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中国:「バブルを崩壊させないために軍事力増強を」と主張する"論文"がネットで大ブレイク中!!
いま中国のネット上で話題を集めている"論文"があります。

『良き日を想い、中国人の破産を望まないために、ぜひ読んでいただきたいのです』(この転載が読みやすいと思います)

"詠み人知らず"の9,000文字を超えるこの長文は、張偉さんのブログの4月11日付『大衆心理が不動産市場に災いをもたらすことを心配する』と言うエントリーに4月12日に残されたコメントでした。コメントには「黒馬楽園」と言う怪しげなBBSからの転載であることが示されていましたが、"オリジナル"を見つけることができませんでした。政府批判も含まれているので、きっと本名は曝していないでしょう。ですから、"詠み人知らず"です。
ちなみに、張偉さんは山東省の泰安市で「中華泰山網」と言うどローカルなポータルサイトの編集長をされている方のようです。

『良き日を想い、中国人の破産を望まないために、ぜひ読んでいただきたいのです』と言う"論文"は、その後多くのブログやBBSに転載され(検索サイトで調べてみると2,000くらいにはなると推測されます)、或いはそのテキストファイルがメールで転送されるなどして、中国の30代前後の人たちに共感を持って読まれているようです。BBSではこの"論文"に関する議論が盛り上がっているところです。私にも中国の複数の知人からこの"論文"がメールで送られてきました。

「株で大儲けした、不動産で儲かった、などと喜んでいる人は、自分の墓穴を掘っているようなものです。」
と言う書き出しのこの論文を大雑把に要約すると以下のような内容です。
人民元の上昇についてはしゃいでいる中国人がたくさんいますが、アメリカのことを理解せずに喜ぶのは大間違いです。アメリカとの金融戦争は既に厳しい局面に入っているのです。
80年代末の日本のバブル崩壊、90年代末のアジア経済危機は、すべてアメリカ政府が引き起こしたものなのです。80年代後半の円高はアメリカの罠で、これが原因で日本は多くの財産を失うことになりました。アメリカは病みつきになって、10年後にアジア経済危機をも引き起こしたのです。
いまの中国の株価上昇も不動産の高騰もすべてアメリカの策略なのです。台湾海峡や中央アジアに目を奪われている間に、アメリカとの経済戦争は既に始まっているのです。戦争の目的は、敵国の資源を叩き潰して、敵国民を奴隷の如く酷使して搾取することなのです。ソ連の崩壊すらも、アメリカとの経済戦争の結果と考えても良いでしょう。

アメリカは中国に莫大な人民元の発行をせまり、バブルの崩壊を誘発しているのです。
人民元は中国国内資産と同等の価値だけあれば充分なのに、悪意を持った外国投資ファウンドのために、既に10.6兆RMB(1.36兆US$、約160兆円)も余計に人民元を発行しています。人民元が15%上昇すれば、奴らは2,000億US$(約24兆円)儲かる計算なのです。
いっぽう、人民元が上昇すれば1RMB(約16円)のものが0.8RMB(約13円)で手に入れられるハズなのに、実際は給料以外のすべてが値上がりしています。北京、上海など大都市部での物価上昇は決して偶然ではなく、不動産バブルがインフレを招いている証拠なのです。住宅の購入費は、世界平均が年収の5倍であるのに、中国都市部は10倍もするのです。
かつて外国人が中国でマネーロンダリングしていたのに、今や金を儲けた中国人が海外でマネーロンダリングしていますが、そんな状況に浮かれていて良いのでしょうか?

中国の指導者の対応はうまくできていません。中央政府がバブルをソフトランディングへと導くことは無理です。このままでは、外国資本の攻撃によって、中国経済は崩壊します。

国際環境は一層悪化・複雑化しています。中国はまず軍事戦と経済戦争の準備を進めるべきです。
人類の歴史上、戦争によって他国の財産を奪い取るということはよくある話です。中国人民の財産を守り、いずれ怒りうる軍事衝突に備えるため、中国は、陸・海・空、そして宇宙の軍備を増強すべきです。宇宙の非軍事化など、そもそも絵空事に過ぎないのですから。
現状では、軍事戦争に代わって経済戦争が、他国の財産を奪い取るための手段になっています。1997年のアジア経済危機がまさにそうでしょう。中国の政府と人民はこのことを忘れてはならないのです。既に外資は伏兵を中国に送り込んでいます。彼ら、つまりアメリカが中国の扉を押し開き、人民元を掲げて暴利を貪ろうとしているのです。

原文は具体的な事例や数値データを盛り込んで、説得力のある文章になっています。
そして、以下の文章で締めくくられています。
つまり、中国は苦しみを怖れてはならないのです。そして死をも怖れない強大な陸・海・空、そして宇宙の軍隊を整備して、戦争に備えなければなりません。
同時に国家を熱愛し、国際的な視野を持ち、金融のグローバル・スタンダードを熟知し、これらを「無敵軍隊」として経済戦争に立ち向かっていかなければなりません。
そうしてこそ、中国の安全と人民の財産を守ることができるのです。
良き日を想い、中国人の破産を望まないために、この文を最後まで読んでいただきたいのです。そして、バブルに浮かれる人民がすぐに目覚めるようにネットを通じて多くの人々に伝えられることを望んでいます。

