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日本におけるlivedoor叩き報道と中国における江沢民路線賞賛報道
こういうタイミングに限って日本に滞在することが多いので、私の日本の大衆メディアに対するある種の"偏見"が増長してしまうのかもしれませんね。4月末はJR西日本のスピード違反脱線転覆事故で、テレビや新聞は一色でした。そして今回は、どのチャンネルを選んでも、どの新聞を見ても、livedoorのことが大々的に取り上げられています。細かく分析したわけではありませんが、NHKと民放キー局の主なニュースを見る限り、報道の仕方に大きな違いは感じませんでした。私なりに整理しますと:

  • 「関係者の話では」という言い出しで、検察やlivedoor関係者からの、容疑を裏づける証言を紹介していますが、各チャンネルともほぼ同じ情報源、内容、論調です

  • 自民党の武部さん、竹中さんに対する責任を追及する声が、主として野党から噴き出している、と言う、政治がらみとなると何となく"客観的"報道

  • 例えば「近鉄球団買収やニッポン放送株の大量取得は、株価吊り上げのためのパフォーマンスだった」みたいな、恐らくその時点では、大衆メディアもそうみていたと思うし、国民の多くもそう感じていたと思うような事象を、"新事実"のように扱い、容疑者の倫理を批判し、視聴者のlivedoorや容疑者に対する心証を一層悪化させる報道

などなど。個人投資家などの"被害者"に、「前から胡散臭いと思ってませんでしたか」とか「そう思いつつ、便乗しようと思いませんでしたか」などとは、少なくともテレビ・ニュースではインタビューしないことになっているようですね。

次会計年度の売上や利益を当会計年度に付け替えるような操作は、多くの企業が経験しているのではないでしょうか?自分の会社ではやっていなくとも、取引先から契約書や請求書の日付を変えてくれと頼まれた経験をお持ちの方は、少なからずいらっしゃるのではないのでしょうか?こうした操作が"粉飾決算"を構成するのは確かでしょう。本来であれば、あらゆる企業がこうした不正操作を行わないことが理想であることも確かです。
ただ、民放のニュース番組を見ている限り、こうした話も大きく取り上げて、「酷いことをしている」とコメントしていたりします。そんな正義感の強いテレビ局のひとつに、かつて私は何度も請求書の日付変更を頼み込まれたことがあるのですけど。

報道量、内容、論調が、どのテレビ局でも似たようなものになっていることが、国民の知る権利を満たすため、視聴者を獲得するため、商業メディアとして公正な市場競争に打ち勝つため、だと言えば、その通りなのかもしれませんが....

「ぺきん日記」というブログですから、中国にも目を向けようと思います。数日北京を離れている間に、ちょっと胡散臭い状況になっているようで心配です。
すごく単純化してしまえば、「政変の可能性が増している」と言えなくもありません。

一つの事件は、中国共産党青年団の機関紙でもある全国紙「中国青年報」の別刷り版である「週刊氷点」が発行停止になったことです((25日共同通信)
センセーショナル報道で部数を伸ばしてきた「新京報」の編集長らが"配置換え"になったのですが、「週刊氷点」の発行停止は、ちょっと別の意味を持っているように思います。前述の通り本紙「中国青年報」は、胡錦濤さんの出身母体ともいえる共産党青年団の機関紙ですから、国家主席である胡錦濤さんの影響力が大きいはずなのです。発行停止の直接の理由は、義和団事件の従来の共産党的"歴史的評価"に異を唱えたから、だったようですが、「週刊氷点」の編集方針が胡錦濤さんの意に沿ったものだという前提に立つなら、胡錦濤さんへの処分とも言えなくは無いのです。
ちなみに李大同・編集長は、「発行停止は共産党中央宣伝部によるものだ」とする文章を中国国外のメディアを通じて発表していますが(Yahoo! News Hong Kong)、「中国青年報」は中央宣伝部の治外法権的な意識が、かつてはあったように思っています。

もう一つは、対台湾政策に対する前指導者の方針「江八点」が、現指導者の方針「胡四点」よりも、メディアに大々的に取り上げられている、と言う状況です。
「江八点」は江沢民さんが1995年に発表した台湾問題の解決方針八項目を指します。1月30日に発表"11周年"になることはなるのですが。"10周年"じゃありませんから...
一方の「胡四点」は、胡錦濤さんが2003年に「江八点」を発展させた形で主張した方針です。ことし1月12日に台湾の対岸である福建省を訪問した際に"重要講話"として強調し、中国国内メディアもリマインド報道を行っていました。香港・台湾のメディアは、胡錦濤さんの福建省視察と"重要講話”により、対台湾政策においても江沢民さんの影響力が削がれ名実共に胡錦濤さんが音頭を取ることになる、と言うような論調で報道していました。
ところが1月19日、平和統一を目指す台湾の民主自治同盟・林中央主席の「江八点」を手放しで褒める新年会での演説を、新華社が報道すると、事態は変わっていきます。
人民日報で「江八点」"11周年"記念のコラムが始まったり、"11周年"記念座談会開催のニュースを新華社が大きく配信したり、「胡四点」はどっかに吹っ飛んでしまった感じです。
春節を控えたこの時期は、台湾同胞の帰省などもあり、何かと台湾絡みの話題が中国のメディアを賑わすのですが、中国政府の対台湾政策に関するニュースを検索サイトで拾って見ますと、見出しだけ比べても1月20日以降本日まで「江八点」のほうが、「胡四点」を圧倒しています.....

