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チベット人は”ふしあわせ”だろうか?
拉薩(ラサ)に行ってきました。2003年に次いで2度目のチベットです。
今回の旅行はチベットが主たる目的ではありませんでした。ことし7月に開通した、厳密には青海省の格尓木(ゴルム)からチベット自治区のラサまで延長された、青蔵鉄路(青海-西藏鉄道)の列車に乗ること、そして青海湖を見に行くことが主たる目的でした。

共産党が支配する現在の中国に批判的な方の多くは、"大量虐殺”を伴った"中国”のチベット支配と弾圧を、”犠牲者”の数では日中戦争以上ではないかとも言われる文化大革命や東トルキスタン問題などとともに”嫌いな”理由の一つにされています。
1947年アジア諸国会議にチベットは独立国家として代表を派遣しました。しかし、1950年、中華人民共和国の”人民解放軍"が東チベットに侵入、その後、数万の軍隊が駐留し、チベット人に圧力をかけ続けました。1959年にはチベット人による政府の解散を強要し、1965年に中華人民共和国のチベット自治区を成立させました。この前後の混乱期には、チベット人による民族蜂起が何度と無く起き、数多くのチベット人が亡くなり、或いは囚われの身となり、数万人のチベット人がインドなどに亡命しました。いまなお、主としてチベット仏教の宗教関係者が、中国当局に拘束され、或いは投獄されていると言われています。
中国当局によるチベット人への民族差別、ダライ・ラマ14世を正統とするチベット仏教に対する弾圧が、いま尚続いており、総じて”チベット問題”として国際社会から批難を受けたりしています。


b0047829_23551065.jpgラサの街は3年前と大きく変化していました。
3年前、1980年代のランクルがほとんどだったツーリスト向けのレンタカーは、北京の街を走っているのと同様の最新型の外国ブランド4WDに。
また、これは多くの地方都市でも言えることですが、空港のターミナルビルも新しくなっていました。3年前はタラップで飛行機を降りて徒歩で空港の小さな建物に向かったのですが、いまではブーディング・ブリッジが4つもある日本の地方空港顔負けの近代的なターミナルビルになりました。
空港からラサ市の中心に繋がる道路も見違えるように整備されました。新しく橋が架けられトンネルも造られたので、距離も時間もグンと短縮されました。
ポタラ宮広場も整備されました。国旗掲揚塔がいっそう立派になり、「西藏(チベット)和平解放碑」なるものができていました。チベット人の風習が温存されている(はずの)寺院や大昭寺を囲む八廓街は3年前と大きな変化がありませんでしたが、大昭寺の屋根の上からラサの古い街並みを見渡した時、”都市整備”のため壊されている建物のうえに五星旗がふてぶてしく翻っていたのが印象的でした。
青蔵鉄路の開通に伴い、ホテルやレストランの料金は軒並み値上がりしたようです。ツーリスト向けのホテルの宿泊料は、3年前の2倍くらいになってしまいました。"拝観料”は色垃寺が55RMB、大昭寺に至っては75RMBでした(ちなみにチベット人は無料とのこと)。3年前は20RMBくらいだったと記憶しています。


b0047829_23581329.jpgどうせ漢民族だけが儲けているんだろう、と思う方もいらっしゃると思います。
確かにラサには漢民族がたくさん居ます。四川省や陝西省(西安あたり)から移住してきたり、出稼ぎに来ている人たちによく出会います。ラサなど都市部では漢民族の”大量移民”によりチベット人はもはや”少数民族”だ、と言う指摘もあるようですが、ラサの人口の約半分はチベット人(チベット族)ということになっていますし、ツーリストとして行動する限り、この街で出会う人々の大半はチベット人のように見受けられました。

