私としては"想定外"だった「上海暴動」をどう捉えたらよいのでしょう。
私は北京に居ますから昨日(4月16日)の上海での出来事を直接目撃したわけではありません。ただ、日本の報道、上海在住の方のブログや知人からの目撃情報などから判断すると、先週(4月9日)北京で起こったことより、一層深刻に感じました。複数の日本車が襲撃を受けひっくり返されたり、日本料理店内部に暴徒の一部が侵入し、お店の設備まで破壊したり、日本に関連していると思われてるレストランやコンビニの看板や窓ガラスが相当数破壊された、或いはパトカーに逃げ込んだ日本人が数百人の中国人に囲まれ、尚且つそのパトカーへの破壊行為も行われた、などという顛末は、もはや「デモ」「集会」の範疇を越え、「暴動」或いは「騒乱」と呼ぶに相応しい出来事だったのではないでしょうか。
もちろん、このような暴動状態になったのは上海市のごく一部、日本人が多く居住するエリアに近い日本関係のレストランやお店が多い地域に限られていたようですが。

実は私は、この週末、北京はもちろん上海でも、暴力や破壊行為を伴う反日行動は起こらないのではないか、と想定していました。

  • 4月13日上海市政府の報道官が外国記者とブリーフィングの中で、「デモや集会には申請が必要で、上海市として現時点では書面による申請を受け取っていない」と明言したこと(NIKKEI NET)。

  • 4月14日以降、上海市民に当局がケータイメールまで使って、そのこと(デモや集会には申請が必要)を周知させていたこと。

  • 北京に住む中国の知人の話

  • そして何よりも、上海及びその周辺エリアの経済は日本との結びつきが他の地域より強く、ビジネスが政治に優先する地域柄だという思い込み。

などが、主たる根拠だったのですが、上海での出来事は私の想定を遥かに越えるものでした。
現時点で私は上海の出来事は、大きく分ければ政権中枢部の"足並みの乱れ"と北京人と上海人の"ライバル意識"が招いた結果だったのではいか、と疑っています。
政権内部の"権力闘争"については既に多くの方が指摘されていますから、見識の浅い私としては詳述を避けますが、一つだけ温家宝さんの発言の変化について述べたいと思います。3月14日「全人代」閉会時の記者会見で温さんは「日中関係は、最も重要な二カ国関係だ」と両国関係の重要性を強調し、日中関係改善のための道標を示しています(もちろん、歴史問題のことも強調)SEARCHINA。ところが北京で反日デモがあった4月9日には、スリランカの津波被災者支援のことで小泉さんを名指しで揶揄したといいます(Y! News)。さらに、4月13日には対日デモについての温さんの発言を人民日報(ウェブ版)が初めて取り上げましたが、見出しは「日本当局は深く反省を」になっていて、3月14日の発言の流れを汲むものの、かなりタカ派っぽくなってしまった感じがします。この間、北京でのデモ発生直後の外交部(中国外務省)の次官クラス喬宗淮さんの「お見舞いと遺憾の意」表明と言う比較的穏健な態度から、4月10日以降の外交部スポークスマンの「背景に中国の責任は無い」と言う強硬な発言へと、次第に硬化したように思えます。
対日強硬派と穏健派による政権内部の"足並みの乱れ"は容易に想像がつきます。胡錦濤さんと温家宝さんはほとんど"一枚岩"に見えなくも無いのですが、やはり江沢民さんの"上海閥"の影が気になるところです。中枢には曽慶紅さん(国家副主席)くらいしかいなくなったのですが、軍部を中心にまだまだ影響力があるのではないでしょうか。

一方、第2点の北京人と上海人の"ライバル意識"とは、「上海なんて○○○」と蔑む北京人と「北京に負けるわけに行かない」という上海人の心理ということです。"上海暴動"が起こる前に私の北京の知人(出身は遼寧省だが大学時代から10数年北京に居る)は、「"拝金主義"の上海人が"金蔓"の日本に刃を向けるはずが無い」と言いました。内心キミだって同類項じゃないかと思いつつ、私は妙に納得させられたのです。ところが、生粋の上海人の知人に上海での出来事について尋ねたところ、「北京には負けられないからね」という言葉が出てきました(彼はデモには参加しなかったとのことですが)。この言葉にも私は妙に納得してしまいました。
<ライバル北京で"愛国主義"的運動が行われた、北京の奴らは経済優先の上海人にはこんなことできないだろうとバカにしている、経済発展で北京に差をつけるだけでなく、"愛国心"でも北京に差をつけてやろうじゃないか....>不謹慎な話かもしれませんが、一部の上海人の意識下にはこうした気持ちがあったのではないか、と思われてなりません。
こうした意識が上海市政府や警備当局にも生じていた可能性も否定できないと思います。上海人と北京人を"ライバル意識"を上海閥"残留勢力vs”共青団派"現中枢部、すなわち"強硬派"と"穏健派"に重ねてみると、自分なりに納得してしまう感じがしてしまうのです。

ただ、私が見聞きした範囲での"警備方針"は、北京と上海で大きな修正がなされたとは思いません。一応デモ隊の進路を塞ぐ、突破されたら先導する、大使館施設内への侵入は阻止する、大使館施設への物の投げ込みは無視する、と言う感じだったのではないでしょうか。レストランや商店への破壊行為に関しての対応方針は想定されておらず、現場の警察官の判断に委ねられていたのかもしれないと思います。中国の警察官や武装警察官は上司からの具体的な指示が無い限り、現場の判断で能動的に対応するということは無いと思われます。