江沢民さんの下(しも)の病気の悪化などの情報もあり、胡錦濤さんの政権掌握が確実に進んでいると読んでいた中国国外メディアが大勢ではないかと思うのですが、上述二つの出来事だけ見ても胡錦濤さんは、相変わらずいろんな勢力と綱引きをしているのではないかなぁ、と伺えてしまいますね。
私の推測ですが、江沢民さんご自身はだいぶヨレヨレになっているので、彼を担ぐ勢力(まぁ人民解放軍と言うことになるのでしょうが)が、胡錦濤さん率いる指導部と張り合っているのでしょう。昨年春あたりから北京では、数回にわたって軍部(地方軍区の一部若手将校という話ですが)による中南海制圧の噂が流れているようですし....胡錦濤さんもいろいろ苦労しているのでしょうけど、ここ最近のメディア絡みの動きは、もしかしたら"黄色信号"かもしれません。

こうして中国では、ある勢力によってメディアが横並びの報道をする場合があるわけです。体制がまったく違うことを認めたうえでも、なんとなく日本の大衆メディアの報道も"結果として"は似てしまっているように、私には思えたりします。
まぁ、これは心配し過ぎで、単純に「江八点」のほうが「胡四点」より中身が濃かったから、報道価値が大きくて、改めて大きく取り上げられただけなのかもしれませんけど....
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by pandanokuni | 2006-01-28 02:41 | 社会ネタ
ライブドア強制捜査。日本にとって吉と出るか凶と出るか?
livedoorに関するエントリーには、たくさんの参考になるコメントやトラックバックをいただき、この場をお借りしてお礼申しあげます。
私は中国で仕事をしているのですが、好き嫌いに関わらず、当面の間、日本は中国と付き合っていく必要があると考えています。日本が将来にわたって国際社会のリーダー的立場を維持できるかどうかは、特に経済領域においてこの国とどう関わっていくかに左右されるのではないか、とも考えています。
これまでは中国の労働力や消費市場を日本企業の企業活動にどのように組み込んでいくか、が主流でしたが、これからは世界市場全体にわたって中国企業とどのように競争し或いは協力していくか、が主眼になると思います。
中国を軸に国際社会の勢力図が変化していることは事実で、日本は社会・経済や企業のドメスティックな体質を変革し、子孫に誇れる独立した豊かな国家として生き残らなければならないと思うのです。極論すれば、中国に呑み込まれるようなことがあってはならないと思うのです。
中国のいまを観察することによって、中国の弱点を掴むことができると同時に、いまの日本の弱点も見えてくるように思えるのです。前者は日本のメディアでも頻繁に取り上げられているようなので、私のブログでは後者を中心に取り上げていくようにしてきました。中国に内在する問題点の多くが日本にも存在すると思いますし、それが弱点なら先に改善できたほうが良いと思います。
livedoorの話題自体は中国や北京に直接関係してはいないのですが、もう一度私なりに整理してみました。

(1)現時点では「グレイ」であって、まだ「黒」ではないと思います

法治主義の立場を取れば、司法で有罪が確定して初めて「黒」と言えるでしょう。法律の下位概念として、例えば証券取引等監視委員会などのルールに抵触する疑いがあって何らかの処分があったとしても、その処分が適法か司法の場で確認する権利があるはずです。
私もaudito(会計監査)を受ける立場にあります。通常監査では何ら改善意見も無かった会計処理について、親会社の監査室より指摘を受けたことがあります。その指摘について別の監査法人により再監査していただいたところ、改善意見だらけの監査報告書になってしまいました。会計士や法律家の方からコメントやトラックバックをいただいており、専門的なところはお譲りしますが、会計処理が適切かどうかの判断は、環境や解釈によって変わるはずです。
会計処理に絞っても、少なからぬ企業がグレイの部分を抱えているのは事実だと思います。監査法人は、明らかに「黒」の会計処理を認めることはできませんから、解釈や説明によって乗り切れるグレイの部分は一応「白」になるのですが、最近は監査法人へのプレッシャーが高まってきて、解釈の責任が問われるのではないかと胃を痛めている会計士の方も多いようです。
livedoorに関しても、現時点で報道されている問題点に関してのみ言えば、専門家の方が100%「黒」と言い切れる会計処理とは言えないようです。もちろん、監査範囲で明らかにできなかった部分まで調査するのが"強制捜査"の一つの目的ではあるでしょうから、問題の核心は他にあるのかもしれませんが。
誤解を怖れず1985年の「豊田商事事件」を例に上げるなら、豊田商事に強制捜査が入り永田会長が事情聴取をされたと言う時点で(関連会社社員に既に逮捕者は出ていたようですが)、世論はほとんど「黒」と判断してしまいました。そして報道陣のカメラの前で"私刑"に遭って抹殺されました。詐欺の被害者の怒りを趨勢とするメディアの報道などにより「黒」と断定され、司法判断を待たずに抹殺されたのです。
livedoor関連株で大損したりした"被害者"はたくさんいらっしゃると思いますが、現時点では「グレイ」です。司法だって結局は人の判断ですから、メディアや世論の影響で「黒」になる場合もあるでしょうし、その反対になる可能性もあるはずです。