バブルに踊らされてる人たちが30代中心だとすると、この"論文"に踊らされているのは20代後半が中心のようで、この間まで"抗日"(反日)で踊らされていた年代よりはちょいと"大人"という感じがします。
この論文やそれに対するコメントをみる限り、敵はすっかりアメリカになってしまいました。日本は他のアジア諸国とともに、アメリカの経済侵略の犠牲者と言う論調です。まぁ、日本はアメリカに打ちのめされたけど中国なら大丈夫、と言う"驕り"や中国が日本やアジア諸国に代わってアメリカをやっつけてやる、と言う"覇権主義"的な思想回路は健在のようですが....。
それにしても、経済戦争に関する"論文"の結論が、軍事力増強と言うのは、いかにも中国っぽい感じですね。
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by pandanokuni | 2007-05-27 11:22 | 社会ネタ
祝・打上げ成功!?「アフリカはウチのもの」(by 中国).....かなぁ。
2週間ほど中国でホテル暮らしなので、いろんな国のテレビニュースが楽しめます。

韓国のKBSニュースはここ二三日、中国船による当て逃げのニュースに青筋立ててましたね。
韓国人7人を含む船員16人が乗り組む韓国の貨物船が、中国海域で中国の貨物船と衝突・沈没し、船員全員が行方不明となった。中国海事当局は、警備艇や航空機などを動員し、二日にわたる捜索作業を行ったが、行方不明者を発見することはできなかった。(朝鮮日報Web)
つまり、韓国の貨物船と中国のコンテナ船と衝突して、韓国の貨物船が沈没して16人が行方不明になったという事件なのですが、中国のコンテナ船には大きな被害が無く、自力で大連港に入港してからようやく事故の報告をしたそうなのです。中国による"当て逃げ"です。中国のコンテナ船にも衝突の認識はあったらしいのですが、救助活動を行うでもなく、そそくさと立ち去ってしまったことに、韓国メディアは怒っているようです。
キャンキャン吼えてる韓国側に対し、中国メディアは当然黙殺!!

そのころ、中国CCTVニュースでは、海の話ではなく宇宙の話で盛り上がっていました。
中国国営新華社通信によると、中国は14日、四川省の西昌衛星発射センターから、ナイジェリア向け通信衛星「ナイジェリア通信衛星1号」を長征3号Bロケットで打ち上げ、軌道に乗せることに成功した。中国が外国から衛星及びロケット本体を受注し発射まで請け負ったのは初めて。今後、アフリカなど途上国を軸に衛星発射の受注を拡大させるとみられる。(Fuji Sankei Business i)
中国がナイジェリアの通信衛星を打ち上げた、と言うお話。4年前に有人宇宙飛行にも成功してしまった中国ですが、その宇宙技術を商業的・平和的に使用し成功した、と言うストーリーではあります。まぁ、なかなか自前のロケットをうまく飛ばせない日本人がどうこう言う資格があるのかわかりませんが、中国のアフリカ・トラップがぷんぷん匂ってくる、平和利用とはちょい違った裏ストーリーも読み取らなければなりません。
アメリカが人権問題とか云々炬燵を並べている間に、中国がどんどんアフリカ諸国を取り込んでしまっているわけです。ナイジェリアにしても民族紛争が絶えなかったわけで、そうこう言っているアメリカにしても石油目当てに人権蹂躙政府に武器などを提供してきたのです。中国は衛星打ち上げ代行という"平和的な手段"でアフリカの資源を根こそぎ持っていこうとしているのかも知れません。アフリカ開発銀行の総会もなぜか上海で開かれているようですし....
「アフリカはもうウチのもの」と言う中国政権の本音が聞こえてきそうなロケット発射の報道ではありました。
日本も莫大な費用がかかるロケットの自主開発など止めにして、衛星打ち上げをアウトソーシングしたほうがコストを抑えることができるハズです。でも、たいした資源が無いから、中国が受注してくれないかぁ.....。

台湾の軍事演習(時事ドットコム)のことは、CCTVニュースではやっていなかったようですが、上海の東方衛視のニュースが脳天気に取り上げていました
NHKニュースでは確か「来年の総統選挙に向けて、陳水扁政権が台湾の人たちに中国の脅威を煽る目的」などと解説していましたが、東方衛視ニュースではもちろんそんなコメント無し。高速道路を使って離着陸する戦闘機の名前を丁寧に紹介する、軍事オタク向けのトピックに仕上がっておりました。

P.S. この記事を書くにあたって、Googleの日本サイトから「神舟 有人」で検索しようとしたら、いきなりシャット・アウトされてしまいました(Googleの日本サイトにアクセスできない状態になりました).....。30分経ったいまも"google.co.jp"は私のPCからアク禁状態です....。なんか気に障ったかなぁ!?
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by pandanokuni | 2007-05-16 21:49 | 社会ネタ
乱射事件の犯人は中国人??中国人も自虐的!?
4月17日の朝、出張先・北京のホテルで見たテレビニュースで、米バージニア工科大学乱射事件のことを知りました。CNNとかNHKワールドでは、犯人も自殺した模様、としか報道していませんでした。
ところが、オフィスに行くと、北京の現地スタッフが、「アメリカの大学の乱射事件のこと知ってますか?犯人は中国人みたいですよ。」と言うのです。さもありなん、とは思いつつ、何で?と尋ねると、すでにネットでそのように報道されているらしい....。