外務大臣の李肇星さんは、4月13日の温さんと同じ内容の発言をしている様子です。李さん自身は知米家の風見鶏のような感じですから、現時点では"強硬派"が優勢な状況で続いていると考えてもよろしいのではないでしょうか。
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# by pandanokuni | 2005-04-17 22:22 | [実録]05年4月反日デモ
北京は緊迫の中にも一応平穏(速報:16日北京時間正午現在)
b0047829_14235167.jpg天安門(9:30)
地下鉄天安門東駅のホームから出口への階段には警察官が2~3人配置されていました[写真-1]。天安門東駅から天安門に向かう長安街の北側歩道の両サイドにはほぼ20mごとに武装警察官が背筋を伸ばして立っています[写真-3]。警察官はところどころに4~5人ずつ固まるようにいて、大きめな荷物を持っている歩行者の荷物や身分証のチェックをしていました[写真-2]。
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b0047829_14241723.jpg天安門広場の中も、ポイントごとに固定配置された緑の制服の武装警察官と、見回り担当と思われ、何となく緊張感に欠けた濃いグレーの制服の警察官が、普段よりは多くいました。
天安門から天安門広場にかけては、いつものように中国各地や海外からの観光客で賑わっており、記念撮影をしたりして、いつもと変わらない和やかな雰囲気でした。


b0047829_14253229.jpg王府井(10:00)
ここの東方広場というショッピングモールの地下にある「吉野家」、1階で通りにも面しているソニーの体験型博物館「Sonyexplorerscience」はフツーの営業していました。玄関にガードマンが配置されている様子もありませんでした。
王府井の歩行者天国の大通りは、いつもの週末と同じように賑やかでした。ただ、歩行者天国の北側の入口(新東安市場前)には、婦人警察官が数人配置されていました[写真-4]。欧米系の観光客でしょうか、少しからかい気味に何か尋ねたり、記念撮影をしたりしていて、のんびりした雰囲気でした。


b0047829_14255448.jpg日本大使館(10:30)
大使館前の通り(日壇路)は一般車も含め交通規制は行っていませんでした。ただ、「交通管制」の標識を載せた公安関係のトラックが周辺に駐車しており、スグにでも交通規制できる体制のようです。大使館の近くの光華路との十字路付近には、濃いグレーの制服の警察官が数人単位で歩道に配置され、不審者の通行をチェックしているようでした[写真-5]。ヘルメット装備の武装警察官も約十人単位で3箇所ほどに固まっていました。大使館の正門には、やはり重装備の武装警察官が約3mごとに5人ほど配置されていました[写真-6]。大使館の南側(国際倶楽部飯店側)にはガソリンスタンドがあるのですが、なぜか赤い消防車が2台停車してありました。国際倶楽部飯店付近の歩道には、30代と思われるちょっと雰囲気の悪い男性が20人ほど地べた座りしていました。この人たちが、大使館に抗議をしようと思って集まってきた人たちなのか、私服警察官なのかは分かりません。その周辺には警察官も何人か張り付いていました。
警備関係者以外では、その感じの悪い男性たちのほかに、"怪しげな"感じの人は見かけませんでした。大使館の目の前を一般の中国人や観光客と思われる欧米系の人たちが、フツーに通行していました。
b0047829_14261683.jpg

その後、光華路を東に向かいましたが、この一帯はなんだか緊張感がありました。


b0047829_14284152.jpg 日本大使公邸(11:30)
先週デモ隊が日本料理店などを破壊した東三環路の北側は、普段の休日と変わらない雰囲気でした。先週被害にあった日本料理店のうち一軒は、店の看板のシンボルだった浮世絵調の和服女性の絵と「日本料理」という文字を黒く塗りつぶしてありました。また、もう一軒は店の玄関の両側に中国国旗を立ててありました。
その東三環路から大使公邸に向かう道沿いには、警察官の姿が目立ちます。大使公邸の西側の道路は、既に交通規制で通行止めになっており、武装警察官がガードしていました[写真-7]。大使公邸前の歩道には公安関係のミニバスが10台ほど駐車してあり、車両の中に待機したり、歩道で包子(饅頭)の差し入れを食べたりしていました。大使館公邸前の十字路では、一台の乗用車が警察官の検問に引っかかっていました。
大使公邸の東側の空き地には、重装備の武装警察官が100人以上待機していました[写真-8]。そこから20人ほどのグループで各方面に行進して行く様子でした。この周辺の道路で武装警察官の行進を何グループかみかけましたが、大使公邸の西側(市中心部)の方向よりも東側の東四環路の方向に向かうグループのほうが多かったように思われます。
この時点では、このあたりに反日運動で駆けつけた人は見当たりませんでした。警備関係者の多さを別にすると、通行人はいつもと変わらない感じです。
b0047829_14291592.jpg

大使館と大使公邸付近は、物々しい警備体制が準備されていて、緊迫感がありました。また、大使公邸の警備のほうがより厳重に準備されているように感じました。これはあくまでも推測ですが、反日運動のグループがやってくるとすれば、大使公邸が中心であり、しかも東三環路方面からではなく、東側の東四環路方面からやってくる、という前提の元で警備体制が敷かれているように思えます。
先週の出来事を考えると、デモ参加者の多くは大学生で、大学の多くは北京市の北西部にあり、大学の多いエリアからは北四環路を経由して、東四環路に向かうことができます。東四環路から大使公邸は比較的近い位置にあります。仮にデモの終着点を大使公邸に設定した場合、デモ隊の市の中心部-つまり東三環路や日本大使館、さらには天安門広場-への侵入を食い止めることができる。つまり、デモ参加者の増大と中国当局が死守すべき天安門広場での集会を阻止することが可能になるわけです。

北京に在住の日本人の皆さん、引き続きご注意ください。
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# by pandanokuni | 2005-04-16 14:30 | [実録]05年4月反日デモ
反日運動、身近な中国人の声。
今週の土曜日、北京でも反日デモに参加しようとのメールが出回っています。また、17日(日)に北京を訪れる町村外相に対する抗議行動も予想され、この週末、北京在住の日本人の方は十分な注意が必要だと思います。
先週の北京でのデモについて、私が直接接した何人かの中国人の声を、できるだけ忠実に書いてみたいと思います。

