日本の大臣クラスが公式に北京に来ると、日本人学校を訪問するか、中国日本商会(在中国日本商工会議所)か北京日本人会のいずれかと懇親会を持ちます。いずれにしてもアレンジするのは大使館なのですが、今週はじめに北京を訪れた町村さんは約36時間と言う短時間の滞在にも拘らず、その3つともこなして行きました。もちろん日本コミュニティだけではなく、李外相とも唐国務委員とも会っています。さらに月曜日の夜は、ほぼお忍びに近い形で、留学生などの民間人とともに食事をして北京在住の日本人の"意見"を聞いていったそうです(だーれんさんのブログ)。
私自身も感じていますし、そのだーれんさんもブログで指摘されていたのは「温度差」です。北京に住んでいると、日本に住んでいる人との中国に関する認識の違いをたびたび感じるのですが、今回の中国における「反日運動」に対するイメージの違いもその一つです。 極端な話ですが、中国13億の人民すべてが日常的に反日思考を抱いているわけではありません。中国人すべてが、日本ブランド製品を買いたくないと思っているわけでもありません。反日デモが北京中を練り歩いたわけでもありません。破壊活動は決して許せるものではありませんが、反日デモに参加者すべてが破壊活動に関わったわけでも無いのです。4月9日でさえ、ごく一部の人たちと一部の地域を除けば、ごくフツーの北京の一日だったのです。 ただ日本で暮らす日本人の多くはそんな風には思わなかったのではないでしょうか。それは、やはり日本の報道が影響しているとしか思えません。中国寄りとも思えるあのNHKでさえ、デモの影響を受けてなかった街並みや人々の映像は使ってなかったように思えますし、「こんなことがあってもいずれは日本車を買うよ」みたいなインタビューも流しませんでした。「デモのど真ん中以外は比較的平穏です」などと言う報道をすれば、日本人の安全に対して無責任に思われるでしょうから仕方ないのかもしれませんが.... ただ"攻撃対象"になっている日本人でさえ、北京で意外といつもと同じような暮らしをしているのは事実です。反日デモや暴徒への想いは人それぞれですが、そうした"温度差"を少しでも知っていただくために、北京在住の方の四九デモ以降のブログを引用してご紹介したいと思います。 これは、だーれんさんの「 在中国日本人の声をまとめる試みをしてみたいです」のアイディアですが、意見を取りまとめるという作業には時間と労力もかかるでしょうから、速報性を優先して既存ポストからの引用ということでやってみます。 日本で報道されている中国での「反日」の様子と、現場で自分の肌で感じる「温度差」。SARSやアジアカップの際など、これまでに何度も繰り返し書いてきた。だが、特に今回は、いろいろばところで、この「温度差」を訴えっている声を聞く。メディアに対する批判、不信感も急速に広がっている気がする。部数を伸ばし、視聴率をとることを使命にしているメディアは、読者や視聴者が好む報道を重視する。得てして過激な映像が強調され、現実の空気が誇張されて報道される。 [だーれんの中国留学日記~ちゃいなりぃ~(4月22日)] ただ、日本にいる時の海外の情報は限られたものでしかなく、またその限られた中である部分だけがクローズアップされて情報として伝わる場合があり、それ故に何かしらイメージというものが先行してしまったともいえると思います。 (今回のデモなんかは特にいい例で、ある部分のみが日本に伝わったため、日本からの心配メールなんかがばんばん送られてきたんですよね) [cmoookの日記(4月12日)] これらの映像を見ながら自分が実際にその現場にいることがなんか不思議な感じになりますね。日本の報道を見ていると、日本人と分かるとすぐにやられそうな勢いですが、普通に日常生活をするうえでは特にいつもと変わりません。ただ、もちろん危機感を持って生活する必要がありますが。 日本のテレビの報道状況を見ていて日本と中国では温度差があると感じました。もちろん現地日本人としては危機感を持って行動すべきですが、現地の多くの中国人はそこまで大きなことと考えてないと思います。報道規制があるのでデモについてはほとんど報道されていないこともありますが。 [じゃんす的北京好日子(4月17日)] 私 「えー、じゃあ私乗せてもらえないの?」 運 「ははは、アンタ日本人じゃないだろう。」 私 「日本人だよ。」 運 「え?(私の顔をまじまじと見る←わき見運転は危険です)」 私 「日本人だよ。コンニチワ。」 運 「あ、アンタ日本人かー。ははは・・・俺は日本人は嫌いじゃないよ!政府がいけないと思ってるよ!そっか、アンタ日本人かー。」 私 「そ、だから今すっごく不便!」 運 「やつら今、長安街でデモやってるよ。」 私 「え~~!まだやってるの??朝9:00からやってるんでしょう?すごい体力だね。」 運 「そう、でもその後ばらけてデモやったりしてるんだよ。だから後から参加したのもいるの。」 私 「ふーん。で、どこに到着したら終了なの?天安門?」 運 「どこってのはないんじゃないか。疲れたらおしまい。」 私 「なんだそれ!そんなテキトーに終わるのかい。」 運 「だって、疲れちゃったらもう歩けないだろー。」 [ボウエンキョウとケンビキョウ(4月10日)] この日は老舗のお茶屋さんの隣の茶館に飛び込みで入り、撮影をお願いして撮らせてもらいましたが、「あんたたち、日本人?日本人は礼儀正しいね」とほめられ、親切に助けてもらって感謝。 一日に接触した何人もの北京人との間では、普通に物事がすすみ、無事に終わった一日。 新聞に載るようなことは何も起きてない北京の平穏な一日を、逆にこうして記録しておきたいと思います。 [原口純子の北京日記(4月17日)] 日本大使館からは、不要不急の事がない限りなるべく外出するなとのメッセージが出ています。日本大使公邸近くに習い事に行っているのですが、今日はお休みしたいと連絡をすると、”何も起こっていないです。皆さん来ていますよ。”とのお答え。でも先週は確かに公邸の周りは騒然としていたし、後から聞いた話だと、公邸の敷地内に瓦礫や石や生卵がビックリするほど投げ込まれていて愕然としたとのこと。…好奇心旺盛な私であるので、他のことであれば見に行ってやろうと思うのですが、今回のことは心が痛むばかりで、結局お休みしました。(こういう風な辛い思いが続くと、”心”はやっぱり心臓の付近にあって、脳じゃないなと感じ取れます。) それでも部屋の中でじっとしていることに耐えられなくなって外に出ると、もう初夏の陽気でした。大使館が並ぶ辺りは公安が通行止めをしていました。テレビでは凄い場面が出ていますが、外では路上で爺さんたちが将棋をしていて、あくびが出そうなお昼時です。何だか分裂気味です。大丈夫か?私 [毎天在北京(4月16日)]
by pandanokuni
| 2005-04-22 19:31
| [実録]05年4月反日デモ
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