親米嫌中の末路。
我々は安倍首相が職務を辞する決定を下したことを気にかけています。これは日本の内政問題ではあります。ここ数年、日中関係は両国政府と各界の皆さんがともに努力した結果、明らかに改善と発展をみることになりました。日中関係改善と発展のため、安倍首相リーダーシップとイニシアティブを発揮されました。我々は、両国関係を一歩ずつ進めることが、両国と両国民の根本的利益に適うものであり、この流れは引き継がれるものと信じています。

中国外務省の広報官・姜女史の9月12日の記者会見での発言です(中国外務省サイト)。
中国ではテレビニュースがトップ扱いで、安倍首相辞任表明を報じ、NHKが放映した北京市民へのインタビューは安倍首相の対中関係改善の業績を評価し、辞任を惜しむ声でした。
ポータルサイト「新浪網」に開設されたBBSには「惜しいことだ。安倍氏は有能な人物だから、再起して欲しい」「安倍氏は穏健な政策を打ち出していたように思う。なぜこんなに早く辞めるのか理解できない」など安倍氏の功績を評価する声が目立っているそうです(中国情報局)。

首相就任前、タカ派とみられていた安倍さん。ならず者国家・北朝鮮に対してのみならず、非民主主義国家・中華人民共和国に対しても、強気の主張を繰り返してきました。政権を意識したころに出版した『美しい国へ』ですら、"中国専門家はだれもが中国と恋におちる"と親中派をけん制しつつ、"日中関係は政経分離の原則で"を主張し、"政治的な目的を達成するために経済を利用することはしない"と明言したのです。
その安倍さんが日本の総理大臣に就任して2週間も経たないうちに訪れたのが中国でした。日本の経済界からの強い圧力があったとも囁かれました。

日本の総理大臣になったからには、生理的に気に入らなくても、隣国であり日本の経済と気っても切り離せない存在になった中国とある程度仲良くしておかなければ、と言う良識は持ちえていたにせよ、安倍さんはアメリカのことが好きでたまらなかったのでしょう。きっと真面目なタイプの方ですから、個人的にというよりは日本の国益を考えて、アメリカを好きにならなければならないと思ったのかも知れません。

ところが意中のアメリカは、自国の国益の役に立たない者には冷酷なのだと思います。
(米国家安全保障会議の)ジョンドロー報道官は「ブッシュ大統領と安倍首相は非常に良好な実務的関係を保ってきた」と指摘。「米国と日本は強固でしっかりした同盟だ。将来もこの関係を続けることに期待している」と述べた。(日刊スポーツWeb)
ネットワークテレビのニュースや主要紙では、大きな扱いで報道されなかったようです。

安倍さんを追い詰めたのは、9月8日にシドニーで行われたアメリカ・ブッシュ大統領との首脳会談だったのではないでしょうか。
ここからは憶測で会談の模様を再現してみます。

安倍さん「給油の件は中断しないよう、一生懸命頑張りますからぁ....。」
ブッシュさん「ホント大丈夫なの?民主党はシンゾーを虐めたいだけでしょう。たとえ共産党が日本の政権を担うことになっても、アメリカに頼らざるを得ないんだよ、日本って国家は....」
安倍さん「はぁ、各方面から尽力中ですので、ご安心ください。」
ブッシュさん「まぁ、シンゾーが約束してくれてもねぇ....。無理なんじゃないのぅ?」
安倍さん「いや、努力しますから」
ブッシュさん「結果を出してもらわなきゃ困るんだよ!!分かってるんだろうねぇ、プライムミニスター。」
安倍さん「はぁ.....」
ブッシュさん「あ、そういや、ウチ、ならず者のキムさんとこと仲良しすることにしたから。イランとかイラクがバタバタしててねぇ....。」

アメリカとの関係を最も重要視し、アメリカへの気遣いを怠らず、頑張ってきたつもりの安倍さんではありましたが、そのアメリカにハシゴを外され、胃に穴が開いてしまった彼を待ち構えていたのは、身内のいじめっ子麻生さんと与謝野さんだったのでしょう....。

安倍さんにしてみれば、中国政府が音頭取りをして盛り上がってる中国人民の安倍さんを賞賛し辞任を惜しむ論調はきっと嬉しくは無いでしょうが、アメリカがホントに恐ろしい国家であることは身に沁みて感じたのではないでしょうか。
愛する人に裏切られたときの悲しみほど、つらいものはありませんよね。
[PR]
# by pandanokuni | 2007-09-13 22:08 | 政治ネタ
旅先で中国人グループに遭遇しても、良い旅を続けられますように....。
北京に住んでいたころは、中国の習慣にのっとって、お休みをいただいていたものです。
1月から2月にかけての春節(旧正月)、5月初旬の労働節(メイデイ)、10月初旬の国慶節(建国記念日)にはそれぞれ1週間ほどの休暇を取ることができます。日本が動いているからといって、遠慮する必要は無いのです。中国ではみんなお休みになるので、仕事が進まないのですから。
5月の労働節は日本の"大型連休"(NHK以外が言うところの"ゴールデンウィーク")と重なるので、海外のリゾートなどはトップ・シーズンで値段も高く日本人で溢れてしまいますが、それ以外の春節と国慶節は、意外と安く旅行できるシーズンなもあり、家族ともども中国の喧騒を離れようとアジアン・リゾートなどに出かけたものでした。

でもここ数年、この時期のアジアン・リゾートは中国人が中国の喧騒を丸ごと運んでくるようになり、インド洋に浮かぶさんご礁に囲まれた小さな島の水上コテージですら例外で無くなりました。
一昔前なら香港や台湾のお金持ちがちょっとだけ遠慮がちにバカンスを楽しんでいたのですが、いまでは中国大陸の成金の皆さんが友人・家族連れの大グループで押しかけるようになったのです。
独立したプライベート空間のはずなのに、夜遅くまで普通話(中国語)の大きな声が響くのです。そして、ジャラジャラとパイをかき混ぜる音。頼むから水上コテージのデッキで徹夜マージャンなんて打たないで欲しいものです。
いまはもう、春節の時期にアジアン・リゾートなどに出かけたとしたら、両サイドのコテージのバルコニーから響き渡るマージャンや爆竹の騒音と、地球の裏まで届きそうな中国語の談笑を覚悟しなければならないでしょう。

