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徹底的したエンタテインメントの追及。映画『功夫』大ヒットの兆し。
中国映画がオタッキーなもので無くなったのは、張芸謀のような巨匠とハリウッドが一層緊密になったからでしょう。世界市場を意識して、美や物語が普遍性に基づいて表現されていくのは良いことかもしれません。ただ、『紅いコーリャン』や『あの子を探して』の張芸謀を知る中国や日本の映画ファンにとって、『英雄(邦題:HERO)』や『十面埋伏(邦題:LOVERS)』は何か違和感のある作品だったのではないでしょうか。エンタテインメントとしての映画を目指しつつ、アート性やメッセージ性をどうしても捨て切れなかった、張芸謀の心の揺らぎみたいなものを、私は感じてしまいます。

b0047829_15471682.jpg先週末北京で公開された、周星馳(チャウ・シンチー)の『功夫(邦題:カンフー・ハッスル)』は、エンタテインメントを徹底的に追及する姿勢に満ち溢れていて、批評好きの北京っ子をも文句無しに笑い転がせています。
『功夫』は典型的なカンフー映画で、しかもコメディですから、物語性を重んじる張芸謀の作品と簡単に比較できるものではありません。ただ、ブルース・リーが産み出しジャッキー・チェンが育て上げたカンフー・エンタテインメントを、大陸・上海生まれの周星馳が見事に完成させた作品だと思います。

ストーリーはいたって単純。
平凡に暮らす長屋の人々が、ふとしたきっかけから黒社会の攻撃対象となってしまいます。長屋の住人には隠れたツワモノがたくさん居て、何度も追い払うのですが、最強の大家夫婦が絶体絶命の危機に陥ってしまいます。最後は黒社会の構成員で周星馳が正義の味方に変身し、黒社会が送り込んだ最強の拳師を打ち負かし、めでたしめでたし。もちろん、お涙頂戴の恋愛物語も盛り込まれていて、瞬きをする間も惜しいくらいのテンポで楽しませてくれます。

やけに写実的に再現される古き香港の街並みとえげつないくらいチープなCGのコントラストによって、虚構の世界が逆に現実味を帯びてくるところが不思議です。カンフー映画の真髄ともいえるアクションシーンも、敢えて偽物っぽく作りこんでいるような気がします。悪者をやっつけるのは、技や力ではなく立ち向かう人の気持ちなんだ、とでも言いたいのでしょう。黒社会の登場とともに立ち込める暗雲、周星馳が恋人役の黄聖依を抱き起こすシーンに顔を出す映画のポスターなどなど、これでもか、と言うくらいの過剰演出なのですが、見る人の気分を害するものではありません。
何事にもケチをつけずには居られない北京っ子の映画フリークに言わせると、「文句のつけようが無いエンタテインメント映画」。私もまさにそう思いました。
その言葉を裏付けるように、クリスマスイブ一日の興行収入は、『英雄(邦題:HERO)』を持つ記録を抜いてしまったそうです(SOHU・中国語)

私が映画館を訪れたのは平日の深夜だったのですが、上映30分前には席が売り切れてしまい、次の上映を待つことになりました。ちなみに北京の北三環路にあるシネマ・コンプレックスでは、5つあるうち3スクリーンを作って、30分おきに上映していました。同時期に公開され、こちらも前評判が高かった憑小剛監督(彼は『功夫』に友情出演しているのですが)の『天下無賊(英語タイトル:NO THIEF)』のほうは、1スクリーンなのに閑古鳥が鳴いていて、ちょっと気の毒な感じでした。
台湾での出だしもハリウッド映画を凌ぐ勢いのこと(中国情報局)

それでも私は張芸謀的映画のほうが好きなのですが、見る者を徹底的に引き付けるというエンタテインメントの原点を考えると、今年は『功夫』が飛びぬけた感じがします。
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by pandanokuni | 2004-12-29 15:48 | ひまネタ
中国メディア「10大国際人物」にマイケル・ムーア
北京市の若者を中心に多くの読者をもつ日刊紙「北京青年報」と、日本では「人民日報」に翳んでしまっていますが、中国ではそれなりに存在感のある全国紙「光明日報」が共同で選出した2004年の十大国際人物に、マイケル・ムーアが選出されたそうです。
何故これが日本でも報道価値があるのか、ニュースソースの共同通信もZAKZAKも今のところ、論評がありません。特派員が暇ネタで流しただけなのかもしれませんが、私は中国マスコミと知識階層の現状、そして何より典型的中国人の性質が見えてくる話題だと思いました。

