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北京全体が危険に曝されているわけではありませんが....
数年来メールを出しても返信すらして来ないような旧友から、「大丈夫か」と言うメールが来ました。とにかく北京に居る私の安全を心配してくれている知人が多いのに驚きました。ほんと、ありがたいことです。
2003年のSARS(新型肺炎)流行のときも去年のサッカー・アジアカップ決勝戦のときも、安否確認はありましたが、こんなに多くはありませんでした。日本では「北京が危険だ」と言う報道が相当されているのでしょう。確かにNHKニュースで反日集団の破壊活動の映像とその痕跡を見てしまうと、大変危険な感じがします。でも、広い北京或いは広大な中国のごくごく一部の地域で一部の人たちが起こした行動なのです。

きょうの北京は、フツーに生活している限り、いつもと同じように平穏です。いくつかの事実を紹介しておきましょう。
きのう(4月10日・日曜日)の午後、私は北京市東部にあるイトーヨーカ堂に買い物に行きました。入口付近のガードマンはいつもより少し多めだった感じですが、警察関係者は見かけませんでした。いつもの土日と同じように、北京の人たちで大変な混雑でした。日本ブランドビールも日本から輸入の食材コーナーも、お寿司コーナーもお刺身コーナーもいつもと変わりませんでした。北京の人たちはいつもと同じように買い物をしていました。

きょうは日系企業が入居しているオフィスビルのいくつかに、北京市公安局のおまわりさんが訪ねてきました。知人のオフィスにも北京市公安局外事部所属の制服のおまわりさんが二人でやって来て、日本人の勤務者に対して、安全の確認をし、何かあったらここに連絡するようにと外事部の連絡先を書き残して行ったそうです。私のオフィスは日系企業が入居するようなビルではないので、安全確認のおまわりさんはやってきませんでしたが。

また、来週4月16日に第2波の反日デモを計画しており参加を呼び掛けるようなメールも、今朝あたりから出回っているそうです。メールが届いた大学生の知人によると4月9日の反日デモの参加呼び掛けとは違うアドレスからで、聞いたことの無い団体名だったそうです。一部の大学では、大学当局がデモへの参加とメール転送の禁止を文書で掲示しているそうです。

北京は相当危険らしい、大丈夫か、生きてるか、と心配してくれている知人には、次のように説明しています。東京で喩えるなら....
秋葉原の駅前広場で"りんご"フリークがアンチ"窓"と"窓"の創設者ビル君の排斥集会を始めました。「”窓"は使いにくくてスグにフリーズするOSだ」「ウィルスに弱いのに対策が甘い」「ビル君一人だけに儲けさせてどうなる」「オレたちアーティストはみんな"りんご"を支持している」みたいな事を叫びながら、秋葉原の電気街で「"窓"は買うな、"りんご"にしよう」と行進していきます。"窓"のウィルスやフリーズにイラついていた秋葉原の買い物客の一部も賛同して、そのデモ隊に加わります。どんどん熱くなって、とうとう初台の"窓"の会社の日本ビルまでたどり着きました。そして一部の過激な"りんご"フリークが、手にしていたペットボトルを甲州街道からオフィスビル目掛けて投げ放ちました。
こんな出来事、テレビニュースで目にしない限り、浅草や銀座や渋谷でお買い物している人たちは知りえませんし、他の人たちはフツーに生活し続けているわけです。
もちろん、"りんご"フリークがヒートアップしているところで、「オレは"窓"が好きだ!"りんご"なんて子どものオモチャだ!」なんて叫んだら、きっとボゴボゴにされてしまうかもしれません。でも、そんな特別な行動をしない限り、"りんご"フリークは一般人を攻撃してこないでしょ....

このたとえ話で言うなら、いまの北京はいたるところに"りんご"フリーク(というかアンチ"窓"派)が存在するわけですが、彼らは一人二人では大それた行動を起こしません。何人か集まるとちょっと怖くなっていきます。そんな感じですから、自分からすすんで「オレは"窓"派だ」と主張しない限り、危険はほとんど及ばない、と考えて良いのではないでしょうか。
北京に旅行や出張をご予定の方、ご参考になりましたでしょうか。もちろん、日本人の行動次第では危険な状況に陥ることは確かです。不用不急の観光旅行などを計画の方は、慎重に考えたほうがよろしいと思います。
by pandanokuni | 2005-04-11 21:48 | [実録]05年4月反日デモ
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