私が宿泊したホテルの従業員はほとんど全員チベット人でした。外国人向けのレストランやコーヒーショップでもチベット人の若い女の子が闊達な英語で対応してくれます。おみやげ屋さんの店員さんも、ほとんどがチベット人です。”観光化”されたとは言え、寺院で見かける”参拝客”もチベット人が多数派でした。自動車タクシーの運転手は大半が漢民族により占められているとのことでしたが、自転車タクシーの運ちゃんはほとんどがチベット人です。ちなみに、ラサ市内では自動車タクシーも自転車タクシーもほぼ同一料金ですから、自転車タクシーのほうが、利鞘が大きいのではないでしょうか。


b0047829_23591320.jpg青蔵鉄路の北京発着列車の食堂車で働くウエイトレスは、チベット人が中心だそうです。拉薩(ラサ)から格尓木(ゴルム)に至る車窓からの眺めは見事なものでした。ラサから数百キロ離れても線路沿いにはところどころにチベット人の集落が見受けられます。そうした田舎の集落であっても、電気が通っていて、携帯電話の電波が届いているようです。
チベット高原に生息する牛、”ヤク”を放牧するチベット人の親子が、微笑みながら列車に手を振ってくれました。

いっぽうで、ラサの街では北京よりも多いくらいの”公安関係者”をお見かけします。画一したユニフォームで余計そう見えるのかもしれませんが、チベット人の”公安関係者”はほとんど見かけることがありませんでした。きっと、相変わらず”お役人”の大半は漢民族なのでしょう。

バックパッカーが多く訪れるホテルで働くおばさん、欧米人ツーリストに人気のカフェレストランで働く女の子、自転車タクシーの運ちゃん、と3人のチベット人に、「いま幸せか」尋ねてみました。
3人の答えはそれぞれ一言で済むようなものではありませんでしたが、乱暴に整理してしまうと、3人とも「収入が増えたので、むかしより幸せ。」と言うことでした。

チベットはますます”観光化”され、外国人だけではなく中国国内からもほぼ自由にツーリストが訪れることができるようになりました。中国都市部が裕福になるにつれ、チベットに”落としていくお金”も多くなっていくでしょう。いまや”観光資源”となったチベット寺院には、いまなお修行を続ける僧侶たちがたくさんいて、たくさんのチベット人が日に日に参拝に訪れています。そして、その光景をいっそう多くの外国人や中国人が目の当たりにすることができるのです。
また、広大なチベット自治区のさまざまなところから拉薩(ラサ)や日客則(シガツェ)などの”観光都市”に、職と富を求めてチベット人がやってくるそうです。

インドのダラムサラに居られるダライ・ラマ14世のことを、いま尚自分たちの政治的リーダーだと考えているチベット人は如何ほど居るのでしょうか。もちろん、パンチェン・ラマ11世に対してはなお更では無いでしょうか。
“伝統文化”が政治的権力によって失われたというのは事実でしょう。或いは、“伝統文化”ですら時代とともに変化していくものだとすれば、それを受け入れる勇気も必要でしょうし、そうした流れに身を委ねることを批難する権利は誰にも無いのではないでしょうか。

「私は一介の僧です。つつましい比丘(ブッダダーサ/ Buddhadasa Bhikkhu)です。わたしの潜在意識の中では一介の僧という感覚がもっとも強いです。夢の中ですら私は自らをチベットの国王としてではなく一介の僧としてみています。」ダライ・ラマ14世は1990年『Dalai Lama Speaks』の中でこう述べられています。
“こころの自由”だけは脅かされること無く、少しずつかもしれませんが人々が豊かになっていくのであれば、そしてそのことを世界中の人たちが目の当たりに確認できるような状態が保たれるのであれば、チベット人もまた、ふしあわせでは無くなるのでは無いでしょうか….。
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by pandanokuni | 2006-08-26 23:44 | 政治ネタ
お互いに同意していれば14歳未満の女の子との性行為はOK!?
日本では、お互いに同意していて求めていたとしても、14歳の女の子や男の子と性的な行為を行うと犯罪になるのでしたでしょうか?
18歳未満の者と性的交渉をもった場合、各都道府県や自治体で定められた青少年の保護育成を目的とした条例(いわゆる"淫行条例")で摘発されるのでしたでしょうか?
買春行為などでなくて、お互いに合意していれば、14歳以上ならOKなのでしょうか?
確か、13歳未満の"性的合意年齢に達していない"少女や少年を相手にした性行為は、性虐待、 強姦罪に分類されるんですよね。
13・14歳から17歳までの年齢って、どうなっているんですか?地域によって違うのでしょうか?日本の法律に詳しい方、教えてください....。

