カテゴリ:ひまネタ( 43 )
パクリっ!? 中国版セカンド・ライフ。

b0047829_16394021.jpgバーチャルな世界で、自分の分身であるアバターを操り、友達を作ったり、商売をしたり、悪さをしたりできるセカンド・ライフ。世界で約470万人の居住者を集めていますが、英語の苦手な日本人向けに日本語サービスがもうすぐ始まります。日本人客を呼び込もうと、多くの日本企業がセカンド・ライフの中にバーチャルなお店を準備している最中です。

さて、セカンド・ライフの居住者(利用者)の多くはアメリカやイギリスなど英語圏の人たちで、次いでドイツや日本の人たちですが、全体の2%弱ですが中国人も住んでいます
そうした人気にあやかろうとしてか、さっそく中国版のセカンド・ライフが登場していました。
HiPiHiと言うサイトがまさにそれで、トップ・ページのデザインやバーチャル世界やキャラクターの雰囲気まで、セカンド・ライフそっくりです。
セカンド・ライフのタグラインが、"Your World. Your Imagination. (あなたの世界。あなたの想像力。)ならば、HiPiHiは「あなたのために世界はある」。何から何までパクリと言えるでしょう。

HiPiHiは、泣かず飛ばずのB2Bサイト"我的網(My Web)"の総経理を務め、一応1999年には中国ネット業界10大人物にも挙げられた許(Xu)さんと言う人物が2006年春に始めたもので、8月には中国国内のベンチャー・キャピタルから10数億円規模の資金調達を受け、北京の中関村に100人規模の会社を設立し、運営しています。
"本物の"セカンド・ライフ・ブームが、東アジアに浸透し始めた2006年秋頃には、日本や韓国の複数のネット系企業が"二匹目のドジョウ"を狙うため、HiPiHiを訪れ、資金提供を検討したそうですが、ユニークさのかけらも無い"どパクリ"サービスであることが判明し、そそくさと撤退してしまったそうです。


b0047829_16404267.jpg化けの皮が剥がれてしまったのか、HiPiHiのトラフィックは低迷を続け、2007年3月16日時点のAlexaのランキングでは20万位以下という状況です。本家本元のセカンド・ライフは、日本語、ドイツ語、韓国語によるサービスの次に、中国語でのサービスを用意しているようです。パクリ君HiPiHiの将来は決して明るくなさそうです。

検索サイトの領域では、百度(Baidu)が優勢を堅持し、谷歌(Google)は苦戦を強いられています。百度が登場したとき、私はGoogleのパクリじゃないか、と感じましたが、中国語という言語の分析や研究において、百度にはユニークなテクノロジーが存在しており、"袖の下"による上位リスティング疑惑など、どうこう言われながらも、その検索結果や多岐に渡るサービスが、中国人ユーザーに支持されているのです。
HiPiHiも、もっと中国の文化や習慣などを積極的に取り入れれば、中国語圏で浮上するかもしれませんが.....。

*画像:上が本物、下がパクリもの

HIPIHI関係者からのご意見
このエントリーに関して、内容の一部に誤りがあるというご意見を、HIPIHIの関係者の方から頂戴しておりますので、ご紹介申しあげます。
*2006年春以前に開発は始まっていました。
*社員数は100名規模ではなく、70名弱です。
*2007年3月19日からβ版のサービスを始めたばかりで、関係者などにID発行を限定しているので、Alexaのランキングが伸びないのは当たり前です。
*現在でもVCなど複数社が出資を検討している最中です。
(追記:2007年4月7日)
[PR]
by pandanokuni | 2007-03-16 16:43 | ひまネタ
売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!! ---海賊版DVDに隠された暗号!?

b0047829_19223134.jpg1月の上旬に北京のお店に並んでいた、実写版『DEATH NOTE - the Last Name』の海賊版DVDのことを、前々回少し触れさせていただきました。この作品に限らず、日本の新作映画の海賊版DVDは1枚8RMB(約120円)くらいで、プラスティック・ケースにパッケージされて売られています。

ちなみにこの映画、日本では2006年11月3日に劇場公開されたばかりで、日本国内では未だDVDとして公開されていません。新作映画のDVD化のサイクルは短期間になっていますが、いちおう"3ヶ月ルール"というのが一般的で、この作品も2007年2月14日からレンタル用DVDがリリースされ、安価版のセルDVDは1ヶ月遅れの3月14日に発売される予定になっているようです。こうやって、知的所有権現金化の秩序を維持しているわけです。


b0047829_191730100.jpg中国国外で正式なDVDがリリースされる前に、中国で海賊版DVDが発売されるのは珍しいことではありません。
DVD化までやや時間のかかるハリウッド作品でも、映画公開後1ヶ月くらいで"闇の市場"に海賊版DVDが並んだりします。ただ多くの場合、こうした海賊版DVDの映像や音声はかなり粗悪です。ときには観客の咳払いや立ち上がる姿までが映し出される、映画館(或いは試写室)で盗撮したタイプだからです。日本作品でもスタジオジブリのアニメなどの初期ロットは、映画館盗撮タイプのもので、メニュー画面も正規版とは異なり、安っぽいつくりだったりしました。

映画館盗撮タイプであれば、DVDが正式発売される前に海賊版が出回ることも可能なわけですが、私が北京で入手した『DEATH NOTE - the Last Name』の海賊版DVDは、映画館盗撮タイプではありませんでした。
画質がやや劣り音声が5.1ch対応でないなど、正規版DVDと比べるとやや見劣りはしますが、観客の雑音が入ったり、映像のトリミングがおかしかったり、観客が立ち上がった姿が映し出されるわけでもなく、エンドロールの最後までしっかりとした映像が映し出されています。


b0047829_19181118.jpgただこれまで私が観た海賊版DVDと大きく異なっていたのは、産経新聞の福島さんもブログで書かれていらっしゃいましたが、ほぼ全編にわたって映像の上部1/3ほどの位置に日本語で"売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!"という文字テロップが被せられていたことです。
この文字テロップ、メニュー画面と冒頭の"WARNER BORS Picture"のクレジット映像には入っておらず、その直後の"日本テレビ"のクレジット映像から現れます。その後は、本編を通してエンドロールの最後まで、ずっと出っぱなしです。

