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中国:「バブルを崩壊させないために軍事力増強を」と主張する"論文"がネットで大ブレイク中!!
いま中国のネット上で話題を集めている"論文"があります。

『良き日を想い、中国人の破産を望まないために、ぜひ読んでいただきたいのです』(この転載が読みやすいと思います)

"詠み人知らず"の9,000文字を超えるこの長文は、張偉さんのブログの4月11日付『大衆心理が不動産市場に災いをもたらすことを心配する』と言うエントリーに4月12日に残されたコメントでした。コメントには「黒馬楽園」と言う怪しげなBBSからの転載であることが示されていましたが、"オリジナル"を見つけることができませんでした。政府批判も含まれているので、きっと本名は曝していないでしょう。ですから、"詠み人知らず"です。
ちなみに、張偉さんは山東省の泰安市で「中華泰山網」と言うどローカルなポータルサイトの編集長をされている方のようです。

『良き日を想い、中国人の破産を望まないために、ぜひ読んでいただきたいのです』と言う"論文"は、その後多くのブログやBBSに転載され(検索サイトで調べてみると2,000くらいにはなると推測されます)、或いはそのテキストファイルがメールで転送されるなどして、中国の30代前後の人たちに共感を持って読まれているようです。BBSではこの"論文"に関する議論が盛り上がっているところです。私にも中国の複数の知人からこの"論文"がメールで送られてきました。

「株で大儲けした、不動産で儲かった、などと喜んでいる人は、自分の墓穴を掘っているようなものです。」
と言う書き出しのこの論文を大雑把に要約すると以下のような内容です。
人民元の上昇についてはしゃいでいる中国人がたくさんいますが、アメリカのことを理解せずに喜ぶのは大間違いです。アメリカとの金融戦争は既に厳しい局面に入っているのです。
80年代末の日本のバブル崩壊、90年代末のアジア経済危機は、すべてアメリカ政府が引き起こしたものなのです。80年代後半の円高はアメリカの罠で、これが原因で日本は多くの財産を失うことになりました。アメリカは病みつきになって、10年後にアジア経済危機をも引き起こしたのです。
いまの中国の株価上昇も不動産の高騰もすべてアメリカの策略なのです。台湾海峡や中央アジアに目を奪われている間に、アメリカとの経済戦争は既に始まっているのです。戦争の目的は、敵国の資源を叩き潰して、敵国民を奴隷の如く酷使して搾取することなのです。ソ連の崩壊すらも、アメリカとの経済戦争の結果と考えても良いでしょう。

アメリカは中国に莫大な人民元の発行をせまり、バブルの崩壊を誘発しているのです。
人民元は中国国内資産と同等の価値だけあれば充分なのに、悪意を持った外国投資ファウンドのために、既に10.6兆RMB(1.36兆US$、約160兆円)も余計に人民元を発行しています。人民元が15%上昇すれば、奴らは2,000億US$(約24兆円)儲かる計算なのです。
いっぽう、人民元が上昇すれば1RMB(約16円)のものが0.8RMB(約13円)で手に入れられるハズなのに、実際は給料以外のすべてが値上がりしています。北京、上海など大都市部での物価上昇は決して偶然ではなく、不動産バブルがインフレを招いている証拠なのです。住宅の購入費は、世界平均が年収の5倍であるのに、中国都市部は10倍もするのです。
かつて外国人が中国でマネーロンダリングしていたのに、今や金を儲けた中国人が海外でマネーロンダリングしていますが、そんな状況に浮かれていて良いのでしょうか?