あとで調べてみると、北京時間4月17日午前9時の時点で、中国の複数のニュースサイトのが、"犯人=中国人留学生説"を報道したようです。アメリカの捜査当局が、"犯人と思われる東洋系の学生は自殺した"と発表した直後のことでしょう。
捜査当局によると、犯人は留学ビザでアメリカに渡航した24歳の中国人で、ビザは上海のアメリカ領事館が発行した模様。現在、出国記録を照合中.....なんてニュースが、中国を駆け巡ったのです。
中国青年報によると、"犯人=中国人留学生説"を最初に報道したのは、中国新聞網(中新網)/だったようです。
そして、捜査当局により韓国人犯人説が発表された4月17日夜10時まで、中国のニュースサイトでは「史上最悪」「大学内大虐殺」「中国人留学生」「どうなる中米関係」などなど、センセーショナルなニュースが掲載されていきました。

まぁ一部の日本人は凶悪事件が発生して犯人が中国人だったりすると、さもありなん、と感じたりするのですが、意外に中国人自身もそうだったりするのかぁ、などと思ってしまいました。日本人は過去の歴史などで中国人などに対して自虐的だなどとおっしゃる方もいらっしゃいますが、その中国人も自虐的だったりするのかぁ、と。

ところが、"犯人=中国人留学生説"は、一部のニュースサイトによるページ・ビュー(閲読数)を増やすための策略だった、らしいのです。
中国にはたくさんのニュースサイトがあり、主として広告収入により運営されています。ページ・ビュー(閲読数)が多いサイトほど、広告は高く売れるわけです。ですから、センセーショナルなニュースを掲載して、読者を集めよう、と言う魂胆との批判が始まったのです。
結局、"犯人=中国人留学生説"は、誤報(というよりはでっち上げ)だったわけで、「クリック数より信頼こそ大事」(光明日報のサイト)などと、非ネット系のメディアが一斉に批難を始めました。"中華人民共和国電信条例"まで持ち出して、「ネットメディアも社会的・法律的責任を全うしなければならない」、「嘘つきニュースで人々は憤慨」(人民網=中国青年報の引用)などと、ニュースサイトに押され発行部数を落としている新聞系メディアはここぞとばかりの反撃です。

ちなみに4月17日午前"、犯人=中国人留学生説"がニュースサイトに掲載されるや、ケータイのショートメールのトラフィックも増大したそうです。たくさんの中国人がこの"嘘つきニュース"を友達などに転送したのでしょう。もしかしたら、ケータイ・キャリアもグルだったのかなぁ....
まわりの中国人に聞く限り、「ええっ、まさか中国人がぁ...」と言う気持ちよりも、「あいやー、やっぱ中国人かぁ」と言う気持ちで受け取った人が多かったようです。
そうした、中国人の自虐的性格を利用したニュースサイトとケータイ・キャリアによるトラフィック拡大作戦だったのかもしれません.....。
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by pandanokuni | 2007-04-20 19:41 | 社会ネタ
入出国審査も「サービス、サービス!」 <--葛城ミサトの予告編風。

b0047829_16164836.jpgどんなに海外に行き馴れた方でも、入国審査はちょいと緊張する瞬間ではないでしょうか?
長時間のフライトで疲れているのに、長い行列で待たされて、無愛想な審査官にとことん顔を見つめられて....。パスポートやビザに不都合が無いと確信していても、何かイチャモンでもつけられたらヤだなぁ、なんて思いながら通過する入国審査なのではないでしょうか?まして、共産党独裁政権のお国となれば、なおさら緊張は高まるでしょう。さんざん待たされた挙句、意味不明の中国語で怒鳴りつけられでもしたら、たまったものではありません。

ところが、北京空港(北京首都国際空港)の入国審査は意外にもハートフルです。
「中国公民」と書かれた中国のパスポート所持者とそれ以外の外国人のブースは一応区別されています。到着便にもよりますが、中国人向けブースがガラガラであるにも拘わらず、外国人ブースの前に長い列ができることがあります。そんなときには中国人向けブースの審査官が、行列中の外国人においでおいでと手招きをしてくれたりします。
成田なんかでは、Japanese Passport所持者だけが特権階級であるのではと勘違いするくらい、外国人の行列だけが長々と続くことがありますよね。

最近、入出国審査のブースの前に、怪しげな"4つの押しボタン付き装置"が設置されました(写真の赤矢印部分)。4つのボタンにはそれぞれ、"とても満足"、"満足"、"ふつー"、"待たせ過ぎ"と表記されています。中国語のみと言うところが、あと一歩なのですが、それぞれにニコちゃんマークみたいなイラストが添えてあり、笑っている表情から怒っている表情への4段階変化で、中国語を読めない人たちでも、だいたいの意味は理解できるようになっています。