この「北京青年報」の特集記事(中国語)には、それぞれの人物にキャプションが添えられているのですが、ムーアの名前を修飾しているのは「ブッシュ批判の映画を監督、"畏れを知らぬ"作家兼政治評論家」という言葉です。記事の中では、『華氏911』のことだけではなく、2002年3月に出版され、やはりブッシュ政権を批判した"Stupid White Men"(邦題『アホでマヌケなアメリカ白人』)が、30回も増刷を重ねるベストセラーになり、イギリスでは賞まで受賞したことまで紹介し、「アメリカでは恐れを知らぬ政治評論家として称えられている」とまで書いているのです。

多くの日本人なら、この記事を読んだ後、この記事を書いた記者に対して、「あなたの国はどうなの?」「あなたのお仕事は何なの?」って、思わず詰め寄りたくなるのではないでしょうか。
胡錦濤さん批判の映画を監督して、本を出版して、ベストセラーになって、恐れを知らぬ政治評論家と称えられる、なんてこと、中国ではどれ一つとってもあり得ない話なのです。一応、表現者としてはムーアもこの記事の書き手も一緒なワケなのに、他国ではまかり通っていても、自国ではまかり通らない、と言うことを平然と受け容れているのです。しかも、他国では国家の指導者を批判する人間が称えられている、と言う記事なのに、当局による「検閲」はすんなりパスしているわけです。

もちろん、「ブッシュは中国にとって良くない指導者だから、彼を批判する人間はいい奴だ、だからこそ選ばれた」と言う考え方が妥当かもしれません。ムーアのほかに選出された人物の何人かも、「反ブッシュ」的色彩で紹介されているからです。例えば、ブッシュさんについては、ヨーロッパのあるメディアの言として「世界中が望まなかった再選」と紹介していますし、ザルカウィ(さすがに「さん」付けは止めときます)のことは、「フセイン失脚後のイラクのアメリカに対抗する勢力の指導者」と説明しています。

とは言え、「国家指導者の批判」「直接選挙」「民主主義(2004年ノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイの発言から引用)」「強権発動」などなど、よその国のことは、案外平気で報道されているのが中国の実情なのです。中国と日本に直接関わらない国際ニュースは、日本のマスコミより中国の報道のほうが、全体を網羅しているのではないか、と思うくらいです。

例の私のビジネスパートナー(いわゆる北京の知識階層)とこの話をしました。
「政権や共産党がこうなんじゃないよ、中国人がこうなんだ。」と大笑いされてしまいました。確かに、多くの中国人は自分と関わりの薄い"他人事"にはああだ、こうだ、と積極的に論評します。でも、「じゃあ、自分はどうなの?」と言った途端、口をつぐんだりします。特に北京あたりでは、こういう人が多いです....

ちなみに、「北京青年報」と「光明日報」が選んだ2004年十大国際人物は以下の通りです(括弧内は私の補足です)。

  • 「武器を捨てなかった精神的指導者の排除」 アハマド・ヤシン師 (イスラム原理主義組織ハマスの創始者。2004年3月22日イスラエル軍により殺害)

  • 「難題を強権で乗り切る"危機大統領"」 ウラジーミル・プーチン (ロシア大統領)

  • 「三世代に渡る悲願"直接選挙"」 ハーミド・カルザイ (アフガニスタン初代大統領)

  • 「息子のスキャンダルに悩める評判良き国連事務局長」 コフィー・アナン

  • 「改革目指すも弾劾の憂き目に"平民大統領"の施政は多難」 ノ・ムヒョン (盧武鉉・韓国大統領)

  • 「ブッシュ批判の映画を監督、"畏れを知らぬ"作家兼政治評論家」 マイケル・ムーア (映画「華氏911」監督)

  • 「反テロ大統領の再選は武力を一層強化する」 ジョージ・ウォーカー・ブッシュ (アメリカ合衆国大統領)

  • 「環境保護に努めノーベル賞を受賞した"植林大臣"」 ワンガリ・マータイ (環境活動家、現ケニア環境・天然資源・野生動物省副大臣-彼女に関する日本語記事を集めたブログ-)

  • 「"民族の魂"の中で病死した、誤解されることの多かった憎まれ役」 ヤセル・アラファト (前パレスティナ暫定政府議長)

  • 「爆弾テロと人質殺害、足が不自由な恐怖の大王」 アル・ザルカウィ (アルカイダと繋がりがあると言われるヨルダン人活動家)


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by pandanokuni | 2004-12-27 23:39 | 社会ネタ
乾燥肌にはスペシャル・マッサージで王様気分
月に1回はサウナに行きます。実は、住んでいるマンションにもサウナがあるのですが、敢えて外のサウナに行きます。
マンションのサウナでは、「う・ふ・ふ・・・」のスペシャル・マッサージが無いからです。

