「ほっ」と。キャンペーン
カテゴリ:ひまネタ( 43 )
65歳のオフタイマー
自分の親もそうだし、妻もそうだし、この世代は老化する親に関する負担が多かれ少なかれあるのだと思う。
この時代の人間は65歳かそこらで、オフタイマーをかけてしまうべきだと、冷酷に考えたりする。

肉体や精神の衰え、認知症、80代にして夫婦の不仲、それにつけ込む悪人、支える負担。
周知のとおり、金銭的肉体的負担は収入のある世代が支えなければならないし、いずれ支えられるほうが多くなる。

人生が65年と決まっていれば、リタイア後の資産の管理にも計画性が活かされる。子孫に残そうが、アジアンリゾートで使い果たそうが自由だ。
医療技術の進歩などにより、寿命が伸びて、あと20年か30年か、もしかしたら40年か生き続けるのかも分からなければ、計画も立てられない。最期まで自分でマネージメントできるわけでもない。

65歳で転生できるのなら、リタイアしてせいぜい5年か10年の食い口を考えればよい。現役の年金負担も不要となろう。
長寿は目出度いのかも知れないけど、現世の経済論理では合理性に欠ける。
別に100歳まで生きなくとも、善を尽くして、転生・再生すればいい。

近年、都市部の災害より、高齢化の進む非都市部での天災が多いように感じる。高齢者が多く犠牲となる、さらに言えば経済的弱者が。
冷酷に言えば、神の見えざる手、なのかも知れない。

宗教を持ち出してもよい。
ぼくらは、率先して65歳のオフタイマーを埋め込むべきなのかも知れない。
[PR]
by pandanokuni | 2012-03-08 22:49 | ひまネタ
中国のGoogleについて触れている米国外交公電09BEIJING1336(日本語訳)
中国語の全文翻訳が出回っているのに、日本語が見つからなかったので、勝手に全文翻訳してみました。ご参照ください。また、誤訳等あればご指摘ください。

原文


参照番号:09BEIJING1336
作成日時:2009年5月18日23:11
公開日時:2010年12月4日18:06
分類:機密
発信元:在北京大使館

【要約】

1.[機密]
米国領事はA氏とGoogleに対する、最近の中国政府の検閲圧力について電話で話した。おそらく、政治的記念日が近付いていることが、検閲圧力を加速させているのだろう。
A氏が断言するには、この問題の根源は中国常務委員会委員のX氏が、Googleの"消毒された"バージョンgoogle.cnから未検閲のgoogle.comサイトへのリンクを断ち切りたいと、求めたことに端を発するという。
A氏によると、Google Chinaは政府をなだめるために些細な別の対応はしたものの、企業理念に反するとしてリンクの削除を拒否した。しかるに、この戦術は成功せず、政府は3大国有通信キャリアとの取引停止を含む、Googleに対するビジネス的な制裁を課したのだった。
領事とA氏は、議会代表団の派遣や長官レベルが直接この問題に関与することなども含めた、米国政府の可能な対応について討議した。いまのところ、Googleは本件を公にしようと考えておらず、現状の努力の結果を見守ろうとしている。(要約終了)

2.[機密]
米国領事Dan PiccuaとA氏は、X氏がGoogleに対する検閲強化を加速している問題について議論した。
A氏によれば、常務委員会委員のX氏は、Googleの海外サイトが未検閲のままで、中国語検索でも検索結果が表示されることに最近気づいた。
噂によれば、X氏が自分の姓名を入力し検索してみたところ、自分に批判的な結果が表示された、という。さらにX氏は、Google.cnのホームページが、当人が「違法サイト」と信じているらしいGoogle.comにリンクされていることにも気づいた。
X氏は、関連する3官庁(おそらく工業情報化部、国務院新聞弁公室、及び公安局だろう)に対し、Googleに関する報告書の作成を求めるとともに、Google.comへのリンクを含む「違法行為」を止めさせるように求めた。


【ビジネス上の課題が露呈】

3.[取扱注意]
A氏によると、Google.comとのリンクを削除することは、Googleの企業理念に反することであり、中国市場の重要性にかかわらず、Googleの上層部はこのような変更を明確に拒絶した。
A氏はよれば、最近までGoogleは事務的ではありながら”礼儀正しく”この問題で政府に対応してきたが、中国側カウンターパートナーは見るからに不満足気で、こうした情報はX氏に上げなけれなならないと語った。しかしながら、Googleは中国語サイトで既にいくつかの変更を行っており、今後も続けていくだろう、とA氏は報告した。
にも関わらず、A氏によれば、中国側は3大国有通信キャリアにGoogleとの取引を停止するように求めた。モバイル・インターネットで大きな勝負に賭けるGoogleにとっては、大きな痛手になるからだ。通信キャリアの1社はGoogleとの既存契約を白紙にするよう検討をはじめ、他の2社はGoogleとの交渉を棚上げした、とA氏は言う。他の国有企業もGoogleとの取引を停止するように求められている、とA氏は話した。

4.[取扱注意]
A氏が予測するベスト・シナリオは、Googleがリンク削除を公式に拒否することに対して、中国側がGoogleの更なる非遵法行為に対して警告を発する、ということ。
更にあり得るのは、Google.comが散発的にせよ永続的にせよ、中国でブロックされてしまうことだ。この措置は、現在中国でブロックされているYouTubeと同じであるが、出張者、観光客、広告主などより莫大な利用者に影響を及ぼすことになるばかりか、おそらくGoogleのネットワーク、技術プラットフォーム、Gmailなど他のサービスにも影響を与える可能性がある。
更に政府がGoogleの中国でのビジネス・ライセンスを取り消すことすら考えられる。
(天安門事件30周年を迎える)2009年のセンシティブな記念日、とりわけY年6月4日の天安門事件の記念日にむけての中国政府に対する特別な挑戦とみなされる、とA氏は認識している。


【Googleは法的根拠を求めている】

5.[取扱注意]
Google側の弁護士は中国側の要求に何ら法的根拠を見いだせないとしている、とA氏は報告した。
政府はリンク削除の要求を正当化するため、Google.comを非合法なウェブサイトだと呼んでいるが、中国の法律はこのサイトを明確に非合法とはしていない。このサイトは中国側によってブロックされておらず、たくさんの中国のウェブサイトもGoogle.comへのリンクを含んでいるのだ。