さて中国では、お互いに同意していれば14歳の女の子と性行為を行っても刑事訴追はされないことになりそうです。
8月13日付けの『北京青年報』によると:
北京市石景山区裁判所はこの地区の公安分局、検察庁と、最高裁判所の「未成年者刑事事件の審理に関する法律の若干の問題についての具体的解釈」について徹底的に研究討論を重ね、5つの共通認識を得ました。この中で特に関心を引くのは以下の点でしょう。
今後、満14歳から16歳未満の未成年者が幼女と性行為を行っても、双方自らの意思によるもので、暴力によるものではなく、深刻な問題を引き起こさなければ、一般的に犯罪とは認められませんですから、刑事責任は問わないこととします。
(『文新伝媒の転載記事』)
中国の法律上、"幼女"とは14歳未満の女の子を言います。つまり、お互いに同意していれば14歳未満の女の子と性行為に至っても刑事責任は問われない、と言うことになります。ただ、この"共通認識"で述べられているのは、相手(一般的には男性)が14歳から16歳の"未成年"の場合についてです。17歳以上の人が14歳未満の"幼女"と性行為におよんだ場合にどうなるのか、この記事だけでは判断できません。

この"研究討議"のキッカケとなったのは、ネットで知り合った13歳の"幼女"と性行為を行った17歳の少年が、強姦罪で1年6ヶ月の懲役刑に処せられたという、事件ではないかと思います。
「海澱区裁判所:13歳の少女と性行為、17歳少年に有罪」(yesky.comnによる2006年5月10日付けの『北京晨報』の転載記事。日本語訳がみつかりました。『北京ニュースセンター』)
このケースは、いわゆる"援交"ではなく、バレンタイン・デイに結ばれる、と言うロマンティックなラブ・アフェアズだったのではないかと推測するので、少年には気の毒ですね。今後、こんなことがあっても裁かれることは無いのですから....。

中国の場合、"独り立ち"しているロウ・ティーンが結構たくさん居ます。農村部では14~15歳で実質的に結婚してしまうケースも多いようです。ですから、今回の北京市石景山区裁判所による"共通認識"はある意味で現実に則しているのかも知れません。
更に付け加えるなら、いま中国では都市部を中心に"晩婚化"が進んでいます。"一人っ子政策"の影響も大きく、このままでは将来、日本以上の"老齢化社会"がやってきます。そうした懸念から"一人っ子政策"も見直しが進んでいます。もしかして、この"共通認識"はそうした社会背景をも考慮しているのではないでしょうか。"晩婚"を食い止める政策かも、などと思うのは、ちょっと考え過ぎでしょうか....。

日本では事情が違うのでしょうが、相手が14歳というだけで"犯罪"になってしまうのは、ちょっとおかしな感じがします。モノゴトの分別がつかない年齢だから、などと言う理由で縛り付けるよりも、"キチンとした判断"ができる教育をするほうが先のような気がします。もちろん、そうした教育を学校に押し付けるのではなく、親や社会が中心となってやって行けば良いのだと思います。
前述『北京青年報』の記事でも、「まず、しっかりした性教育が必要だ」と締めくくっていますが....。