(2)強制捜査発動には、権力による何らかの意図が働いていると思います

社会的に大きな影響力が予想される事案の強制捜査には、ほとんどの場合、権力による判断が機能していると考えて良いと思います。それは"GOサイン"を出すという積極的な判断よりは、むしろ現場からの承認要請に"STOP"をかけるというような消極的判断のほうが多いのかもしれません。もちろん、"GOサイン"が出るのは、確実に立件ができるとか裁判を維持できるとか有罪に持ち込める可能性が極めて高い、などの理由によるのでしょうが、政治的意図が含まれる場合もあるはずです。
livedoorの強制捜査について何らかの意図が働いている、と言う前提で話を進めるなら、その意図とは何なのでしょうか?
ひとつはフィナンシャル・タイムの社説が述べたような「年老いた守護者の復讐(ふくしゅう)」。既得権益者にとって目障りな存在者に打撃を加えようとする意図。或いはグレイな方法で急成長を遂げている”IT関連"などの急進企業の国際的な競争力を高めるため、崩壊しかねない手法を繰り返す象徴的な企業をスケープゴートとして警鐘を鳴らす意図。
前者の場合、日本経済は"成熟した大企業"による既存手法により、復活を遂げつつあるのだから、怪しげな新興企業は出過ぎた真似をしないで欲しい、と言う意図だと考えます。
後者の場合、日本経済は元気のある若い新興企業のおかげで、随分活性化してきたのは事実だけど、あまり調子に乗っているとそのうち禿げ鷹ファウンドなどに丸ごと日本を乗っ取られてしまう、そうならないうちに象徴的な企業にお灸を据えておこう、と言う意図だと考えます。
もちろん他にも、小物政治家の保身だとか、耐震強度問題からの視線そらしだとか、いろいろ考えられるでしょうが、意図を働かせた権力に敢えて性善説を適用すれば、この二つの方向性になるのではないでしょうか。
またタイミング的には、いまでなくとも、もっと早い段階、あるいはもう少し様子を見てから、という考えもあるのではないでしょうか。

(3)現時点で"潰す"のは残念だと思います

私は上述のような前提で考えているのですが、今回livedoorの強制捜査に踏み切った判断、そして「ヒーロー」作りに加担しておきながら180度方向転換して「悪者」扱いにしてしまう大衆メディアの報道の潮流に関して、個人的に残念だと思っています。
第1に、気分的な問題。若い世代の経営者や新しい経営手法によって日本もようやく活気付いてきた感じで、少なからぬ若者が夢ややる気を取り戻しつつあった時期に、その象徴的な企業と経営者が権力によって「悪者」になってしまったことです。
第2に、権力による判断が常に正しい、と言う日本国民の思い込みを増長させてしまったこと。私には本件も小泉さんの劇場型政治手法の一つのパーツにすら思えます。こうしたことに批判的なクラス・メディアも存在しますが、潮流として大衆メディアも権力側に大きく加担しているように思えるのです。国民の敵、国家の敵を権力側が仕立てて、大衆メディアがその世論を盛り上げる。捜査当局からもたらされる情報をろくな検証もせず、"被害者である国民にとって必要な情報として垂れ流す。そんな「悪者」を成敗してくれる権力に、国民の多くは何の疑いも持たなくなってしまうのではないでしょうか。

livedoorに関して言えば、フィナンシャル・セグメントの占める割合が圧倒的に大きく、他の"IT関連"といわれる急進企業と同一視で考えることができないと思っています。ただ私の知りうる限り、多くの"IT関連企業"も"成熟した大企業"も、多かれ少なかれグレイな会計処理や取引きをしているハズです。
単純に”出過ぎた”から叩かれたのか、日本の将来を危惧する考慮をもって政治判断だったのか、或いは別に何らかの意図があるのか、大衆メディアであるテレビや新聞はもっと様々な角度から取材して、より多くの国民に情報を提供して欲しいと願っています。
株価が暴落し怒っている方々の気持ちはお察ししますが、大衆メディアや政権政党の一部勢力が、株価上昇の一翼を担ったのは事実だと思うのです。