6.[機密]
A氏によると、Googleは正義とブランドを維持するか、その報復として中国市場を失うか、というジレンマに直面している、という。
米国領事とA氏は、中国の検閲制度がビジネス上の義務に及ぶという、こうした領域への中国側の関与の難しさについて意見を交わしたが、米国政府も何らかのアクションが可能だと考えている。


【米国政府上層部の参画が必要】

7.[機密]
A氏は、中国の法律に準拠したGoogleの中国での事業運営を対する米国上層部としての支持を、電話や書簡によってX氏に示すべきだ提言した。書簡では、問題が大きくならないように、外交上・ビジネス上相互に受諾可能な解決のための対話を促すべきだ、とA氏は進言した。Locke商務長官の参画こそ、最も効果的なステップになるだろう、とA氏は結論づけた。

8.[機密]
A氏、彼はGoogleがこの問題の責任者であるKirkとLarsonに提起していることを認めたうえで、米国政府が接触の機会を用意する意向を強調した。

9.[機密]
米国領事は、米国政府がこの件を把握していることを明確にするため、またGoogleとの建設的な協議を促すために、公使が中国の当局者と会う予定だ、と話した。Googleは、米国政府が参画する前に中国政府が他の手段を講じるのかどうか数日間見守るだろう、とA氏は強調した。


【中国におけるGoogleの歴史】

10.[取扱注意]
A氏によると、Googleは、検閲への同意に関する課題があるため、米国議会と株主による厳密な審査を経て、2006年に中国市場に参入した。
中国市場に合法的に参入し、かつ企業理念に忠実であるため、Googleは以下3項からなる「責任へのコミットメント」を採択した。Googleは、どんな場合であってもユーザーや検索習慣に関するあらゆる個人情報を中国政府に公開しない。Googleは、検閲により削除された検索結果がある場合は、そのことを必ず公開する。そしてGoogleは、常に未検閲を提供し、ホスティングは米国に置き、米国の法律に従う。

11.[取扱注意]
中国で業務運営を行うGoogleにとって、しぶしぶの合意であろうと理念を越えた我慢が必要であろうと、中国政府からのライセンス供与は不可欠なものだ、とA氏は語った。
彼によれば、2006年以降Googleは、他の企業と同様に検閲の命令にも従って、合法的に責任ある企業運営を行なってきた。A氏によれば、中国政府の検閲要求の大半はポルノ画像や違法サイトに関したものだった。Googleによれば、中国で検索結果がブロックされたのは全体の1%に過ぎない。

12.[取扱注意]
A氏の見立てによると、Google China設立前の2002年、Google.comが約2ヶ月にわたって中国でブロックされたことがある。当時Googleの最大ユーザーは研究者で、Googleを通じた学術論文への接続が制限を受けたことに不満を抱いた彼らが、政府にサイトの再開を促した、という。
しかし今回、X氏はこのような影響に無関心とみられ、中国のインターネット・コミュニティーからの働きかけにも屈しない様子だ、とA氏は見ている。彼によると、X氏はGoogleを中国の「平和的革命」を扇動する米国政府の「道具」である、と信じているようだ。


【論評】

13.[機密]
X氏による挑発的な発言や見方について、我々は確認も否定もできないが、大手国有通信キャリアに政府が強制している報復行為は、重大な懸念要素となっている。
Googleの一挙手一投足によって、米国議会や市民の声がさらに高まる危険があると見做されれば、中国側の態度が更にエスカレートすることも懸念されるので、米国政府高官の対応が求められる。
我々はX氏によるビジネス的報復行為を確認するには至らなかったが、このような動きは現実味があると思われる。
(論評終了)



おそらく、New York Timesの記事をベースにした一部の報道では、Googleへのサイバー攻撃を仕掛けたのが中国政治局常務委員の李長春氏と周永康氏である、とされていますが、現時点で公開されている公電09BEIJING1336には、ご覧のようにサイバー攻撃に関する記述はありません。
New York Timesによると、Wikileaksによって既に公開されている公電09BEIJING1336に登場するA氏(WikileaksではXXXXXX)への取材により、X氏が李長春氏であること、また公電09BEIJING1336とは別に2010年初頭に発信された公電に、Googleに対する中国政府高官が関与したサイバー攻撃(ハッキング行為)のことが触れられているようです。

公電09BEIJING1336で明らかになった情報は、多くの中国のインターネット関係者の間では既知のものであり、強いインパクトの内容ではありませんでした。むしろ、引用報道で「信頼できる人物」として紹介されている情報提供者A氏に対する疑念すら呼び起こしそうな内容ですらあると感じています。
[PR]
by pandanokuni | 2010-12-06 17:23 | ひまネタ
謎の人気アイドルangel girl は反日デモ抑え込みの密使かも知れない
「中国の釣魚島(尖閣諸島)を守る」と掲げたバナーの前のミリタリールックの写真が日本でも話題になった"日本の人気アイドルグループ"angel girl。日本のGoogleトレンドでは一時トップに輝くキーワードとなりました。
ほとんどの日本人が知らなかったこのアイドルグループの話題が、どのようなストーリーで中国のインターネットに広がって行ったかを整理てみます。

百度のニュース検索でangel girlの記事を調べると、現時点では3つの話題に分類できます。中国のニュースサイトは転載フリーですので、このことは、元記事(情報源)がほぼ3つであることを意味します。


b0047829_2154379.jpg最初の記事はangel girlという"日本で人気の"華僑アイドルグループの紹介記事で、2010年10月12日に発信されています。元記事は、中国共産党の機関紙「人民日報」のオンライン版である「人民網」のエンタメ版に掲載されています。
人民網エンタメ版発 日本メディアの報道によると、アイドルグループangel girlは東京近郊で近日出版される写真集の撮影を行った。彼女たちの制服姿は無数の日本のネットオタクを悩殺するだろう。この華僑アイドルグループは日本の著名なファッショングループと実力のあるレコード会社により3年間育成され、年末に発行されるだろうアルバムや3D写真集は、既に80万もの予約が入っている。