恋愛や本能を国家権力が制限すると言うのは、いかがなものかと思います。
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by pandanokuni | 2006-08-17 12:47 | 社会ネタ
小泉さんの参拝、CCTVが異例の速さで"強烈抗議"
小泉さんは、8月15日、北京時間の6時50分までには参拝を終えたそうですが、その10分後、午前7時には中国中央電視台(CCTV)ニュース・チャンネルが速報として取り上げ、中国外務省の抗議コメントを繰り返し読み上げました。

新華社通信のウェブサイトでは、7時13分に参拝の写真入りで参拝の事実と中国外務省のコメントをアップしました。以下全文を拙訳にて引用します。
本日、日本の小泉純一郎首相が第2次世界大戦のA級戦犯を祀る靖国神社をまた参拝しました。中国政府は、日本の軍国主義の侵略戦争で被害を受けた国々の国民感情を傷つけ、日中関係の政治的基礎の筋道を破壊する行為に、強烈な抗議を示します。

靖国神社に祀られているA級戦犯は、日本軍国主義を発動し実施し、対外侵略を計画し指揮した人々であり、近代史上アジアと世界に甚大な災いをもたらした元凶です。小泉首相が国際社会やアジアの国々と日本の国民の関心と反対を無視し、戦争犯罪者の祀られている靖国神社を参拝したことは、国際正義への挑戦であり、人類の良知を踏みにじる行為です。

中国は日本軍国主義と対外侵略戦争の最大の被害国であり、中国国民は日本の中国侵略戦争の中で深刻な災難を受けました。こうした歴史を正確に認識し対処することが、戦後の日中関係を修復し発展させる政治的基礎であり、両国がともに未来に向かうための重要な前提でもあります。小泉首相は、歴史問題で継続的に中国国民の感情を傷つけてきただけではなく、国際社会の信頼を失い、また日本国民の信頼をも失い、日本の国家イメージと国益に損害を与えました。

日中が健全な関係を維持することは、両国の国民の根本的な利益に適うものであり、アジアと世界の平和と安定にも有益です。中国政府と人民は、友好的な日中関係を重視する政治家や多くの日本国民とともに、日中関係における3つの政治的文書を基礎として、「歴史を鑑に、未来を見据える」の精神に基づき、両国の平和共存、世代間の交流、利益をもたらす協力、共同発展、に力を尽くします。私たちは、日本各界の有識者が歴史の潮流に順応して、政治的障害を取り除く努力をし、日中関係が一日も早く正常な軌道に戻ることを、信じております。

"強烈抗議"ではありますが、内容としてはかなり"温厚"と言えるのではないでしょうか。
「A級戦犯は悪いけど、多くの日本人は悪くない。」と言う理論同様、「小泉さんは悪いけど、多くの日本国民は迷惑している。」と小泉さんへの個人攻撃を原則としてます。
そして、友好的な日中関係を重視する、日本の政治家や多くの国民、各界の有識者に、一緒に未来を築いていこう、と呼びかけています。

過ぎたことより、これからのことに期待したい、と言うことですね。中国当局内部では、ここ数ヶ月の間、この日への対応について、あれこれと綱の引っ張り合いをしていたと思います。それで、こうした"温厚"な抗議コメントに落ち着いたのでしょう。
安倍さんが首相に選ばれ、参拝を続けるようであると、日本は、このコメントで中国が期待するようにはならないかもしれません。中国指導部の中の対日強硬派の声が大きくならないように願いたいものです....。
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by pandanokuni | 2006-08-15 09:37 | 政治ネタ
首相の靖国参拝。最後だから/一回だけなら、まいっかぁ? でも....
日本人であっても、靖国神社について、正確に説明できる人は少ないのではないでしょうか?
東京に住んでいた頃、何度かお参りに行きました。過去の戦争で日本のために亡くなられた方を悼む気持ちというより、自分や家族が幸せで仕事がうまく行きますように、と祈っていたのだと思います。その頃の私にとって、靖国神社は明治神宮や護国神社や天神さまやお稲荷さまと、大きな違いはありませんでした。

