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乱立気味"北京のスナック"、その経営学的考察。
ほんとに久しぶりのエントリーなのに、こんなネタでお許しください。
日本人の駐在員や出張者、観光客向けのスナックは、北京に100軒近くあると言われています。3~4年前までは10軒あるかないかほどだったので、急激に増えたと言えるでしょう。
スナックは比較的小さな初期投資で開店することが可能です。カラオケやナイトクラブ(夜総会)ですと、個室やステージが必要で規模の大きさが"売り"につながるので、1,000平米くらい無いとカッコがつきませんが、スナックの場合、アットホームな演出が歓迎されるので、100平米くらいあれば十分です。賃貸であれば、月5,000~10,000RMBくらいで、ハコは確保できます。内装にもさほどお金をかける必要がありませんし、カラオケ機器も1セットあれば良いわけです。厨房も要りません。
従業員も5人ほど揃えれば何とかなるでしょう。"ママ”役ができる女の子を確保し、その"ママ"が友人や後輩、同郷の知り合いなどのコネを通じて4~5名の女の子を準備すれば良い訳です。
内装へのお金のかけ方に左右されますが、賃貸店舗でオープンする場合の初期費用は半年分の前家賃を加えても20万RMB(250万円)くらいで済むことになります。

ランニングコストはどうでしょう。毎月の家賃は10,000RMBということにしましょう。光熱通信費は1,000RMBまでかかりません。問題は人件費ですが、固定給として2,000RMBくらいであとは歩合により、稼ぐ女の子は5,000RMB以上稼ぎますが、現状では平均3,000RMBくらいが良いところでしょう。従業員が5人のお店であれば、"ママ"の取り分を多めにみても月20,000RMBもあれば十分でしょう。お酒やミネラルウォータなどはコスト(原価)として考えることにして、経費として大きいのは広告費でしょう。日本語のフリーペーパー2誌程度にそれなりの広告を出稿すると、月5~6,000RMBは係ってしまいます。あとは、渉外経費みたいなものの用意も必要です。日本のマル暴の上納金ではないのですが、ご近所や所轄の公安当局などに「よろしくお願いします!」という感じのもので、月平均3,000RMBくらいは確保しておく必要があるでしょう。カラオケの著作権料など払っているところはまずありませんし、新曲ソフトの更新費用も微々たるモノです。
まとめると、毎月のランニングコスト(固定費用)は40,000RMBほどということになりますが、いろいろ詰めて行けば30,000RMBくらいに抑えることができそうです。

収入面ですが、基本はテーブルチャージです。北京では100~150RMBで設定しているスナックが多いようですので、一人120RMBで試算しましょう。ちょっとしたおつまみ、果物、ミネラル(お店によっては小ボトルにタンク水を詰め替えているようですが)などが、テーブルチャージに含まれていますから、原価率10%とすると、一人当たりの粗利は約100RMBです。ボトルは一般的なバーボンの場合、400~500RMBが相場です。故意に偽物を仕入れているお店もあるようですが、正規品をバルクで取り寄せるとして、原価率は50%くらいです。ボトル1本当たりの粗利は200RMBとしましょう。
1日平均15人のお客さんが来て、1日に1本の割合でボトルが入る前提で計算すると、1ヶ月あたり約50,000RMBの粗利が稼げますから、月20,000RMBの黒字と言うことになります。初期費用は10ヶ月ほどで回収可能と言うことになります。

しかしながら、収入面でこううまく行っているスナックはほとんど無いようです。従業員5名で1日平均15人のお客さんということは、20時から26時までの6時間の営業時間内で3回転させる、ということですから、お客さんの平均滞留時間が2時間だとすると、開店から閉店時間まで"満卓状態"(席数と言う意味ではなく接客する女の子と言う意味で)で無ければなりません。もちろんそうしたスナックのあるのでしょうが、女の子が常時5人体制のお店で1日平均15人のお客さんというのは結構ハードです。ここ1~2年で開店した女の子5~8名程度のスナックの多くは、1日平均15人のお客さん、と言う一応の採算ラインをクリアできずに苦労している様子です。

これは、以前働いていたスナックで人気の高かった女の子が安易にママさんになってしまうこと、そしてそうした女の子に安易に投資する日本人が多いことなどが原因だと思います。この話はまたいずれエントリーしようと思います。
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by pandanokuni | 2005-02-27 22:20 | ひまネタ