しかも、このこの"売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!"という文字テロップの入れ方が素人っぽく無いのです。
位置はずっと同じなのですが、文字の濃度が背景である本編の映像の濃淡によって、変化するです。文字の色はグレイ系なのですが、背景映像が濃い場合は文字の色も濃くなり、背景映像が白っぽい場合は文字の色も薄くなります。観る者にとって、絶えず邪魔にならない程度の存在感を示していると言う感じなのです。
白文字に黒い縁の一般的なフォントで、日本語セリフの中国語テロップもついているのですが、そのデリカシーの無い入れ方と比較すると、この"売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!"という文字テロップの入れ方は絶妙ですらあります。


b0047829_19185132.jpg私には、この"売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!"という文字テロップが、海賊版密造過程に誰かがイタズラっぽく入れたものではないように思えました。
恐らく日本の正規DVDの製作関係者が、何らかの目的をもって入れたのではないでしょうか。

この海賊版DVDは正規DVDが流通ルートに乗る前に密造・密売されているわけで、映画館盗撮タイプでもありません。元の映像素材は正規DVDの製作関係者から流れてしまったと考えるのが妥当でしょう。
DVDソフトは、正規版が発売される前であってもプレス関係者やレンタル・販売関係者に、サンプル版として配布されます。作品を知ってもらい、たくさんPR或いは仕入れてもらうためにです。実はこうしたサンプル版から海賊版DVDの"原盤"が流出している可能性が高いとも言われているのです。
サンプル版の本編映像には"Sample"などの文字が出ずっぱりになっている場合が多いのですが、そうでないサンプル版もありますし、編集過程で正式な手続きを踏まずに持ち出される場合もあります。


b0047829_19192373.jpgいろいろ想像をめぐらせると、この"売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!"という文字テロップに、何らかの仕掛けが施されていると考えたくなります。
例えば、再生のときには画面に現れないけど、違法コピー(ダビング)するとその文字が現れる、と言うような....。しかも、現れるメッセージがサンプルごとに個別なものになっていれば、誰に渡したサンプル版が流出したのか、すぐに判明する....。
技術的に可能かどうか別として、私には、この"売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!"という文字テロップが、正規版DVDの製作関係者が施した海賊版対策のように思えてなりません....。

そもそも、中国で販売されていて中国語字幕つきの海賊版DVDです。買うのも観るのも多くは中国人でしょう(もちろん中国にお住まいの日本人も楽しみにしたりしているでしょうが)、中国人のエンドユーザーに警告を発する目的なら、"売るな!買うな!ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!"という日本語にはしないでしょう。日本人にも分かりにくい表現ですし...。
まったく、謎めいた暗号ではあります。
[PR]
by pandanokuni | 2007-02-04 19:20 | ひまネタ
怖いもの見たさ!?『ココシリ』陸川監督の『南京!南京!』、『パンダ物語』水島総監督の"南京モノ"。
ことしは1937年12月に発生した「南京事件」から70年目にあたるということで、中国やアメリカなどで「南京事件」をテーマとした何本かの映画が制作され、公開される予定です。どのような映画が準備されているかについては、産経新聞中国総局福島記者のブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」の2006年8月6日記事2006年12月4日記事に詳しいので、そちらにお譲りすることにします。
そんな折、AOLのテッド・レオンシス副会長がプロデューサーをつとめ、ビル・グッテンターグさんが監督するアメリカ映画『南京』が、インディーズ映画系では全米最大規模の「サンダンス映画祭」で1月18日に公開されたようです(Yomiuri Online)。

世界で5~6本準備されているといわれる"南京モノ"の中で、私個人が注目しているのは、チベットカモシカの密猟者とそれを取り締まるパトロール隊の物語を描いた『ココシリ(可可西里)』の陸川(ルー・チュアン)が準備を進めている『南京!南京!』です。
この映画、中国当局から制作の許可が下りないのではないか、と言われていたようですが、来月2月から四川省南充市高坪区に1,000ムー(約7万2,000平米)の南京城のオープンセットを建設し撮影を開始する、と中国メディアは伝え始めています(1月12日チャイナ・ドット・コム=四川新聞ネットなどからの転載記事など)。中国の映画は一般的に、脚本段階で国家機関である広電総局(中国ラジオテレビ映画総局)のチェックを受け、OKが出ると本格的に撮影を開始し、完成版初号で改めて広電総局のチェックを受け、許可が出てようやく公開されます。オープンセットの建設には多額の費用がかかりますから、少なくとも脚本段階では既に中国当局の許可が下りたか、或いは見込みがたったのでしょう。ちなみに広電総局映画局は中国の若手映画監督に資金援助していますが、2007年の援助対象者リスト16人の中には、この陸川さん名前も『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』(拙ブログご参照)。の寧浩さんらとともにあげられています(1月19日付け新浪網=新京報からの転載記事)。

陸川さんは、スパイ養成学校とも噂される解放軍国際関係学院を卒業後、恐らく一旦軍務に就き、北京電影学院(北京映画大学)の修士課程を修了した異色の監督で、ことし制作・公開される予定のいわゆる"南京モノ"のうち、唯一中国大陸に活動拠点を置く監督でもあるわけです。私は彼の前作であり、2004年東京国際映画祭で審査員特別賞受賞を受賞した『ココシリ(可可西里)』を観たことがあります。緊張感が最後まで持続する秀作でした。
前述のとおり、『ココシリ(可可西里)』は"チベットカモシカの密猟者とそれを取り締まるパトロール隊の物語"と言えます。モチーフとなったのは1996年に北京のの新聞記者が書いた、チベットカモシカ密猟者の自警団員が殺された、と言う記事だそうです。当時ココシリ(可可西里)ではチベットカモシカの密猟が後を絶たず、現地のチベット人たち有志による民間パトロール隊がその取締りを行っていたのですが、パトロール隊の一人が密猟者に殺された、と言う事実が背景としてあるのです。ただし映画作品としては、こうした事実に基づいたフィクションなのです。
ただ陸川監督の『ココシリ(可可西里)』、フィクションがノン・フィクション以上にリアルに伝わってきます。高原の冬の寒さとかカモシカの血の匂いとか高地の息苦しさとか殴られたときの痛さなどが、観ている側にもダイレクトに感じられるのです。この映画は、標高5,000m近いココシリ(可可西里)で半年かけて撮影されたとのこと。空気の薄さは平地の1/3ほどで、小走りするだけで倒れてしまうくらいで、監督も含めスタッフからは高山病が続出したそうです。
ちなみに、先日北京を訪れた『ジャンヌ・ダルク』を監督したフランスのリュック・ベッソンさんは、『ココシリ(可可西里)』と陸川さんを絶賛するとともに、『南京!南京!』の脚本に既に目を通し、これに強い興味を示し、この映画に協力したい、とまで言っているようです(1月17日付けNetEase)。