中国の指導者の対応はうまくできていません。中央政府がバブルをソフトランディングへと導くことは無理です。このままでは、外国資本の攻撃によって、中国経済は崩壊します。

国際環境は一層悪化・複雑化しています。中国はまず軍事戦と経済戦争の準備を進めるべきです。
人類の歴史上、戦争によって他国の財産を奪い取るということはよくある話です。中国人民の財産を守り、いずれ怒りうる軍事衝突に備えるため、中国は、陸・海・空、そして宇宙の軍備を増強すべきです。宇宙の非軍事化など、そもそも絵空事に過ぎないのですから。
現状では、軍事戦争に代わって経済戦争が、他国の財産を奪い取るための手段になっています。1997年のアジア経済危機がまさにそうでしょう。中国の政府と人民はこのことを忘れてはならないのです。既に外資は伏兵を中国に送り込んでいます。彼ら、つまりアメリカが中国の扉を押し開き、人民元を掲げて暴利を貪ろうとしているのです。

原文は具体的な事例や数値データを盛り込んで、説得力のある文章になっています。
そして、以下の文章で締めくくられています。
つまり、中国は苦しみを怖れてはならないのです。そして死をも怖れない強大な陸・海・空、そして宇宙の軍隊を整備して、戦争に備えなければなりません。
同時に国家を熱愛し、国際的な視野を持ち、金融のグローバル・スタンダードを熟知し、これらを「無敵軍隊」として経済戦争に立ち向かっていかなければなりません。
そうしてこそ、中国の安全と人民の財産を守ることができるのです。
良き日を想い、中国人の破産を望まないために、この文を最後まで読んでいただきたいのです。そして、バブルに浮かれる人民がすぐに目覚めるようにネットを通じて多くの人々に伝えられることを望んでいます。

バブルに踊らされてる人たちが30代中心だとすると、この"論文"に踊らされているのは20代後半が中心のようで、この間まで"抗日"(反日)で踊らされていた年代よりはちょいと"大人"という感じがします。
この論文やそれに対するコメントをみる限り、敵はすっかりアメリカになってしまいました。日本は他のアジア諸国とともに、アメリカの経済侵略の犠牲者と言う論調です。まぁ、日本はアメリカに打ちのめされたけど中国なら大丈夫、と言う"驕り"や中国が日本やアジア諸国に代わってアメリカをやっつけてやる、と言う"覇権主義"的な思想回路は健在のようですが....。
それにしても、経済戦争に関する"論文"の結論が、軍事力増強と言うのは、いかにも中国っぽい感じですね。
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by pandanokuni | 2007-05-27 11:22 | 社会ネタ
祝・打上げ成功!?「アフリカはウチのもの」(by 中国).....かなぁ。
2週間ほど中国でホテル暮らしなので、いろんな国のテレビニュースが楽しめます。

韓国のKBSニュースはここ二三日、中国船による当て逃げのニュースに青筋立ててましたね。
韓国人7人を含む船員16人が乗り組む韓国の貨物船が、中国海域で中国の貨物船と衝突・沈没し、船員全員が行方不明となった。中国海事当局は、警備艇や航空機などを動員し、二日にわたる捜索作業を行ったが、行方不明者を発見することはできなかった。(朝鮮日報Web)
つまり、韓国の貨物船と中国のコンテナ船と衝突して、韓国の貨物船が沈没して16人が行方不明になったという事件なのですが、中国のコンテナ船には大きな被害が無く、自力で大連港に入港してからようやく事故の報告をしたそうなのです。中国による"当て逃げ"です。中国のコンテナ船にも衝突の認識はあったらしいのですが、救助活動を行うでもなく、そそくさと立ち去ってしまったことに、韓国メディアは怒っているようです。
キャンキャン吼えてる韓国側に対し、中国メディアは当然黙殺!!