オール・インクルーシブのリゾートなら、食事時のブッフェに群がる中国人集団との戦闘になりかねません。
当然のことながら、順番無視の横入りで、行儀良く待っているとご馳走がすっかり持ち尽くされてしまうでしょう。しっかり持ち去るわりには、中国のレストランで見慣れたあの食い散らかしの惨状を残して去って行ったりするのです。
オプショナル・ツアーなどで中国人の皆さんと一緒になったら、集合時間を守ると自分たちが楽しめない結果に陥ることになるでしょう。10分経過しても、20分経過しても、集合場所に現れない輩がきっといるわけです。

まぁ、これは2~3年前のお話ですから、いまはきっとマナーが少しは改善されているかも知れません....。
所詮私たち日本人だって、ついこないだまで、めがねをかけてカメラを首からぶら下げて団体で行動する姿を外国の皆さんから揶揄されていたわけです。かつての日本人もいまの中国人も観光地やリゾートにはどうも馴染めない存在みたいなわけですが、お金をしっかり落として去っていくので、受け入れ先の観光地やリゾートとしても、軽々しく扱えなくなっているのでしょう。現に高級と言われているような日本の温泉旅館ですら、簡体字(中国大陸の標準漢字)の案内表示を用意し始めています。

とはいえ、自国民が外国であまりにも恥ずかしい行動をとらないように、中国の外務省(外交部)はマナーアドバイスを発表して、海外旅行に出かける自国民を啓蒙しているそうです。
2007年8月21日、中国外交部はウェブサイト上で『海外での中国人保護と旅行についてのマナーアドバイス(2007年版)』を発表した。
この中で、在外公館職員の職責を明確にし、大使館、領事館に助けを求める19種類のよくあるケースがまとめられている。また、中国国民が海外旅行をする際のマナー問題についても明確に触れており、公共の場では静かにし大声で話さないこと、他人とむやみに喧嘩をしないこと、街中で物を拾わないこと、賭博やいかがわしい場所などに足を踏み入れないこと、などがあげられている。
近年、海外旅行をする中国人が増えているが、中国人旅行客の海外でのマナーの悪さが目立っていた。中国のイメージを損なうため、中国政府も頭を抱えている。
(Yahoo!ニュース)

中国人には覚えやすいというか馴染みやすいように漢詩のスタイルで海外旅行のマナーを啓蒙しようとしているわけですが(中国外務省ウェブサイト)、いま風にすればラップみたいなものなので、ちょっとそれ風に日本語にしてみました。

中国人民、海外旅行さ、礼儀をわきまえ、尊厳もって、
いつでも清潔、環境保全、臭わない服着て、大声上げずに、
年寄り・子供は、きちんといたわり、困った人には、手を差し伸べて、
レイディ・ファースト、いつでも謙虚に、集合時間はきちんと守ろう、
並んでいたなら割り込み厳禁、イエロー・ラインは踏み越えナイ!ナイ!
ホテルの中ではマナーを守って、備品や何やら持って帰っちゃダメよっ!
食事の時には大声出さずに、ビッフェの料理にガツガツしないで、
ギャンブルやネエちゃんの誘惑は撥ね退け、善良にして健全なエンタメ、
観光地ではハシャいじゃダメよ、民俗、風習、タブーは冒さナイ!
困ったときには、いつでもおいでよ、中華人民共和国の領事館、
文明旅行に、行っておいでよ、一路順帆(イールゥシュンフン)、ボンボワージュ!!


どうも、ただ騒がしいだけでは無さそうです.....。
せっかくのリゾートでチャイニーズ喧騒に巻き込まれぬよう、皆さんも旅行の時期には注意を払ってくださいね。
[PR]
# by pandanokuni | 2007-08-30 20:39 | ひまネタ
『百度』じゃなくて『100度』、まがいモノ中国で見つけた意外とWeb2.0なグルナビ・サイト。
百聞は一見に如かずなので、まずご覧になっていただきたいと思います。
中国で最も利用されていて、果敢にも日本に殴り込みをかけている、NASDAQ上場の検索サイト『百度(バイドゥ)』じゃなくて、『100度(イー・バイドゥ)』

まがいモノ天国の中国において、こりゃ人気の『百度(バイドゥ)』をパクったサイトか、と思いきや、意外とスゴイのです。
一言で言うなら「グルナビ」のムービー版と言えるでしょう。レストランや飲み屋やバーやエンタテイメントのお店を紹介するナビゲーション・サイトなのですが、すべてムービーになっているので、分かりやすいわけです。
お店や料理の写真や紹介テキストだけでは、なかなか雰囲気まで伝わらないものです。ムービーだと写真やテキストの10倍くらいは、うまく伝わります。
しかも『100度』に掲載されているお店紹介のムービーの多くは、かなりクールです。スチル写真を組み合わせたFlashによるものではなく、実際にお店を取材して撮影したムービーが大半です。ミュージック・クリップ風のものもあれば、日本のテレビ番組でも見かけるような女性レポーターによる体験レポート映像もあれば、テレビコマーシャル風のものもある、といった感じで、総じて本格的なムービーによる体験マーケティングが実現されているのです。

こりゃ、結構お金かかっていそう、と思っちゃいますが、こうしたムービーの制作費は"ただ同然"なのです。"ただ同然"でありながら、スタッフやナレーターは、映画監督や女優の卵たちなのです。張芸某など世界的な映画監督や俳優、女優を生み出してきた北京電影(映画)大学の学生たちが、お店を取材からスクリプト、撮影、演出、編集、そして出演まで、"ただ同然"でやってくれているのです。
学生たちにしてみれば、映画やテレビ業界で名を上げるための実習体験になりますし、集客力の大きなサイトに乗せてもらえるということは、作品を多くの人たちに見てもらえる機会を与えてもらっている、ということにもなるわけです。
『100度』は北京電影大学など、映像クリエイターを育てている大学などと組んで、このサイトを立ち上げたのです。

一般的に、B2Cサイトのビジネスは、誰でも簡単に立ち上げられますが、そのほとんどが広告収入によるビジネスなので、たくさんの人たちに見てもらわないと、収入が上がりません。ですから、集客のためにたくさんのお金をかけて、広告などのプロモーションを行う必要があるわけです。
ところが、この『100度』の場合、ムービーを作る際にレストランなどから制作費をいただきますから、広告が貼りつく以前に収入が得られます。しかも、素人作品とは言えない結構本格的なムービーを"ただ同然"で作れるわけですから、制作費のほとんどが利益になるのです。さらに、制作費は1年分の掲載料込みで約10万円と格安ですから、個人経営のレストランや居酒屋であっても、あまり抵抗無くコマーシャル・ムービーを作ってもらおうと思うでしょう。

