内閣府の調査によると、日本人の6割が「中国に親しみを感じない」と答え、「中国に親しみを感じる」と答えた人は前年より10ポイント以上少なくなたそうです(朝日新聞Web)。一方中国側の調査でも、「日本に(まったく)親しみを感じない」中国人が5割を越え、「日本に親しみを(まったく)感じない」と答えた人は前年より10ポイント以上多くなったそうです(人民日報Web)。
日本国民の対中感情悪化が、サッカーのアジアカップでの中国人民の反日的活動や潜水艦や海洋調査船の領海侵犯などに由来しているという日本のマスコミの分析は、直接的にはその通りだと思います。中国人民の対日感情悪化の直接的な原因が、共産党政権による反日教育の定着と小泉さんの靖国神社参拝であることも間違いないと思います。 ただ私は、中国側だけではなく日本側も、ある意味で「意図的に」反中感情へと世論誘導しているような気がしてならないのです。 中国には原則的に言論の自由が無いと言われています。世論も政府がある程度コントロールすることが可能なのです。ですから、中国における反日感情の高まりは、ある程度までは中国政府が意図的に導いてきた世論と言えるでしょう。ただ、日本側にまったく原因がないかというと、私はそう言いきれないと思いますし、中国政府が意図した以上に、中国人民の反日感情が高まっているのではないかと思います。 最近の中国政府は両国間の歴史問題を別にすれば、人民の反日感情を抑制する方向でマスコミをコントロールしているように思えます。このことについて、中国における反日感情は反政府感情に直結するから、という分析も多いのですが、私はそうは思っていません。反日感情は愛国心に結びつく傾向があり、現政権を否定する方向には結びつきにくいと思うのです。 むしろこの1年、中国側は日本政府に機会あるごとに、両国関係の改善へシグナルを発してきたと思います。 一方日本側はどうでしょうか。日本には言論の自由があることになっています。日本国民が中国のことをどう思おうが権力の介入を受けないのが建前です。ただ、中国をどう思うか判断するためには中国に関する情報が必要です。そうした情報を偏り無く取得できる環境にあるか、と言うとそうではないような感じがするのです。 例えば、「中国に親しみを感じない」原因と指摘されているサッカーのアジアカップの日本での報道など、ワイドショー並みのヤラセに近いものがあったように思います。真実に近づくため積極的な情報収集を心がけている人を除けば、日本人の大半はテレビや新聞や雑誌などマスメディアから受動的に得た情報でものごとを考えています。そうしたマスメディアの情報は、もちろん例外もありますが、総論的には中国のマイナス面を強調しているように思えてなりません。特に影響力の強いテレビは政府に許認可権があります。5つか6つのネットワークが全国のテレビを支配するような構造は、先進国では稀なのです。 日中関係の改善や、中国への理解を示す発言をするものなら、多くの人たちから激しい反発にあってしまい、言いたいことも言えなくなってしまうような状況にもなりつつあるのではないでしょうか。昨今アジア訪問を終えて日中関係の重要性を改めて発言した民主党の岡田さんには、さっそく批判が相次いだそうです(読売新聞Web)。 限られた電波を利用しているがこそ、できる限り公平で不偏不党の情報を提供すべき役割の、そして多くの日本国民にとって最も気楽な情報収集元であるテレビが、そうした役割を果たしていない。そして、中国への好意的発言までが制限されようとしている、今の日本に言論の自由がある、と胸を張って言えるのでしょうか。
by pandanokuni
| 2004-12-20 14:02
| 政治ネタ
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