私のビジネス・パートナー(北京大学で政治学を学ぶ。天安門事件の首謀者とされた人物と学生寮で同室。日系企業勤務。36歳男性):
私:「政府も収拾に向けて本腰を入れるんじゃないの」
彼:「今回の活動は、そんなに簡単に収まるとは思わない。中国の多くの人が支持している反日活動だから、政府が無理に押さえつけることも難しいと思う。」
私:「いつまで続くの」
彼:「早くて9月いっぱい。多分年末までは断続的に続くと思う。」
私:「暴力的行為も続くかなぁ」
私:「過激な暴力行為は取り締まると思う。暴力に訴えることが良い方法だとは、ほとんどの参加者は思っていないよ。群集心理で暴走する危険性はあるけど、参加者も自制するだろうし、政府も過激な暴力行為や破壊行為は取締りを強化すると思うよ。」

(まじめな)出張マッサージの女の子(四川省の農家出身。北京に稼ぎにやって来て約1年。顧客のほとんどは日本人。自称19歳女性):
彼女:--NHKのテレビニュースで小泉首相が映って--「小泉首相が靖国に参拝に行くから、日本は問題があるんでしょ。あなたも靖国に行ったことがあるの?」
私:「無いよ。土曜日のデモのこと、知ってるの?」
彼女:「当然知ってるわよ。(出張マッサージに出かけるとき)店の周りが渋滞で全然タクシーが拾えなかった(彼女のお店は大使公邸の近く)。」
私:「どう思う?」
彼女:「私には関係ないわよ。でも、日本を嫌いな人がたくさんいるんだなぁ、って分かった。日本人はみんな親切で優しくて良い人なのに、何で日本を嫌いになるんだろう。」
私:「小泉首相が靖国に行くから、中国人は日本のことを怒っているんじゃないの?」
彼女:「靖国に参拝する人は良くないと思う。でも、あなたは靖国を参拝しないんでしょ、日本人がみんな参拝するわけじゃないんでしょ?」
私:「何故、靖国を参拝する人は良くない人なの?」
彼女:「はっきり分からない。でもみんな言ってるよ。」

北京人民大学の2年生(国際関係学専攻。湖北省のとある市の公安幹部の娘。私とはグループで食事などをする関係。19歳女性):
彼女:「pandanokuniさんも大変ね。反日がどんどん盛り上がっていくと、仕事にも影響するでしょ。」
私:「まだまだ盛り上がると思う?」
彼女:「回りの人たちは結構盛り上がってるよ。担任の先生は、暴力や行き過ぎた行為は中国の恥を世界に曝すことになるから止めるように言ったけど、参加するなとかは言ってないし。」
私:「これからもデモや集会があったら、キミも参加するの?」
彼女:「同学の友達が参加するんだったら、一緒に参加するかもしれないな。日本人に対する抗議じゃないのよ、日本政府に対する抗議なのよ。」
私:「何を抗議するの?」
彼女:「過去の歴史を反省しない態度と行動について。教科書で中国侵略のことを美化しようとしているなんて、やっぱり許せないよ。」
私:「でも、日本の教科書がすべて、過去の歴史を美化する態度で書かれているわけじゃないんだよ。中国と違って、歴史教科書だって何種類もあって、学校の判断で選べるんだ。どちらかと言うと、中国で問題にするような教科書を使っている学生は少数派なんだよ。」
彼女:「知ってるわよ。特別な教科書のことだけが問題じゃないのよ。日本政府が"侵略"と言う言葉を使うな、と決めたんでしょ。だから、日本政府に対する抗議だって言ったでしょ。」

他にもいろんな中国人と反日運動の話をしたのですが、何らかの形で日本、或いは日本人と関わりのある人ばかりです。上の三人の発言が典型例なのですが、日本や日本人とまったく関わりの無い人は、また別の意見を持っているのかもしれません。
夕べ、老舗の日本式スナックに行きました。いつもと同じように、ほぼ満卓という感じで賑わっていました。このスナックも、9日(土)と10日(日)は臨時休業したそうです。スナックの女の子は、反日運動やデモについて口をつぐむことは無く、こちらから尋ねれば自分の意見を(たぶん素直に)話してくれました。ただ、日本人を顧客とするこのスナックの女の子であっても「日本は悪くない。中国が悪い。」と言う主旨の会話はありませんでした。
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# by pandanokuni | 2005-04-15 18:12 | [実録]05年4月反日デモ
北京の反日デモで、真っ先に経済的被害を被った人たち。
先週末の反日デモの影響で、既に経済的被害を受けている人たちがいます。ちょっとご紹介しておきましょう。

まず、北京在住の殿方や日本からの出張者のオアシス(?)、日本式スナック。北京市内だけで100軒近くありますが、みな日本人のお客さんを当て込んだお店です。4月9日(土)の夜は、外の騒ぎも知らずに普段どおりスナックでお酒を飲んでいた日本人も多かったようですが、日本のテレビニュースなどで"惨状"を知るに至って、日曜日からは客足が遠のきました。こうしたスナックは、週末に荒れた日本大使公邸付近から東三環路、日本大使館のゾーンに集中していますし、北京在住の日本人の間では不用不急の外出は避ける傾向にありますから、まず打撃を受けたのが、こうした日本式スナックや日本人向けカラオケでしょう。裏で操る日本人がいる場合もありますが、こうしたお店のほとんどは中国人がオーナーなのです。
いくつかのスナックでは「送迎サービス」を始めました。夜道が怖くて来れないお客さまを自宅やホテルまでお迎えして送り届けよう、というわけです。さすが中国人ママ、苦境にめげず頑張っています。