北京にはサウナがたくさんあります。自宅にシャワーやお風呂が無い北京市民が身体の汚れを落とすための「銭湯」みたいなものから、レストランやカラオケなどが併設されている「ヘルスセンター」のようなもの、また五つ星ホテルに併設された豪華な「スパ」。値段もピンきりで、入浴料が5元(70円)くらいのところから、200元(2,500円)を越えるところまで様々です。街を歩いていて「洗浴」とか「浴池」の看板を見かけたら、サウナだと思ってよろしいかと思います。

一般的なサウナは、温水シャワーと洗い場があり、銭湯のような大きな浴槽があり、サウナルームがあり、マッサージサービスがあります。石鹸やボディソープ、シャンプー、タオルなども用意されていますから、何の準備もせず気軽に行くことができます。もちろん、値段がピンきりである分、清潔度やサービス内容もピンきりです。ただ、値段が高ければ清潔でサービス内容も素晴らしい、と一概に言えないのが北京の面白いところです。
私も7年間、北京のサウナ巡りをし、小便器の中でシャワーを浴びてでもいるかのような不潔なところにも遭遇しましたし、値段の割には清潔感溢れるところも見つけました。ただ、清潔そうに見えても大浴槽に浸かるのだけは何となく避けています。いつも、身体を洗い、サウナで汗を流してから、特別なマッサージをしてもらいます。

さあ、いよいよスペシャル・マッサージの話です。通常、温水シャワーなど洗い場の周辺でこのサービスが行われます。サービスをお願いすると、一糸纏わないスッポンポンのまま、防水ベッドに仰向けに寝かせられます。マッサージ師も上半身裸で、下半身を隠すだけの下着しか身に付けていません....

中国語では「搓澡(ツァザオ)」と呼ばれる垢すりをしてくれるマッサージ師(三助さん)は、残念ながらみな男性です(男湯の場合)。歳は30歳くらいまで、若い男の子も結構多く、福建省や四川省あたりから出稼ぎに来ている人たちが多いようです。
フツーはオモテ面、オデコから始まってどんどん下に向かっていき、大切なフクロまで持ち上げられて、股間もしっかり擦ってくれます。足の指の間まで。三助さんが色白の美少年だったりすると、自分の中心部分が妙な反応をしないか、ちょっと心配になったりします。それから裏返って、首、背中、お尻、足、足裏。もう、ほんと王様気分です。
毎日お風呂に入って、ボディソープでちゃんと洗っているのに、ボロボロ、ボロボロ、驚くほど垢が出てきます。体重が1キロくらい減ってしまったんじゃないか、と思うくらい。
一通り、垢すりが終わると、背中から腰のあたりをポイントでマッサージしてくれます。それから、肩からふくらはぎへと、リズム良く叩いてくれます。これもまた、気持ちいい。

北京の冬はひどく乾燥します。当然皮膚も乾燥して、痒くなったりすることもあります。そんな乾燥肌に、垢すりは良くない、と言う人が多いのです。でも、この後がポイントなのです。垢すりの後にオプションが用意されています。
塩、粉乳、溶き卵...なんだか料理されてしまうみたいですが、お店によっては肌のお手入れ用に、様々なスキンケア・メニューがあります。私は、粉乳+溶き卵の全身パックをしてもらいます。これもまた、王様気分です。全身ヌルヌルで、ミルクの匂いになってしまいますが、パックを終えて、軽く洗い流し、もう一度サウナで蒸しますと、もうお肌はツルツル!!乾燥してガサガサしていた所も、痒みも無くなります。

私が行くサウナなら、入浴料が18元、垢すり(搓澡)が30分で28元、粉乳と溶き卵でプラス10元。合わせて800円弱と言ったところです。それにしても、同じサウナで女の子のフツーのマッサージが45分で58元ですから、一生懸命垢すりと全身パックをしてくれる美少年の三助さんにはちょっと気の毒な感じがします。彼のことを考えると、女の子の「特別」マッサージなんて受ける気がしなくなっちゃいます。
ご期待された方には恐縮ですが、私の「う・ふ・ふ・・・」のスペシャル・マッサージは、美少年三助による垢すり+全身パックのことでした。
まだちょっと、ミルクの匂いが残っています....
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by pandanokuni | 2004-12-26 20:49 | ひまネタ
HAPPY CHRISTMAS!
そう、みなさん、クリスマスです。b0047829_17423766.gif

気弱な人も強がりの人も、
お金持ちもそうでない人も、
言葉の壁もや肌の色の違いも越えて、
みんな仲良くしましょう。

世界は誤った方向に進んでいるけど、
もうすぐ新しい年がやってきます。
争いごとは止めにしましょう。

もし、みんなが望むなら、
争いごとは無くなるはずです。

(original by John and Yoko / Keith Haring)