中国で仕事をするようになって、靖国神社について、少し知っておく必要を感じました。靖国神社のウェブサイトを何度も訪ねました(現時点で私の接続環境からは繋がりません...。たぶん当局が"アク禁"してるのかもしれません。アク禁しないほうが、当局にとっても良いのではと思うのですが....。)小林よしのりさんを皮切りに、三浦朱門さん、上坂冬子さん、高橋哲哉さんの書かれた書物を読んだりしました。出張で東京に戻ったのときに、遊就館を見学することもできました。
必要が生じたときは、中国の人たちに、できるだけ客観的に靖国神社のことを説明してきたつもりです。

小泉さんが公約を守るために、最後のチャンスである8月15日の靖国神社にお参りに行くとか、靖国参拝を支持する安倍さんが次期首相に当確だとか、なかなか思惑通りにならない日本の状況に、中国当局の混乱と焦りが垣間見られます。

次期首相候補の官房長官・安倍さんの靖国参拝が発覚すると、中国外務省スポークス・パーソンの秦剛さんは、8月4日、
日本の指導者は第2次世界大戦のA級戦犯が祀られている靖国神社参拝を止めて、日中関係の正常な発展を阻害する政治的障壁を取り除く実際の行動をとることが、両国国民共同の願いであり、両国の基本的利益に適うものです。日本と中国が一つの方向で、両国関係を一日も早く正常な発展の軌道に戻るよう希望します。
というコメントを出しました。両国国民ってとこが、いいですねぇ....。

8月10日は中国全土で、"感情的な嫌日家"とも言える江沢民さんの論文や演説などを集めた『江沢民文選』が発売され、CCTVの19時のニュース『新聞聯播』ではトップで取り上げ、全国の書店で平積みされる光景や工事現場の労働者までが待ちに待ったとばかりに読みふけるシーンなどが紹介されました。この書物の中で、江沢民さんは日本に対して「歴史問題、永遠に言い続けよ」と言っているそうです(Yomiuri Online)。

8月13日、共同通信は複数の日中、日韓関係筋からの情報として、中国と韓国が首相の靖国参拝を1回に限り容認すると言うニュースを配信しました(gooニュースの転載記事)。

"火の無いところに煙は立たない"ということを信じれば、中国の指導者の一部はきっとこのような考えを持っているのでしょう。安倍さんが日本の首相になる可能性が高い現状で、「いつまでも"靖国問題"に固執していては中国にとってマイナスの影響が大きい。」などと冷静に考えている人たちだって居るってことでしょう。

ところが、と言うか、当然と言うか、中国外務省は即座に共同通信の報道を否定しました。
共同通信の中国側が日本の「次期首相の靖国神社参拝を一回限り容認する意向」の報道はまったく事実無根である。
中国側は日本の指導者が第2次大戦のA級戦犯が合祀されている靖国神社参拝問題における立場は明確的で、いささかも変わっていない。われわれは中日関係の正常な発展を阻害する政治的障害を一日も早く取り除かれ、中日両国関係が正常な発展の軌道に戻るよう希望する。
このコメントは、在日本中国大使館のウェブサイトに掲載されましたが、私が調べた限り8月14日の時点で中国外務省のウェブサイトをはじめ、中国国内メディアでは報道されていないようです。

もちろん、新華社通信のウェブサイト「新華網」は、「日本はまだ民主主義国家なのか」と言う環球時報の記事を引用し、「小泉さんの靖国参拝は日中関係を阻害する」と言う"鬼"の文字入りバナー付き(ただし、中国語の"鬼"には亡霊の意味もあります)の特集ページを用意して、小泉さんの参拝を警戒しています。
私はかの国に"民主主義国家か"などと問われたく無い日本人の一人ですが、日本の世論調査の結果の多くが、小泉さんの靖国参拝に"反対"が"賛成"の割合より多いようですから、ちょいとハッとする見出しではあります。