次に、中関村のデジカメ販売店。
IT製品販売店がたくさん集まる中関村。4月9日の反日デモがここから始まった理由もそこにあったのでしょうか。そうは言っても、パソコンやモニタなどの周辺機器は日本ブランドが大人気と言うわけではないので、日本ブランド以外の製品が売れれば販売店の人はそんなに困らないのです。ただデジカメやムービーカムとなるとワケが違います。特に中国で販売されているハイエンド・デジカメはほとんどが日本ブランドなのです。デジカメを売る人も、日本ブランド以外に勧められる製品がほとんど無いのです。
私の知人が働くお店は、日本ブランドのデジカメ専門店。9日は休業、10日はお店を開きましたが普段の日曜の1割も売れなかったそうです。このようなお店で働く人たちはフツー歩合給です。たくさん売れればお給料も多くなりますが、売れなければお給料がもらえないわけです。とても困っていました。

昨日の昼食は、現代城(北京市ほぼ中心部のオフィスビル)1階の吉野家に行きました。オフィスに近く、なんと言っても日本では食べることのできない吉野家の牛丼を食べることができるので、週に一回ほどここを利用するのですが、いつもの昼時よりはお客さんが少なかったです。いつもだと、カウンターの列も入口あたりまで長く続き、2フロアに広がる座席も空席が見つからず合席を強いられるほどの混雑なのですが、きのうはカウンターの列も短くて、座席が少ない1階にも6人掛けの席がまるまる空いていて、同僚と二人で悠々食べることができました。北京の吉野家は、日本の直営ではなくて台湾系資本のFCらしいのに....
東三環路などの路面に面した日本料理店は、9日に襲撃を受けたりして、未だに休業しているところも多いです。こうしたお店のほとんどは中国人オーナーですし、従業員もみな中国人です。私たち日本人や日本企業にも経済的被害が次第に拡大していくかもしれませんが、中国人にだって被害が及んでいるわけです。
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# by pandanokuni | 2005-04-13 16:53 | [実録]05年4月反日デモ
北京全体が危険に曝されているわけではありませんが....
数年来メールを出しても返信すらして来ないような旧友から、「大丈夫か」と言うメールが来ました。とにかく北京に居る私の安全を心配してくれている知人が多いのに驚きました。ほんと、ありがたいことです。
2003年のSARS(新型肺炎)流行のときも去年のサッカー・アジアカップ決勝戦のときも、安否確認はありましたが、こんなに多くはありませんでした。日本では「北京が危険だ」と言う報道が相当されているのでしょう。確かにNHKニュースで反日集団の破壊活動の映像とその痕跡を見てしまうと、大変危険な感じがします。でも、広い北京或いは広大な中国のごくごく一部の地域で一部の人たちが起こした行動なのです。

きょうの北京は、フツーに生活している限り、いつもと同じように平穏です。いくつかの事実を紹介しておきましょう。
きのう(4月10日・日曜日)の午後、私は北京市東部にあるイトーヨーカ堂に買い物に行きました。入口付近のガードマンはいつもより少し多めだった感じですが、警察関係者は見かけませんでした。いつもの土日と同じように、北京の人たちで大変な混雑でした。日本ブランドビールも日本から輸入の食材コーナーも、お寿司コーナーもお刺身コーナーもいつもと変わりませんでした。北京の人たちはいつもと同じように買い物をしていました。

きょうは日系企業が入居しているオフィスビルのいくつかに、北京市公安局のおまわりさんが訪ねてきました。知人のオフィスにも北京市公安局外事部所属の制服のおまわりさんが二人でやって来て、日本人の勤務者に対して、安全の確認をし、何かあったらここに連絡するようにと外事部の連絡先を書き残して行ったそうです。私のオフィスは日系企業が入居するようなビルではないので、安全確認のおまわりさんはやってきませんでしたが。

また、来週4月16日に第2波の反日デモを計画しており参加を呼び掛けるようなメールも、今朝あたりから出回っているそうです。メールが届いた大学生の知人によると4月9日の反日デモの参加呼び掛けとは違うアドレスからで、聞いたことの無い団体名だったそうです。一部の大学では、大学当局がデモへの参加とメール転送の禁止を文書で掲示しているそうです。

北京は相当危険らしい、大丈夫か、生きてるか、と心配してくれている知人には、次のように説明しています。東京で喩えるなら....
秋葉原の駅前広場で"りんご"フリークがアンチ"窓"と"窓"の創設者ビル君の排斥集会を始めました。「”窓"は使いにくくてスグにフリーズするOSだ」「ウィルスに弱いのに対策が甘い」「ビル君一人だけに儲けさせてどうなる」「オレたちアーティストはみんな"りんご"を支持している」みたいな事を叫びながら、秋葉原の電気街で「"窓"は買うな、"りんご"にしよう」と行進していきます。"窓"のウィルスやフリーズにイラついていた秋葉原の買い物客の一部も賛同して、そのデモ隊に加わります。どんどん熱くなって、とうとう初台の"窓"の会社の日本ビルまでたどり着きました。そして一部の過激な"りんご"フリークが、手にしていたペットボトルを甲州街道からオフィスビル目掛けて投げ放ちました。
こんな出来事、テレビニュースで目にしない限り、浅草や銀座や渋谷でお買い物している人たちは知りえませんし、他の人たちはフツーに生活し続けているわけです。
もちろん、"りんご"フリークがヒートアップしているところで、「オレは"窓"が好きだ!"りんご"なんて子どものオモチャだ!」なんて叫んだら、きっとボゴボゴにされてしまうかもしれません。でも、そんな特別な行動をしない限り、"りんご"フリークは一般人を攻撃してこないでしょ....