この"4つの押しボタン付き装置"は、利用者が入出国審査官のサービスについて直接投票するアンケート・システムなのです。ちなみに、出国審査ブース上の電光掲示板には「出国審査官の働きぶりを、ぜひ評価してください」と英語と中国語で表示されています。
入国審査のときも、出国審査のときも、手続きが終わりパスポートなどを返してもらった際に、この"4つの押しボタン付き装置"がピカピカ光りだします。審査官のサービスにとても満足でしたら、"とても満足"のボタンを押してから通過する、と言う仕組みです。4つの押しボタンの上には6桁の数字がデジタル表示されるようになっていて、投票のたびに数字が変化するようですが、この数値が何を表わしているのかは不明です(きっと審査官それぞれの"得点"なのかもしれません)。


b0047829_16181191.jpg北京空港のパスポート・コントロール(入出国審査)は公安部(日本で言えば、警察庁みたいなところ)が行っています。つまり、入出国の審査官は警察官なのです。こうした警察官のサービス態度を、利用者に評価してもらおうという試みは、画期的だと思います。
同じ国でも内陸部の農村地帯では、横柄な態度をとるお役人に対する住民の不満が連日のように爆発していて、そろそろヤバイ状態だ、と伝えているメディアがたくさんあります。
そうしたイメージを抱いて中国にやって来る外国人に、入国審査のお役人が利用者の下僕のようにサービスを提供し、利用者によって評価される、と言う状況を見せてあげよう、と言う魂胆なのでしょうか?
或いは、オリンピック開催まで1年ちょっとと言うのに、高まらない北京市民のサービス意識を、"まず隗から始めよ"と言うことで、足元の警察官からサービス向上運動を始めたのでしょうか?
ちょっと意図不明なのですが、"4つの押しボタン付き装置"はそこそこに、サービス向上効果をもたらしてはいるようです。

とは言え、審査官の目の前でボタンを押すわけです。"待たせ過ぎ"みたいなネガティブな評価をした途端に、パスポートを取り上げられ、別室に連行されて拷問にかけられる、みたいな結末も想像できなくも無いわけで、このシステムによるサービスの評価はかなりのバイアスがかかっているに違いは無いでしょう。
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by pandanokuni | 2007-04-10 16:18 | 社会ネタ
百度(Baidu)、秘かに日本語版サービス開始。画像検索は使える!!
中国国産の(?)中国のNo.1検索サイトで全世界での利用数第4位のウェブサイトでもある"百度(Baidu)"日本語ベータ版のサービスを開始していました。

実はこの"百度(Baidu)"、2006年12月に日本進出を発表したとたん日本のネット関係者から大きな顰蹙を買ってしまったのです。何も、日本のポータルサイトが"百度(Baidu)"を脅威に感じたから、というわけではありません。日本語のウェブサイトに、マナー違反のクローラ攻撃を仕掛けてしまったからです。
日本語サービスを開始するためには、日本語のウェブサイトの情報を収集し分析する必要があるわけで、そのためにはたくさんのコンピュータがたくさんのウェブサイトにアクセスしなければなりません。2006年の秋くらいから、"百度(Baidu)"のSpider(情報収集エージェント)からと思われるアクセスが急増し、ネット上のトラフィック(交通量)が増え、またたくさんのウェブサイトのサーバーに負担がかかってしまいました。
日本語版サービス開始を急ぐあまり、まるで中国からのサイバーテロみたいな状況になったわけで、日本のネット関係者からたくさんの苦情が寄せられるや、"百度(Baidu)"は「日本のインターネット業界におけるルールに従い、このようなことが二度とないように努めていく」という日本法人代表の"お詫び文"を同社サイトに掲載、アクセスの集中を防ぐための対策を合わせて発表したのでした。

日本でのデビュー前から、さっそくやらかしてしまった"百度(Baidu)"でしたが、今週あたりから秘かにベータ版のサービスを開始していました。現時点では、ウェブ検索と画像検索のみですが、何はともあれ、さっそく中国国内では満足できる結果が得られにくい検索ワードを使って試してみることにしました。
『天安門事件』
中国語版で検索すると、1976年4月5日の事件がトップ表示されます。日本人の多くにとって馴染み深い1989年6月4日の戦車登場バージョンの説明サイトも一応第4位で表示されました(日本からのアクセスだからでしょうか!?)。
さて、日本語版ではWikipediaの"六四天安門事件"(1989年バージョン)がトップ表示されました。これはGoogle(日本語版)の検索結果と一致しています。"百度(Baidu)"の検索結果1ページ目の10件はすべて1989年バージョンに関するサイトでした。
『法輪功 弾圧』
この検索結果は自虐的でした。トップ表示は「宗教思想を弾圧する共産主義国家中国」ですもの!!皮肉にも自らの国家がこんな風に言われているサイトを紹介してしまっているわけです....。
いくつかの濃い検索ワードで試してみましたが、現在公開中の日本語ベータ版には、いまのところ中国当局への気配りはなされていないようです。この先、どうなるかが楽しみではあります。

さて、画像版のほうはいまがご利用のチャンスと言えるでしょう。GoogleやYahoo!では探し物がなかなか見つからなかった皆さんはぜひ試していただきたいと思います。グラビア・アイドルの写真なんかを集めるときには威力を発揮するはずです。
例えば、"沢尻エリカ"で大きな画像を検索すると、"百度(Baidu)"画像のほうは、かなりマッチした画像が、再検索無しで43ページまで表示されます。しかも、濃~いアイコラ画像なども散りばめられています。
いっぽうのGoogle イメージのほうは2ページ分、再検索をかけても6ページ分までしか表示されません。
"百度(Baidu)"のほうには、まだ著作権関係者からの圧力がかかっていないのでしょう。アイドル、タレント、著名人、キャラクターなどのイメージをゲットするには、いまのところ"百度(Baidu)"画像がお勧めといえるでしょう....。