この記事は、angel girlのこれまでの活動には一切触れておらず、年末に出版される写真集の準備中(既に予約が80万冊!)としたうえで、日本のアイドル市場における女性グループの成功をSpeedやPerfume、AKB48を例に出して紹介しています。
謎のグループangel girlに関しては、"日本在住華僑の女性グループ"と簡単な説明をしているだけです。百度の検索によると、この人民網の記事は50以上の中国のニュースサイトに転載されています。

angel girlが次に中国のニュースサイトに登場するは、人民網の"紹介記事"が掲載されて1週間後の10月19日。ただし、angel girlが主役ではありません。「日本オタクの十大女神発表」というタイトルで、中国でも人気の林志玲がトップテン入りして、周冬雨が選に漏れた、ということを主眼として、この二人の写真が掲載されています。
日本の某雑誌社とコミュニティサイトが共同主催し、多数の日本の男性ネットユーザーが1ヶ月に渡る選考期間に積極的に投票した、とされるこの"十大女神"に選出されたのは、angel girl、AKB48、沢尻エリカ、Beckii Cruel、佐々木希、堀北真希、林志玲、蒼井そら、蔡依林、上戸彩。

angel girlの話題は、この"十大女神"のリストで登場するのみではありますが、アルファベット順でも五十音順でもなさそうなのに、トップを飾っている、というのは、何だか意図的ではあります。

「日本オタクの十大女神発表」の元記事は、複数の転載記事がニュースソースとして記している新快網であるようです(残念ながら現時点では元記事を見つけることができません)。梁燕芬さんという方の署名記事ですが、こちらも「日本メディアの報道によると」としています。この話題は120以上のニュースサイトに転載されています。
新快網は、広東省の夕刊紙「羊城晩報」を発行する羊城晩報集団傘下の中国では最も早く開設されたニュースサイトです。


b0047829_21542968.jpgそして3つ目の話題というか露出が例のミリタリールックの写真で、10月22日の午前中に、国際在線(CRI Online)が掲載したようですが、現時点で元記事は削除されてしまった模様です。元記事の体裁に近いと思われる中国新聞網の転載記事を要約すると:
昨日、日本のアイドルグループangel girlが自分たちのマイクロブログに「愛国ファッション写真」を発表した。日本在住の留学生たちの助力もあって、4時間も経たないうちに60万件ものアクセスがあり、そのマイクロブログは閲覧できない状態となっている。

そして、この記事で初めてangel girlのメンバーが紹介されています。

angel girlはリーダーである北京出身のamy、長沙出身のangela、そして台湾出身のannnaの三人グループ。こうした事情から日本のエンタメ業界では取り扱いに苦慮しており、日本のメジャーなメディアからは排斥されつつあるが、オンライン・マガジンなど独自のチャネルを開拓して、日本のネットオタクのハートを掴んでいる。


b0047829_21544640.jpgところが、22日午後以降の記事では、「中国の釣魚島を守る」というバナーの前で撮影された写真が掲載されるようになりました(Neteaseの転載記事)。転載のニュースソースは国際在線。記事の内容は元記事のままですが。
国際在線(CRI Online)は中国国際放送(China Radio International・通称北京放送)のニュースサイトです。中国国際放送は、主に海外向けに外国語放送を行っているラジオ局で、もちろん中国共産党中央宣伝部傘下の組織です。

たかが偽造アイドルの話題かもしれませんが、露出のタイミング、ストーリー、発信源、メッセージを考慮すると、これはもう中国当局が巧妙に仕組んだ中国の若者に向けた"反日デモ"対策の一貫であるような気がしてなりません。

10月23日に内陸部を中心とした複数の都市で呼びかけられていた"反日デモ"は四川省独陽市を除き、ほぼ不発に終わったようです。その前日、少なからぬ中国の若者は、反中国の嵐の中、日本で頑張っている同胞の記事を目にすることになったわけです。そして、中国の若者の気持ちを代弁する写真を日本のネットオタクにも発信してくれている。だから、キミたちは学校や職場に留まっていてくれ、と。
その週末に発生したデモの兆候は、10月12日の時点で中国当局が掴んでいたのは確実でしょう。このタイミングで、架空のアイドルangel girlを仕込んでおく。16日・17日に各地で発生したデモが暴力化した状況に接し、翌週の抑えこみ対策の一貫として、angel girlのミッションが重要性を帯びてきたのでしょう。
angel girlの日本での人気ぶりをできるだけ客観的に記事化する必要があったので、19日の段階でさりげなくangel girlが「日本オタクの十大女神」に入ったことを発信。それもその時点では注目度が低かっただろうangel girlを見出しに使うのではなく、林志玲と周冬雨という中国でも注目度が高いアイドルをタイトルに加えて、記事自体の注目度が高まる効果も狙ったと想像できます。
そして、23日・24日のデモの拡大を抑えるため、キミたちの愛国精神はangel girlが代弁してくれているから、ということで、例の写真の発信。

あくまでも私の想像に過ぎませんが、もしこうしたストーリーで対策を練っていたとすれば感心してしまいます。捏造だでっち上げだと非難するだけではなく、日本もこうした情報操作を研究し対応していく必要があると思います。もちろん、これが"反日デモ"対策の一貫だったとして、どれほどの効果をもたらしたかは分かりませんが。
[PR]
by pandanokuni | 2010-10-23 22:01 | ひまネタ
中国共産党のプロパガンダ映画にならなくて済んだ、陸川監督の『南京!南京!』
2005年から準備を始めて、日本軍による南京攻略70周年にあたる2007年に公開されるだろうと言われていた陸川監督の映画『南京!南京!(City of Life and Death)』(中国共産党機関紙「人民日報」のニュースサイト人民網日本語版の特集ページ)は、中華人民共和国建国60周年にあたる2009年の4月にようやく中国で劇場上映が開始されました。
陸川監督が脚本に4年もの時間を費やしてしまったり、その脚本の中国当局(国家ラジオテレビ映画総局)による審査にも多くの時間を費やしてしまったり、撮影が始まってから陸川監督が盲腸炎にかかって3回も入院したりしたため、製作が大幅に遅延したためです。

b0047829_3242172.jpg


「ただ死者数の論争にはあまり意味を感じない。だから映画では死者数には触れない」とインタビュー(産経ニュースの福島記者のブログより)で語っていた陸川監督だったのに、いきなり冒頭の献辞で「30万人の犠牲者」の字幕が現われたときには、嫌な予感がしました。ただ映画を観終わったときに、これは中国当局のセンサーシップ(検閲)を通すための譲歩の一つだったのだろうな、と納得することができました。