このたとえ話で言うなら、いまの北京はいたるところに"りんご"フリーク(というかアンチ"窓"派)が存在するわけですが、彼らは一人二人では大それた行動を起こしません。何人か集まるとちょっと怖くなっていきます。そんな感じですから、自分からすすんで「オレは"窓"派だ」と主張しない限り、危険はほとんど及ばない、と考えて良いのではないでしょうか。
北京に旅行や出張をご予定の方、ご参考になりましたでしょうか。もちろん、日本人の行動次第では危険な状況に陥ることは確かです。不用不急の観光旅行などを計画の方は、慎重に考えたほうがよろしいと思います。
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# by pandanokuni | 2005-04-11 21:48 | [実録]05年4月反日デモ
4.9北京反日行動、警備当局の対応を検証
b0047829_2214670.gif日本では中国政府当局が反日行動にどの程度関与していたのか、或いはどの程度阻止しようとしていたのか、に関心が集まっているようです。日本では(中国政府当局による)"官製デモ"だという意見、中国政府のコメントでは"自然発生的"な出来事。
私が中関村「海龍大廈」と日本大使館前で実際に目撃した事実より、中国側警備当局の対応を検証してみたいと思います。

中関村に集まった第1派には、少なくとも4名(男性3名女性1名)のリーダー格がいました。彼らは隊列やシュプレヒコールに加わることなく、「海龍大廈」前の広場内での行進の順序や順路を5~20人で構成される小グループに指示していました。
ここでは警察官(濃いグレーの制服制帽)がこの広場の周りに大勢配置されて、野次馬の整理と周囲で見ていた人たちが広場に入って集会に加わるのをせき止める役割を中心に行っていました。もちろん、集会が行われている広場の中にも数十人の警察官がいました。デモ隊のリーダー格と思われる若者と警察官の幹部と思しき人が何度も接触しているのを目撃しました。
10時を過ぎた頃、警察官の幹部と思しき人がデモ隊のリーダー格をせかして、この広場から出て行くよう求めていました。二人で広場のどこから出て行くのか話し合っていました。警察官は、西側(鼎好電子城方向)から出て行くよう話していましたが、リーダー格は「そこからは出られない」(実際、フェンスなどがあって大きな通りに出るのは困難です)と主張して、結局南側から出ることに決まったようです。その後、南側の出口をふさいでいた野次馬や報道関係者は、警察官によって通路を空けるように指示されていました。それからリーダー格の男女二人が、広場内の小グループを南側の出口へと誘導していました。
b0047829_2255584.jpg
「海龍大廈」の広場を出た時点で、各小グループは比較的バラバラな行動をしていました。中関村大街を南に向かう小グループが多かったものの、ひとまとまりに長い行進ではなく、西隣の「鼎好電子城」方向や大学の多い北方向に向かったグループもいました。
私はこの時点で、ここに集まった人たちが、組織的に日本大使館に向けて行進を行う、などと思いも付きませんでした。

デモ隊が日本大使館に向かっている、との情報をもとに、大使館付近にたどり着いたのは4時過ぎでした。大使館の南側の国際倶楽部飯店の方向からアプローチしましたが、警察官によって大使館前を通してもらえませんでした。このとき、"送迎用"バスが20台ほど駐車してあるのを目撃したのです。
b0047829_2262296.jpg
私はロシア人街(雅宝路)を遠回りして、大使館の北側の日壇路にたどり着きました。大使館につながる日壇路の両サイドには警察官がびっしり並んでいて、車道を歩いている人を歩道に上がるように指示していました(このとき既に車両の通行は制限されていました)。
そして、間もなく日壇路の北側から、まず警察官が3列ほど20人ほどが先頭になって、その後ろからデモ隊がやってきました。光華路との交差点の左右(東西方向)は、警察官によって封鎖されていました[写真1枚目]。この交差点から日本大使館まで100mほどあるのですが、ここの警備は普段各国の大使館を警備している武装警察が軽装備(ヘルメットと盾無し)で担当していました[写真2枚目]。歩道と車道の境に並んで手をつなぎ、歩道から車道へ、或いは車道から歩道への人の流れを阻止していたようです。
日本大使館前は、重装備の(ヘルメットに盾を持った)武装警察官が固めていました。30mほど
の大使館の間口に3重から5重にびっしり並んでいましたから200人ほどはいたと思います[写真3枚目]。いっぽう大使館前の公道、つまりデモ隊が密集しているエリアは警察官の担当のようで、デモ隊に紛れ込んでしまっていましたが100人ほどはいたと思われます。私が見た限り、大使館前の武装警察の役割は、大使館敷地内へのデモ隊の進入阻止、ということではっきりしていたと思います。群集の移動に応じて、隊形を厚くしたりしていました。密集して並んでいたので、指示も通りやすかったようです。
一方、警察官のほうはデモ隊の大使館前での滞留を止めさせ、スムースに南側に移動させることが任務だったように思えます。ただ大使館前の警察官はデモ隊の人並みにまぎれてバラバラになってしまい、組織的な連携がうまくいってなかったようです。大使館の北側に配置された警察官の何人かが、さかんに北側に移動するように叫んでいましたが、拡声器を使ったわけでなく指示が徹底していませんでした。「早く移動しろ」という警察官に対して、動かないでいた人たちが言い争いになり、警察官に服をつかまれて無理やり南側へ移動させられたシーンも目撃しました。長く留まる人たちと移動を促す警察官の間で、何度か言い争いがあったのは確かです。中関村で見たリーダー格の一人が、仲裁に入ってデモ隊の先頭を大使館の北側へ移動するように促していました。

さて、大使館へのペットボトル等の投げ込みについてです。
b0047829_2284212.jpg
デモ隊の先頭が大使館前に着いた当初は、シュプレヒコール中心でした。そのうち、誰かがペットボトルを投げました。このときは歓声よりと言うよりざわめきが起こりました。一瞬間があって、ペットボトルなどがどんどん投げ込まれていきました。最初のうちはデモ隊が密集していたので、勢いがつかずあまり遠くまで届きませんでした。第1陣のグループが北側へ移動し始めると、大使館から遠いほうのサイドに余裕ができ、助走をつけて投げ込む人が出てきました。付近には警察官もいましたが、見ていないふりをしていて、積極的に阻止するようなシーンは見ていません。