とは言え、せっかくのムービーがネット上に置いてあるだけで、視てくれる人がいなかったら、意味がありませんし、レストランもお金を出さないでしょう。
『100度』へ呼び込む必要があるわけです。本来、お金をかけてプロモーションをする必要があるわけですが、この『100度』はお金をかけずにサイト誘導を実現しているのです。
中国で最も利用者が多いSINA(新浪網)の生活関連ページに自社ムービーを提供することで、無料でリンク・ボタンを貼り付けてもらったり、上海メディア・グループのポータルサイトの「飲む、食べる」メニューから無料でダイレクト・リンクをもらったりしているので、アクセス数アップにお金がかかっていないのです。
こうした提携は、『100度』の提供するムービーがコンテンツとして魅力的だから可能になったのでしょう。

『100度』では北京などの主要ホテルのVOD(ビデオ・オン・デマンド)にも、ムービーを提供する計画があるそうです。お店紹介ムービーのデリバリー先が増えれば、お店も学生も喜ぶでしょうし、も少しお金も取れるかもしれません。
B2Cのウェブ・ビジネスと思いきや、コンテンツ・ビジネスの様相も伴った期待の持てるビジネス・モデルではないでしょうか。

ここまで持ち上げてみたのですが、いま調べてたら既に似たようなサイトがアメリカにありました。
LIFE/STYLE TELEVISION "LX TV"ですね。これのパクリなのしれません、ふぅ。でも、映画大学の学生を安く使う、って発想は中国だからそこではないでしょうか....。

YouTubeのブレイクで動画サイト系のビジネスが次から次へと沸いてきますが、この方向性はアリのような気がします。
ただお店や飲み屋を探すのに、30秒や1分や3分の動画を見て比較するほど、暇な人が多いとも思えません。日本であれば、高額商品、例えば新築マンションの比較サイトや賃貸マンションの情報サイトなどを全面ムービー化したら、意外と行けるかも知れませんね。あとは風俗系のナビゲーションをフルムービーでやったら、人気は出そうですね。ずいぶん昔に山本晋也監督が深夜のテレビ番組でやっていたような、突撃レポートみたいなものを、お店ごとに集めた風俗情報サイトなんて、イケそうじゃないですか...。
スチル写真とテキストよりは断然臨場感がありますし、お店を選びやすいはずですよね....。

というオチで、いかがでしたでしょうか。
[PR]
# by pandanokuni | 2007-08-10 18:31 | ひまネタ
ナンバープレート、羊肉からホルスタインまで。中国最新"まがい物"事情。
北京市内の道端で売られている肉まんの中身が段ボール紙だった、という話題(SANSPO.COM)は日本でも盛り上がっているようですが、こんなことに驚いていたら、中国とは付き合っていけません。
最近、見聞き、体験した"まがい物"のお話を少し....。

その1。
北京の現地スタッフに、交通警察から突然呼び出しがあったそうです。スピード違反の嫌疑がかけられているらしい...。オービスの写真に映し出されたのは、紛れも無く彼女のクルマのナンバープレートだったそうです。ナンバープレートから"足"がついて呼び出しを喰らったわけです。
ところが、証拠写真をよく見ると、クルマの色も車種も自分のものとはぜんぜん違っていたそうです。当人のクルマは真っ赤なのに、オービスの写真は黒い輸入車だったのです。
つまり、スピード違反したほうのクルマのナンバープレートが"まがい物"だったわけです。
どっちが本物なのか、交通警察と小競り合いはあったものの、何とか彼女のナンバープレートの正当性が証明されて、罰金を払わずに済んだらしいのですが、彼女にしてみれば、いい迷惑、だったでしょう。
いっぽう彼女のナンバープレートをコピーしたクルマは、いまだに平然と走っているわけです.....。

中国、特に都市部ではナンバープレートを取得するのに時間とお金ががかります。特に非正規ルートで輸入されたクルマの場合は、なかなかナンバープレートが取得できないのです。ですから、怪しげなルートでクルマを売る業者さんは、偽物ナンバープレートをサービスしてくれるようです。

その2。
日本では、豚肉から牛ひき肉を作り出したお肉屋さんが世論の集中砲火を浴び、遂には廃業とのことですが、北京では豚肉を羊肉だと言って提供しているレストランがあります。去年あたりから、中国国内では報道されていたのですが、遂に私も"まがい物"羊肉を食する機会を得ました。
北京の人たちは羊のお肉をよく食べます。しゃぶしゃぶも羊ですし、炒め物やラーメンのスープにも羊を使います。そして最もポピュラーなのは、焼き鳥ならぬ焼き羊、つまり羊の串焼き(羊肉串)でしょう。この季節、ビールのお供には最高です。
北京の日本人居住地から程近い女人街のとある小汚い食堂で、その羊肉串を注文したところ、どうも羊肉の食感と違う感じだったのです。まぁ羊肉串はお肉の新鮮度や厚み(大きさ)、脂分の比率、スパイスの配合などによって、"当たり外れ"があるので、ここはちょっとハズしたな、くらいに思っていたのですが、さすがモノゴトを曖昧にしない中国人、同席した現地の知人が、食堂のオヤジに、「これは"まがい物"だろう」と問いただしたのです。すると、そのオヤジはあっさりと、"まがい物"であることを認めてしまいました。知人が更に文句を言うと、1串2RMB(約35円)の串焼きを1.5RMB(約25円)にまけるから勘弁しろ、ということになったのです....。
まぁ、原材料が段ボールで無かっただけラッキーと言わざるを得ません。

北京では羊肉は豚肉の2倍くらいのお値段で取引されているそうです。安い豚肉を羊の脂に浸して冷凍すると、"まがい物"の羊肉ができるそうです。怪しげな食品添加物で風味を調製することもあるらしいです。ニュースサイトを検索してみると、まがい物羊肉の製造場所がしばしば摘発されているようですが(4月12日付『新京報』など)、なかなか無くならないんですね.....。
日本でもミートホープの摘発を尻目に、ウチはバレ無いと平気でまがい物牛ひき肉を製造している工場があるのかもしれませんが.....。