(なお、このエントリーは「北京ビジネス最前線」と共通にさせていただきました)
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by pandanokuni | 2006-01-22 17:58 | 社会ネタ
ライブドアを中国語では"ホリえもん"と言うんだぁ....
ライブドアの強制捜査や東証の取引放棄のニュースは、中国のニュースサイトでもバンバン取り上げられています。
ほとんどは、外電をそのまま引用して論評抜きで伝えているようです。
知人で経済通の中国人に意見を求めると、「せっかく日本経済がウソでも復活しようとしているのに、勿体無いことをするものだ」と言う感じでした。

中国でも”出過ぎた杭(釘子)"は打たれます。急成長した企業の創業者やトップの多くは、"経済犯"として司法の裁きを受け、一旦は失脚してしまうのです。罪状は横領、背任や贈賄などが多いのですが、最近は粉飾決裁や不正経理操作などで"追放"される企業家も増えています。
ですから、この種のニュースは中国では特に珍しいものではなく、「遣り過ぎちゃったなぁ、気の毒に」くらいの話です。
NASDAQあたりに上場を果たした中国の"IT関連企業"のほとんどは、海外のペーパーカンパニーを活用したり、事業会社をノミニー(名義借り)して外国資本を隠したり、グレイ・ゾーン活用によって企業価値を高めてきたわけですが、いまのところ中国当局は"政策的に"見過ごしています。いずれ創業者や経営者が個人的に”苛められる”ようなことがあると思うのですが、企業をまるごと再起不能に陥れるような"バカな真似"はしないのではないでしょうか。
「国のためになっている間は、"目をつぶる"だろう。」経済通の知人はこう語り、日本の何らかの勢力によると思われる"ライブドア潰し"をしきりに「勿体無い、勿体無い」と言います。

私も同感です。
"怪しげ"といわれようが、彼ら"IT関連企業"が日本の景気回復の雰囲気作りをしてきたのは確かだと思いますし、彼らのことを"怪しげ"と思いつつも株を始めた個人投資家だってたくさんいるわけですから、”証券市場を欺いた"などと国家権力が良心を振りかざすことよりも、市場の原理を見守ってあげれば良かったのに、と思います。
株価は将来の期待値でもあるわけですし、"錬金術"で生み出された薄っぺらな企業だとしたら、いずれ自然淘汰されるでしょう。彼らが"嘘っぱち"なのかどうかは、これからの業績を見守れば良かったのではないでしょうか?
ライブドアのような様々な意味で"出過ぎた"企業が出現したからこそ、若者は夢を甦らせ、株式市場は注目され、"守旧派企業"ですら刺激を受け変革を迫られた、と功績を評価して、目をつぶることもできただろうに.....

それにしても、中国人(特に北京人)は何でも漢字にしたがります。ライブドアのようなカタカナ企業名は"livedoor"のように英語表記される場合が多いのですが、記事の露出が増えていくうちに、いつの間にか「活力門」と言う中国語訳で定着したようです。
liveは「活力」ですし、doorは「門」ですから、livedoorはまさに「活力門」なのですが、中国語の発音では「ほぅおりぃめんになります。早口で話すと「ホリえもん」と聞こえなくも無いのです。
恐らくライブドアが自社で中国語社名を用意したのでは無いと思います。誰が訳したのか知りませんが、きっとホリエモンの発音を意識して「活力門」にしたのだと思います。liveは「生命」とも「実況」とも訳すことができるのに、敢えて「活力」を使ったのですから、たいしたものだと思いました。

ライブドアが、日本経済と日本の多くの若者にとって「活力門」であったのは事実だと思います。内輪揉めばかりしていないで、国家一丸となって日本に活力を甦らせなければならないと思う、今日この頃です。
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by pandanokuni | 2006-01-20 02:03 | 経済ネタ
これぞ日本のメディア!北の将軍様を追う北京の記者たち。
北の将軍様が中国にやってきたらしいと言う情報が入ってから、北京在住の日本のメディア・ピープルは大忙しの様相です。知人のカメラマンは上海に飛び、記者は広東に向かい、或いは広東から北京に戻るはずだから北京で張り込みなどなど。どの大手メディアも横並びで金正日特別取材体制を敷いています。
でも、良く考えてみてください。一生懸命、彼の所在を追ったとして、金正日さんが日本のメディアのインタビューなどに答えてくれる可能性はほぼゼロでしょう。拉致問題について"囲み取材"でもできると思っているのでしょうか。
取材に出られた皆さんも、せいぜい"ナマキム"を映像におさえられるかどうかだと思っているのではないでしょうか。たしかに最近の"ナマキム"の映像は少ないので、うまく撮影できれば、それなりの報道価値はあるのかもしれません。ただ私の知る限り、日本メディアの金さん所在情報源も似たり寄ったりで限られていて、結局のところ各社とも目的地が一緒のグループ・ツアーをしているようですから、1社だけ希少映像を"抜く"可能性は極めて少ないのではないでしょうか。ご尊顔を拝むチャンスが到来しても、きっとカメラのアングル勝負くらいになるのではないでしょうか。