中国の都市生活者はクリスマスが大好きなようです。恋人同士はイブの夜を楽しみにしています。レストランやお店の入口にはサンタの顔が貼り付けられ、クリスマスツリーが用意されています。
こうしたクリスマスの飾り付けは、クリスマスが過ぎても、春節(中国のお正月・旧正月)までそのままにされていることが多いのです。イブを盛大にお祝いして、25日のクリスマス本番の日には気早く片付けてしまう日本とは大違いです。でも、日本ではクリスマスの後で、まったく別のコンセプトによる正月の飾り付けがありますから。
アメリカでも、ニューイヤーのカウントダウンまでは、クリスマスの雰囲気が残っていますから、中国のお正月までクリスマス飾りが残っているのも、良しとしましょう....
ケータイの着ベルに一年中「ジングルベル」を使ってる人には、ちょっと閉口しますが。
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by pandanokuni | 2004-12-23 17:50 | その他
中国との関係悪化は、破局をもたらす予感がします。
李登輝さんへのビザ発給。日本側にはキチンとした言い分があると思います。でも日中関係に悪影響をもたらすことは間違いありませんし、日本政府も予測していたはずです。
北朝鮮のキム将軍が引退されて、東京ディズニーランドに遊びに行きたい、からと言われ、私人だからOKと日本政府がビザを発給したら、日本国民はどう思うでしょうか?極端な例ですが、中国の一部の人民にとっては、これに近いことです。
メンツ重視の中国政府のメンツは丸潰れでしょう。

日本と中国は対極的には仲良くしていかなければならない、と私は思っています。経済やエネルギーにおいては日本の国益を守るため、環境問題や安全保障においては、アジア或いは世界のため、この二国間の関係悪化が、プラスに働くことは無いと思うのです。
経済については説明する必要も無いかと思いますが、中国との経済関係は企業業績や株価だけではなく消費者物価にまで直接的で大きな影響を及ぼしています。
エネルギーについて言えば、そもそも田中角栄さんが国交回復を果たし経済支援を約束した最大の理由は、中国の天然資源確保にありました。その後政権が代わってODAが日中関係者の食い物にされてしまったのですが、中東、インドネシア、ロシアなど日本のエネルギー供給源に、ヴァリエーションを確保するには中国を加える必要があるでしょう。中国の調査船が日本領海を脅かしている東シナ海とか黄海とか呼ばれているあたりの潜在資源も、関係国間の協力のもとで平和的に開発を進めていくことができるはずなのです。
環境問題にしても、大陸の砂漠化から激しくなる黄砂現象が日本にも直接的な影響を与え始めていますし、中国が急速な経済発展に見合った環境対策を施さないと、風下の日本が影響を受けることにもなりかねませんし、地球規模の環境悪化が加速することにもなります。

東南アジアを歴訪した民主党の岡田さんに、各国は「中国の膨張に日本は対応して欲しい」と言うような希望を託したそうです(読売新聞Web)。これはとても的を得ていると思います。日本でも「中国脅威論」が展開されていますが、一人勝ちしつつある中国に脅威を感じているのは、周辺アジア諸国も同じでしょう。
世界情勢も変化して、「世界の警察官」だったアメリカは、東アジア地域においてその役割を放棄しようとしています。私には「アジアのことはアジアで解決して欲しい、こっちは石油利権と赤字財政で手一杯なんだから」という気持ちが見え隠れしているように思えてならないのです。
ただ、アメリカのことですから、ポイっと放ったらかしにするのではなく、将来的にアメリカが不利を被らないように画策はしているはずです。アメリカに代わって東アジアの安全保障を担えるのは、現実的には中国と日本しかないでしょう。ほんとは中国に肩入れして、アメリカと対抗できる世界の二大勢力にまつり立て、単純でオペレーションしやすかった「冷戦時代」を再現しようとくらい思っているのかもしれません。ただ、日本政府がやけに従順なので、うまく利用しない手は無いと思っているような気がします。例えば、中国に対する抑止力として。

アメリカはテロからの脅威、はっきり言ってしまえばイスラム世界の防御壁になってくれはするかもしれませんが、日本周辺でのいざこざからは腰が引けているのは明らかでしょう。どちらも脅威であるかも知れませんが、日本としては身の回りの安全のほうが重要な問題でしょう。それなのに、まだアメリカ、アメリカ、と言っている。こうした情勢下でも、日本の外交は相変わらずチグハグしているのです。

