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中国との関係悪化は、破局をもたらす予感がします。
李登輝さんへのビザ発給。日本側にはキチンとした言い分があると思います。でも日中関係に悪影響をもたらすことは間違いありませんし、日本政府も予測していたはずです。
北朝鮮のキム将軍が引退されて、東京ディズニーランドに遊びに行きたい、からと言われ、私人だからOKと日本政府がビザを発給したら、日本国民はどう思うでしょうか?極端な例ですが、中国の一部の人民にとっては、これに近いことです。
メンツ重視の中国政府のメンツは丸潰れでしょう。

日本と中国は対極的には仲良くしていかなければならない、と私は思っています。経済やエネルギーにおいては日本の国益を守るため、環境問題や安全保障においては、アジア或いは世界のため、この二国間の関係悪化が、プラスに働くことは無いと思うのです。
経済については説明する必要も無いかと思いますが、中国との経済関係は企業業績や株価だけではなく消費者物価にまで直接的で大きな影響を及ぼしています。
エネルギーについて言えば、そもそも田中角栄さんが国交回復を果たし経済支援を約束した最大の理由は、中国の天然資源確保にありました。その後政権が代わってODAが日中関係者の食い物にされてしまったのですが、中東、インドネシア、ロシアなど日本のエネルギー供給源に、ヴァリエーションを確保するには中国を加える必要があるでしょう。中国の調査船が日本領海を脅かしている東シナ海とか黄海とか呼ばれているあたりの潜在資源も、関係国間の協力のもとで平和的に開発を進めていくことができるはずなのです。
環境問題にしても、大陸の砂漠化から激しくなる黄砂現象が日本にも直接的な影響を与え始めていますし、中国が急速な経済発展に見合った環境対策を施さないと、風下の日本が影響を受けることにもなりかねませんし、地球規模の環境悪化が加速することにもなります。

東南アジアを歴訪した民主党の岡田さんに、各国は「中国の膨張に日本は対応して欲しい」と言うような希望を託したそうです(読売新聞Web)。これはとても的を得ていると思います。日本でも「中国脅威論」が展開されていますが、一人勝ちしつつある中国に脅威を感じているのは、周辺アジア諸国も同じでしょう。
世界情勢も変化して、「世界の警察官」だったアメリカは、東アジア地域においてその役割を放棄しようとしています。私には「アジアのことはアジアで解決して欲しい、こっちは石油利権と赤字財政で手一杯なんだから」という気持ちが見え隠れしているように思えてならないのです。
ただ、アメリカのことですから、ポイっと放ったらかしにするのではなく、将来的にアメリカが不利を被らないように画策はしているはずです。アメリカに代わって東アジアの安全保障を担えるのは、現実的には中国と日本しかないでしょう。ほんとは中国に肩入れして、アメリカと対抗できる世界の二大勢力にまつり立て、単純でオペレーションしやすかった「冷戦時代」を再現しようとくらい思っているのかもしれません。ただ、日本政府がやけに従順なので、うまく利用しない手は無いと思っているような気がします。例えば、中国に対する抑止力として。

アメリカはテロからの脅威、はっきり言ってしまえばイスラム世界の防御壁になってくれはするかもしれませんが、日本周辺でのいざこざからは腰が引けているのは明らかでしょう。どちらも脅威であるかも知れませんが、日本としては身の回りの安全のほうが重要な問題でしょう。それなのに、まだアメリカ、アメリカ、と言っている。こうした情勢下でも、日本の外交は相変わらずチグハグしているのです。

いずれにしても、東アジアの平和は日本と中国がリードして築き上げていかなければならない情勢にあるのです。そして平和を望むのであれば、この両国は対立して覇権を争うのではなく、協調協力して東アジアの共栄を創出していくべきなのです。周辺諸国の多くも、日本につく、とか中国につく、と言うことではなく、また日本が中国に対してもっと強硬な姿勢をとってほしい、と言うことでもなく、日本と中国がお互いに協調していくことを望んでいるのではないでしょうか。
そうでなければ、日本と中国という二大勢力はいずれ武力行使による解決の道とるしか無くなってしまうでしょう。破局です。戦争です。
ついに、王毅駐日大使の発言に「戦争」という言葉まで飛び出してしまいました(産経Web)
戦争になっても戦力で日本が勝てる、と言う意見もあるかも知れません。でも、戦後の地域世界をリードするのは、第二次大戦後の日本と同じように、敗戦国の中国かもしれません。

そもそも日中関係の悪化は、中国側に原因がある、と思っていらっしゃる日本人は多いと思います。すべてではなくとも、多くの部分中国側に原因があるのも事実だと思います。ただ、李登輝さんには大変申し訳ないのですが、日本の国益という天秤にかけた場合、何もこの時期に日本側から日中関係悪化の原因を作る必要は無かったと思うのです。

U2の4年ぶりのアルバムを聞いています。ボノによると「核爆弾の解体方法(How to Dimantle an Atomic Bomb)」は、「愛と平和の他に無い(Love and Peace or Else)」。ありきたりな答えではありましたが、普遍的なのでしょう。日本のため、東アジアのため、世界のため、そして何よりも平和のためには、外交上の寛容や情けが、どちらか一方にあっても構わないのではないか、と私は思うのです。
by pandanokuni | 2004-12-22 17:44 | 政治ネタ
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