現場のメディア・ピープルの皆さんは、日本からの指示で取材に赴いている場合がほとんどですから、とりあえずお疲れ様、ってことにしておきましょう。受け手が求める(はずの)ニュースだからこそ、日本のメディアは将軍様を追わなければならないのでしょう。
信憑性はともかくとして、「金総書記は西側に政治亡命?」(The Sekai Nippo)や「Kim Jong Il not in China(金正日は中国に居ないよ~ん)」(Interfax China)のような記事のほうが、アテンションを引くのではないかと思うのですが、日本の大手メディアがこの種の特ダネをゲットする可能性は極めて少ないでしょう。

ところで、産経新聞の古森さんも著書「北京報道七〇〇日」の中で、「取材活動に対して、中国当局による様々な圧力を日常的に感じる」と述べられていますが、北京在住のメディア・ピープルの多くは日常的にビビッているようです。
先日、中国が誇るスポークスマン孔泉さんが、日本メディアの中国報道への圧力とも解釈される発言をしてから、なおさらでしょう(そういえば、この発言をした10日に孔泉さんは、日本の豪雪被害に対してお見舞いの追加コメントを出したようなので、一応ご紹介しておきます)。

私には、中国当局が外国メディアの取材活動に対して何らかの圧力をかけたり干渉をしている、ということを否定するつもりは毛頭ありません。
だからこそ、そうした前提のもとでも、スクープ情報を獲得することができるような取材体制を整えることが、重要なのではないかと考えるのです。
日本の大手メディアの場合、社員記者を北京に送り込んでいます。報道記者として登録させられ、プレス・ビザを発行され、オフィスも現地スタッフも(少し前までは住居も)中国当局が指定或いは許可しないとNGです。それでどんな特典がついてくるかというと、中国当局のプレス・コンファレンスに参加できるとか、その程度です。
公式発表を堂々と聞く権利と質問する権利は得られるのですが、ルールを破ると制裁を受けたり、追放されたりする点で、中国でのプレス登録は日本の記者クラブに極めて似ているように私には思えてしまいます。国家権力と親睦団体の内規という違いを指摘されれば、それまでですが....

欧米のメディアは、たくさんの"特約記者"を中国に送り込んでいます。
私の知人の中国系アメリカ人もフリー・ジャーナリストで、WSJやCNNの"特約記者"をやっていました(コロコロ名刺が変わるのが中国系だなぁ、とは思っていますが)。彼の場合、プレス・ビザで滞在しているわけではないので、中国当局のプレス・コンファレンスには参加できません。その代わり比較的自由な取材活動が可能です。3年前のSARS(新型肺炎)のときは、"監視付き"のメディア・ピープルでは困難な取材を敢行し、スクープを連発しましたが、最後には中国当局に拘束され、一週間ほど音信不通になりました。幸いすぐに"釈放"されたのですが、その後は当局の"監視付き"と言う意識のため突っ込んだ取材は控えざるを得ない状況になりましたが、経済記者への一時的転向に成功し、失業せずに"ほとぼり"が冷めるのを待っているそうです。

北京にもフリーのジャーナリストの方がいらっしゃって、日本のメディアに情報を提供していますが、編集デスクからの依頼テーマによる取材活動が中心のようです。欧米メディアの"特約記者"は、本社からの指示ではなく、ほとんどの場合、独自の視点で取材活動を行うそうです。"拘束"や"国外追放"などリスクが高い分、待遇もなかなかのようです。送稿した記事がどう扱われるかは、最終的には日本と同様に編集デスクの判断によるのですが、日本の大手メディアよりは"独自の情報"を掲載しやすい取材体制を敷いてるなぁと思います。
もちろん、欧米メディアもプレス・ビザで中国当局公式発表会の参加と質疑"特権"を持った記者が"主流”ではあるのですが、フリージャーナリストや"特約記者"への期待は、日本の大手メディアより大きいようです。

数年前の話ですが、北京のヘアサロンに突然、金正男さんがやってきて、知人の日本人美容師がヘアカットして差し上げたそうです。お父さまと違って雑談も嗜まれたそうで....。当時、日本の大手メディア"記者団"は、北京空港で"囲み取材"に成功して、メールまでいただいたらしいのですが、この美容師の貴公子様の独自ネタには敵いません。せめて週刊誌ネタくらいにして欲しかったなぁと思ったものです。
北の将軍様のオッカケをしている日本の大手メディアの"記者団"は、果たしてどんな成果を出してくれるのでしょうか。
そして日本の受け手の皆さんは、黒塗りの車列の中からガラス越しで本人と確認できるかどうか分からないくらいの将軍様のご尊顔を、ほんとうに楽しみに待っているのでしょうか......
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by pandanokuni | 2006-01-14 05:12 | 社会ネタ
仕事ではなく、宴会のときにチームワークを発揮するウチの若者たち
ウチの会社では「忘年会」をやります。中国で「忘年会」は一般的ではないのですが、元旦から春節(旧正月)にかけてのこの時期、日本人の私としては「新年」なのか「年末」なのか、いまイチぴんと来ないので、「過去のことはキレイに忘れて、これから頑張りましょう」と言う意味で、一年の納会を「忘年会」と呼ぶことにして、何となくアプローバルされています。
毎年、2泊3日の泊り掛けで行うことが恒例で、ことしの日中のイベントはスキーでした。そして夜のイベントが「忘年会」です。