いずれにしても、東アジアの平和は日本と中国がリードして築き上げていかなければならない情勢にあるのです。そして平和を望むのであれば、この両国は対立して覇権を争うのではなく、協調協力して東アジアの共栄を創出していくべきなのです。周辺諸国の多くも、日本につく、とか中国につく、と言うことではなく、また日本が中国に対してもっと強硬な姿勢をとってほしい、と言うことでもなく、日本と中国がお互いに協調していくことを望んでいるのではないでしょうか。
そうでなければ、日本と中国という二大勢力はいずれ武力行使による解決の道とるしか無くなってしまうでしょう。破局です。戦争です。
ついに、王毅駐日大使の発言に「戦争」という言葉まで飛び出してしまいました(産経Web)
戦争になっても戦力で日本が勝てる、と言う意見もあるかも知れません。でも、戦後の地域世界をリードするのは、第二次大戦後の日本と同じように、敗戦国の中国かもしれません。

そもそも日中関係の悪化は、中国側に原因がある、と思っていらっしゃる日本人は多いと思います。すべてではなくとも、多くの部分中国側に原因があるのも事実だと思います。ただ、李登輝さんには大変申し訳ないのですが、日本の国益という天秤にかけた場合、何もこの時期に日本側から日中関係悪化の原因を作る必要は無かったと思うのです。

U2の4年ぶりのアルバムを聞いています。ボノによると「核爆弾の解体方法(How to Dimantle an Atomic Bomb)」は、「愛と平和の他に無い(Love and Peace or Else)」。ありきたりな答えではありましたが、普遍的なのでしょう。日本のため、東アジアのため、世界のため、そして何よりも平和のためには、外交上の寛容や情けが、どちらか一方にあっても構わないのではないか、と私は思うのです。
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by pandanokuni | 2004-12-22 17:44 | 政治ネタ
日本人は「中国には言論の自由が無い」と言える立場にあるのでしょうか?
内閣府の調査によると、日本人の6割が「中国に親しみを感じない」と答え、「中国に親しみを感じる」と答えた人は前年より10ポイント以上少なくなたそうです(朝日新聞Web)。一方中国側の調査でも、「日本に(まったく)親しみを感じない」中国人が5割を越え、「日本に親しみを(まったく)感じない」と答えた人は前年より10ポイント以上多くなったそうです(人民日報Web)

日本国民の対中感情悪化が、サッカーのアジアカップでの中国人民の反日的活動や潜水艦や海洋調査船の領海侵犯などに由来しているという日本のマスコミの分析は、直接的にはその通りだと思います。中国人民の対日感情悪化の直接的な原因が、共産党政権による反日教育の定着と小泉さんの靖国神社参拝であることも間違いないと思います。
ただ私は、中国側だけではなく日本側も、ある意味で「意図的に」反中感情へと世論誘導しているような気がしてならないのです。

中国には原則的に言論の自由が無いと言われています。世論も政府がある程度コントロールすることが可能なのです。ですから、中国における反日感情の高まりは、ある程度までは中国政府が意図的に導いてきた世論と言えるでしょう。ただ、日本側にまったく原因がないかというと、私はそう言いきれないと思いますし、中国政府が意図した以上に、中国人民の反日感情が高まっているのではないかと思います。
最近の中国政府は両国間の歴史問題を別にすれば、人民の反日感情を抑制する方向でマスコミをコントロールしているように思えます。このことについて、中国における反日感情は反政府感情に直結するから、という分析も多いのですが、私はそうは思っていません。反日感情は愛国心に結びつく傾向があり、現政権を否定する方向には結びつきにくいと思うのです。
むしろこの1年、中国側は日本政府に機会あるごとに、両国関係の改善へシグナルを発してきたと思います。

一方日本側はどうでしょうか。日本には言論の自由があることになっています。日本国民が中国のことをどう思おうが権力の介入を受けないのが建前です。ただ、中国をどう思うか判断するためには中国に関する情報が必要です。そうした情報を偏り無く取得できる環境にあるか、と言うとそうではないような感じがするのです。
例えば、「中国に親しみを感じない」原因と指摘されているサッカーのアジアカップの日本での報道など、ワイドショー並みのヤラセに近いものがあったように思います。真実に近づくため積極的な情報収集を心がけている人を除けば、日本人の大半はテレビや新聞や雑誌などマスメディアから受動的に得た情報でものごとを考えています。そうしたマスメディアの情報は、もちろん例外もありますが、総論的には中国のマイナス面を強調しているように思えてなりません。特に影響力の強いテレビは政府に許認可権があります。5つか6つのネットワークが全国のテレビを支配するような構造は、先進国では稀なのです。
日中関係の改善や、中国への理解を示す発言をするものなら、多くの人たちから激しい反発にあってしまい、言いたいことも言えなくなってしまうような状況にもなりつつあるのではないでしょうか。昨今アジア訪問を終えて日中関係の重要性を改めて発言した民主党の岡田さんには、さっそく批判が相次いだそうです(読売新聞Web)
限られた電波を利用しているがこそ、できる限り公平で不偏不党の情報を提供すべき役割の、そして多くの日本国民にとって最も気楽な情報収集元であるテレビが、そうした役割を果たしていない。そして、中国への好意的発言までが制限されようとしている、今の日本に言論の自由がある、と胸を張って言えるのでしょうか。
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by pandanokuni | 2004-12-20 14:02 | 政治ネタ
台湾の存在意義って何なのでしょうか?
中国大陸では、台湾から来た人たちが数十万人働いています。台湾資本の企業だけではなく、中国大陸の企業や欧米系、そして日系企業でも働いています。単純労働力としてではなく、管理職や高度な技術職として働いている人が大半です。私の働く北京の職場でも、台湾から4人来て働いています。4人ともマネージメント職です。