さて日本では、独自の文化だから、風習だから、心の問題だから、よその国に説明する必要も、どうこう言われる筋合いも無い、とおっしゃっている方々がたくさんいらっしゃるようです。

例えば、教育方針から子どもを学校に通わせない親がいるとします。学校にも来ず、外でも見かけない子どもを心配して、ご近所の人たちや学校の先生や、或いは教員委員や民生委員が、このお家を訪ね、親に説明を求めるでしょう、日本は良い国ですから....。この時、「ウチの教育方針だから、家庭の問題だから、自分の子どものことだから、干渉しないで欲しい、放っておいて欲しい」と何の説明もせずに追い返したとしたら、いかがなものでしょう?
もし、この親が信念を以って自分の子どもに独自の教育を施しているのであれば、しっかり説明してご近所や学校の先生を安心させるほうが良いのではないでしょうか。親の義務として学校に通わせるべきだ、とか、子どもが可哀相だ、とか批難する人たちがいたとしても、彼らが納得するまで説明したほうが良いのではないでしょうか?さもなくば、子どもを虐待しているのではないか、とか、あの家庭はヘンだとか、思われて、コミュニティから相手にされなくなるでしょう。町内会の寄り合いで、尤もらしい意見を述べても、聞き入れてもらえなくなっちゃうのではないでしょうか?

ご近所が関心を持っていることなのですから、引きこもるのは良くないと思います。もっと丁寧に説明したほうが良いと思います。共同通信の勇み足報道が示唆するように、きっと根回しだって不可能では無いように思えるのですがね....。
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by pandanokuni | 2006-08-14 23:04 | 政治ネタ
庶民的でニューウェーヴな映画『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』
b0047829_1534482.jpg映画通の複数の知人に勧められたので、映画館まで足を運ぶことにしました。
舞台は現代の重慶。全編、四川ことば、しかもスラングが飛び交います。中国語の字幕付きとは言え、ディテールまで楽しむことができませんでした。既に正規版のDVDも発売されていたので、買って帰り、自宅で再度鑑賞するハメになりました。テンポの良い"ブラック・コメディ"の秀作です。

今週の動員トップはハリウッドの『パイレーツ・オブ・カリビアン2』のようですが、この『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』(新華網の紹介ページ)も7月中旬には券売ランクで全国トップとなり、公開から1ヶ月で1,660万RMB(2億4,000万円)の興行収入を獲得したそうです(新浪網)。制作費が300万RMB(約4,500万円)と言われていますから、中国国産のB級映画(失礼...!!)にもかかわらず、ビジネス的には既に大成功したと言えるでしょう。いま中国都市部の若者を中心に大きな話題になっており、間もなく香港でも公開されるそうです。

この映画をプロデュースしたのは劉徳華(アンディ・ラウ)。彼はアジアの新人監督にチャンスを与えるために『アジアン・ニュー・ディレクターズ(亜州新星導)』というプロジェクトを創設し、香港、台湾、マレーシア、シンガポールの若手監督の6作品に投資しています(新浪網。その中の一つが、寧浩(ニン・ハオ)監督による『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』なのです。
私の知る限り、張芸謀の『活きる(活着)』に出演していた郭涛(グオ・タオ / この映画では、前立腺肥大の"翡翠ブローチ"警備部長を演じています)を除き、著名なキャストやスタッフによる作品ではありません。

監督の寧浩(ニン・ハオ)は北京電影学院を卒業後、20万RMB(約300万円)ほどの手持ち資金で2003年に『香火』と言うビデオ作品を自主制作しました。この作品は第4回東京フィルメックスで最優秀作品賞に選ばれました。その後、彼はミュージック・クリップやテレビドラマの仕事で小金を貯め込み、第二作目となる『緑草地』を制作しましたが、借金だけが残る結果になってしまいました。そんな中で劉徳華(アンディ・ラウ)と出会ったそうです....(新浪網)。