"百度(Baidu)"は日本でのパートナー企業を探しているそうです。どんな企業が名乗りを挙げるのか、ちょっと楽しみではあります。
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by pandanokuni | 2007-03-21 19:54 | 社会ネタ
イチロー(=日興コーディアル)+松井秀喜(ミサワホーム)でもホリエモン(ライブドア)にはかなわん、かぁ。
日興コーディアル証券に"不適切な会計処理"があったとして、証券取引等監視委員会は金融庁に5億円の課徴金納付を命じるように勧告したそうです。これを受けて東京証券取引所は明日から、日興コーディアルの株式を監理ポストに割り当てることにしたそうです。つまり、"上場廃止"の可能性も出てきたということです。
日興は05年3月期に本来は連結すべきグループ会社を決算から外し、利益をかさ上げした疑いがもたれているそうです(NIKKEI NET)。

連結決算の際に相殺しなければならない、子会社(日興プリンスパル・インベストメンツ株式会社)と孫会社(NPIホールディングス株式会社)間の取り引きを相殺せずに、子会社側の売上利益のみを計上していたようです。05年3月期の連結純利益は、当初発表していた469億円から351億円に概算修正することになり、結果として1年間の純利益で118億円の粉飾ということになります。
財務処理には精通しているはずの証券会社ですから、ちょいと、うっかりミスとは思い難い感じがします。ちなみに、当時の監査法人は中央青山だったようです....。
平成17年3月期の中間および期末に計上したEB債の評価益は、不適正であったとの結論に至りました(日興コーディアルグループWeb)」そうですが、『改善策』として発表されたのは、「経営責任の明確化」。いままでは、明確でなかったのでしょう....。このくらい大きな会社ですと、会長や社長は「知らなかった」で通ることになるのでしょうか?ちなみに、会長・社長は減給50%を6ヶ月で、課徴金(5億円)は経営陣が負担の模様。

いっぽうミサワホームのほうは、連結子会社であるミサワホーム九州株式会社の売上計上時期に絡む問題です。過去5年間に渡って商品(住宅)を引き渡しする前に売上を計上していた、ということで、5年間の純利益では17億円の粉飾、単純平均すると1年あたり3.3億円くらいになります。
ミサワホーム九州はこうした粉飾操作を行わないと、債務超過に陥っていたようので、かなり積極的に売上を前倒ししていた可能性が高いのでしょう。

さて、粉飾決算とか不適切な会計処理といえば、ライブドア事件を想起される方も多いのではないでしょうか?証券取引等監査委員会が指導とか勧告とかするでもなく、いきなり検察とともに強制捜査を行い関係者を逮捕。テレビを中心とする大衆メディアは多くの時間を割いて報道しました。
ところが、日興コーディアルの事件をテレビ・メディアはほぼ黙殺しています。この事件、雑誌では『東洋経済』あたりが予告して、日本経済新聞社が16日に1面で報道しました。日経が第一報を休日に選んだのは、株式市場への影響を考えてのことでしょう。それほど、大きな問題であるはずなのに、私の知る限り、いまのところテレビではNHKとテレビ東京が18日の日中のニュースで取り上げたくらいで、夜のニュース番組では報道されていません。
むしろ、財界の大物に嫌われているのかミサワホームの問題のほうは、週末のテレビニュースで結構取り上げられていた感じです。
大手証券会社と住宅建設会社、不適切な会計処理の金額の大きさ、どちらをとっても、日興コーディアルの事件のほうが、社会的影響力が大きいように思えるのですが....。ちなみに、現時点ではミサワホームの株式を監理ポストに割当てるような発表も無いようですし。

こう考えると、ライブドアのときの捜査手法や報道姿勢がいかにも特別に思えてきませんか?私は本ブログでライブドア強制捜査についてネガティブな意見をエントリーし、随分ご意見もいただきました(「ライブドアを中国語では"ホリえもん"と言うんだぁ....」/「ライブドア強制捜査。日本にとって吉と出るか凶と出るか?」)/日本におけるlivedoor叩き報道と中国における江沢民路線賞賛報道)。
上述のようにライブドア事件をまとめるなら、最終的にホリエモンの起訴事実とされているのは、投資事業組合を利用して自社株売却益37億円を売上利益として計上した問題と、子会社にする前の会社の売上利益を計上し53億円を粉飾した問題)。前者に関しては会計処理の専門家でも"不適切"といえるのか意見が分かれるくらいビミョーな問題のようです。あれだけメディアが大騒ぎしたのは社会的注目度が大きい企業と代表者だからかもしれませんし、堀江さんに大衆メディアを積極的に利用する意図があったのかもしれません。だとしても、社会的注目度を大きくしたのはキミたち大衆メディアではないか、と思いたくもなります。
"市場の規律保持のために、機動的な追及ができる"と言う証券等取引監視委員会が金融庁への勧告などの行政手続きを行えるようになったのは2005年4月から。刑事事件として告発するほど"悪質ではない案件"は行政手続きで処理できるというルールらしい....。"社会的注目度"は別として、"社会的責任"はライブドアよりも日興コーディアルのほうが大きいように思えてしまうのですが、刑事事件として追及されず"担当者のミス"ということで済んでしまうのであれば、株価が一時的に落ち込み経営陣が5億円の課徴金を割り勘で負担しなければならないとしても、やはりライブドアやホリエモンへの捜査当局やメディアの対応に違和感を覚えざるを得ません。