大使館前の警備について、恐らく警備当局の方針は、
(1)デモ隊が大使館前を通過するのは阻止しない。ただし、長い滞留をさせずに、できるだけ速やかに南側へと移動させる。
(2)武装警察は、デモ隊が大使館敷地内へと侵入するのを阻止する任務を負う。
(3)警察は、デモ隊が速やかに南側に移動させる任務を負う。
という感じに思われました。モノの投げ込みや破壊行為に関しては、"想定外"だったのではないでしょうか。少なくとも現場の警察官は対応しろとは言われていなかったようです。かと言って、無視しろとも言われていなかったように思えます。投げ込みが激しくなっていくと現場の警察官はちょっとオロオロした感じになりました。中国のお役人特有の「面倒なことには関わりたくない」といった表情を、私は見て取りました。ちなみに、大使館前の公道に配置された警察官は無線やトランシーバーを装備しておらず、デモ隊にまぎれてしまって指示体系が寸断されている様子でした。デモ隊に揉まれながらケータイ電話で、恐らく上司の指示を受けようとしていた警察官も見かけました[写真4枚目]。
b0047829_2291089.jpg
以上が私で見た事実と感想です。


b0047829_22143382.jpg 前回ポストした「彼らの"主張"」の中で、大事なものを一つ忘れていました。それは、「抗日は愛国だ」という意味のことです。このことは、反日集会参加を呼び掛けるメール(中国語のままアップしています)にもはっきり書かれています(なおこの文書には「暴力行為を行わないように」ということも書いてあります)。反日行動は決して国家の方針に背くものではなく、国家を愛する行為の一つだ、と言うことでしょう。デモ隊が投げたペットボトルが警備中の武装警察官のヘルメットに当たりそうになると、「気をつけてぇ」と声がかかりました。ぶつかると「ゴメンねぇ」と声があがりました。ボゴンとペットボトルをぶつけられた武装警察官も心なしか微笑んでいるように見えてしまいました。
彼らがともに「愛国心」と言う言葉で結ばれているような気持ちにさせられました。
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# by pandanokuni | 2005-04-10 22:11 | [実録]05年4月反日デモ
北京・反日行動の参加者の"主張"です。彼らの"主張"を知ることも大事でしょ...
b0047829_13285345.jpg4月9日、北京で発生した反日行動(敢えて"暴動"とは言わないでおきましょう)の参加者は、どんな主張を繰り広げたのでしょうか?或いは、何を訴えようとしたのでしょうか?彼らの掲げた横断幕やプラカード、叫んだシュプレヒコールなどは、私が見た限りこの行動を遠巻きに見ていた野次馬など北京市民の共感を得ていて、結果として徐々に参加者を膨らますことになったと思います。
b0047829_13293593.jpg

日本人が、日本企業が、或いは日本政府が、この事態と向き合うとき、彼らの主張している内容を知ることは大切だと思います。私の見聞きした範囲で、挙げてみたいと思います。

  • 侵略を美化し、歴史を改ざんしている、日本製品を不買し、抗日することは国家を救う (横断幕)

  • 日本の歴史教科書改ざんに抗議!日本の常任理事国加入に反対!中国人よ行動を起こそう!日本製人に"NO!"(横断幕)

  • いま日本製品を買うことは、将来中国に向け日本のたミサイルに、あなたが手伝うことになる(プラカード)

  • 日本製品のボイコットは中華民族の情感、日本の常任理事国入り反対派中国人の民意(横断幕)

  • b0047829_1330977.jpg
  • 釣魚島(尖閣諸島)は私たちのものだ(プラカード)

  • 釣魚島(尖閣諸島)から日本は出て行け(プラカード)

  • 拒絶、日本の帝国主義(プラカード)

  • 日本の常任理事国入りを粉砕しよう、歴史を歪曲する国会にその資格は無い(横断幕)

  • 中国人民は怒っている!いずれもっと深刻になるぞ!(横断幕)

  • Anti-! Japanese Fascizm.(プラカード)
  • (誰か)買わないぞ!(その他大勢)日本製品!(掛け声))

  • (誰か)釣魚島(尖閣諸島)! (その他大勢)中国のもの!(掛け声)

  • (誰か)日本の常任理事国入り...(その他大勢)絶対反対!(掛け声)


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彼らの"理性的な"主張の主流と思われる部分を整理しますと、次のようになります。
日本は侵略の歴史を美化し歴史を改ざんしている、また(中国の領土である)尖閣諸島を日本が不当に占拠している----だから---- 日本製品を買うのをやめ、日本の国連安保理常任理事国入りを反対しよう。
また、全体のトーンとしては、日本が再び"ファシズム"に走り、中国に向けて"侵略"を始めるのではないか、と言う危惧を抱いている感じも受けました。「中国人が日本製品を購入すると日本企業が利益を挙げて、その利益によって日本の軍備が拡大され、いずれ中国に攻めてくる、だから日本製品を買うのは止めよう」こうした論理で考えている参加者も多かったのではないでしょうか。
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今回の行動で最も目に付いた主張は「日本製品排斥(中国語だと"抵制日貨")」であったことは間違いありません。また「、日本や日本人を感情的に蔑視するようなプラカードやシュプレヒコールも多く混じっていたのも事実です。プラカードの中には、例の「小日本」や「鬼子」という表現がありました。また、JAPANESEのスペルを文字って、
Junk Adult Prostitute Ass Nasty Evil Scamp Excream
(ゴミ、色魔、娼婦、駄ロバ、不快、悪魔、ヤクザ、糞便)と書いてあった横断幕が偉く目に付きました。