こうした監督が"南京モノ"を撮るとなると、フィクションも嘘っぽくなく創り込んでしまうでしょう。ツクリモノが歴史的事実であったかのように認識されかねません。
ただ陸川さんが『ココシリ(可可西里)』を、"密猟者=悪"と"パトロール隊=ヒーロー"という、デジタルな善悪構造の中に閉じ込めていないことに、私は期待したいと思っています。密猟者やその手伝いをする者にも止むにを得ない事情がありそうなこと、パトロール隊も非人道的な拷問や徴収した罰金の使い込みなど"悪事"を働いていること、そうしたシーンを織り込むことによって、どちらが善でどちらが悪かを作品の中で断定させず、オーディエンスに判断の余地を与えているようにも思えるからです。
さらに陸川さんは、香川照之さんが演じる日本鬼子(旧日本軍人)を人間味溢れる演出により単なる反日映画にしなかった『鬼が来た!』の姜文(ジアン・ウェン)監督に強い影響を受けていると言われています(この映画をカンヌで絶賛したのもリュック・ベッソンさんだったはず....)。
『南京!南京!』について陸川さんは、「私がオーディエンスにもたらしたいのは、絶望ではなくて期待なんだ。」とインタビューに答えています(1月12日チャイナ・ドット・コム=四川新聞ネットなどからの転載記事など)。
怖いもの見たさかもしれませんが、陸川さんの『南京!南京!』には映画作品として期待したいと思います。

1937年12月の南京での出来事が世界的に注目を集める年になりそうですから、これに関連する映画を日本でも本格的に取り組めば、と思っていたのですが、「日本文化チャンネル桜」の社長であり映画監督でもある水島総さんが準備を始めたそうです(1月21日付けイザ)。日本文化チャンネル桜はスカパーなどで配信しているテレビ局で反米保守的な傾向にあるといわれています(Wikipediaより)。アンチ・サヨクや反中国共産党政権系の討論番組などを放映しているようです。
水島総さんは小林よしよりさんのおじいさまも出演した、太平洋戦争当時のニューギニアで作られた兵士慰安のための劇団の物語『南の島に雪が降る』(1995年リメイク版)の脚本と監督を手掛けた方です。まぁ、一般的には右寄りっぽい感じの方に思えるのですが、その水島総さんは1988年の東宝映画『パンダ物語』の脚本も担当していたんですね。こちらのほうの映画は"日中国交正常化15周年・日中平和友好条約10周年記念作品"です。まぁ、いろいろあったんでしょうね。

こうした経歴をもつ水島総さんの"南京モノ"にも興味がありますが、世界中に配給できるようなもうちょっとメジャーな監督が手を挙げてくれないのかなぁ、などと思うきょうこの頃ではあります。
[PR]
by pandanokuni | 2007-01-22 17:34 | ひまネタ
四ヶ月ぶりの北京にて
駐在時代によく行っていた海賊版DVDの店がすっかりなくなってしなっていました。さすがに知的所有権保護政策が徹底してきたのかと思いきや....。
何軒かハシゴしてみて、最後の1軒。あぁ、ここはインテリアショップに変わってしまっていました、と立ち去ろうとしたその時、そのインテリアショップの前でうろついていた女の子が、こそっと「DVD?」と声をかけてきました。その女の子は閑散としたインテリアショップの奥へと導きます。狭い階段を地下2階まで下りていくと、そこは別世界。なんと、2フロア分の海賊版DVDショップが出現したのです。しかも店内は、欧米人を中心としたお客さんで賑わっていました。
さすが中国、政策には対策があるんですねぇ....。まさに「地下に潜る」とはこのこと。『DEATH NOTE 2』なんて、すっかり海賊版DVDで売っていました。
以前、ソウルの床屋さんに行ったとき、椅子の前の大きな鏡がくるりと扉になって、その向うが豪華個室浴場だったとき以来の驚きでした。さすがに、四ヶ月も北京を離れていると、ちょっとしたことにも感動してしまいます....。

新疆料理のレストランで羊肉串を食べたのですが、店員のウイグル系の女の子が、「お久しぶり!」と声をかけてくれました。このレストランは以前の生活圏からも離れていて、3~4回行ったことがあるくらいで、この店員の女の子とも特段話をしたわけでもないのに、私のことを覚えてくれていたのです。私が驚いた表情でいると、窓側のテーブルを指差して「あそこに座って一人で羊肉串とホウレン草炒めでビールを飲んでたでしょ」と。確かにその通りでした。私が日本に帰国したことを話すと、「また北京にきたら、ここにも来てね。」だって。何だか感動してしまいました。

このブログは、やはり北京に居ないとネタに困ってしまいますね....。
[PR]
by pandanokuni | 2007-01-14 01:24 | ひまネタ
庶民的でニューウェーヴな映画『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』
b0047829_1534482.jpg映画通の複数の知人に勧められたので、映画館まで足を運ぶことにしました。
舞台は現代の重慶。全編、四川ことば、しかもスラングが飛び交います。中国語の字幕付きとは言え、ディテールまで楽しむことができませんでした。既に正規版のDVDも発売されていたので、買って帰り、自宅で再度鑑賞するハメになりました。テンポの良い"ブラック・コメディ"の秀作です。