企画はすべて社員が行います。ここ2~3年で演出のパターンが固まったようです:
  • 社員の表彰。会社の正式なものではなく、ハッスル賞とかアイディア賞とか遅刻MVPとか、スタッフが相互投票で選びます。

  • クイズ大会。幹部社員が回答者となるクイズ大会です。問題はスタッフのプライベートな話題や、日常の業務での苦労など。普段スタッフとコミュニケーションが足りない幹部社員が答えられない問題ばかり。正解できない幹部社員は、ポケットマネーから"罰金"を支払うことになります。

  • 「出し物(演芸大会)」。各セクションごとに準備した芸を披露します。出し物に参加しない幹部社員が審査員になって、優秀賞を決定します。

  • オークション。幹部社員が自分の「お宝グッズ」を提供し、全参加者でオークションします。今回私は、ベッカム直直にサインしてもらったレアルマドリッドのユニフォームを泣く泣く出品しました。1元から始めるのですが、なんと5,510元で落札しました。ちなみにこの売上金は出品者の懐には入りません。

  • 大抽選大会。中国の宴会やパーティではつきのもの大抽選大会がエンディングです。ことしの賞品は、デジカメ、ケータイ、PSP、i-Pod、そしてノートPCと豪華なものばかりでした。
    そして、最も豪華な"特別賞"は現金の一発取りです。この現金だけは会社が負担しているのではなく、実質的には幹部社員のポケットマネーなのです。つまり、前述のクイズ大会での"罰金"とオークションの売上金が、"特別賞"の"賞金"になるわけです。ことしは25,000元ちょっとになりました。進行の途中で、一発取りではなく二人に分けようとか動議もありましたが、結局幸運なスタッフがこの25,000元の現金を独り占めしました。


クイズで罰金を払い、オークションには「お宝グッズ」を出品しなければならない幹部社員は完全に「苛められ役」です。スタッフが一年間の幹部社員に対する鬱憤を晴らす絶好の機会でもあるのです。
こんな内容で、夜7時に始まった忘年会は深夜1時まで続くのでした。

各セクションごとの「出し物」は、どんどん凝っています。数年前までは、歌を歌うとか手品をするといったフツーの宴会芸だったのですが、ことしは準備万端のパフォーマンスばかり。仕事ほったらかしで準備していたんじゃないか、と心配になるくらいでした。

中国でも放映している「欽ちゃんの仮装大賞」を模したものやコメディ、更にオリジナルのラップのビデオ・クリップまで制作し、それに合わせてダンスしたり、オリジナルの短編映画を披露したり、素人芸とは思えない「出し物」の連続でした。
中でも05年にブレイクしたオーディション番組「超級女声」のトップ5の女の子の歌とダンスをほぼ完璧にコピーした女の子だけのセクションのパフォーマンスには、かなり感動してしまいました。

普段はツンとしてぶっきら棒でクールに装っている北京で働く若者なのに、こういう宴会だとヤケにハッスルします。日常の仕事では、どちらかと言うと"個人主義"で日本人のように"チームプレイ"がうまくはできない彼(彼女)らなのに、こういうときはチームワークでグッド・ジョブをしてくれます。
日本で働いていたときは、日常の仕事だと協調的なのに、会社の行事なんかには積極的に参加しないクールな若手社員が多かったのですが、北京では逆のようです。

b0047829_2341852.jpgMC(司会者)も、ウチの社員とは思えないくらいドレスアップです。


b0047829_235495.jpgコメディの寸劇。ここ中国では、女装やコンドームのイラストが御法度だと思ってらっしゃる方のために。


b0047829_2365927.jpgオリジナル・ラップ(WAVファイル:1.53MB)にダンス。解放軍のコスチューム、毛沢東の赤本のパロディがこの国ではご法度だと思ってらっしゃる方のために。


b0047829_2373545.jpgウチのスタッフによる「超級女声PK5」でした。
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by pandanokuni | 2006-01-10 23:13 | 社会ネタ
[速報]北京の大動脈「東三環路」、陥没!!
b0047829_10513694.jpg北京で働く日本人にとって「東三環路」は大動脈です。
南から北へ、国貿中心、嘉里中心、京広中心、盈科中心、亮馬河大廈、発展大廈といった日本の大企業のオフィスが入居するビルが並ぶビジネス大通りです。しかもCBD(ビジネス中心区)として北京市朝陽区が大々的にプロモーションしているエリアのど真ん中での"交通遮断"ですからエライことです。
京広橋の国貿橋寄りの東三環路に、でかい穴が開いてしまいました。"陥没"です。