『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』は、重慶の潰れかかった美術工芸品工場の"秘宝"である、時価1億円の"翡翠ブローチ"をめぐる国際手配のプロ窃盗師と地元の素人窃盗団との争奪戦を、アイロニックにかつコミカルに描いた作品です。
若手監督らしい新鮮な表現手法が随所に見受けられ、私としては宮藤官九郎の本をタランティーノが撮ったような雰囲気に思え、楽しかったです。
ねたバレしちゃうとこれから観る方に申し訳ないので、細かいストーリーは書きませんが、この映画の中には最近、中国の"三面記事"的ニュースとして話題となったエピソードが随所に再現されていますので、二つほどご紹介したいと思います。

まずは、"子犬を電子レンジで「チン!」事件"
数年前の話ですが、成都の有名大学の学生が、生きた子犬を電子レンジに入れて1分間「チン!」しちゃったと言うお話です(CER Network)。当時は<いまどきの大学生は、子犬を電子レンジで「チン!」したらどうなるかも分からないのか>と大きな話題になりました。
映画の中では、引越屋さんを装って家財道具を盗み出す際に、電子レンジも子犬もまとめて運び足すための方法として使われています。ちなみに"ニセ引越屋"さんはこの国でポピュラーな家財窃盗の方法です。

もう一つは、"プルトップ懸賞詐欺事件"
確か昨年だと思いますが、某コーラ屋さんが<缶コーラのプルトップの裏側に"当たり"の印字があると最高で5万RMB(75万円)の現金がもらえる>というキャンペーンを行っていました。そして、このキャンペーンに目をつけた三人組の詐欺師が北京の地下鉄やバスに出没しました。
まずAが、適度に振動を与えた缶コーラを開け、隣の席のBに噴き溢して注目を引きます。コーラの飛沫をかけられたBは、怒ってけんか腰になるのですが、プルトップの裏側に印刷された文字を見て驚き、Aに5万RMB当たったことを知らせます。コーラの懸賞のことなど知らない田舎から来た風のAは、缶に印刷された当選金の受け取り方法を始めて読み、驚きますが、ちょっと浮かない顔をしています。当選金の受け取りには身分証が必要なのですが、出稼ぎ労働者のAは有効な身分証を持ち合わせてないのです。Aがそんな話をBにすると、Bは「だったらオレが"当たりのプルトップ"を3,000RMBで買い取る」と言い出します。Aは「5万RMB当たったのに3,000RMBじゃあ...」と躊躇します。するとBは「どうせ道も分からないだろうし身分証も無いんだから、当選金受け取れないぞ。いま現金で3,000RMB払うから!!」とお財布の中の100RMB札を数え始めます。このやり取りを遠巻きに見ていたCが「"5万RMBのプルトップ"を3,000RMBでうる奴が居るか!?オレなら5,000RMBで買うぞ!!」などと声をかけるワケです。
この詐欺、実は私も乗り合わせた地下鉄の中で遭遇しまいました。車内がオークション会場みたいに盛り上がりかけていたときに、警察がやってきて、詐欺師はどこかに連れて行かれてしまいましたが....。
三人がグルだということに気づかず、このやり取りを真に受けた欲深い乗客が、5,000RMBや1万RMBを騙し取られるという事件が全国で頻発したそうで、新聞やネットで大きな話題になりました。
もちろん"当たりのプルトップ"はニセモノ。騙すほうも騙されるほうも、いかにも中国っぽいなぁ、と思いました。でも、映画の中では既に"ねたバレ"していて乗客は誰も騙されませんでしたが....。

『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』は、現代を生きる中国の人たちが共感しそうなエピソードが豊富に盛り込まれていて、庶民的な映画でもありますが、若いクリエイターのセンスを感じさせるニューウェーヴな作品でもあると思います。
日本で中国映画といえば、アクション系か大型時代活劇が主流かと思いますが、この種の若手B級映画なども日本で手軽に観れるようになって欲しいと願っております。
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by pandanokuni | 2006-08-07 15:34 | ひまネタ