今週の動員トップはハリウッドの『パイレーツ・オブ・カリビアン2』のようですが、この『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』(新華網の紹介ページ)も7月中旬には券売ランクで全国トップとなり、公開から1ヶ月で1,660万RMB(2億4,000万円)の興行収入を獲得したそうです(新浪網)。制作費が300万RMB(約4,500万円)と言われていますから、中国国産のB級映画(失礼...!!)にもかかわらず、ビジネス的には既に大成功したと言えるでしょう。いま中国都市部の若者を中心に大きな話題になっており、間もなく香港でも公開されるそうです。

この映画をプロデュースしたのは劉徳華(アンディ・ラウ)。彼はアジアの新人監督にチャンスを与えるために『アジアン・ニュー・ディレクターズ(亜州新星導)』というプロジェクトを創設し、香港、台湾、マレーシア、シンガポールの若手監督の6作品に投資しています(新浪網。その中の一つが、寧浩(ニン・ハオ)監督による『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』なのです。
私の知る限り、張芸謀の『活きる(活着)』に出演していた郭涛(グオ・タオ / この映画では、前立腺肥大の"翡翠ブローチ"警備部長を演じています)を除き、著名なキャストやスタッフによる作品ではありません。

監督の寧浩(ニン・ハオ)は北京電影学院を卒業後、20万RMB(約300万円)ほどの手持ち資金で2003年に『香火』と言うビデオ作品を自主制作しました。この作品は第4回東京フィルメックスで最優秀作品賞に選ばれました。その後、彼はミュージック・クリップやテレビドラマの仕事で小金を貯め込み、第二作目となる『緑草地』を制作しましたが、借金だけが残る結果になってしまいました。そんな中で劉徳華(アンディ・ラウ)と出会ったそうです....(新浪網)。

『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』は、重慶の潰れかかった美術工芸品工場の"秘宝"である、時価1億円の"翡翠ブローチ"をめぐる国際手配のプロ窃盗師と地元の素人窃盗団との争奪戦を、アイロニックにかつコミカルに描いた作品です。
若手監督らしい新鮮な表現手法が随所に見受けられ、私としては宮藤官九郎の本をタランティーノが撮ったような雰囲気に思え、楽しかったです。
ねたバレしちゃうとこれから観る方に申し訳ないので、細かいストーリーは書きませんが、この映画の中には最近、中国の"三面記事"的ニュースとして話題となったエピソードが随所に再現されていますので、二つほどご紹介したいと思います。

まずは、"子犬を電子レンジで「チン!」事件"
数年前の話ですが、成都の有名大学の学生が、生きた子犬を電子レンジに入れて1分間「チン!」しちゃったと言うお話です(CER Network)。当時は<いまどきの大学生は、子犬を電子レンジで「チン!」したらどうなるかも分からないのか>と大きな話題になりました。
映画の中では、引越屋さんを装って家財道具を盗み出す際に、電子レンジも子犬もまとめて運び足すための方法として使われています。ちなみに"ニセ引越屋"さんはこの国でポピュラーな家財窃盗の方法です。

もう一つは、"プルトップ懸賞詐欺事件"
確か昨年だと思いますが、某コーラ屋さんが<缶コーラのプルトップの裏側に"当たり"の印字があると最高で5万RMB(75万円)の現金がもらえる>というキャンペーンを行っていました。そして、このキャンペーンに目をつけた三人組の詐欺師が北京の地下鉄やバスに出没しました。
まずAが、適度に振動を与えた缶コーラを開け、隣の席のBに噴き溢して注目を引きます。コーラの飛沫をかけられたBは、怒ってけんか腰になるのですが、プルトップの裏側に印刷された文字を見て驚き、Aに5万RMB当たったことを知らせます。コーラの懸賞のことなど知らない田舎から来た風のAは、缶に印刷された当選金の受け取り方法を始めて読み、驚きますが、ちょっと浮かない顔をしています。当選金の受け取りには身分証が必要なのですが、出稼ぎ労働者のAは有効な身分証を持ち合わせてないのです。Aがそんな話をBにすると、Bは「だったらオレが"当たりのプルトップ"を3,000RMBで買い取る」と言い出します。Aは「5万RMB当たったのに3,000RMBじゃあ...」と躊躇します。するとBは「どうせ道も分からないだろうし身分証も無いんだから、当選金受け取れないぞ。いま現金で3,000RMB払うから!!」とお財布の中の100RMB札を数え始めます。このやり取りを遠巻きに見ていたCが「"5万RMBのプルトップ"を3,000RMBでうる奴が居るか!?オレなら5,000RMBで買うぞ!!」などと声をかけるワケです。
この詐欺、実は私も乗り合わせた地下鉄の中で遭遇しまいました。車内がオークション会場みたいに盛り上がりかけていたときに、警察がやってきて、詐欺師はどこかに連れて行かれてしまいましたが....。
三人がグルだということに気づかず、このやり取りを真に受けた欲深い乗客が、5,000RMBや1万RMBを騙し取られるという事件が全国で頻発したそうで、新聞やネットで大きな話題になりました。
もちろん"当たりのプルトップ"はニセモノ。騙すほうも騙されるほうも、いかにも中国っぽいなぁ、と思いました。でも、映画の中では既に"ねたバレ"していて乗客は誰も騙されませんでしたが....。

『CRAZY STONE (瘋狂的石頭)』は、現代を生きる中国の人たちが共感しそうなエピソードが豊富に盛り込まれていて、庶民的な映画でもありますが、若いクリエイターのセンスを感じさせるニューウェーヴな作品でもあると思います。
日本で中国映画といえば、アクション系か大型時代活劇が主流かと思いますが、この種の若手B級映画なども日本で手軽に観れるようになって欲しいと願っております。
[PR]
by pandanokuni | 2006-08-07 15:34 | ひまネタ
私を乗せた飛行機が北朝鮮のミサイルに撃ち落されるのではないかと心配でした。
7月5日(水)北京時間午前6時起床。
NHKワールドの1時間遅れのニュースが、北朝鮮のミサイル発射のニュースを伝えていました。しかも3発だって...。
おいおい、これから東京に出張なのに....。8時30分発のフライトです。

b0047829_8501533.jpg北京から成田への飛行ルートは、まず渤海湾に出て、遼東半島をかすり、韓国のソウル上空から朝鮮半島を縦断し、日本海に入り、出雲付近から伊勢湾にいったん抜け、大島から房総半島をくるりと回って霞ヶ浦あたりから西に方向を変え、成田に着陸する、というのが通常のパターンです。この日は中部地方に発達した梅雨前線があったらしく、日本を横切るとき、いつもよりやや北寄りのルートを取ったようでした。