なお4月10日正午現在、北京のメディアは9日の反日行動についてほぼ黙殺しています。テレビも新聞もネットでも報道していません。9日の中国外務省の会見での反日行動に関する日本記者と秦剛スポークスマンの質疑応答の内容がWebに掲載されている程度です。また、香港の新聞「大公報」のウェブがかなり詳しく伝えており、北京からもアクセスできる状態になっています。
とは言え、多くの北京人は昨日の出来事を知っています。目撃した人がケータイ・メール(SMS)などを送りどんどん広がっていったのでしょう。メディアは伝えなくとも、ある程度の情報通なら知っているはずです。
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# by pandanokuni | 2005-04-10 13:36 | [実録]05年4月反日デモ
日本大使館付近に手配済みだったデモ隊"送迎バス"
b0047829_185416.jpg4月9日、北京市で巻き起こった反日集会とデモですが、私がこの目で見た中関村「海龍大廈」と日本大使館前で起こった出来事のほかにも、いろいろ騒ぎがあったようです。現時点で信頼できる筋から得た情報によりますと、(1)東三環路に面する日本料理店少なくとも2軒の玄関や窓ガラスなどがこわされた(そのうち1軒は中国人経営のお店なのに)。 (2)東京三菱銀行など日本企業が多く入居する発展大廈に投石があり、ビルの窓ガラスがわれた。 (3)日本大使公邸付近の路上に駐車中の日産セドリックがひっくり返された。 などの出来事がありました。


b0047829_193473.jpgさて、爺の裏長屋さんには中国当局からの接続制限まで心配していただきましたが、デモ隊到着前に日本大使館南側の路上に駐車してあったバスの写真をアップしちゃいます。北京ではおなじみの連結タイプの長いバスが20台ほど駐車してありました。現場に着いたとき、私は警備関係者用のバスだと思いました。でも、大使館の北側に回ってみると、光華路(大使館の北側に面した通り)沿いにたくさんの警察用マイクロバスやミニバンがとまっていました。そして、例のアナウンス(「バスで帰りましょう」)です。このバスは、デモ隊を送り届けるためのバスに違いありません。


b0047829_1105779.jpgただ、だからと言って、日本大使館へのデモ行進が中国政府当局が背後で糸を引くような"官製"だとは言えません。デモ隊の帰る"足"が手配されていなかったら、更に甚大な混乱を招いたかもしれません。現に、上述のように東三環路付近で破壊行為を行ったり、大使館とは距離の離れた日本公使公邸付近に向かったのは、組織されていなかった、つまりデモ行進のルートや帰りの"足"をしっかり準備していなかった、群衆だったようです。もし、大使館に押しかけたグループがそのまま"現地解散"していたら、ヒートアップしたまま無統制で日本関係の商店やレストランやオフィスビルに、散らばって、もっと"悪さ"を働いていたかもしれません。
私としては、この"送迎バス"は騒ぎの過激化をある程度抑える役割を果たしたのではないかと思います。

反日集会で、もう一点目に付いたこと。それは、「日本製品不買!」と叫ぶ人たちを撮影している人たちが利用しているデジカメやビデオカメラがほとんど日本ブランドの製品だったことです。さすがIT製品マーケットが立ち並ぶ中関村だけあって、野次馬や興味半分で集まってきた人たちの多くがデジカメやビデオカメラを持っていました。もちろん、テレビクルーの機材はSonyかPanasonicです。反日集会に参加した人たちにとって、このことはあまり興味が無かったようです。

最後に、tanakaさんからリクエストのあった「デモ呼び掛け」サイトについてですが、現時点ではほとんど接続できない状態になっています。なぜか、私のところにもメールが送られてきた民意ネット(現時点では過激で無い内容に差し替わっています)がオリジナルと思われる呼び掛けメールを中国国外のサーバーにアップしましたので、興味のある方はご覧ください(中国語ですが)。それと、まだ"生きてる"反日署名サイト:反日署名ネットです。ご参考まで。
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# by pandanokuni | 2005-04-10 01:12 | [実録]05年4月反日デモ
北京の日本大使館にはペットボトルなどが投げ込まれました(9日18時現在・速報)
b0047829_19213511.jpgデモ隊が到着する前、日本大使館周辺は多数の公安や武装警察が配置され、自動車や歩行者の通行が禁止されていました。
デモ隊は午後4時40分頃、北京の日本大使館がある日壇路の北側から行進してきました。先頭には、20人ほどの警察官が誘導していました。私は警察側がブロックしていた光華路との信号(大使館のあるブロックの十字路)から先は、デモ隊を進入させないのだろうと考えていました。ところが、デモ隊は警察官に誘導されて、先ほどまで一般の人が侵入できなかった信号の先を大使館へと向かって行きます。そして、とうとう先頭が大使館の正面に到着し、行進はストップしました。
大使館の前には、武装警察が緑のヘルメットに盾の装備で、幾重のも隊列を作っていました。


b0047829_19222291.jpg最初のうちは、シュプレヒコールを繰り返していましたが、遂に大使館に向けてペットボトルが投げ込まれました。ペットボトルは次から次へと投げ込まれ、一部は大使館の建物手前にある警備用の小屋や建物そのものの壁に当たりました。うまく投げ込まれると、デモ隊から歓声が上がります。そのうちペットボトルだけではなく、何か黒いもの(壁に命中すると黒色の痕跡が残りました)や石のような固いもの(たまたま街路灯の金属製のポールに当たり、キーンという音をたてました)まで投げ込まれました。
このような状態が10分以上続き、警察官に促され先頭のグループが南側・国際倶楽部飯店のほうに移動させられました。そして、後続のデモ隊が大使館正面に陣取って、シュプレヒコールを繰り返し、ペットボトルなどを投げ込みました。デモ隊のリーダー格には、朝方中関村の「海龍大廈」で仕切っていた男の人がいました。大使館前に立ち止まらず、南側に進んでいくように、盛んに叫んでいました。
共同通信によると、大使館の窓ガラスが割れた、とのことです。いろんなものが投げ込まれ、いくつかは大使館の建物に"命中"していましたから、窓ガラスが割れてもおかしくないと思います。


b0047829_19225633.jpg警察関係のマイクロバスからは、「ご苦労様でした。バスを用意していますので、学校に引き上げてください。」という女性の声のアナウンスが聞こえてきます。大使館の南側・国際倶楽部飯店前の路上には、路線バス用の車両(連結型の長いもの)があらかじめ20台以上駐車してありました。