日興コーディアルのテレビCMにはイチローが、ミサワホームのテレビCMには松井秀喜が出演しています。まぁ、お二人とも社会的注目度は大きいはずなのですが、やっぱホリエモンにはかなわなかったのでしょうか....。
やっぱ西欧のように、企業や政府とメディアとの間に緩衝地帯を設けなければ、日本の民主主義は成熟していかないのではないか、などと思いつつ、受け手の大半が"制限付き"ということを認識してメディアと接している中国のことを懐かしく思ったりもしてしまいます....。
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by pandanokuni | 2006-12-19 01:16 | 社会ネタ
実名報道:タウンミーティングの"請負業者"は電通と朝日広告社です。
中国ネタではないのですが、国会で取り上げられるようになり、ようやくテレビや新聞などのメディアでも騒がれ出した「タウンミーティング」について、取り上げてみたいと思います。
質問者への謝礼、常識はずれなハイヤー手配、破格の"調整費"など、良識的な日本国民にとっては、驚くべき実態が次々と国会で暴露されているわけですが、小泉さんの発案で2001年にタウンミーティングが始まった当初から、一部の雑誌では、「無駄遣い」と言う論調で報道されてきたと思いますし、その後は当時長野県知事だった田中康夫さんなんかがタウンミーティングの運営に関わっていた「電通」を名指しで批判したり、"左巻き"と言われている週刊誌が電通を対象とした"総力特集"のシリーズでタウンミーティングの実態に触れたりしていて、多くのメディや広告業界関係者にとっては、"いまさらの既報"と言う感があります。最近になって、テレビや新聞で大きく報道され始めたのは、国会で取り上げられたからであって、なんともお粗末な日本の大衆メディアの実態をまたも曝け出したと言う感じではないでしょうか。

でもフツーの国民は不思議に思わないのでしょうか?????
テレビや新聞では毎日のように「タウンミーティングは"大手広告代理店"が運営を行ってきた」と報道していて、その"請負業者"のハチャメチャ振りが毎日のように明らかにされているにも拘らず、私が知る限り、テレビや新聞では、その「大手広告代理店」が実名で報道されていないのです。
良心的に考えるなら、タウンミーティングの"請負業者"は、いまのところ刑事訴追の対象などにはなっていないので、実名報道しないのかもしれません。開始年度の2001年こそ"随意契約"だったものの、2002年度以降は”競争入札"により"請負業者"が決まったわけです。問題になっている費用の内訳も、発注者である内閣府が納得したうえでの受注と言うことになりそうですから、"常識ハズレの見積金額"であっても違法性は非常に少ないのでしょう。
とまれ、耐震強度偽造問題から地方自治体の談合疑惑に至るまで、警察や検察が"正式発表"する前に、疑惑の当事者を競って実名報道してきたテレビや新聞が、タウンミーティングの"請負業者"については、こぞって「大手広告代理店」で通すのは、ちょいと違和感があるのではないでしょうか。しかも、国会では"請負業者"の実名が明らかになっているのですよ....。

11月14日の衆議院教育基本法特別委員会で、社会党の保坂展人議員の質問に対して、内閣府大臣官房官房長の山本信一郎さんが、各年度ごとの実施費用と"請負業者"について実名で答弁しているのです(衆議院テレビ)。
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開始年度である2001年は当然「電通」です。"随意契約"というのも、建前としては電通がタウンミーティングと言う企画そのものを内閣府に売り込んだことになるのですから、わかり易いわけです。その後は競争入札となり、2002年の前半に朝日広告社が受注しましたが、2003年には電通が返り咲きました。2004年以降は今年も含めて、朝日広告社が受注しています。
注目していただきたいのが「1回当たりの実施単価」です。地方自治体や大学祭などとの"共催"も含まれますし(上表ではカッコで表示)、地域やテーマによって実施規模も異なりますので、一概に比較するのも何ですが、敢えて単純比較してみると、電通が受注した2001年と2003年がヤケに高額であることがお分かりになると思います。
2001年度にはこのイベントのプロデューサーである電通の担当"局次長"の1日あたりのフィーが10万円で請求されていたそうです。さすが高給取りの電通です(推定年収からするとべらぼうなフィーとは言えないのです)。静岡のハイヤーは2005年ですから朝日広告社の手配と言うことになりますが、広告会社のお仕事なんて"こんなもん"なのです....。

ご存知の通り、電通は日本のほとんどの大企業の広告をテレビ局や新聞社に"取り次いで"います。テレビ・キー局の皆さんが高給取りで居れるのも、電通が広告費をしっかり集めてくれるからなのです。ニュース番組が成り立つのも、電通が6割以上のスポンサーを"取り次いで"居るからなのです。『ニュースステーション』の最初の1時間なんて、全部電通が集めたスポンサーのコマーシャルが流れているのです。
新聞だって似たようなものです。販売収入があるから広告主の影響を受けにくい、なんておっしゃる方もいらっしゃいますが、いまや広告収入への依存度のほうが大きいのです。そして、やはり電通がたくさんの広告主を"取り次いで"くれているのです。
そんなわけですから、国会で「電通」の名前が出たとしても、テレビや新聞では「大手広告代理店」にせざるを得ないんでしょう...。

ちなみに「朝日広告社」は、社名が示すとおり朝日新聞社と緊密な関係にあります。資本関係はほとんど無いようですが、朝日広告社の"偉い人"には朝日新聞社からの"天下り"の方が多いですし、電通ほどではないにせよ朝日広告社は朝日新聞にたくさんの広告を"取り次いで"います。朝日新聞にしても「朝日広告社がわざわざ東京からハイヤーを手配した」なんて、書きにくいのでしょう。