前半部分は、1937年12月の日本軍南京入城、監督敢えて自分の姓を与えた<陸>という架空の兵士とその仲間たちの抵抗戦、そして大勢の中国人捕虜の焼殺・射殺など、静と動を巧みに織り交ぜることによってリアリティと迫力が浮き立つ戦争映画という印象。後半に入るにつれて、日本軍下士官<角川正雄>、南京安全区国際委員会委員長でドイツ人の<ジョン・ラーベ>、その中国人秘書である<唐氏>とその家族、安全区の中国人女性リーダー・姜先生、陸兵士とともに抗戦し日本軍の捕虜となったものの銃殺の中で生き残った少年<小豆>の精神的葛藤に焦点をあてたヒューマン・ストーリーへと変化していきます。
その中の中心人物は、日本人俳優・中泉英雄が演ずる日本軍下士官<角川正雄>と言って良いでしょう。繰り返される殺戮や非人間的な生存の継続に違和感を深めるようになった<角川>は、日本軍に連行されていく中国人女性<姜先生>の願いを聞き入れて射殺してあげます。これは恐らく自身の強い意志に基づいた最初で最後の殺人だったのでしょう。そして、やはり捕虜となった少年<小豆>をこっそりと逃がしてやり、自らは拳銃で命を絶ってしまいます。
日中戦争を描いた中国映画において、<角川>は「日本鬼子」とはかけ離れた異質な日本人登場人物です。多くの映画では人間としての心情を描くことを避けてきた日本軍兵士ですが、<角川>は田舎の母を想ったり、慰安所の日本人女性に恋をしたり、殺戮や生と死の意味に悩み苦しんだりするのです。血と埃とで満ちた映画の中で、<角川>が拳銃自殺するラスト・シーンでは白いたんぽぽの冠毛がモノクロ映像を引き立て美しい最期を飾っています。まるで、角川の死を美化しているかのように。

「鳥獣にも劣る日本兵の中にも、角川のような良い人間がいたものだ」
中国の映画レビューサイト・時光網にも、このような書き込みが多く寄せられていました。
<角川>の上官である伊田は中国における典型的な「日本鬼子」だったのかもしれませんが、<唐氏>を処刑するときの表情は、陸川監督が<伊田>をすら典型的な「日本鬼子」に仕立て上げることを躊躇っていた、と考えてしまいます。

「日本鬼子」を人間的に表現してしまったこの映画には、当然の如く中国の人たちから厳しい意見が寄せられました。ただし、批判は日本人兵士の描き方より、<ジョン・ラーベ>の描き方や映画のテーマそのものに関するもののほうが多かったようです。

陸川監督はかつてのインタビューで「『シンドラーのリスト』のような映画にはしたくない」と語ったらしいのですが、中国人(特に一部の南京周辺居住者)にとってジョン・ラーベはシンドラーのような存在と言えます。彼(彼女)らが信じる史実では、糖尿病悪化にもかかわらず私財まで投げ出しギリギリまで南京安全区の難民保護活動を行い、ドイツ帰国後は日本軍の"悪事"をナチスや国際社会に訴えた中国人民の救世主(それは彼自身の日記やそれに基づく中国・フランス・ドイツ合作映画『John Rabe』(フロリアン・ガレンバーガー監督)(レコードチャイナ・関連記事)に描かれたジョン・ラーベからもたらされたものであり、当時の彼のビジネス的利権などの背景を無視した評価であるのでしょうが)。
日本人兵士の横暴にただおろおろし、難民を取り残して南京を立ち去ってしまう『南京!南京!』での<ラーベ>の描かれ方が、納得できなかったのでしょう。
陸川監督は「第三国のラーベはシンドラーにはなれない」と言う趣旨の発言をしています。『南京!南京!』のシンドラーはラーベではなく、むしろ日本人兵士<角川>なのかも知れません

映画のテーマに関する陸川監督の言動は、時と場合によってころころ変わっているようです。
当局からの許可も出ず、クランクインもできていなかった、2007年初頭の産経新聞福島記者によるインタビューでは、「人知、人間性の真相」がテーマと語っています。いっぽう、2009年春の映画公開時には「この作品は屈辱ではなく中国人の栄光を語るものだ」と述べています(人民網・日本語版)。
確かに映画の前半は、<陸兵士>たちの勇敢な抗戦や「中国は永遠に不滅」と叫ぶ捕虜たちなど、"中国人の栄光"っぽいシーンが無いわけではありません。ところが、抵抗を試みた中国人は皆死んでしまう矛盾。「栄光がどこに描かれているのだ、描かれているのは中国人の屈辱だけではないか」などと言う罵りが、中国語のBBSに書き込まれています。

前半と後半でトーンもテーマも異なっているように思える『南京!南京!』。中国の作家・王朔 (ワン・シュオ)は陸川監督に「前半を半分カットすれば世界的な名作だ」と言ったそうです。ただ私自身は月並みながら、英語のタイトルにも示されているように「生と死」がこの映画の全編を通したテーマになっているのだろうと思います。
捕虜となり辱めを受けて"屈辱的な生"を持続させていくより、<角川>に"栄光の死"を求めた<姜先生>、生き続けることが苦悩の連続かも知れないと悟った<角川>が敢えて生き伸べさせようとした<小豆>。そして<角川>自身は死を選んぶことになる。死ぬことと生き続けること、殺されることと生き延びること、大勢の死、ほんの小さな命、一人の少年の解放、希望、命の軽さ、或いは重さ。いまもいき続けている小豆や唐夫人のお腹の中の新しい生命....。
前半の戦闘や殺戮のシーンにリアリティを感じさせるからこそ、後半が虚構性の高い"物語"に思えてしまうのでしょうが、ラストシーンの小豆の笑顔と「今も生きている」と言う字幕は、どの国籍の観衆であっても胸を熱くするようなヒューマニティに訴えかけています。
登場人物個々の内面まで精緻に表現仕切れていない印象を持った人でも、全編モノクロで記録映画のように観通した人でも、タンポポの綿毛が美しいラストシーンによって、人類に不変のヒューマニティを描いたフィクション映画であることを認識するのではないでしょうか。