3発も発射したようなので、私が飛行機で移動中に、また発射するのではないか、運悪くぶち当たってしまったらどうなるんだろう、などと心配になってしまいました。なにせ飛行機に乗り込む前は、根室沖の日本海に落下したくらいの情報しか得ていなかったもので、何発も打ち続けたら、新潟沖と福井沖とか鳥取沖とか、着弾地点が南下していくような暗い予測が頭に浮かんでしまったのです。

成田に到着したときには、朝のうちに6発も打っていたこと知り、しかも友好国ロシアの沿海方向にほぼ正確に照準を合わせることに成功したようで、結果オーライでしたが....。

2001年の9月13日に北京から日本に出張するとき、何故かユナイテッド航空を利用する羽目になって、えらくドキドキしたことがありましたが、今回のフライトでもちょっとしたスリルを味わうことになりました。

それと、私の勝手な予想に反し、中国外務省の記者会見は姜瑜さんの連続登場。この方、なんだかトゲトゲしい感じぃ。人民解放軍のご出身ではないかと疑いたくなっちゃいます(かつてウチの社員にこんな感じの女性がいました。その娘、軍関係の大学ご出身だったんです。ちなみに、姜瑜さんの経歴の出身大学はが明かされてないようのです)。
7月6日の夜、胡錦濤さんはこの問題でブッシュさんは電話会談をしたそうですが(中国外務省HP)、我らが小泉さんはどうなんでしょう?
「プレスリーの館に行っている時にテポドンが飛んで来なくて良かった」ですね。
[PR]
by pandanokuni | 2006-07-07 00:56 | ひまネタ
鳥インフルエンザが進行中!"悲しきニワトリ"のミュージック・クリップが大ブレイク!?
日本では忘れられつつある"鳥インフルエンザ"ではありますが、中国でも北京などの都市部の人たちの間では警戒心が薄れているようですが、内陸部を中心に新たな感染例が報告されていて、いまだに"現在進行形"ではあるのです。
中国政府の発表ではによると、中国ではこれまでに、12の省や自治区で鳥インフルエンザの発生が確認されていますし、ヒトへの感染は18例で12人が亡くなっています。最近では、4月27日に四川省でヒトへの感染が、5月4日には青海省で鳥への感染がされています。
在中国日本大使館のHPでも、鳥にはむやみに近寄らないで下さい!!などと注意を呼び掛けていて、むやみに鳥と関わらないのが一番の予防策ではあるようですが、すっかりバイキン扱いされているニワトリさんたちが、気の毒と言えば気の毒です。

そんな折、鳥インフルエンザの流行によって、いつ抹殺されてしまうかも知れないという悲しい運命を背負ってしまったニワトリさんの心境をおセンチかつユーモラスに描いたミュージック・クリップのFlash版が、ネット上の若者を中心にブレイクしています。
中央音楽学員出身のZhang Wei (張<「火」篇に「韋」>)率いるクリエイティブ集団"K鈴製造"がプロデュースし、4歳の女の子K Wa(K <「女」篇に「圭」>が歌う、『我不想説我是鶏(ニワトリだなんて、言いたくないわ)』という曲です。2005年の年末にウェブ上で発表された作品ですが、じわりじわりと話題になりました。とにかく、歌声もクリップのニワトリ・キャラも可愛くて"cool"です。ツベコベ説明するより、ミュージック・クリップを見ていただくのが良いと思いますので....(PC Onlineに転載のミュージック・クリップ)。

ちなみに、こんな感じの歌詞になっています(拙訳)。

b0047829_418768.jpgアタシ、清潔ってワケじゃないし
安全とも言えない
だから、ヒト様の疑いの眼差しを拒むことはできないの
閉ざされた鳥小屋で、卵でも数えながら
殺されちゃうのをただ待つだけよ

ヒト様が、私のお肉を食べちゃうことに、異論は無いわ
卵をとり上げられても、大目に見てあげる
でも、汚染だなんて陰口には、とても耐え切れないの
悲しい宿命に眼を腫らしたけど
ヒト様の気持ちも、わからなくは無いのよ


b0047829_4183820.jpgたかが鶏肉、たかが卵じゃない
たかが感染源になっちゃっだけよ
鳥インフルエンザ、アブナイかもね
鳥類だったご先祖様が、恨めしくなっちゃう


b0047829_419123.jpg下の子は死刑執行
上の子は、囚われて実験の餌食
ニワトリでいることは、ヒト様でいることよりもつらいのよ
拷問みたいな毎日に耐えては来たけど
あしたにきっと、ゲームオーバーかも


b0047829_426950.jpgたかが鶏肉、たかが卵じゃない
でも、今じゃ一文の値打ちもないって
お肉やご飯を食べてくヒト様には
ニワトリが居ない世の中なんて、想像もつかないはずなのに


b0047829_4193779.jpgたかが鶏肉、たかが卵じゃない
でも、もう長い命じゃないわ
お肉やご飯を食べてくヒト様には
ニワトリが居ない世の中なんて、想像もできないはずなのに


livedoor版では話題のFlash映像にダイレクトリンクしています。
[PR]
by pandanokuni | 2006-05-27 04:23 | ひまネタ
人気番組『超級女声』をめぐる中央と地方、アメリカと中国の対立劇。
GW中、日本で視たテレビ番組で世界の人気番組を紹介していました。人工授精のお相手を探すエンタテインメント仕立ての番組など、日本では無理そうな番組がいくつか紹介され、中国の『超級女声』のことも紹介されていました。「あまりの人気の高さに、中国政府が番組の放送にストップをかけてしまいましたが、最近ようやく再開したという情報です」みたいなことを言っていました。
2004年から始まったこの番組は、そもそも通年企画ではなく、春から夏にかけてのシーズン完結番組なので、"再開"という言い方は正確とは言えません。ただ"中国政府が番組にストップをかけた"という紹介の仕方は、当たらずとも遠からず、と言った感じでしょうか。