そんなわけで、テレビや新聞は「大手広告会社が請け負ったタウンミーティング」と言う伝え方をしているようなのですが、いつまで押し通すことができるのでしょうかね?
『広告減「ナゾだ」 民放テレビ首かしげる』(J-CAST)らしいのですが、謎でも何でも無いでしょう。テレビ局の広告収入が落ち込んでいるのです。「ネット広告の影響は"想定内"」とテレビ局の方はおっしゃっているらしいのですが、あまりにも楽観的過ぎるような気がしますね。貸金業法が改正されると、いままで一番の稼ぎ頭と言っても良かった「消費者金融」の広告、大ダメージでしょ。少なからない日本の大企業の皆さんも、「大手広告代理店」の"常識ハズレのお見積"を精査する必要があるかもしれませんし....。イベント運営の費用もさることながら、日本のテレビや新聞の広告料金は「大手広告代理店」のお力で"高値"を維持してきたわけですから。業界総談合体質の古き日本の広告システムから、「一抜けたぁ」と名乗りを上げる良心的な広告主も、ボチボチ登場することでしょう。

(注)タウンミーティング調査委員会による11月27日の報告によると、2001年度前期の1回当たりの運営費は2,185万円とのことです。上表の開催回数はタウンミーティングのHPから数えたものです。
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by pandanokuni | 2006-12-02 05:51 | 社会ネタ
これぞ『和諧社会』!?娘と妻とメディアが支える夫の性転換手術。
北京に住んでいた頃には、さほど気に掛けてなかった中国の社会ネタですが、日本で勝手に深読みすると面白いものですね.....。


b0047829_16584374.jpg「父親の性転換手術に付き添う娘」(CCTV.com=瀋陽晩報より)
ひと月ほど前、瀋陽の杏林美容整形病院に二人連れの不可解な患者がやってきました。22歳の娘が父親の性転換手術をお願いしに来たのです。チェンさんという、この49歳のは瀋陽郊外で農業をしながら、妻と娘二人で暮らしていました。
チェンさんは幼い頃から男性と一緒にいることが苦手でした。いまの奥さんとフツーに結婚し、二人の娘をもうけました。奥さんが三人目を妊娠したときに検査で男児と分かったのですが、チェンさんは「男の子は嫌だ!!」と奥さんに泣きつき堕胎したそうです。
その後、チェンさんの話し方はどんどんオンナっぽくなっていき、オンナ物の服や化粧品を好むようになり、銭湯の男風呂に入るのが恥ずかしくて嫌になり、夫婦の性生活もなくなってしまいました。
「オンナになりたい」と願うようになった夫に、奥さんは冷たく当たりました。いたたまれなくなったチェンさんは首吊り自殺を試みます。本気としか思えない夫の行動に、奥さんも夫のことを理解してあげられるようになりました。外で働く奥さんを洗濯や食事の準備をして待っているオバサン姿の夫を奥さんは「お姉さん」と呼ぶようになり、二人の娘たちもこうした生活を受け入れられるようになりました。
娘が成長するにつれ、チェンさんは他の人に知れたら白い眼で見られかねない自分の境遇を嘆くことが多くなり、「早く本当のオンナになりたい」と思い詰めるようになりました。そして、遂には"猫いらず"を飲んで二度目の自殺を図ったのす。絶望の渕にあったチェンさんに奥さんは「お姉さん、死んじゃダメよ。私や二人の娘はどうなるの?」と励ましたのです。
気を取り直したチェンさんは、「これはもう性転換手術を受けて、本当のオンナになるしかない」と決意しました。「手術してオンナになってからも、私を妹として一生大切にしてくれるなら...」と奥さんも同意。家を担保に銀行から手術費用を借金して、下の娘とともに病院にやってきたのです。
日本なら"ワイドショー"のひまネタでしょうが、この話題、中国の大衆向けの夕刊紙だけではなく、"権威ある"CCTVや新華社通信までが大きく取り上げているからちょっと不思議です。


b0047829_1659190.jpgちなみに、新華社のウェブサイトの見出し「ママが離婚しなくて済むように、パパを性転換手術に連れて行く娘」
記事では、家庭の調和を保つために性転換手術に理解を示した家族を称えいます。「30年も連れ添った妻と離婚したくは無かったから」と性転換の理由を語るチェンさんって????とか思っちゃうのですが、娘たちとも友達関係で居られるようですし、めでたしめでたし、と言った感じです。
さすがに「法律的にはバツが悪い」と言う弁護士の見解も載せてありますが、「性転換は社会を混乱させるものではない」と言う社会学者のコメントも載せてあり、非常に好意的な記事になっています。

2年前、胡錦濤さんは『和諧社会』(参考:現代中国ライブラリィ)というスローガンを打ち出しました。「和諧」は「調和のとれた」くらいの意味です。素直に解釈するなら、経済的格差(貧富の差)が縮まれば調和のとれた社会になっていきますし、お役人さんが賄賂で私腹を肥やすことなく人民のためにきちんとサービスを提供すれば調和のとれた社会になっていく、と言うことでしょう。「様々な矛盾により生じた問題を解決し、築かれた安定した社会」が『和諧社会』なのです。
陳良宇さんが"お縄"になってから『和諧社会』というこのスローガンがいっそう声高に叫ばれるようになった感じを受けます。10月中旬に開催された中国共産党第16期中央委員会第6回全体会議(第16期6中全会)では、「中国共産党中央委員会の社会主義調和社会の建設に関する若干の重大問題についての決定」を採択しました。"上海閥駆逐"とともに、自分の提唱するスローガンの浸透を図ろうとする胡錦濤さんの攻めの姿勢を感じてしまいます。