少なくとも、『南京!南京!』は冒頭の献辞を除いて中国共産党のプロパガンダ映画にならずに済んでますし、少なくとも"反日映画"では無く"反戦映画"に属する作品です。前作の『ココリシ』(拙ブログ参照)の直線的な力強さと比較すると、陸川監督が欲張りすぎたのか、いろんなものを詰め込みすぎた印象はぬぐいきれませんが、決して失敗作に属するものではありません。
日本では配給元が見つからず公開の予定が無いと聞きますが、偏狭な政治的配慮など気にせず、ぜひメジャー公開して欲しいものです。こうした映画が中国で創られ、公開されている、ということによって、現代の中国社会への誤解がほんの少しだけ解けるかも知れません。
[PR]
by pandanokuni | 2009-08-09 03:26 | ひまネタ
『北京陳情村』~馮小剛~葛優~余華~『兄弟』
08年小学館ドキュメンタリー大賞優秀賞を受賞した田中奈美さんの『北京陳情村』は、著者が北京市南部にあるいわゆる「陳情村」を足掛け3年にわたって足繁く通い、地方行政の"腐敗"を中央政府に訴えるため住み着いているクレイマーたちの生き様を描いた秀作です。
"中国の光と影"の「影」の部分として陳情村(或いは直訴村)を取り上げるメディアやジャーナリストは数多くありました。その大半は、共産党独裁政権による行政の腐敗や経済格差の拡大の縮図としてステレオタイプに伝えています。中国当局による人権弾圧の象徴として、民主化を圧し付けるためのエビデンスとして、陳情村(或いは直訴村)が、海外の人たちに認識されるようになりました。
しかし、敢えて不謹慎な言い方をすれば、『北京陳情村』に登場するクレイマーたちは、貧困の底で震え独裁政権の弾圧に怯える弱者でもなければ、行政の腐敗を暴き民主化を叫ぶヒーローやヒロインでもありません。私が中国で接してきた中国のフツーの人たちと差ほどかけ離れている存在とも思えません。他人の足をひっぱったり、自己主張が強かったり、話が突然飛躍したり、そういう人たちが日本と比べると圧倒的に多いと、私自身感じています。
『北京陳情村』でも触れていますが、陳情をビジネスとして捉えている人たちもいるのでしょう。中央からの評価が悪くならないように地方政府がお金で解決している例もあり、身近なクレイマー仲間がそこそこの解決金を手に入れた、というような噂を聞きつけ、達成可能な目的のため陳情活動をしているケースもあるのでしょう。そのためには、当局の手下にボゴボゴになるまで殴られるリスクも覚悟の上で。
もちろん、そうではないケースもありますが、田中さんの『北京陳情村』は、既製メディアやジャーナリストが築き上げてきた陳情(直訴)=共産党支配の暗部という幻想を見事にぶち破ってくれた作品だと思います。

『北京陳情村』の中のクレイマーたちの会話は、馮小剛の映画を髣髴させます。映画化するなら馮小剛に監督をお願いしてほしいものです(中国では上映許可は下りないでしょうけど)。
馮小剛監督の最新作『非誠勿擾(If you are the one)(邦題は『誠実なおつきあいのできる方のみ』だそうです)は、中国ではハリウッド映画『赤壁』を凌ぎ、お正月映画のトップタイトルになりました。『天下無賊』『手機(Cell Phone)』など、彼の最近の作品は、中国の中国らしさ、或いは中国人の中国人らしさを、小気味良い会話で描いています。『北京陳情村』の登場人物で腐敗役人批判の替え歌集をCD化してビジネスにしようとした、プロデューサー・リー氏とシンガー・リュウさんのやり取りなんかは、馮小剛の社会派コメディーそのものという感じです。
『非誠勿擾(If you are the one)』は、いわゆる"婚活"の物語。40歳を過ぎた海外留学帰りの中年オヤジ・秦奮が、そろそろ生涯の伴侶を見つけようと、何人かの女性といわゆる"お見合い"をしていくお話です。前半の主人公・秦奮と投資家やお見合い相手の女性との会話がビミョーに噛み合わず、笑いを誘うのですが、私が知る中国人の多くはこんな感じです。

『非誠勿擾(If you are the one)』の主人公・秦奮を演じるのは、私が大好きな俳優・葛優。彼が演ずる中国人は、私がイメージする典型的な中国人と合致しています。お金持ちを演じようが、スリを演じようが、表層的で軽妙な言葉の連続とは裏腹の信念のようなものを感じさせ、それは私がこれまでに中国で出会った、例えばオフィスビルのトイレ掃除のオジサンだったり、タクシー運転手の兄ちゃんだったり、ネット企業のCEOだったり、タバコ屋のオヤジなどと何となく重なり合ってしまいます。

いまでは馮小剛映画に欠かせない俳優となった葛優ですが、私が最初に彼が演ずるのを観たのは張藝謀監督の『活きる(活著)』ででした。『活きる(活著)』は地主の放蕩息子・福貴(葛優演じる)が、40年代の内戦、50年代の大躍進、60年代の文化大革命という混乱の時代を活き抜くという長編の物語。中国当代きっての作家・余華の同名の小説が原作です。

その余華の最近の作品兄弟 上 《文革篇》』『兄弟 下 《開放経済篇》は泉京鹿さんの翻訳によって、日本語で楽しむことができます。
『兄弟』は、李光頭と宋鋼という血のつながりの無い、けれども少年期を過ごした文革時代の極限体験によって固い絆で結ばれた兄弟の生涯を描いた長編で、『活きる(活著)』の主人公・福貴と『兄弟』の主人公たちは1ジェネレーションくらい離れているので、70年代以降の改革開放による中国の社会変化を読みほどくことができます。
上巻『兄弟 上 《文革篇》』では、人を人として扱いもしないほどの惨い暴力シーンが幾度も繰り返されます。『北京陳情村』に登場するクレイマーたちも、時には地方政府が遣わした"陳情狩り"に遭い、拘束され、車椅子生活を余儀なくされるくらいの暴力を受けているわけです。文革時代より数の上では大幅に減っているとは思いますが、強者による暴力行為が未だ日常的に繰り返されているのも事実でしょう。
下巻『兄弟 下 《開放経済篇》』で李光頭は廃品回収業から身を興し、地方経済の担い手となるほどの大金持ちになるばかりか、少年時代から憧れを抱き続けていたマドンナ・林紅までを手に入れることになります。その林紅が、改革開放に浮かれること無く実直に生きてきた宋鋼の妻であったにも関わらず....。
自分のことしか考えない中国人のプロトタイプとも言える李光頭ではありましたが、それでも深層に苦を共にした兄弟・宋鋼への想いがあり、その噛み合わなさこそ、日本人がなかなか理解しにくい中国的なモノの一つなのだと納得しています。
翻訳の泉京華さんは、スラング満載で"噛み合わない"会話だらけの原作の魅力を、少しも損なうこと無くテンポ良い現代の日本語で楽しませることに成功しています。二巻で800ページを越える大作も、あっという間に楽しむことができるはずです。