2005年は3月19日の広州地区の予選会の模様から放送が始まり、8月26日の全中国決勝戦で一連の放送を終えています。ことしはちょっと始まるのが遅れて4月22日の長沙地区の予選会の模様から放送が始まりました。この番組を放送する湖南衛星テレビチャンネルが4月2日に記者発表を行うまで、ことしは『超級女声』を視ること(参加することが)ができるのか、と気を揉んでいた中国の若者も多かったでしょう。
と言うのも、昨年の異常なまでの人気に反発する"抵抗勢力
"が、番組の継続にいちゃもんをつけていることを、多くの視聴者が感じていたからです。学校をサボって番組に参加しているとか、人気投票のためケータイのメール代の負担が増えたとか、教育上のよろしくない、と言う批判が寄せられるようになったのです。そのうちに2006年は番組の放送を取りやめるのではないか、などとネット上などでも噂されるようになりました。

テレビ番組の管理も行っている中国国家ラジオテレビ映画総局は、ことしの『超級女声』の放送を許可するにあたって、表向きには2つの条件を出したようです。ひとつは「番組の参加者は満18歳以上であること」、もう一つは「人格を傷つけるような審査は行わないこと」。第1の条件により中高生が学校をサボってオーディションに参加する、という心配はなくなりました。これは教育的配慮と言ってもよいでしょう。第2の条件は、オーディション審査員の辛辣な批評に批判が多かったことへの対応と言えるでしょう。中国ですから"人権的配慮"と言うよりは"メンツ的配慮"と言ったところでしょう。
大勢の中国の若者を心配させたものの、ほぼ何事も無かったかのように、2006年『超級女声』は始まったのです。

ところが実際には、"教育上"などと言うキレイごとでは片付かない根深い対立の構造が水面下にあったのです。それは"中央"と"地方"の対立であり、"アメリカ"と"中国"の対立でもありました.....。

『超級女声』を制作・放送している湖南衛星テレビチャンネルは、日本で言えば山形放送のようなローカルテレビ局です。中国ではローカルテレビ局でも複数のチャンネルを持っています。そのうち1つのチャンネルを衛星経由で放送することが許されています。中国都市部ではCATVが普及しています。北京や上海の市街地ではほぼ100%CATV経由でテレビを視ています。CATVは50チャンネルほど放送できますから、CCTV(これだけで15チャンネルあるのですが)や地元のローカル局のほかに、衛星経由で放送している他の地方のテレビチャンネルを放送しているのです。つまり、中国都市部の人たちはCATVを通して、NHKや日テレだけではなく、山形放送や佐賀テレビも視ることができる、という感じです。ローカルテレビ局の番組である『超級女声』が全中国でブームになったのは、こうした事情があるからです。もちろん、人口カヴァレッジとしては圧倒的に大きい農村部ではCATVが普及していませんから『超級女声』を視ることはできないのですが、それでも都市部を中心に4億人はカヴァーできているのです。

中国では全国ネットのテレビ局としてCCTV(中国中央電視台)が君臨しています。そしてCCTVにも『超級女声』と似たような"素人参加番組"があるのです。CCTV2チャンネルで毎週レギュラー放送している『非常6+1』とその特別番組として毎年秋に放送している『夢想中国』です。『超級女声』は日本で言うところの民放的演出なのに対し、CCTVのほうはどちらかと言うとNHK的演出で、ご家族でお楽しみください的"つくり"をしています。『超級女声』の台頭をCCTVは歯軋りしながら見つめていたわけです....。
それでもCCTV(1チャンネルや2チャンネル)は農村部を含めて中国全体の90%以上をカヴァーしています。湖南衛星テレビチャンネルの3倍近いのです。数の上では中国全土を支配していますから、CCTV1チャンネルの午後7時のニュース『新聞聯播』は中国の"世論誘導装置"として相変わらず機能できているのです。ところが広告メディアとしては、購買力の乏しい農村部視聴者を大量に含むCCTVよりは、都市部視聴者の比率が大きい湖南衛星テレビチャンネルのようなローカルテレビ局の衛星チャンネルの価値のほうが高くなってしまいます。広告費を奪われかねないと言う危機感を苛まれたCCTVは、『超級女声』に圧力をかけるべく、世論操作に動き、"監督官庁"に泣きを入れたのでした。
そもそも2001年に衛星を通した放送を始めて以来、湖南衛星テレビチャンネルは視聴率の獲れるドラマなどの番組を次々と送り出してきました(現在はあの「おしん」を大々的にプロモーションして放送しています)。地方のくせに出過ぎた真似をしあがって、と"権威ある"中央のCCTVがちょっかいをかけた、これが"中央"と"地方"の対立の実態です。(参考記事:NetEase「テレビスターショウ、中央と地方の争い」=南方人物週刊からの転載)

ところで『超級女声』と言う番組、実は湖南衛星テレビチャンネルのオリジナルでは無いのです。アメリカのFOXテレビで2002年より放送している『AMERICAN IDOL』という番組の"パクリ"なのです。いや失礼しました、"パクリ"天国と言われる中国ではありますが、湖南衛星テレビチャンネルは"フォーマット"と呼ばれる、番組の企画内容や演出のポイントをFOX TV系の番組プロダクションから、きちんと購入して、それを参考に制作しています。つまりライセンスを得てローカライズしているわけです。片やCCTVの『非常6+1』『夢想中国』は(一応)中国国産のオリジナル番組です。