中国の報道によると、汚水管の破裂が原因とのこと。この道路の下で進められている地下鉄工事とも関係しているようです。陥没したのは北進車線の側道で、長さ20m幅8mくらいの穴が開いてしまいました。
陥没したのが真夜中だったことが救いと言えば、救いですね。陥没したあたりは、早朝から夜間にかけて慢性的に交通渋滞するところで、日中だったら数十台の自動車が、この穴に呑み込まれたでしょう。報道によると、死者・けが人はいなかったことになっています。

こんなメインストリートが陥没すること自体、すごいお話ですが、これによる交通障害の影響がまたスゴイです。
東京で喩えれば...首都高速の箱崎インターあたりの高架橋が落ちたか、地下鉄の赤坂見附駅が水没して銀座線と半蔵門線と丸の内線が不通になってしまうくらいの影響と考えていただければよろしいかと思います。

b0047829_10491179.jpg北京市民の通勤の足であるバスは、国貿-京広ブロックを通過する路線が、軒並み運休または迂回。北京の小金持ち市民の足である自動車も、この区間と接続する東西の道路が軒並み通行規制なので、エライことです。
元旦休暇明けの4日朝の出勤時は、東側一帯が大渋滞。バスも動かず、途中でバスを降り3Kmの道のりを徒歩で出勤してきたスタッフもいました。

ところで、北京では、こうした"大規模の"交通障害や公共交通機関の乱れなどを、ケータイ・メールで知らせてくれます。まぁ、星の数くらいある"小規模"な問題には対応していませんが。
復旧は来週になるらしい....
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by pandanokuni | 2006-01-04 10:49 | 社会ネタ
"下半身の弱み"から身を守る企業人と私の考える"憂国"
12月30日のエントリー「外交官に限らず、弱みを握られれば脅され可能性はあるでしょう。」には、特にexblog版にてたくさんのコメントを戴きました。「売国奴」という"名誉"ある称号まで戴いたりしてしまいました。
謙虚に受け止めたいところではありますが、このブログに近い視点で問題を取り上げていらっしゃる「木走日記」には批判的コメントがほとんど届いていないことを考えると、私のほうのブログは"いわゆる"「感情的反中主義者」の方の多くにご拝読いただいているようで、せっかくの機会だと思い反論を書かせていただきたいと思います。

「上海領事館員の自殺」については、「週刊文春」の当該記事を読ませていただきました。私の視点は、記述のすべてが真実かどうかと言うことではなく、メディアの批判がどこに向いているかです。この記事の場合、こうした汚い"色仕掛け"によって外交官を自殺にまで追い込んだ中国当局と、この事件を官邸に報告しなかった当時の日本外務省批判の対象となっていました。これはこの記事を未読だった12月30日のエントリー時点で私が想像したとおりでした。

批判を免れ同情の対象となった外交官について、「亡くなった方は神様になるから生前の振る舞いについてどうこう言うべきではない」という"日本人的魂"あるいは"美学"に、私も激しく同意する部分がありますから、12月30日のエントリーでは多くを語りませんでした。でも、同情的に報道したにせよ、死者の過去を掘り起こしたのはメディア側ですから、私も"勇気を持って"(ちょっとだけ)批判することにします。

12月30日のエントリーに対しては、既に私自身が下ネタ系で中国当局に"弱み"を握られているのだろう、というコメントまで戴きました。コメントでもご回答しましたが、残念ながらい(いまのところは)大丈夫です。別に私が女の子に興味を持てないHGだからではありません....
日本の政治家や、官僚や、一部大企業のトップや、"友好団体"の幹部などが、"色仕掛け"による"弱み"を握られてしまっているのは、メディアの報道などで周知の事実だと思いますし、私自身直接知っている事例もあります。でも、そうした環境だからこそ、まずリスクマネージメントを行うのが大事なのではないでしょうか。
下半身の制御は難しいかもしれませんが、仲良くなった女の子に対して、「名刺を渡さない」「ホントの仕事の内容や会社名を教えない」「自宅アパートやホテルの部屋に連れ込まない」などの自己防衛策をとっている日本企業の駐在員はかなりいます。「文春」によると、この外交官は上海のカラオケ店で女の子と知り合っているわけですから、危険度No.1なのです。私などは、カラオケ店の女の子に対して上述の自己防衛策を取っていますが、用心深い方などは"お水系"でない"素人"の女の子に対してまで"自分の素性"を明らかにしません。
もちろん、そんなリスクマネージメントなど御構いナシで、ガンガン飛ばしている方もたくさんいらっしますが.....。

「中国の手口が汚い」と言う報道は、この事件に始まったものではないでしょう。まっとうな企業なら駐在員の「引継ぎ事項」になっています。民間なら"自己責任"で済むかもしれませんから、「中国の汚い手口」が実在することを信じる/信じないは当人の自由と言えば自由ですが、外交官となればそういうわけにもいかないのではないかなぁ、と思ったりします。「文春」によれば、この事件の後で、"暗号システム"をすべて変更しているとのこと。だとすれば、相当な国費が使われたはずです。