その3。
羊ではなくて、牛丸ごと一頭の"まがい物"も出没しているそうです。牛は牛でも牛乳を搾れるホルスタイン(乳牛)。
これはNHK-BS1のBSドキュメンタリー『“牛乳王”をめざせ~中国・沸騰する酪農ビジネス~』(7月7日放送)で視たお話です。
中国の内モンゴルあたりでは、ちょっとした牛乳バブルに沸いています。中国全土で牛乳の需要が急増しているからです。「牛乳に相談だ。」などと相談した人がいたとしても、何万リットルもの牛乳を廃棄処分にしている日本とは大違いなのです。
ですから、羊や馬などと自給自足の遊牧生活をしていたモンゴル族の方々も、現金収入が得られるホルスタインを飼って牛乳を搾ることになっているのです。
とある遊牧民の一人も、牛乳バブルにあやかろうと、大枚叩いておっぱいの大きそうな乳牛(ホルスタイン)を購入したのですが、いつまで経ってもおっぱいが出てこないのです.....
調べてみると、その牛のおっぱいはシリコン"で豊胸"したもので、ホルスタイン独特の白黒の斑も、ペンキで塗り分けたものだったことが発覚!!
その遊牧民は、"まがい物"のホルスタインを掴まされたのでした。

まとめ。
ナンバープレートにしても、羊肉にしても、ホルスタインにしても、そんな手間かけるくらいなら、ホンモノのほうが安くつくのではないか、と思うのですが、そこはさすがに中国。"手間"はコストと認識しない世界が残っているのでしょう。

著名ブランドのカバンやお財布、化粧品にシャンプー、日本ブランドのお菓子やウーロン茶、このあたりの"まがい物"はときどき日本のメディアでも半分ヒマネタで取り上げているようですが、大学の卒業証書から運転免許証、警察官からポータルサイト、テレビ番組からホテルチェーンに至るまで、日本では信じられないような"まがい物"が平気で流通しているお国ですから、"まがい物"を掴まされたときは、諦めるしかないでしょう。
ただ、著名ブランド品や外国映画のDVDなどの"まがい物"は、日本人を含む外国人が意識的に"上顧客"になって広がっていることにも、留意しておくべきでしょう。
[PR]
# by pandanokuni | 2007-07-12 02:09 | 社会ネタ
「上海警察が風紀取り締まり強化で日本人89人拘束」報道の真偽。
6月27日14時8分にサーチナ・中国情報局がサイト上に配信したニュースが波紋を巻き起こしています。
【中国】日本人89人拘束か、ホテルに女性連れ込んだケースなど-上海警察が風紀取り締まり強化
消息筋によると、上海警察は習近平共産党書記の就任以来、風紀取り締まりを強化し、 ホテルに女性を連れ込んだなどとして、大手メーカーの出張者ら日本人89人が一時身柄を拘束され、事情聴取を受けた。上海の日本総領事館は、拘束者の会社名を公表しないよう警察に要望しているという。
取り締まりは特に、日本人ビジネスマンが多い虹橋、古北地区のサウナ、ナイトクラブ、個室カラオケで強化されている。風紀改善の動きは、2008年の北京五輪、10年の上海万博の開催も背景にあるとみられる。 ホテルに女性を連れ込んだケースでは、カラオケから女性を同伴する日本人出張者を公安がマーク。尾行してホテルの部屋に入ったところを踏み込んだという。

"消息筋"を求めて、ニュース検索してみましたが、少なくとも中国の主要ニュースサイトでは、これに類する報道は発見できませんでした。
このニュースはYahoo!ニュースなどにも転載され、心当たりのある人たちをやきもきさせましたが、突然ウェブ上から削除されてしまったので、全文を引用した次第です。

同日、在上海日本国総領事館はこの報道に対して、異例とも言える声明をウェブサイトに掲載したのです。
上海での日本人89人拘束との報道について

2007年6月27日
在上海日本国総領事館
インターネット等で「上海にて日本人89人拘束か」との報道が流れていますが、当館では、日本人89人が拘束されたとは承知しておりませんし、当館が公安に対し、会社名を公表しないよう説得していることもありません。

6月27日時点で、この件を報道した主要ニュースサイトはサーチナ・中国情報局くらいでしたから、明らかにサーチナ・中国情報局の報道を否定したコメントであると言えましょう。
おそらく、サーチナ・中国情報局は在上海日本国総領事館の抗議に応えるべく、あわてて記事を削除したのでしょう。

この報道に前後して、上海の日本人ビジネスマンの間では、この記事の内容を裏付けるかのような噂が駆け巡っていました。
例えば、「某カラオケ店に公安の手入れが入ったらしい。女の子だけではなく、お客の日本人も何人か公安に連れて行かれた」「展示会出展のために出張に来ていた某家電メーカーの日本人が宿泊していたホテルに公安が乗り込んできて、イケナイことをしていた出張者が大量に摘発されたらしい。」「日本人向けのカラオケ店が特殊サウナが軒並み臨時休業になっている」「上海現地法人の上司が無断欠勤していて、所在不明になっている。」などなど。
こうした噂をストーリー化すると:
6月下旬、とあるイベントのため上海に出張に来た日本の大手家電メーカー(M社ともS社とも言われている)の複数の社員(10人とも20人とも言われている)が、カラオケ店で遊んだ後、その女性従業員を宿泊先のホテルに同伴させた。
各自の部屋に入ったところで、尾行していた公安に摘発され連行された。
慌てた家電メーカーの現地責任者が普段から懇意にしていた領事館に相談、領事館から上海公安局の実力者に対して、拘束された社員の速やかな釈放と会社名の非公表をお願いした。
この大手家電メーカー以外でも、6月中旬から下旬にかけて、日本からの出張者や駐在員が同様の"不届き"で公安に拘束され、人数を合計すると100人ほどになる。
という感じでしょうか。

こうした噂の真偽を、自分で確認することはできませんでした。しかし、火の無いところに煙は立たないと申します。
この噂は、中国でビジネス展開している日本の大企業を揺るがすことになりました。複数の会社の日本本社では、現地と連絡を取り、駐在員で"お縄になった者"がいないか確認したり、駐在員に注意喚起を求めたり、中国出張者に自制を求めるような通達を出したりしたのです。
ちなみに、この報道の火元とも目されている某家電メーカーでも、中国駐在員と中国への出張者が多い部門に対して、「注意喚起」の社内メールを送信しています。
中国での風紀取締強化に伴う注意喚起