そのころ、中国CCTVニュースでは、海の話ではなく宇宙の話で盛り上がっていました。
中国国営新華社通信によると、中国は14日、四川省の西昌衛星発射センターから、ナイジェリア向け通信衛星「ナイジェリア通信衛星1号」を長征3号Bロケットで打ち上げ、軌道に乗せることに成功した。中国が外国から衛星及びロケット本体を受注し発射まで請け負ったのは初めて。今後、アフリカなど途上国を軸に衛星発射の受注を拡大させるとみられる。(Fuji Sankei Business i)
中国がナイジェリアの通信衛星を打ち上げた、と言うお話。4年前に有人宇宙飛行にも成功してしまった中国ですが、その宇宙技術を商業的・平和的に使用し成功した、と言うストーリーではあります。まぁ、なかなか自前のロケットをうまく飛ばせない日本人がどうこう言う資格があるのかわかりませんが、中国のアフリカ・トラップがぷんぷん匂ってくる、平和利用とはちょい違った裏ストーリーも読み取らなければなりません。
アメリカが人権問題とか云々炬燵を並べている間に、中国がどんどんアフリカ諸国を取り込んでしまっているわけです。ナイジェリアにしても民族紛争が絶えなかったわけで、そうこう言っているアメリカにしても石油目当てに人権蹂躙政府に武器などを提供してきたのです。中国は衛星打ち上げ代行という"平和的な手段"でアフリカの資源を根こそぎ持っていこうとしているのかも知れません。アフリカ開発銀行の総会もなぜか上海で開かれているようですし....
「アフリカはもうウチのもの」と言う中国政権の本音が聞こえてきそうなロケット発射の報道ではありました。
日本も莫大な費用がかかるロケットの自主開発など止めにして、衛星打ち上げをアウトソーシングしたほうがコストを抑えることができるハズです。でも、たいした資源が無いから、中国が受注してくれないかぁ.....。

台湾の軍事演習(時事ドットコム)のことは、CCTVニュースではやっていなかったようですが、上海の東方衛視のニュースが脳天気に取り上げていました
NHKニュースでは確か「来年の総統選挙に向けて、陳水扁政権が台湾の人たちに中国の脅威を煽る目的」などと解説していましたが、東方衛視ニュースではもちろんそんなコメント無し。高速道路を使って離着陸する戦闘機の名前を丁寧に紹介する、軍事オタク向けのトピックに仕上がっておりました。

P.S. この記事を書くにあたって、Googleの日本サイトから「神舟 有人」で検索しようとしたら、いきなりシャット・アウトされてしまいました(Googleの日本サイトにアクセスできない状態になりました).....。30分経ったいまも"google.co.jp"は私のPCからアク禁状態です....。なんか気に障ったかなぁ!?
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by pandanokuni | 2007-05-16 21:49 | 社会ネタ
観光地・杭州の『宋城』で垣間見る中国の覇権主義。
仕事で行ったはずの杭州でしたが、なぜか観光施設である『宋城』に立ち寄ることになってました。

『宋城』は杭州が首都だった南宋時代の街並みを再現したテーマ・パークで、胡散臭いお土産屋さんが軒を並べている、『日光江戸村』みたいなものだと思っていただいて良いのですが、『宋城千古情』という"全景式大型歌舞"が最大の呼び物とのことで、パンフレットのふれ込みは「フランスのムーランルージュやアメリカのラスベガスを凌ぐエンタテインメント」。世界各国から毎年160万人が見に来ているらしい....。

この種のパフォーマンスやショーは、ディズニー・ワールドのそれを越えるモノは無いだろうと鷹を括っていたのですが、エンタテイメントとしての完成度はかなりのものでした。
世界的な(?)観光地を標榜するだけあって、スクリーンに映し出される解説の字幕は、中国語だけではなく、英語、日本語、韓国語も併記されており、中国語が分からない観光客にも何となくストーリーは理解できるようになっています。

パフォーマンスは4部構成で、第1部は中国の伝説時代、第2部は宋朝の隆盛、第3部は宋朝の滅亡、第4部は未来と世界との絆、と言う感じです。男女数十人のダンサーが繰り広げるパフォーマンス、市川猿之助なみの宙吊り、お馴染みのサーカス的雑技の要素もふんだんに盛り込み、レーザーやPARライトを駆使した照明効果、滝のような雨を舞台に降らせるばかりか、客席にまで霧雨を降らせ、前方の客席が移動してその跡から突然セリが上がってきたり、とディズニーのミッキーマウスのショーを越え、ブロードウェイのミュージカルに迫る本格的なエンタテイメントに仕上がっています。

b0047829_143344.jpg第1部で演じられる、この国"十八番"の『梁祝伝説』(悲恋の男女が蝶になるという中国版ロミオとジュリエット)は、中国にしては抑え気味のライティングでかなり幻想的に仕上がっており、第2部の宮廷の女性たちの舞いは美しくかつセクシーでした。第3部ではこの国の英雄にして勇敢に蛮族(!?)金に立ち向かった岳飛がかっこよく登場し、カンフー映画並みのアクションを繰り広げるばかりか、、南宋軍の騎馬隊は馬は本物が登場(テーマパークで観光用馬車を引いていた馬の使いまわしという感もありましたが....)。