もう一点、コメントから気になったことは、日本のメディアに対する過信です。国家統制下の中国のメディアとに比較することによって、日本人が日本のメディアに"安心感"を抱こうとする心配です。
私は何も、中国のメディアが統制されていない、などと思っていません。多くの部分は国家によって統制されています。でも大切なのは、中国のメディアに関わる人たちも、受け手側も、中国以外の人たちも、このことを前提としていると言う点です。
特に中国に居て感じるのは、この前提が"批判"や"諦め"のみに結びついているだけでは無い点です。中国でメディアに関わる人たちの一部は、"統制”の中から差し障り無いようにほんのちょっとでも逸脱しようと試みています。もちろん、"当局の力"が行使されそうになると引っ込んだりしますが。また、中国の受け手側の多くも、"統制"の中から出てきた情報だと察すれば、"真に受けたり"しません。ネット接続環境を持ち、語学に秀でていれば、様々な手段で別の切り口の情報を収集できるようにもなりましたし。

b0047829_150226.jpg一方、日本のメディアには、国家による統制が無いことになっています。ただ数的に影響力の大きい大衆メディア(テレビや新聞、部数の多い雑誌など)は、"商業メディア"です。"市場原則"に従わざるを得ないのです。つまり、少なくとも”読者(視聴者)"に統制されます。
そのほかにも、いくつかの"フィルター"が存在します。まず、企業のフィルター。私もメディア業界の端くれに居ますから、当事者として振舞うこともあります。商業メディアの広告主でもある大企業の不祥事は、核心部分が隠匿されたり歪曲されたりすることがあります。次は、政治家・お役所のフィルター。安部さんや中川さんがNHKを呼びつけた話が有名ですが、よくある話なのです。さらに、警察のフィルター。事件メディアの主たる情報源は警察になってしまっちゃいましたから、情報源の機嫌を損なうような報道は差し控えたりします。なお、これらのフィルターは、企業や政治家や警察からメディアに対して、"直接的な圧力"がかかることによって"発動"するわけではないのです。"圧力"が加わるケースはむしろ稀で、メディアのほうが"自主規制"するケースのほうがほとんどでしょう。ですから"統制"というよりは"フィルター"というほうが近いと思っています。

森達也さんの映画「A」は、オウム信者が"別件微罪逮捕"される瞬間をカメラで捉えました。刑事のほうがオウム信者をドツイて、その反動で故意に倒れたのに、オウム信者側の「公務執行妨害」として、その場で手錠をかけたのです。オウム報道が盛り上がっていた1995年の話ですから、森さんのカメラのほかにも、周りにテレビ局のカメラや新聞記者が大勢取り囲んでいました。でも大衆メディアは積極的には報道しなかったのです、特にこのオウム信者が公判で"無罪"となったことなどを。
”読者(視聴者)"に統制される大衆メディアが、情報源である警察のフィルターを通した編集により、"ボツ"にしてしまう好例ではないでしょうか。
「スパイ防止法」を成立させよ、と言うコメントも戴きましたが、大衆メディアで報道されていないことが、一層増えてしまいますよ、きっとこの映画とかNGでしょ。
統制が無いはずなのに"チキン"になっている日本のメディアのほうが、私にとっては"憂国"に思えてしまうのです。

年頭のエントリーの最後に申しあげたいのは、(これは森達也さんもおっしゃっていることなのですが)、"軸"の置き方についてです。
私は自分自身では「親中派」などと思っていません。意識しないまま、「知中派」を目指しているのかも知れませんが....
私は日本人として、日本が世界に自慢できる立派な国家であって欲しい、と思っています。そういう言い方をするヤツは20年くらい前まで"右側"扱いされていたと思います。決して「売国奴」なんて言われたりしなかったと思います。そうした意味で、全体としての日本の"軸"は、排他的愛国主義のほうに移動しているように思えるのです。もちろんこの"軸"の移動は、日本のメディアによってもたらされたのではなく、受け手側の大勢としてもたらされたのだと思いますが....
日本が日本だけで完結するのなら、そういう方向もあるのかもしれません。でも、良くも悪くもグローバル化が進み、またエネルギーも食糧も日本国内のみでは確保できないこの先50年くらいの状況において、世界中のできるだけ多くの国々と仲良くしていくことこそ、日本の国益に叶うと思っています。そして中国との関係も大切でしょう。
中国を毛嫌いするのは簡単ですし、私もかつてはその一人でした。ただ、日本が正義で中国が悪党のような二項対立の中でモノゴトを見ていくのは、生産的では無いと思います。中国を"敵"とするならするで、もっともっと理解を進めてキチンとした"対策"を用意しなければ、20世紀前半の日本と同じ失敗を繰り返すことになってしまうのではないでしょうか。理解しようとすることと受け容れることは、私の中では決してイコールではありません。

中国を理解しようとすることいまの日本を批判することをことしも続けていこうと思っています。私の"母国"である愛すべき日本のために....
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by pandanokuni | 2006-01-02 14:56 | 社会ネタ