【添付文書】 なし
 最近、日本人が中国で売春行為や麻薬・文化財の密輸等の容疑で公安当局に逮捕される事件が起きています。中国政府は自国の法律を遵守する外国人は歓迎する一方で、これに反する者は、厳しく取り締まる方針を打ち出しています。6月に入り上海市内、特に虹橋、古北地区のサウナ、ナイトクラブ、個室カラオケ等で風紀改善を目的に公安の手入れが強化されています。大手日系電機メーカー(出張者)含め、日本人駐在者、出張者が89名一時拘束、事情聴取されました。上海地区に限らず、北京オリンピックを来年夏に控え、風紀取締が一層強化されますので留意して下さい。
そこで中国地域出向者及び出張者に対して下記の2点の徹底のお願い致します。
1.カラオケ、サウナ、ナイトクラブ等の個室には絶対に立ち入らないこと。
2.ホテルなども同様で、品位・品格を問われるような行為は厳に慎むこと。(公安当局が尾行しながら現場で即座に拘束する)

サーチナ・中国情報局の報道の真偽は定かではありません。ただ、日本人の駐在員や出張者が中国で"悪さ"をして公安に摘発されるという出来事は日常茶飯事に発生しています。日中関係がギクシャクしていた頃には、一人か二人が摘発された程度であっても中国の新聞やニュースサイトが大々的に報道し、会社名や本人の実名まで曝されたりしたものです。
もし仮に、最近上海で100人近くの日本人が公安の御用になっていたことが事実だとすれば、中国当局が中国国内向けの報道を規制していたことになるでしょう。"悪さ"をして捕まっちゃった皆さんは、中国当局の対日政策の変貌に感謝しなければならないでしょうね.....。

とまれ、そんなことにならないよう、ご注意くださいね。
[PR]
# by pandanokuni | 2007-07-06 23:43 | 社会ネタ
中国:「バブルを崩壊させないために軍事力増強を」と主張する"論文"がネットで大ブレイク中!!
いま中国のネット上で話題を集めている"論文"があります。

『良き日を想い、中国人の破産を望まないために、ぜひ読んでいただきたいのです』(この転載が読みやすいと思います)

"詠み人知らず"の9,000文字を超えるこの長文は、張偉さんのブログの4月11日付『大衆心理が不動産市場に災いをもたらすことを心配する』と言うエントリーに4月12日に残されたコメントでした。コメントには「黒馬楽園」と言う怪しげなBBSからの転載であることが示されていましたが、"オリジナル"を見つけることができませんでした。政府批判も含まれているので、きっと本名は曝していないでしょう。ですから、"詠み人知らず"です。
ちなみに、張偉さんは山東省の泰安市で「中華泰山網」と言うどローカルなポータルサイトの編集長をされている方のようです。

『良き日を想い、中国人の破産を望まないために、ぜひ読んでいただきたいのです』と言う"論文"は、その後多くのブログやBBSに転載され(検索サイトで調べてみると2,000くらいにはなると推測されます)、或いはそのテキストファイルがメールで転送されるなどして、中国の30代前後の人たちに共感を持って読まれているようです。BBSではこの"論文"に関する議論が盛り上がっているところです。私にも中国の複数の知人からこの"論文"がメールで送られてきました。

「株で大儲けした、不動産で儲かった、などと喜んでいる人は、自分の墓穴を掘っているようなものです。」
と言う書き出しのこの論文を大雑把に要約すると以下のような内容です。
人民元の上昇についてはしゃいでいる中国人がたくさんいますが、アメリカのことを理解せずに喜ぶのは大間違いです。アメリカとの金融戦争は既に厳しい局面に入っているのです。
80年代末の日本のバブル崩壊、90年代末のアジア経済危機は、すべてアメリカ政府が引き起こしたものなのです。80年代後半の円高はアメリカの罠で、これが原因で日本は多くの財産を失うことになりました。アメリカは病みつきになって、10年後にアジア経済危機をも引き起こしたのです。
いまの中国の株価上昇も不動産の高騰もすべてアメリカの策略なのです。台湾海峡や中央アジアに目を奪われている間に、アメリカとの経済戦争は既に始まっているのです。戦争の目的は、敵国の資源を叩き潰して、敵国民を奴隷の如く酷使して搾取することなのです。ソ連の崩壊すらも、アメリカとの経済戦争の結果と考えても良いでしょう。

アメリカは中国に莫大な人民元の発行をせまり、バブルの崩壊を誘発しているのです。
人民元は中国国内資産と同等の価値だけあれば充分なのに、悪意を持った外国投資ファウンドのために、既に10.6兆RMB(1.36兆US$、約160兆円)も余計に人民元を発行しています。人民元が15%上昇すれば、奴らは2,000億US$(約24兆円)儲かる計算なのです。
いっぽう、人民元が上昇すれば1RMB(約16円)のものが0.8RMB(約13円)で手に入れられるハズなのに、実際は給料以外のすべてが値上がりしています。北京、上海など大都市部での物価上昇は決して偶然ではなく、不動産バブルがインフレを招いている証拠なのです。住宅の購入費は、世界平均が年収の5倍であるのに、中国都市部は10倍もするのです。
かつて外国人が中国でマネーロンダリングしていたのに、今や金を儲けた中国人が海外でマネーロンダリングしていますが、そんな状況に浮かれていて良いのでしょうか?