90年代後半に入ると台湾の経済は冷え込み始めました。アジアの生産基地の座を「世界の工場」となった中国大陸に奪われてしまったからです。
台湾の製造業は中国大陸に引っ越し、台湾の人材は中国大陸でビジネスを指導する役割を担うようになったのです。中国大陸より先にグローバルなビジネスを手がけていた台湾のビジネスマンは、大陸ビジネスのグローバル化にはもってこいの人材でした。台湾で職が見つからなくても、大陸に行けば好条件の仕事が見つけられる、ということで、大陸で働く人はどんどん増えていきました。
台湾の資本も投資先を中国大陸に移していきました。IT関連、食品関連では台湾資本の企業が大陸で大活躍しています。
人的・経済的には交流(というよりは、大陸への流出)が進み、中国大陸と台湾は一体化しつつあります。

イデオロギーの面ではどうなのでしょう。中国大陸で働く台湾の人の多くは、自分たちのビジネス環境が保証される限り、いまの共産党政権に嫌悪感はいだきません。返還された香港でも同様の傾向があるらしいのですが、ビジネス優先の考え方から、政治に関しては無関心を装う人たちも多いようです。政治的に大陸が安定していたほうが、商売もし易いですし、共産党に代わる政権基盤が存在しない中国ですから、心の中でどう思っているかは別として、「実利」を優先の中国系商売人にとって、現政権を批判するメリットはありません。

元来、台湾は冷戦時代のアメリカの産物です。「西側」は大陸の再資本主義化を願って台湾を支持したのでしょうが、ニクソンさんが中国を訪問した70年代初頭にはそれを諦め、台湾・大陸間の「国境」が東アジアにおける「西側」の防衛線として固定化されるようになりました。ソ連が崩壊して冷戦が終結してからは、アメリカを脅かす「大国」になりつつある中国への抑止力としての役割を台湾は課せられました。

ところが"911"以降のアメリカは、中東の脅威を取り除き利権を確保することに集中する必要に迫られました。そして中国の脅威は、東アジアにおいてよりも中央アジアにおいてのほうが大きいことを、アメリカは認識しました。中国はイランやイラクなど中東諸国だけではなく、旧ソ連の中央アジア諸国、パキスタン、インドなどとも独自外交により友好関係を維持していますし、利権も確保にも熱心でした。
この地域において中国はアメリカに先行していたので、アメリカももはや、中国と敵対するより強調することを選ばざるを得ませんでした。アメリカが中東政策を推進するには、中国を味方につけつつ、中国の中央アジアへの影響力の増大を食い止める必要に迫られているのです。

ブッシュ政権のアメリカは「世界平和の監視役」よりも「自国の利権と安全」を重視する傾向になりました。財政赤字を抱える中で、東アジアの心配事に対処するよりも中東の利権を確保することを優先するのは、当然の帰結と言えるでしょう。2004年10月北京を訪れたパウエルさんが(後に発言の修正を行ったにせよ)「台湾と中国は平和的に統一すべきだ」などと発言したのは、彼が国際協調主義者だからではなく、アメリカ政権中枢の本心と捉えてよいと思います(参考記事:Asia Times Online)
アメリカで台湾独立を支持している勢力は武器商人です。「台湾関係法」は中国を承認した後のアメリカが、台湾に武器を売りやすくするための法律です。「統一」により失われるアメリカ武器商人の利権を、中東あたりで穴埋めすることができれば、もうアメリカには「統一」に反対する勢力はいなくなるでしょう。

東アジアの安全保障は、東アジアの国家が自分たちでやってくれ、と言うのがアメリカの本音でしょう。日本や韓国の駐留部隊を引き上げるために、日本の首脳に中国の脅威をたきつけて防衛力整備を迫っているのも、アメリカです。