更に湖南衛星テレビチャンネルには、外資参入疑惑が持ち上がっています。日本もそうですが中国の放送局には外資規制があります。放送局だけではなく番組プロバイダーにも厳しい外資規制があります。表向きはこうした事業に外国企業は参画できないような状況になっているのです。ところが、いろんな"カラクリ"を利用して、実質的には外資が参入しているのです。その"カラクリ"をご紹介するのは自粛しておきますが、例えば『超級女声』の番組フォーマットを供給しているFOX TV系の番組プロダクションが、事業収益に応じてフォーマット料金を得ているとすれば、これは限りなく投資行為に近いと言えるでしょう。
"カラクリ"を使った外資参入は何も湖南衛星テレビチャンネルに限ったことではありません。とりわけアメリカのメディア・グループやその傘下の番組プロダクションあたりが、中国のローカルテレビ局をその"支配下"に治めようと画策しています。もちろんローカルテレビ局側も大きなメリットを期待してのことです。『超級女声』で出過ぎた分、湖南衛星テレビチャンネルが標的にされやすいのですが....。
"アメリカ"と"中国"の対立とも言えるこのネタ、中国のメディアには登場しない貴重な業界の裏話ですので、口外無きように.....。

さまざまなイチャモンに中国国家ラジオテレビ映画総局は屈することなく(!?)、人民的エンタテインメント番組に継続のGOサインを出したわけですが、実際にどの程度の圧力がかけられているかを知るには、8月の『超級女声』本選会の放送を待つしか無いでしょう。昨年よりつまらない演出になっていて、人気も落ちてしまうようでしたら、"中央国粋勢力"の勝利と言うことになるわけです。
[PR]
by pandanokuni | 2006-05-08 23:36 | ひまネタ
前?後ろ? - テープ文化とディスク文化
皆さんはビデオやDVDを見ていて、いま見ている場面より未来のほうの場面を見るとき、どう表現しますか?
ううん、言い方が難しいですね...つまり、いま見ている場面が、冒頭から35分だったとします。その後に、例えばTV-CFなど不要な場面(!!...広告業界の者がこれを言っちゃお仕舞ですが....)があるので、冒頭から37分のあたりまで"早送り"してもらいたいとき、リモコンを持っている同居人にどうお願いしますか?
「もっとに送って!」「もう少し前!」とか言うのがフツーではないでしょうか?
反対に、冒頭から35分の場面を見ていて、冒頭から33分あたりの場面をもう一度見直したいときは、リモコンの"巻き戻し"ボタンを押してくれている同居人に、サーチ画面を見ながら:「もうちょっと後ろ!」とお願いするのではないでしょうか?

つまり、見ている場面より未来のほうを「前」、見ている場面より過去のほうを「後ろ」と言うのが一般的だと思います。ビデオやDVDデッキの操作表示でも、日本語の"早送り""巻き戻し"は、英語なら"FWD=Forward"、"RWD=Rewind"または"BWD=Backward"になっていますよね。

さて何でこんな些細なことをブログに書いているかと申しますと、中国語ではどうも逆のようなのです。"早送り"のため日本語ならば「に進めて」と言う場合、中国語なら「後ろに進めて」と言い、"巻き戻し"のため日本語ならば「後ろに戻して」と言う場合、中国語なら「前に戻して」と言います。仕事柄、映像の編集作業に立ち会うことが多いのですが、私の日本語の習慣と逆になっているので、私が中国語でディレクションしてしまうと混乱を招くことが多々あります。
同じ漢字を使っているのに、意味が逆になることに興味を持ってしまいました。

中国語で「前日(前天)」は「きのう」のことではなく「おととい」のことです。現時点より過去に対して「前」という文字を使っています。いっぽう「後日(天)」は「あさって」。つまり、現時点より未来に対して「後」という文字を使っています。
これは日本語にも言えることで、「前日」や「三日前」の「前」はある時点より過去を、「後日」や「一週間後」の「後」はある時点より未来を意味しています。
ですから中国語流に、"巻き戻し"の時に「前に」、"早送り"の時に「後ろに」という言い方のほうが、理に適っていそうで、日本語流の"巻き戻し"の時に「後ろに」、"早送り"の時に「前に」という言い方のほうは、時間概念としての「前」「後ろ」で捉えた場合、正しくないように思えます。

それでも広辞苑でしらべてみると、日本語流の言い方でも間違いではないことが分かりました。
「前(まえ)」には[a]ある時点より早いこと、と言う意味とともに、[b]進んでいく先にあるほう、という意味もあったのです。DVDの"早送り"で使う日本語の「前に」は、[a](=時間概念)ではなく、[b](=運動の方向)の意味なのだと思います。これは英語の"Forward"に近いものを感じます。
一方「後ろ」には[c]順序であとの方、と言う意味とともに、[d]過去、という意味もあるそうです。DVDの"早送り"で使う日本語の「後ろに」は、[d]の意味なのでしょうか....
また、漢和辞典によると「前」と言う文字にはある起点よりみて、まえのほう「後」と言う文字にはある起点よりみて、うしろのほう、という意味があり、どちらの文字とも場所にも時間にも用いるそうです。

b0047829_17291345.gif勝手な解釈ではありますが、"巻き戻し"や"早送り"を、中国では時間概念(時間のベクトル)で捉え、日本では場所概念(位置のベクトル)で捉えている、といえるのかもしれません。
場所(位置)というのは、ビデオテープの中の場所です。日本ではオープンリールやオーディオ・カセットの頃からテープ文化が大衆化して、その後ビデオテープになり、CDやDVDになりました。音楽や映像の再生のとき、リールが回りながらテープが前に進んでいくのが見れたので、"巻き戻し"や"早送り"は、音楽や映像の時間的な前後と言うより、テープの進んでいく方向として捉えたのではないかと推測します。つまりテープの再生位置を基準に、テープが進んでいく方向が「前」でその反対が「後ろ」という言い方が一般化したのではないでしょうか。恐らく、英語の"Forward""Backward"と言う言い方も同じでしょう。
中国にもテープ系はあるのですが、あまり一般化せず、いきなりCD、VCD、DVDのディスク文化が主流になりましました。ですからテープが前に進みながら音楽や映像を再生していく感覚は一般的では無いようです。むしろタイムコード(時間表示)が進んでいく印象のほうが強いので、時間概念で捉えた「前に」「後ろに」という言い方が一般化したのではないでしょうか。