中国の指導者の対応はうまくできていません。中央政府がバブルをソフトランディングへと導くことは無理です。このままでは、外国資本の攻撃によって、中国経済は崩壊します。

国際環境は一層悪化・複雑化しています。中国はまず軍事戦と経済戦争の準備を進めるべきです。
人類の歴史上、戦争によって他国の財産を奪い取るということはよくある話です。中国人民の財産を守り、いずれ怒りうる軍事衝突に備えるため、中国は、陸・海・空、そして宇宙の軍備を増強すべきです。宇宙の非軍事化など、そもそも絵空事に過ぎないのですから。
現状では、軍事戦争に代わって経済戦争が、他国の財産を奪い取るための手段になっています。1997年のアジア経済危機がまさにそうでしょう。中国の政府と人民はこのことを忘れてはならないのです。既に外資は伏兵を中国に送り込んでいます。彼ら、つまりアメリカが中国の扉を押し開き、人民元を掲げて暴利を貪ろうとしているのです。

原文は具体的な事例や数値データを盛り込んで、説得力のある文章になっています。
そして、以下の文章で締めくくられています。
つまり、中国は苦しみを怖れてはならないのです。そして死をも怖れない強大な陸・海・空、そして宇宙の軍隊を整備して、戦争に備えなければなりません。
同時に国家を熱愛し、国際的な視野を持ち、金融のグローバル・スタンダードを熟知し、これらを「無敵軍隊」として経済戦争に立ち向かっていかなければなりません。
そうしてこそ、中国の安全と人民の財産を守ることができるのです。
良き日を想い、中国人の破産を望まないために、この文を最後まで読んでいただきたいのです。そして、バブルに浮かれる人民がすぐに目覚めるようにネットを通じて多くの人々に伝えられることを望んでいます。

バブルに踊らされてる人たちが30代中心だとすると、この"論文"に踊らされているのは20代後半が中心のようで、この間まで"抗日"(反日)で踊らされていた年代よりはちょいと"大人"という感じがします。
この論文やそれに対するコメントをみる限り、敵はすっかりアメリカになってしまいました。日本は他のアジア諸国とともに、アメリカの経済侵略の犠牲者と言う論調です。まぁ、日本はアメリカに打ちのめされたけど中国なら大丈夫、と言う"驕り"や中国が日本やアジア諸国に代わってアメリカをやっつけてやる、と言う"覇権主義"的な思想回路は健在のようですが....。
それにしても、経済戦争に関する"論文"の結論が、軍事力増強と言うのは、いかにも中国っぽい感じですね。
[PR]
# by pandanokuni | 2007-05-27 11:22 | 社会ネタ
祝・打上げ成功!?「アフリカはウチのもの」(by 中国).....かなぁ。
2週間ほど中国でホテル暮らしなので、いろんな国のテレビニュースが楽しめます。

韓国のKBSニュースはここ二三日、中国船による当て逃げのニュースに青筋立ててましたね。
韓国人7人を含む船員16人が乗り組む韓国の貨物船が、中国海域で中国の貨物船と衝突・沈没し、船員全員が行方不明となった。中国海事当局は、警備艇や航空機などを動員し、二日にわたる捜索作業を行ったが、行方不明者を発見することはできなかった。(朝鮮日報Web)
つまり、韓国の貨物船と中国のコンテナ船と衝突して、韓国の貨物船が沈没して16人が行方不明になったという事件なのですが、中国のコンテナ船には大きな被害が無く、自力で大連港に入港してからようやく事故の報告をしたそうなのです。中国による"当て逃げ"です。中国のコンテナ船にも衝突の認識はあったらしいのですが、救助活動を行うでもなく、そそくさと立ち去ってしまったことに、韓国メディアは怒っているようです。
キャンキャン吼えてる韓国側に対し、中国メディアは当然黙殺!!

そのころ、中国CCTVニュースでは、海の話ではなく宇宙の話で盛り上がっていました。
中国国営新華社通信によると、中国は14日、四川省の西昌衛星発射センターから、ナイジェリア向け通信衛星「ナイジェリア通信衛星1号」を長征3号Bロケットで打ち上げ、軌道に乗せることに成功した。中国が外国から衛星及びロケット本体を受注し発射まで請け負ったのは初めて。今後、アフリカなど途上国を軸に衛星発射の受注を拡大させるとみられる。(Fuji Sankei Business i)
中国がナイジェリアの通信衛星を打ち上げた、と言うお話。4年前に有人宇宙飛行にも成功してしまった中国ですが、その宇宙技術を商業的・平和的に使用し成功した、と言うストーリーではあります。まぁ、なかなか自前のロケットをうまく飛ばせない日本人がどうこう言う資格があるのかわかりませんが、中国のアフリカ・トラップがぷんぷん匂ってくる、平和利用とはちょい違った裏ストーリーも読み取らなければなりません。
アメリカが人権問題とか云々炬燵を並べている間に、中国がどんどんアフリカ諸国を取り込んでしまっているわけです。ナイジェリアにしても民族紛争が絶えなかったわけで、そうこう言っているアメリカにしても石油目当てに人権蹂躙政府に武器などを提供してきたのです。中国は衛星打ち上げ代行という"平和的な手段"でアフリカの資源を根こそぎ持っていこうとしているのかも知れません。アフリカ開発銀行の総会もなぜか上海で開かれているようですし....
「アフリカはもうウチのもの」と言う中国政権の本音が聞こえてきそうなロケット発射の報道ではありました。
日本も莫大な費用がかかるロケットの自主開発など止めにして、衛星打ち上げをアウトソーシングしたほうがコストを抑えることができるハズです。でも、たいした資源が無いから、中国が受注してくれないかぁ.....。

台湾の軍事演習(時事ドットコム)のことは、CCTVニュースではやっていなかったようですが、上海の東方衛視のニュースが脳天気に取り上げていました
NHKニュースでは確か「来年の総統選挙に向けて、陳水扁政権が台湾の人たちに中国の脅威を煽る目的」などと解説していましたが、東方衛視ニュースではもちろんそんなコメント無し。高速道路を使って離着陸する戦闘機の名前を丁寧に紹介する、軍事オタク向けのトピックに仕上がっておりました。

P.S. この記事を書くにあたって、Googleの日本サイトから「神舟 有人」で検索しようとしたら、いきなりシャット・アウトされてしまいました(Googleの日本サイトにアクセスできない状態になりました).....。30分経ったいまも"google.co.jp"は私のPCからアク禁状態です....。なんか気に障ったかなぁ!?
[PR]
# by pandanokuni | 2007-05-16 21:49 | 社会ネタ
観光地・杭州の『宋城』で垣間見る中国の覇権主義。
仕事で行ったはずの杭州でしたが、なぜか観光施設である『宋城』に立ち寄ることになってました。