こうしてみると台湾が独立国家とならなければ理由はどこにあるのでしょうか?台湾には台湾民族が居住していますから、あるとすれば台湾民族国家の樹立ということになるかもしれませんが、政治・経済の中心は大陸から渡って来た中国人が支配しているのですから、ちょっと難しいと思います。
もはや、台湾は経済的にも政治的にも存在意義を失ってしまっているのではないでしょうか。
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by pandanokuni | 2004-12-19 00:47 | 政治ネタ
北朝鮮脱出者の駆け込みで、ロックアウトが心配な北京日本人学校。
北京日本人学校に、北朝鮮脱出者と見られる人たちがまた駆け込んできました。2003年2月と2004年9月にも、こうした駆け込みがありましたから、今回で3回目になると思います。
人権を振りかざすとこんなことは言えないのかも知れませんが、日本人学校の児童・生徒や父兄にとっては、いささか迷惑な話です。それに中国に脱出してくるのは、かの国の中でもどちらかと言うと経済的に恵まれていた人たちだと言われています。もちろん、命がけで脱出を図るのでしょうが、両国の警備員にお小遣いを渡すことくらいの経済力を持った人でなければ実行できないのではないでしょうか。飢餓に苦しんでいるような人たちは、駆け込む力すら持ちえていないでしょう。

駆け込みには支援団体から大使館などに事前予告があるようです。
大使館では日本人学校に警備の強化など対策を指示します。北京日本人学校はつい最近まで「在中華人民共和国日本大使館付属」だったので親の言うことは聞かなければなりません。ただ、面倒なことに巻き込まれたくない大使館側は「駆け込み」阻止の対策を求めるのでしょうが、教育の現場の人たちは「子どもたちの安全」を第一に対策を考えます。
各所で駆け込み事件が増えてから北京日本人学校の運動会や発表会などの学校行事も窮屈なものになってしまいました。学校周辺には警備員が取り囲み、敷地内に入るには学校が父兄に発行する入校証が必要となりました。お友だちの運動会を応援しようと思っても、パスポート持参でなければ入れてもらえません。当然の対策かもしれませんが、和気藹々なはずの学校行事にも緊張感が漂います。「駆け込み予告」で中止になった学校行事もありますし、授業が打ち切りになったこともあります。
今回は、駆け込む側も少しは子どもたちに配慮したのか、或いは警備の甘い時間をついたのか、子どもたちが学校にいない早朝に実施したようですが。

もっと心配なのは、北京日本人学校の「ロックアウト」です。
今年になって特に頻繁に北朝鮮脱出者に駆け込まれてしまっている北京の韓国人学校は、12月16日に中国当局からロックアウトされてしまったそうです(産経Web)中国側が脱出者の引渡しを求めているのでしょう。脱出者は中国において密入国者であり不法滞在者です。人権問題をあれこれ言われている自国を舞台に他国民の人権擁護の活動がこうも頻繁に起こるのは内政にも関わります。外国人学校は大使館ではありませんから、治外法権は適用されません。しかも、外国人学校の敷地は中国側が用意したものですから、中国側にも道理が無いわけでは無いのです。

「駆け込まれ」の回数や人数では、韓国人学校のほうが、日本人学校より圧倒的に多いのですが、中国当局が北京日本人学校にも同様の姿勢で臨まないとは限りません。今回駆け込んだ7人の身柄を渡さなければ、日本人学校の敷地の使用は認めない、と言い出すかもしれません。李登輝さんへのビザ発給のことで中国側が本気で怒り始めた折も折、子どもたちが犠牲にならなければ良いと願っています。
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by pandanokuni | 2004-12-17 12:06 | 社会ネタ
警官隊大集合!北京でまた「暴動」でも起こったかな?
きのうはお昼あたりから、大通りに警官がたくさん配備されていました。私がよく利用する東三環路の主要な交差点には、警察のバスが停車してあって、10~20人ほどの警察官が並んでいました。私が見たのは「公安」と書かれた車両でしたが、周りの中国人に聞くと「武装警察」や「防爆隊」と言われる部隊までお出まししたそうです。
昼間私が通り過ぎたときは、特に検問をしているような気配はありませんでしたが、夜は検問をしていて、東三環路の側道は遅くまで渋滞していました。

北京では反政府系の騒動がよく起こっているらしいのです。残念ながら、私は直接出遭ったことがないのですが、日本の新聞社系ニュースサイトでは、香港メディア発として未確認の速報記事をアップロードしています(後追い記事が無く、ウェブ上から削除されるケースが多い)。こういう場合のニュースリソースは香港の夕刊紙だったりして、日本で言うと東スポとか夕刊フジをソースにしたいたりするのです。でも北京で、警官隊が異常に多く配備されている時が、最近はよくありますし、そんな日に周りの中国人に尋ねると、「どこどこで何々があったらしい」のような答えが返ってきたりします。火の無いところに煙は立ちません。