「前」「後ろ」というシンプルな言葉なのに、日本と中国で意味が反対になっている原因を、好き勝手な想像で"テープ"と"ディスク"の文化の違いのせいにしてみました。
[PR]
by pandanokuni | 2006-04-20 17:23 | ひまネタ
『白い巨塔』と『ドラえもん』と『君よ憤怒の河を渉れ』
天下のCCTV(中国中央電視台)で久々に日本のテレビ番組が放映されています。3月18日から28日にかけてCCTV-8(ドラマチャンネル)で放映されたドラマ『白い巨塔』と3月27日からCCTV小児(こどもチャンネル)で放映中のアニメ『ドラえもん』です。

山崎豊子原作の『白い巨塔』は4回テレビドラマ化されていますが、今回中国で放映されたのは、2003年10月からフジテレビ系列で放映された"最新"ヴァージョン全21話です。日本ではテレビドラマは"ハコ"と呼ばれる週に1回放映がお決まりですが、中国の場合、同じ時間帯で毎日2~3話を放映するのが普通です。日本では半年間続いた唐沢&江口版『白い巨塔』も、CCTV-8ではたった1週間ほどで放映完了となりました。

ところでCCTV-8版『白い巨塔』の最終話は、中国の一部視聴者の顰蹙を買ってしまったようです。「CCTVは原作を尊重せず『白い巨塔』を切り刻んだ」と罵られています(新浪網)。この記事は上海の「東方早報」からの転載のようでが、要は熱心な視聴者は、CCTVが『白い巨塔』のクライマックスをバラバラに切り刻んで支離滅裂なものにしてしまった、と憤っているらしいのです。さらに翻訳やアフレコの間違いならいざ知らず、CCTVが原作の精髄を破壊したことに関しては我慢できないそうです。
私は原作を読んでいませんし、CCTV-8で放映された最終回も視ていませんから、何をどう切り刻まれたのか分かりませんが、その記事では細かいシーンにまで言及していますので、恐らく日本で放映されたテレビドラマの最終回とCCTV版の内容がかなりかけ離れていたのでしょう。ちなみに日本のオリジナル版はネット上のダウンロードや海賊版DVDで視ることができますから、それを視ていた視聴者からの指摘なのでしょう。CCTV版の第21話を録画されてる方がいらっしゃれば、ぜひお借りして比較してみたいところです。

一方『ドラえもん』のほうは、"第二世代"と呼ばれる日本では6~7年前に放映されたシリーズです。
国策によりCCTVでも2年前からアニメ番組を中心に放送する"こどもチャンネル"を開設しました。ただ"総枠規制"があって外国製アニメが放送可能な時間帯は限られています。その一つが毎日20:00から30分間の『動漫世界 - Comic World』("動漫"は中国語で"アニメ"を意味します)という番組です。この番組の中で外国アニメを放映していくのですが、過去2年間で日本アニメが放映されたのはたった一つ、"新世代"の『鉄腕アトム』のみで、他はすべて欧米制作の作品でした。そして、ようやく日本作品第二弾『ドラえもん』の登場となったのです。
日本のアニメは100%お子様向けに作られているわけではありませんから、暴力的シーンやちょっぴりエッチなシーンなど非教育的なシーンがあるので、海外のテレビ局では放映に慎重にならざるを得ないのですが、世界的に高いレベルの日本のアニメがこれほどまで中国で正式に放映されていないことには、やはり何らかの意図を感じてしまいます。

さて、『ドラえもん』は数年前に大陸のローカルテレビ局で放映されたことがあるのですが、今回CCTVで放映されているシリーズは中国大陸初公開です。『白い巨塔』も台湾や香港では既に放映され、大陸では既にネットや海賊版DVDで視た人も多いのですが、やはい今回のCCTVでの放映が正式には中国大陸初登場です。
CCTVは1チャンネルや一部の人気番組を除き、都市部での視聴率は限りなくゼロに等しいテレビ局です。とりわけ、CCTV小児チャンネルの視聴率なんてほとんどいつも"米印"みたいなものです。とは言え、この時期に日本のテレビコンテンツがCCTVで放映された意義は大きいと思います。

話は変わりますが、張藝謀監督の映画『単騎千里を走る』を撮るきっかけになったとも言われる、高倉健さん主演の日本映画『君よ憤怒の河を渉れ』をようやく観ることができました(弊ブログ参照)。
1978年、文化大革命後の中国で初めて公開された外国映画で、中国都市部に住む現在40歳以上の方のほとんどが観たといわれています。張藝謀さんが惚れ込むだけあって健さんはかっこよかったですし、演技力も光っていました。
でもこの映画、驚くことにベッドシーン(正確には山小屋のワラの中でしたが)もありますし、中野良子(正確には影武者らしい)の非必然的なヌードシーンもありますし、新宿の繁華街を馬が駆け抜ける非現実的なシーンもありますし、西村晃演じる右系黒幕が「皇紀2635年の歴史と伝統を忘れて日本を社会主義化しようする不逞の輩に残らず思い知らせてやる」なんて言ってしまうシーンまであるのです。「資本主義社会の暗黒面を描いた映画」と言う名目だったとは言え、よくもこんな映画が公開されたなぁ、と思いました。

ところが調べてみますと1970年代の中国公開当時はやはり原作を尊重せず切り刻んでいたようなのです(参考サイト「結末は正反対!?"健さん"主演映画20年ぶりに再放映でビックリ 」by原口純子さん・Daily News Cafe)。ベッドシーンやヌードシーンは確実にカットされたでしょうし、ラストシーンなんかオリジナルと正反対の結末に再編集されていたらしいのです。
初公開から20年以上経った2000年になって、CCTVはほぼ無修正版の『君よ憤怒の河を渉れ』を放映したそうです。

CCTVで無修正版『白い巨塔』最終回が放映されるのは、20年後になってしまうのでしょうか.....。
[PR]
by pandanokuni | 2006-04-04 21:08 | ひまネタ