中国関連の仕事をしている私にとって、李光頭のような人物は小説の中の創りモノではなく、何度も出くわしてしまうようなリアルな人物の典型例と言えます。李光頭は儲けた資産で宇宙に旅立つのですが、ビジネスで邪魔されて一文無しになっていたなら、北京の陳情村をうろつくような人物なのだと思います。
そして、それは『活きる(活著)』の主人公・福貴や『非誠勿擾(If you are the one)』に登場する何人かの人物(例えば冒頭に登場する投資家)にも重なり合います。
『兄弟』が映画化されるのなら、監督はやはり馮小剛で、葛優には李光頭を演じてもらいたいものです。

内輪話で恐縮ですが、私がボールド(スキンヘッド)にした最大の理由は、名優・葛優はボールドがお似合いだし、スキンヘッドの李光頭(光頭は禿げ頭のこと)も、いま仕事で頼りにせざるを得ない中国企業のスキンヘッドのCEOも、話が飛躍してかみ合わなく、自己主張や強くきっと自分本位なのだけども、心の深層のどこかに愛すべき何かを持っているから。
[PR]
by pandanokuni | 2009-03-08 19:21 | ひまネタ
Season Greetings
ことしは私にとってわりと良い年だったと思います。

南京陥落65周年も無難に過ぎていきました。
中国経済は相変わらず盛り上がっています。
日本はと言うと、一種の衆愚政治に陥っているのかもしれません。

知人へのクリスマスとお正月のご挨拶に、一度やってみたかったことにトライしました。

greeting07


1966年に発表されたThe Beatlesの名作アルバムのジャケットをいじってみたかったのです。
"アルバム"も"ジャケット"もほとんど死語になってしまいました。
i-Podみたいな音楽の聞き方は、"アルバム"のもつ曲順やコンセプトという概念を破壊してしまいましたし、30cm四方のレコード・ジャケットに施された芸術であるジャケット・アートですら、4インチのLCDの中に閉じ込められてしまうのです。


original

当時のThe Beatlesの意図にできるだけ近づくことができるよう、私が関心をいだいている人物から60数人を抽出して"ジャケット"にご出演いただきました。

地球の存続可能性を保持するため、つまり戦争が起こらず環境ができるだけ悪化しないため、皆さんには頑張ってほしいと願っています。

すてきなクリスマスとお正月を。
[PR]
by pandanokuni | 2007-12-25 22:10 | ひまネタ
旅先で中国人グループに遭遇しても、良い旅を続けられますように....。
北京に住んでいたころは、中国の習慣にのっとって、お休みをいただいていたものです。
1月から2月にかけての春節(旧正月)、5月初旬の労働節(メイデイ)、10月初旬の国慶節(建国記念日)にはそれぞれ1週間ほどの休暇を取ることができます。日本が動いているからといって、遠慮する必要は無いのです。中国ではみんなお休みになるので、仕事が進まないのですから。
5月の労働節は日本の"大型連休"(NHK以外が言うところの"ゴールデンウィーク")と重なるので、海外のリゾートなどはトップ・シーズンで値段も高く日本人で溢れてしまいますが、それ以外の春節と国慶節は、意外と安く旅行できるシーズンなもあり、家族ともども中国の喧騒を離れようとアジアン・リゾートなどに出かけたものでした。

でもここ数年、この時期のアジアン・リゾートは中国人が中国の喧騒を丸ごと運んでくるようになり、インド洋に浮かぶさんご礁に囲まれた小さな島の水上コテージですら例外で無くなりました。
一昔前なら香港や台湾のお金持ちがちょっとだけ遠慮がちにバカンスを楽しんでいたのですが、いまでは中国大陸の成金の皆さんが友人・家族連れの大グループで押しかけるようになったのです。
独立したプライベート空間のはずなのに、夜遅くまで普通話(中国語)の大きな声が響くのです。そして、ジャラジャラとパイをかき混ぜる音。頼むから水上コテージのデッキで徹夜マージャンなんて打たないで欲しいものです。
いまはもう、春節の時期にアジアン・リゾートなどに出かけたとしたら、両サイドのコテージのバルコニーから響き渡るマージャンや爆竹の騒音と、地球の裏まで届きそうな中国語の談笑を覚悟しなければならないでしょう。

オール・インクルーシブのリゾートなら、食事時のブッフェに群がる中国人集団との戦闘になりかねません。
当然のことながら、順番無視の横入りで、行儀良く待っているとご馳走がすっかり持ち尽くされてしまうでしょう。しっかり持ち去るわりには、中国のレストランで見慣れたあの食い散らかしの惨状を残して去って行ったりするのです。
オプショナル・ツアーなどで中国人の皆さんと一緒になったら、集合時間を守ると自分たちが楽しめない結果に陥ることになるでしょう。10分経過しても、20分経過しても、集合場所に現れない輩がきっといるわけです。

まぁ、これは2~3年前のお話ですから、いまはきっとマナーが少しは改善されているかも知れません....。
所詮私たち日本人だって、ついこないだまで、めがねをかけてカメラを首からぶら下げて団体で行動する姿を外国の皆さんから揶揄されていたわけです。かつての日本人もいまの中国人も観光地やリゾートにはどうも馴染めない存在みたいなわけですが、お金をしっかり落として去っていくので、受け入れ先の観光地やリゾートとしても、軽々しく扱えなくなっているのでしょう。現に高級と言われているような日本の温泉旅館ですら、簡体字(中国大陸の標準漢字)の案内表示を用意し始めています。

とはいえ、自国民が外国であまりにも恥ずかしい行動をとらないように、中国の外務省(外交部)はマナーアドバイスを発表して、海外旅行に出かける自国民を啓蒙しているそうです。
2007年8月21日、中国外交部はウェブサイト上で『海外での中国人保護と旅行についてのマナーアドバイス(2007年版)』を発表した。
この中で、在外公館職員の職責を明確にし、大使館、領事館に助けを求める19種類のよくあるケースがまとめられている。また、中国国民が海外旅行をする際のマナー問題についても明確に触れており、公共の場では静かにし大声で話さないこと、他人とむやみに喧嘩をしないこと、街中で物を拾わないこと、賭博やいかがわしい場所などに足を踏み入れないこと、などがあげられている。
近年、海外旅行をする中国人が増えているが、中国人旅行客の海外でのマナーの悪さが目立っていた。中国のイメージを損なうため、中国政府も頭を抱えている。
(Yahoo!ニュース)

中国人には覚えやすいというか馴染みやすいように漢詩のスタイルで海外旅行のマナーを啓蒙しようとしているわけですが(中国外務省ウェブサイト)、いま風にすればラップみたいなものなので、ちょっとそれ風に日本語にしてみました。

中国人民、海外旅行さ、礼儀をわきまえ、尊厳もって、
いつでも清潔、環境保全、臭わない服着て、大声上げずに、
年寄り・子供は、きちんといたわり、困った人には、手を差し伸べて、
レイディ・ファースト、いつでも謙虚に、集合時間はきちんと守ろう、
並んでいたなら割り込み厳禁、イエロー・ラインは踏み越えナイ!ナイ!
ホテルの中ではマナーを守って、備品や何やら持って帰っちゃダメよっ!
食事の時には大声出さずに、ビッフェの料理にガツガツしないで、
ギャンブルやネエちゃんの誘惑は撥ね退け、善良にして健全なエンタメ、
観光地ではハシャいじゃダメよ、民俗、風習、タブーは冒さナイ!
困ったときには、いつでもおいでよ、中華人民共和国の領事館、
文明旅行に、行っておいでよ、一路順帆(イールゥシュンフン)、ボンボワージュ!!