「どこどこで」と言うのは、北京の中心部、つまり天安門広場から西は復興門、東は建国門あたりまでで、この間を貫く長安街というメインストリートの両サイドには中央政府関連機関がたくさんあります。「何々が」と言うのは、地方の労働者や農民が集まってきた、とか、爆発があった、とかそういう出来事です。

中国人民の、特に人口の大多数を占める低所得者層の政権への一番の不満は、人権問題でも、民主化問題でも、経済格差問題でも無く、お役人の汚職と特権の行使なのです。特に地方の農村部の人たちは、まだ共産主義が平等を約束してくれているとでも思っているのでしょうか、お役人の不平に対する鬱憤がたまっているらしいのです。
どの国でも政治家やお役人の汚職はあるのでしょうし、中国では位が高い役人ほどクリーンなイメージを持たれています。特に、胡錦濤さんや温家宝さんあたりは、前任者との対比で透明性の高いイメージで通っています。ただ、下っ端に行けば行くほど、ハチャメチャにやっているようなのです。田舎の村のお役人が、勝手に手数料みたいなものを新設して、集まったお金で若いおネエちゃんに貢いだり、給料じゃ買えるはずも無いベンツ(しかもナンバープレートは、人気の8並び)を乗り回した挙句、村人をひき殺す交通事故を起こしたのにもみ消したり。
まさに時代劇の悪徳代官みたいですが、耐え切れなくなった村人が蜂起することもあるようです。あとは、こうした実態を北京に居る偉いお役人に直訴しようと徒党を組んでやってきたりするようです。
こういう人たちは、爆弾を抱えていたりはしないと思うのですが、大勢だと北京の鉄道駅で追い返されたりするので、バラバラにやって来て北京で集合する方法をとって、何とか北京の中心部までたどり着いたりします。

北京では、こんなことがきっと頻繁に起こっているのでしょう。
数日後に、また北京発で「香港の消息筋によると、北京中枢で反政府集団が」みたいな記事が出るかも知れませんね。北京駐在の記者の皆さま方には、ぜひ自分の目で「暴動」を目撃して特ダネを掴んで欲しいものです。この時期だったら、日本のデスクも政治的配慮から「握り潰し」たりしないと思いますよ。
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by pandanokuni | 2004-12-15 22:48 | 社会ネタ
テレホン・セールス。社会勉強になるとは言え、やはりちょっと迷惑です。
中国でケータイを持ってらっしゃる方、電話が鳴っていきなり中国語で話まくられることありませんか?こちらが無反応で居ると、話を止めて「ウェイ、ウェイ」と呼びかけるようでしたらk、間違い電話ですが、こちらの反応と無関係に話し続けるとすれば、恐らくそれはテレホン・セールスです。

以前はオフィスの直通番号にかかってくる程度でしたが、最近はケータイにセールスの電話がどんどんかかってきます。投資の話、マンション購入のお勧め、クルマ、そしてゴルフ場の会員権など、こちらの素性を知っているかのような内容ばかりです。可愛いっぽい声の女の子でしたら、少々話を聞いて、意地悪な質問をしたりして、暇つぶしにもなりますが、不躾な話し方だったり、忙しいときには、とっとと切ってしまったほうが無難でしょう。
ヤフーBBもびっくりするくらい、中国では個人情報が売買されていますから、少々のダイレクト・マーケティングにはお付き合いするしか仕方がありません。

メール(SMS)による売り込みも増えています。やはりクルマやマンション、格安航空券などが多いのですが、正式な領収書を売っているとか複雑な手続きを代行するとか、怪しげなものもあります。最近は、女子大生やモデルを紹介します、と言った類のものや、女子大生に成りすまして「友達になりたい」と言うような囮メールまで送られてきます。
こうした、怪しげなダイレクト・メールは、送信者に返信できない様になっている場合が多く、メールに指定された電話番号に折り返し電話することを求めてきます。中国人の同僚にさっそく試してもらいました。やはり、女子大生とお友達になるためには、かなりのコストがかかることが判明しました。

こうした電話やメールによるセールスも、北京の現状を知る意味で大目に見てあげたいのですが、中国のケータイのシステムは、電話やメールを受けた側も課金されてしまうのです。一日に何通もこうした電話やメールが来ると、さすがに迷惑です。
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by pandanokuni | 2004-12-14 23:41 | 社会ネタ