『宋城』は杭州が首都だった南宋時代の街並みを再現したテーマ・パークで、胡散臭いお土産屋さんが軒を並べている、『日光江戸村』みたいなものだと思っていただいて良いのですが、『宋城千古情』という"全景式大型歌舞"が最大の呼び物とのことで、パンフレットのふれ込みは「フランスのムーランルージュやアメリカのラスベガスを凌ぐエンタテインメント」。世界各国から毎年160万人が見に来ているらしい....。

この種のパフォーマンスやショーは、ディズニー・ワールドのそれを越えるモノは無いだろうと鷹を括っていたのですが、エンタテイメントとしての完成度はかなりのものでした。
世界的な(?)観光地を標榜するだけあって、スクリーンに映し出される解説の字幕は、中国語だけではなく、英語、日本語、韓国語も併記されており、中国語が分からない観光客にも何となくストーリーは理解できるようになっています。

パフォーマンスは4部構成で、第1部は中国の伝説時代、第2部は宋朝の隆盛、第3部は宋朝の滅亡、第4部は未来と世界との絆、と言う感じです。男女数十人のダンサーが繰り広げるパフォーマンス、市川猿之助なみの宙吊り、お馴染みのサーカス的雑技の要素もふんだんに盛り込み、レーザーやPARライトを駆使した照明効果、滝のような雨を舞台に降らせるばかりか、客席にまで霧雨を降らせ、前方の客席が移動してその跡から突然セリが上がってきたり、とディズニーのミッキーマウスのショーを越え、ブロードウェイのミュージカルに迫る本格的なエンタテイメントに仕上がっています。

b0047829_143344.jpg第1部で演じられる、この国"十八番"の『梁祝伝説』(悲恋の男女が蝶になるという中国版ロミオとジュリエット)は、中国にしては抑え気味のライティングでかなり幻想的に仕上がっており、第2部の宮廷の女性たちの舞いは美しくかつセクシーでした。第3部ではこの国の英雄にして勇敢に蛮族(!?)金に立ち向かった岳飛がかっこよく登場し、カンフー映画並みのアクションを繰り広げるばかりか、、南宋軍の騎馬隊は馬は本物が登場(テーマパークで観光用馬車を引いていた馬の使いまわしという感もありましたが....)。

第4部はいきなり現代から未来にぶっ飛ぶと言う設定です。まぁ、これまで中国のパフォーマンスでこの種のテーマを表現するとなると、中国の"国力の象徴"と自負しているであろう、大都市部の高層ビルや新幹線まがいの列車、安っぽいロケットなどが登場させるのが常套手段という感じだったのこですが、この『宋城千古情』という舞台はちょいと方向性が違っていました。

なんと突然、背景に富士山が現れ、舞台には桜と思しき樹木が立ち並び、女性ダンサーが和服と思しきコスチュームで、我が日本の『さくらさくら』の音楽に合わせて、日舞と思しき踊りを踊り始めたのです....。これはこれでキレイだったのですが、どうみても日本の雰囲気が出てはいませんでした。
スクリーンの字幕解説によると、"世界は一つ、世界中の友達とともに"みたいな流れで、日本の富士山と『さくらさくら』のパフォーマンスが始まり、次は何故かインド系のダンスが続きます。なぜ、インドなのか不思議ですが、中国では最近インドのテレビドラマやインド映画のDVD(もちろん違法コピーもの)がそこそこの人気なので、中国人の観客に親近感でもあるのだろう、と考えていました。
ところが、次に台湾民族の総称である"高山族"の民俗舞踊が登場したときには、何となく不愉快な感じがしてきました。そして最後の締めは、韓国(朝鮮)の『アリラン』の踊りです....。

つまり、"世界は一つ、世界中の友達とともに"というテーマで、日本、インド、台湾、韓国(朝鮮)の民俗的パフォーマンスが演じられたのです。
観客の中には修学旅行と思しき韓国の高校生の団体がいて、"アリラン"のダンスが始まると一斉に歓声が上がりました。さすがに民族意識が強いと思ったのですが、喜んでいてよいものだったやら!?
ほとんどの観客は中国大陸の人たちです。字幕は中国語のほか、英語、日本語、韓国語でも表示されていたので、アメリカやイギリスを中心とした欧米人、日本人、韓国人などもかなり訪れているのでしょう。
第4部の"世界は一つ、世界中の友達とともに"が、こうした異国からの来場者に対するサービスであるとすれば、『さくらさくら』や『アリラン』が登場するのは理解できなくもありません。でも、インドからの来場者などほとんど無さそうなのにインドのダンスが出てくるのには違和感があります。杭州を訪れる観光客の割合から考えると、アメリカのフォークダンスでも取り入れたほうが合理的なように思えます。

でもこれを、中国中心に"世界は一つ"という発想で考えてみると合点が行きそうに思えます。インド、台湾、韓国は、共産党政権成立後に紛争のあった国や地域です。まぁ、日本も中華思想からすると"属国"の一つに過ぎないのでしょう。ほんとはベトナムあたりの民俗舞踊も取り上げたかったところではなかったのでしょうか?さすがに、アメリカやヨーロッパの国々やロシアには遠慮したのでしょう。
共産党政権の政治原則である"一つの中国"が、北京オリンピックのテーマである"一つの世界"と合体して、いずれは"中国を中心とした一つの世界"へとたどり着くのは、そう遠い未来では無いと考えている人たちがいるのでしょう。

こんなパフォーマンスの中にも、中国の覇権主義というものが浸透しているように感じられた杭州でのひとときでした。

全景式大型歌舞『宋城千古情』の紹介ムービー
[PR]
# by pandanokuni | 2007-05-13 14:03 | 政治ネタ
乱射事件の犯人は中国人??中国人も自虐的!?
4月17日の朝、出張先・北京のホテルで見たテレビニュースで、米バージニア工科大学乱射事件のことを知りました。CNNとかNHKワールドでは、犯人も自殺した模様、としか報道していませんでした。
ところが、オフィスに行くと、北京の現地スタッフが、「アメリカの大学の乱射事件のこと知ってますか?犯人は中国人みたいですよ。」と言うのです。さもありなん、とは思いつつ、何で?と尋ねると、すでにネットでそのように報道されているらしい....。