どうも、ただ騒がしいだけでは無さそうです.....。
せっかくのリゾートでチャイニーズ喧騒に巻き込まれぬよう、皆さんも旅行の時期には注意を払ってくださいね。
[PR]
by pandanokuni | 2007-08-30 20:39 | ひまネタ
『百度』じゃなくて『100度』、まがいモノ中国で見つけた意外とWeb2.0なグルナビ・サイト。
百聞は一見に如かずなので、まずご覧になっていただきたいと思います。
中国で最も利用されていて、果敢にも日本に殴り込みをかけている、NASDAQ上場の検索サイト『百度(バイドゥ)』じゃなくて、『100度(イー・バイドゥ)』

まがいモノ天国の中国において、こりゃ人気の『百度(バイドゥ)』をパクったサイトか、と思いきや、意外とスゴイのです。
一言で言うなら「グルナビ」のムービー版と言えるでしょう。レストランや飲み屋やバーやエンタテイメントのお店を紹介するナビゲーション・サイトなのですが、すべてムービーになっているので、分かりやすいわけです。
お店や料理の写真や紹介テキストだけでは、なかなか雰囲気まで伝わらないものです。ムービーだと写真やテキストの10倍くらいは、うまく伝わります。
しかも『100度』に掲載されているお店紹介のムービーの多くは、かなりクールです。スチル写真を組み合わせたFlashによるものではなく、実際にお店を取材して撮影したムービーが大半です。ミュージック・クリップ風のものもあれば、日本のテレビ番組でも見かけるような女性レポーターによる体験レポート映像もあれば、テレビコマーシャル風のものもある、といった感じで、総じて本格的なムービーによる体験マーケティングが実現されているのです。

こりゃ、結構お金かかっていそう、と思っちゃいますが、こうしたムービーの制作費は"ただ同然"なのです。"ただ同然"でありながら、スタッフやナレーターは、映画監督や女優の卵たちなのです。張芸某など世界的な映画監督や俳優、女優を生み出してきた北京電影(映画)大学の学生たちが、お店を取材からスクリプト、撮影、演出、編集、そして出演まで、"ただ同然"でやってくれているのです。
学生たちにしてみれば、映画やテレビ業界で名を上げるための実習体験になりますし、集客力の大きなサイトに乗せてもらえるということは、作品を多くの人たちに見てもらえる機会を与えてもらっている、ということにもなるわけです。
『100度』は北京電影大学など、映像クリエイターを育てている大学などと組んで、このサイトを立ち上げたのです。

一般的に、B2Cサイトのビジネスは、誰でも簡単に立ち上げられますが、そのほとんどが広告収入によるビジネスなので、たくさんの人たちに見てもらわないと、収入が上がりません。ですから、集客のためにたくさんのお金をかけて、広告などのプロモーションを行う必要があるわけです。
ところが、この『100度』の場合、ムービーを作る際にレストランなどから制作費をいただきますから、広告が貼りつく以前に収入が得られます。しかも、素人作品とは言えない結構本格的なムービーを"ただ同然"で作れるわけですから、制作費のほとんどが利益になるのです。さらに、制作費は1年分の掲載料込みで約10万円と格安ですから、個人経営のレストランや居酒屋であっても、あまり抵抗無くコマーシャル・ムービーを作ってもらおうと思うでしょう。

とは言え、せっかくのムービーがネット上に置いてあるだけで、視てくれる人がいなかったら、意味がありませんし、レストランもお金を出さないでしょう。
『100度』へ呼び込む必要があるわけです。本来、お金をかけてプロモーションをする必要があるわけですが、この『100度』はお金をかけずにサイト誘導を実現しているのです。
中国で最も利用者が多いSINA(新浪網)の生活関連ページに自社ムービーを提供することで、無料でリンク・ボタンを貼り付けてもらったり、上海メディア・グループのポータルサイトの「飲む、食べる」メニューから無料でダイレクト・リンクをもらったりしているので、アクセス数アップにお金がかかっていないのです。
こうした提携は、『100度』の提供するムービーがコンテンツとして魅力的だから可能になったのでしょう。

『100度』では北京などの主要ホテルのVOD(ビデオ・オン・デマンド)にも、ムービーを提供する計画があるそうです。お店紹介ムービーのデリバリー先が増えれば、お店も学生も喜ぶでしょうし、も少しお金も取れるかもしれません。
B2Cのウェブ・ビジネスと思いきや、コンテンツ・ビジネスの様相も伴った期待の持てるビジネス・モデルではないでしょうか。

ここまで持ち上げてみたのですが、いま調べてたら既に似たようなサイトがアメリカにありました。
LIFE/STYLE TELEVISION "LX TV"ですね。これのパクリなのしれません、ふぅ。でも、映画大学の学生を安く使う、って発想は中国だからそこではないでしょうか....。

YouTubeのブレイクで動画サイト系のビジネスが次から次へと沸いてきますが、この方向性はアリのような気がします。
ただお店や飲み屋を探すのに、30秒や1分や3分の動画を見て比較するほど、暇な人が多いとも思えません。日本であれば、高額商品、例えば新築マンションの比較サイトや賃貸マンションの情報サイトなどを全面ムービー化したら、意外と行けるかも知れませんね。あとは風俗系のナビゲーションをフルムービーでやったら、人気は出そうですね。ずいぶん昔に山本晋也監督が深夜のテレビ番組でやっていたような、突撃レポートみたいなものを、お店ごとに集めた風俗情報サイトなんて、イケそうじゃないですか...。
スチル写真とテキストよりは断然臨場感がありますし、お店を選びやすいはずですよね....。

