げてくるのですが、日本で暮らす一般の日本人より中国人と接することが多いため、彼らがどんな教育を受けてきて、どんなテレビ番組を見てきて、日本人をどんな風に思うようになったのか、何となく察しがつくので、そんなには驚かなくて済んでいると思うのです。"温度差"とはそういうものではないかと思うのです。
もちろん、日本人だと分かっても"損得抜き"で親切にしてくれる中国人もいます。

日本における中国人はどうでしょう。いわゆる"悪い奴"がたくさん居るのも事実だと思います。でもそうでない中国人もたくさん日本にいるはずです。
私は、中国企業のクライアントの幹部と一緒日本に出張することがあります。私自身が旅程をアレンジすることもありますが、中国人が一緒ということだけで、宿泊の予約を拒否されるケースがあるのも事実です。日本語が話せない中国人が東京でタクシーに乗る際、私が運転手さんに行き先を伝えて、タクシーチケットを前もって渡したとしても、「悪いね、別のクルマあたってくれる」って言われたこともありました。一番苦労するのが夜の接待です。合法とされるちょっとエッチな風俗店(当然、日本人の女性がメインで働いているところを狙うのですが)のほとんどは、ご来店拒否です。中国ではトップクラスの会社のマネージメントで、身なりも私よりずっと良いのに....アテンドしている日本人の自分が、なんだか犯罪者を連れて歩いている雰囲気に追い込まれたりします。もちろん、郊外の温泉旅館や東京の一流といわれるホテルなど、中国人のお客さまにしっかり対応しているところもたくさんありますが。

日本の大企業は、海外戦略で"ローカル・マネージメントの推進"などと謳い、アメリカやヨーロッパでは現地人の社長やCEOに経営を委ねる傾向があります。でも、中国人を中国のトップ・マネージメントとして起用する企業はほんの僅かです。欧米の社員は日本語など話せなくともどんどん昇格します。でも、日本企業の中国事業のマネージメントは日本語が話せないと、なかなか上に昇れません。日本の大学院まで出て日本人より日本語ができそうな中国人でも、中国の日系企業では通訳に毛が生えたような使われ方しかされていなかったりします。

こうした事実が、中国人の軽視なのか蔑視なのか、個々の日本人や各企業の想いや事情があるのでしょうから、一概には言えないと思います。日本に居る日本人には、身近な中国人の振る舞いやマスコミの報道によって、何らかの"既成概念"が働いているのかもしれません。
一方、中国に居る日本人への蔑視や迫害があるとすれば、こちらの背景のほうが、中国に居る日本人にとっては分かりやすい感じがしてしまうのです。
by pandanokuni | 2005-04-26 00:34 | [実録]05年4月反日デモ
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