第4部はいきなり現代から未来にぶっ飛ぶと言う設定です。まぁ、これまで中国のパフォーマンスでこの種のテーマを表現するとなると、中国の"国力の象徴"と自負しているであろう、大都市部の高層ビルや新幹線まがいの列車、安っぽいロケットなどが登場させるのが常套手段という感じだったのこですが、この『宋城千古情』という舞台はちょいと方向性が違っていました。

なんと突然、背景に富士山が現れ、舞台には桜と思しき樹木が立ち並び、女性ダンサーが和服と思しきコスチュームで、我が日本の『さくらさくら』の音楽に合わせて、日舞と思しき踊りを踊り始めたのです....。これはこれでキレイだったのですが、どうみても日本の雰囲気が出てはいませんでした。
スクリーンの字幕解説によると、"世界は一つ、世界中の友達とともに"みたいな流れで、日本の富士山と『さくらさくら』のパフォーマンスが始まり、次は何故かインド系のダンスが続きます。なぜ、インドなのか不思議ですが、中国では最近インドのテレビドラマやインド映画のDVD(もちろん違法コピーもの)がそこそこの人気なので、中国人の観客に親近感でもあるのだろう、と考えていました。
ところが、次に台湾民族の総称である"高山族"の民俗舞踊が登場したときには、何となく不愉快な感じがしてきました。そして最後の締めは、韓国(朝鮮)の『アリラン』の踊りです....。

つまり、"世界は一つ、世界中の友達とともに"というテーマで、日本、インド、台湾、韓国(朝鮮)の民俗的パフォーマンスが演じられたのです。
観客の中には修学旅行と思しき韓国の高校生の団体がいて、"アリラン"のダンスが始まると一斉に歓声が上がりました。さすがに民族意識が強いと思ったのですが、喜んでいてよいものだったやら!?
ほとんどの観客は中国大陸の人たちです。字幕は中国語のほか、英語、日本語、韓国語でも表示されていたので、アメリカやイギリスを中心とした欧米人、日本人、韓国人などもかなり訪れているのでしょう。
第4部の"世界は一つ、世界中の友達とともに"が、こうした異国からの来場者に対するサービスであるとすれば、『さくらさくら』や『アリラン』が登場するのは理解できなくもありません。でも、インドからの来場者などほとんど無さそうなのにインドのダンスが出てくるのには違和感があります。杭州を訪れる観光客の割合から考えると、アメリカのフォークダンスでも取り入れたほうが合理的なように思えます。

でもこれを、中国中心に"世界は一つ"という発想で考えてみると合点が行きそうに思えます。インド、台湾、韓国は、共産党政権成立後に紛争のあった国や地域です。まぁ、日本も中華思想からすると"属国"の一つに過ぎないのでしょう。ほんとはベトナムあたりの民俗舞踊も取り上げたかったところではなかったのでしょうか?さすがに、アメリカやヨーロッパの国々やロシアには遠慮したのでしょう。
共産党政権の政治原則である"一つの中国"が、北京オリンピックのテーマである"一つの世界"と合体して、いずれは"中国を中心とした一つの世界"へとたどり着くのは、そう遠い未来では無いと考えている人たちがいるのでしょう。

こんなパフォーマンスの中にも、中国の覇権主義というものが浸透しているように感じられた杭州でのひとときでした。

全景式大型歌舞『宋城千古情』の紹介ムービー
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by pandanokuni | 2007-05-13 14:03 | 政治ネタ