というオチで、いかがでしたでしょうか。
[PR]
by pandanokuni | 2007-08-10 18:31 | ひまネタ
温家宝さんのジョギングとか。対日宣伝活動に乗せられている日本メディアのお粗末。
お互い、言いたいことも言わずにうまくやっていくというのは、大変なことだと思います。
これを言っちゃあお仕舞いだぁ、みたいなことを言わずに仕舞い込んで、連れ添っている夫婦も多いことでしょう。
どちらか一方が切り出した途端、泥仕合が始まり、挙句の果てにディバースみたいなことになっちゃいます。
言いたいことを我慢して一生添い遂げる夫婦は多いでしょうが、国家間ではそうは行きますまい....。

それはさておき、温家宝さんは12日早朝、代々木公園に出没してジョギングなどをしたそうです。
温さんの訪日については、当然のことながら中国メディアは熱心に報道している(させられている)ようですが、中国メディアに負けんとばかりに、日本のメジャーなメディアも"日中友好"に一役も二役も買わされています。
温家宝は、2008年北京五輪のロゴ入りの黒のスポーツウェアに白いジョギングシューズを履き...(中略)....中年の日本人女性と握手を交わし「私は温家宝です。」と自己紹介。傍らで王毅駐日大使が日本語で「彼は中国の総理です」と補足すると、驚いた日本の夫人は慌ててお辞儀をしました。
これは、日本時間07年4月12日13:26(北京時間同日12:26)に新浪網が掲載した記事です(上海の新聞晩報の朱静運記者が東京から配信)。見出しは、『温家宝、東京の公園で太極拳。膝詰めで日本の市民と交流

いっぽう朝日新聞のニュースサイト、Asahi.comは30分ほど後の日本時間07年4月12 13:52に『「私は温家宝です」、早朝の代々木公園をジョギング』という見出しの記事を掲載しました。
「ニイハオ。私は温家宝(ウェン・チアパオ)です」。来日している中国の温家宝首相が12日早朝に約30分間、都内の代々木公園を走り、見よう見まねでラジオ体操するなど市民と交流した。ジョギングを日課にしている温首相は、08年北京五輪のロゴ入り運動着姿でスタート。市民に次々と声をかけ、同走する王毅(ワン・イー)駐日大使が「中国の総理ですよ」と口添えする一幕もあった。

中国メディアと朝日新聞、記事の内容も配信時間もほぼ一緒です。中国側によると、警視庁は安全上の配慮から宿泊先のホテルの庭園で走るよう要請したが、「市民の声を聞きたい」と温首相が強く希望(Asahi.com)したらしいのですが、日中両国のメディアがほぼ同じタイミングで報道していることを考えると、中国側の計算しつくしたPR施策=対日宣伝活動の一環に決まってますよね....。

TBS日本テレビのニュースや時事通信の配信でも、"北京オリンピックのロゴ"とか"王毅駐日大使"とか"市民との交流"などという共通のキーワードで報道されているようです。

きっと、中国側報道官がリリース(予定稿)でも配っていたんじゃないでしょうかねー。"オン・カホウ"も"ウェン・チアパオ"の表記にするメディアも出てきちゃうし。
共産党お抱えの中国メディアよりも、お粗末な日本メディアの実態が浮かんできちゃいます。

追記(2007年4月12日21:30):
NHKの9時のニュースでも、今朝の代々木公園での日中友好演出を取り上げてましたね...。
夜のパーティの安倍さんのスピーチ:(温さんの国会演説に満場一致で拍手が沸いたことに対して)「私が演説しても、与党からしか拍手が起こらないですから....。」
全員与党の人民代(中国の国会みたいなもの)を意識したアイロニーだとしたら、ちょっとだけ、言いたいことを言えた安倍さんに1票!!
[PR]
by pandanokuni | 2007-04-12 18:51 | ひまネタ
「東京中心城」で定着してしまいそうな 東京ミッドタウン(東京中城)。
この週末は上海で過ごしています。きょうは、夕べの深酒が祟ってしまい、CCTVのニュースチャンネルをつけっぱなしにして、ホテルに引きこもっておりました。
日本関係の話題として、地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)が航空自衛隊入間基地に配備されたことを繰り返し放送していました。日本の軍事力強化への懸念などと言う論評は無しで、客観報道に徹していた感じです。日本のニュースサイトでは特に大きく取り上げられてないようですね。テレビあたりではどうだったのでしょう?
ちなみに、パトリオットは中国語で「愛国者」と言う表現になります。

ほのぼの系の話題として、東京ミッドタウンのオープンを東京の特派員からのレポートで伝えていました。このレポーターが、防衛庁の引越先なんかにも突っ込みを入れていたら、自衛隊のパトリオット配備の話題と絶妙なコンビネーションになったと思うのですが、満開の桜をバックにあくまでもほのぼの系のレポートに徹しておりました。

ちなみに、「東京ミッドタウン」のことを中国語で「東京中心城」と表現していました。まんまなのですが....。
最近は、中国からの観光客に向けて中国語のウェブサイトやリーフレットを用意している観光地・観光施設も増えていますが、調べてみると東京ミッドタウンにも既に中国語のウェブサイトがありました。ところがウェブサイトでは、自らを「東京中城」と名乗っているのです。
きっと、CCTVの東京特派員が中国語のウェブサイトをチェックすることなく、自らの判断で「東京中心城」と訳してしまったのでしょう。取材に応じたと思われる東京ミッドタウンの広報の方も、中国語表記くらいは念を押して確認すべきだったと思います。中国語サイトまで用意して、中国のお客さんに期待しているのですから....。

「モーニング娘。」は「早安少女組」、「沢尻エリカ」は「沢尻絵里香」、「長澤まさみ」は「長澤正美」というように、かな交じりの日本の固有名詞はいつの間にか勝手に漢字化されて、本人の意図に関わらず定番化されてしまいます。
東京ミッドタウンの場合、全中国向けのテレビニュースで「東京中心城」と漢字化されてしまったわけですから、持ち主が「東京中城」と呼んでくれ、と願っても修正は利き難いでしょうね。

中国で「漢城」と呼ばれていた「ソウル」を韓国語の発音に近い「首尓」と呼んで貰うため、韓国政府とソウル市は莫大な労力とお金を費やしたと聞きます。
かな交じりのブランドをお持ちの皆さん、中国の人やメディアに勝手に漢字化されるのがお嫌ならば、自ら中国語表記も用意して、中国向けにPRしておいたほうが良いかもしれません。
[PR]
by pandanokuni | 2007-04-01 00:24 | ひまネタ