あとで調べてみると、北京時間4月17日午前9時の時点で、中国の複数のニュースサイトのが、"犯人=中国人留学生説"を報道したようです。アメリカの捜査当局が、"犯人と思われる東洋系の学生は自殺した"と発表した直後のことでしょう。
捜査当局によると、犯人は留学ビザでアメリカに渡航した24歳の中国人で、ビザは上海のアメリカ領事館が発行した模様。現在、出国記録を照合中.....なんてニュースが、中国を駆け巡ったのです。
中国青年報によると、"犯人=中国人留学生説"を最初に報道したのは、中国新聞網(中新網)/だったようです。
そして、捜査当局により韓国人犯人説が発表された4月17日夜10時まで、中国のニュースサイトでは「史上最悪」「大学内大虐殺」「中国人留学生」「どうなる中米関係」などなど、センセーショナルなニュースが掲載されていきました。

まぁ一部の日本人は凶悪事件が発生して犯人が中国人だったりすると、さもありなん、と感じたりするのですが、意外に中国人自身もそうだったりするのかぁ、などと思ってしまいました。日本人は過去の歴史などで中国人などに対して自虐的だなどとおっしゃる方もいらっしゃいますが、その中国人も自虐的だったりするのかぁ、と。

ところが、"犯人=中国人留学生説"は、一部のニュースサイトによるページ・ビュー(閲読数)を増やすための策略だった、らしいのです。
中国にはたくさんのニュースサイトがあり、主として広告収入により運営されています。ページ・ビュー(閲読数)が多いサイトほど、広告は高く売れるわけです。ですから、センセーショナルなニュースを掲載して、読者を集めよう、と言う魂胆との批判が始まったのです。
結局、"犯人=中国人留学生説"は、誤報(というよりはでっち上げ)だったわけで、「クリック数より信頼こそ大事」(光明日報のサイト)などと、非ネット系のメディアが一斉に批難を始めました。"中華人民共和国電信条例"まで持ち出して、「ネットメディアも社会的・法律的責任を全うしなければならない」、「嘘つきニュースで人々は憤慨」(人民網=中国青年報の引用)などと、ニュースサイトに押され発行部数を落としている新聞系メディアはここぞとばかりの反撃です。

ちなみに4月17日午前"、犯人=中国人留学生説"がニュースサイトに掲載されるや、ケータイのショートメールのトラフィックも増大したそうです。たくさんの中国人がこの"嘘つきニュース"を友達などに転送したのでしょう。もしかしたら、ケータイ・キャリアもグルだったのかなぁ....
まわりの中国人に聞く限り、「ええっ、まさか中国人がぁ...」と言う気持ちよりも、「あいやー、やっぱ中国人かぁ」と言う気持ちで受け取った人が多かったようです。
そうした、中国人の自虐的性格を利用したニュースサイトとケータイ・キャリアによるトラフィック拡大作戦だったのかもしれません.....。
[PR]
# by pandanokuni | 2007-04-20 19:41 | 社会ネタ
温家宝さんのジョギングとか。対日宣伝活動に乗せられている日本メディアのお粗末。
お互い、言いたいことも言わずにうまくやっていくというのは、大変なことだと思います。
これを言っちゃあお仕舞いだぁ、みたいなことを言わずに仕舞い込んで、連れ添っている夫婦も多いことでしょう。
どちらか一方が切り出した途端、泥仕合が始まり、挙句の果てにディバースみたいなことになっちゃいます。
言いたいことを我慢して一生添い遂げる夫婦は多いでしょうが、国家間ではそうは行きますまい....。

それはさておき、温家宝さんは12日早朝、代々木公園に出没してジョギングなどをしたそうです。
温さんの訪日については、当然のことながら中国メディアは熱心に報道している(させられている)ようですが、中国メディアに負けんとばかりに、日本のメジャーなメディアも"日中友好"に一役も二役も買わされています。
温家宝は、2008年北京五輪のロゴ入りの黒のスポーツウェアに白いジョギングシューズを履き...(中略)....中年の日本人女性と握手を交わし「私は温家宝です。」と自己紹介。傍らで王毅駐日大使が日本語で「彼は中国の総理です」と補足すると、驚いた日本の夫人は慌ててお辞儀をしました。
これは、日本時間07年4月12日13:26(北京時間同日12:26)に新浪網が掲載した記事です(上海の新聞晩報の朱静運記者が東京から配信)。見出しは、『温家宝、東京の公園で太極拳。膝詰めで日本の市民と交流

いっぽう朝日新聞のニュースサイト、Asahi.comは30分ほど後の日本時間07年4月12 13:52に『「私は温家宝です」、早朝の代々木公園をジョギング』という見出しの記事を掲載しました。
「ニイハオ。私は温家宝(ウェン・チアパオ)です」。来日している中国の温家宝首相が12日早朝に約30分間、都内の代々木公園を走り、見よう見まねでラジオ体操するなど市民と交流した。ジョギングを日課にしている温首相は、08年北京五輪のロゴ入り運動着姿でスタート。市民に次々と声をかけ、同走する王毅(ワン・イー)駐日大使が「中国の総理ですよ」と口添えする一幕もあった。

中国メディアと朝日新聞、記事の内容も配信時間もほぼ一緒です。中国側によると、警視庁は安全上の配慮から宿泊先のホテルの庭園で走るよう要請したが、「市民の声を聞きたい」と温首相が強く希望(Asahi.com)したらしいのですが、日中両国のメディアがほぼ同じタイミングで報道していることを考えると、中国側の計算しつくしたPR施策=対日宣伝活動の一環に決まってますよね....。

TBS日本テレビのニュースや時事通信の配信でも、"北京オリンピックのロゴ"とか"王毅駐日大使"とか"市民との交流"などという共通のキーワードで報道されているようです。

きっと、中国側報道官がリリース(予定稿)でも配っていたんじゃないでしょうかねー。"オン・カホウ"も"ウェン・チアパオ"の表記にするメディアも出てきちゃうし。
共産党お抱えの中国メディアよりも、お粗末な日本メディアの実態が浮かんできちゃいます。

追記(2007年4月12日21:30):
NHKの9時のニュースでも、今朝の代々木公園での日中友好演出を取り上げてましたね...。
夜のパーティの安倍さんのスピーチ:(温さんの国会演説に満場一致で拍手が沸いたことに対して)「私が演説しても、与党からしか拍手が起こらないですから....。」
全員与党の人民代(中国の国会みたいなもの)を意識したアイロニーだとしたら、ちょっとだけ、言いたいことを言えた安倍さんに1票!!
[PR]
# by pandanokuni | 2007-04-12 18:51 | ひまネタ