横断幕やプラカードからしても、私が見たところ、朝9時に中関村「海龍大廈」に集まったグループが中心となって、大使館までデモ行進してきたのでしょう。おそらく、デモ隊として日本大使館までやってきたのは1,000人位ではないでしょうか。"送迎用"バスの台数から考えても、組織的に大使館を目指したのは1,000人程度だと思います。
"警察関係の阻止を振り切って"という主旨の日本の報道がありましたが、警備当局は、少なくともデモ隊が大使館に到着することは認めていたのでしょう。少なくとも私が見た日壇路では、数10人の警察官がデモ隊の先頭にいました。
警備関係の人たちは、大使館周辺だけでも1,000人以上いたと思います。警備は、デモ隊を大使館前に長く滞留させない、という方針で行われたように思えます。デモ隊はそうした指示に基本的に従順でしたが、大使館にモノを投げ込む行為自体を、警備当局が注意したり咎めたりしていなかったようです。

自国の大使館に、モノが投げられるようなことは、とても残念で悲しいことです。北京の日本人の皆さん、引き続きご注意ください。
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# by pandanokuni | 2005-04-09 19:24 | [実録]05年4月反日デモ
北京市中関村「海龍大廈」付近の反日集会は、比較的冷静でした(9日午前現在・速報)
日中のメディアがまた大袈裟な報道をしてしまうのでしょうか。
共同通信は"新華社発表"として既に「1万人」と伝えていますが、私が見た限り、そんな多くはありませんでした。
b0047829_1428351.jpg私は午前9時過ぎにI北京市中関村のITモール「海龍大廈(ビル)」に着きました。このビルの前の中関村大街という通りは、たくさんの人でごった返していました。このビル前の広場に入ることは、既に警察によって規制されていました。ただ、警察の規制を潜り抜けて、集会が行われている広場までたどり着くことも比較的容易でした。
「反日集会」の参加者は多く見積もっても500人程度で、広場に入り込んだ買い物客と報道関係者で広場の中は1,000人ほどの人だかりになっていました。広場の周りには低いフェンスが配置され、目の前の通りや歩道橋から、遠巻きに"野次馬"が見学している、といった状況でした。


b0047829_14294678.jpg午前9時にこのビル前に集合した"デモ隊"は、数人の若者によって比較的整然と管理されていました。「反日」メッセージの横断幕やプラカードを用意した5~15人が1つのグループになっているようで、そうしたグループが10~20ほど来ていました。さらに、友達や恋人同士2~3人で駆けつけた人たちも加わって、それぞれのグループのリーダーが"アジ"演説をぶって喝采を浴び、最後に国歌で占める、というパフォーマンスが繰り返し行われていました。

10時を過ぎると、リーダー格と思える若者が中心となって、集会に"組織的"に集まってきたグループをこのビルの広場から出て行くように誘導していました。ほとんどの参加者は、この誘導に従って行列を作り、広場の南側の出口から、シュプレヒコールとパフォーマンスを繰り返しながら、行進して立ち去っていきました。多くの参加グループは、このままデモ行進をしながら、中関村を後にしたようです。
中関村「海龍大廈」では、10時半頃には"第一波"の反日集会は"散開"となりました。


b0047829_14303562.jpg「海龍大廈」は営業休止です。隣のITモール「鼎好電子城」に行ってみました。「海龍大廈」に近い出入り口は閉鎖されていましたが、ほぼ通常通り営業。「海龍大廈」がお休みしているので、お客さんで大賑わいです。このITモールの1階にある日本ブランドのショールームは2つとも臨時休業しています。また、日本ブランドの製品を多く扱うリテール・ショップもお休みしたり、日本ブランド製品をショーケースから撤去したりしていました。きょうの午前中は、攻撃に遭ったりは、していなかったようです。

私はこの反日集会がかなりコントロールされているように思われました。
第一に、日本の国旗がほとんど持ち込まれていませんでした。日の丸をモチーフにしてバッテンを付けたようなプラカードは見かけましたが、日本の国旗そのものは見かけませんでした。
第二に、焼き討ちのようなデモンストレーションも見かけていません。日本の国旗が持ち込まれなかったので、焼かれなかったですし、例えば日本ブランド製品をぶち壊したり、日本の指導者のオブジェに火をつけたり、といった"過激な"デモンストレーションが無かったように思えます。
第三に、数人のリーダー格の若者(写真一番下の男女など)が理性的にコントロールし、参加者もよく従っていた、と言う感じがしました。「海龍大廈」には相当数の警察官が集まって、取り囲んでいましたが、警察官が集会参加者に直接指示するシーンは少なく、警察側の現場責任者と思しき人とリーダー格の若者が相談しあって、集会参加者にはそのリーダー格の若者が指示を出し、集会参加者は比較的素直にその指示に従っていたように見えました。
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もともと、このあたりの土日は特に買い物客が多く、集会のことを知らずに買い物に来た人たちが、周りを取り囲んで"声援"を送ったりしていますから、そうした人たちまで数えたら軽く1万人は越えてしまいます(お隣の「鼎好電子城」は平日でも一日5万人以上の客流があります)。また、私が「海龍大廈」を後にしようとした正午ごろにも、横断幕やプラカードを持参した5~10人のグループが時より駆けつけてきていました。そうしたグループがまだまだやってくるでしょう。
でも、午前の段階で「1万人参加」の報道はあまりにも大袈裟だと思います。

私はこの集会に加担したり、支持したりしていません。日本人として歯軋りするようなスローガンが叫ばれるのを現場でじっと堪えていました。ただこの集会が日本や中国のメディアでどう報道されるか心配で、できるだけ客観的に見た事実をレポートしました。
もちろん、これからコントロールを失った過激な人たちが、どこでどんな行動を起こすか分かりません。北京にお住まいの日本人の方は、引き続きご注意ください。
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# by pandanokuni | 2005-04-09 14:32 | [実録]05年4月反日デモ