こうした政治力学のコンテクストで拡大解釈すると、性転換のこのニュースさえも『和諧社会』建設運動の一環として活用されているのではないか、などと疑いたくなってしまいます。
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by pandanokuni | 2006-11-16 16:59 | 社会ネタ
犬のために命を賭けて(!?)戦う人、犬に噛まれる人、犬を食べちゃう人。
北京で犬を飼う場合、警察に申請して登録しなければなりません。そのときに、登録料を支払わなければなりません。いまは1,000RMBほどですが、5年前は5,000RMBを一括払いしなければなりませんでした。その頃の四大卒の初任給の3倍から4倍ですから、日本の感覚だと70万円から100万円を用意しなければ、合法的に犬を飼うことができなかったわけです。

犬を飼うための登録料が5,000RMBだった頃の映画『わが家の犬は世界一』をご紹介しようと思います。
ことし最も注目された中国映画でありながら、公開後の評判が芳しくない章子怡(チャン・ツィイー)主演の『夜宴』を監督した馮小剛さんが製作総指揮、路学長さんが監督した、2003年のベルリン国際映画祭正式出品作品です。
b0047829_1858428.jpg反抗期の息子と決して仲睦まじいとは言えないその両親。父親は工場勤務で、怪しげな関係のバツイチ女性から子犬を貰い飼うことになりました。母親は中国では珍しく専業主婦で、夜勤の多い夫に代わって愛犬"カーラ"のお散歩はいつも母親の役目。夫の愛人っぽい女性がくれた犬だけど、やっぱ可愛くなっちゃいます。
夜の公園は愛犬を散歩する人たちで賑わっていたのですが、突然警察が取り締まりにやってきました。登録証の無い犬は有無を言わさず派出所に収監されてしまいました。カーラの飼い主は警察の手から逃げ延びようと試みましたが、最後には"御用"となってしまいました。翌日の午後4時まで登録証を用意しなければ、カーラは郊外の強制収用所に連れて行かれ"処分"されてしまうのです。
あとはバラバラだった家族がカーラを救い出すためにバラバラに奮闘すると言うお話です。息子は警察官を父に持つ友人の"コネ"、父親はカーラの親犬の登録証の"不正利用"と中国っぽい手法で頑張るのですが、最後は母親の蓄えたへそくりがモノを言います。そして、意外な結末が待っているわけですが....。
張芸謀監督の『活きる』で波乱万丈の生涯を飄々と演じた葛優さんが父親役、『北京の自転車(十七歳的単車)』でイジメられっ子役だった李濱さんが息子役というキャスティングの妙が、見所の一つだと思います。

上述の通り、北京市の登録料は当時の1/5に引き下げられましたが(但し毎年更新料が必要となりました)、"違法飼い犬"の取り締まりは、一層厳しくなっているようです。
11日午後には、当局による"違法飼い犬"取締りに抗議する"愛犬家"たちが、北京動物園の前で集会を行ったそうです(『大紀元』のウェブサイト / Yomiuri Online)。"愛犬家"たちは、「生命を大切にしよう。動物を可愛がろう。"調和のある社会"をともに築こう。」「屠殺反対!!」などのプラカードやシュプレヒコールで、警戒中の警察隊と対峙したそうです。「体高制限反対!!」と言う主張も目立ったようです。北京では体の高さが35cmを越える大型犬は、登録の有無に関わらず、強制収容され屠殺されてしまうのだそうです((産経新聞中国総局・福島香織さんのブログ『北京趣聞博客』を参考にさせていただきました)。無許可の集会ですから、当局に逮捕・拘束される危険性もあったわけで、"愛犬"のため、まさに"命懸け"のアピールを行ったわけです。

当局が取り締まりを強化するのは、狂犬病と犬に噛まれる被害が無くならないからでしょう。1-10月までに北京市内で動物に噛まれた"被害者"は11万人を上回り、前年同期より28%も増えたとの報道もあります(11月8日北京晨報)。10人が狂犬病を発病し、うち9人が亡くなってしまったとか....。取締りをもっと強化して欲しいと願う市民も確かに多いと思います。きちんと登録して、狂犬病の予防接種も受けて、定期的に検査を行えば、少なくとも狂犬病の危険は経るのだと思います。体長35cmルールについてはどうも解せませんが.....。"愛犬家"による無届けの違法集会についての報道は当然スルーした中国のメディアですが、2日後、人民日報のニュースサイトが「犬の災いは人災だ」という記事でルールを守らず犬を飼い続ける"愛犬家"を非難しました。

いまから7~8年前になりますが、北京に住み始めた頃、近所の小汚い朝鮮料理屋で友人と食事をしていると、家族連れのお客さんが賑やかに入ってきました。母親と思われる中年の女性は少し大きめの紙袋を抱えていて、紙袋の口からは白い子犬が頭を出して、キャンキャンと鳴いていました。当時は、レストランにペットを連れてやってくる家族など珍しかったのですが、気取ったレストランでも無いので気になりませんでした。
私たちは当然その家族のペットだと思って、可愛い犬だなどと話しながら、その子犬の気を引こうとしてたのですが、席につくなりその子犬はレストランの店主の元に引き渡されてしまいました。まさか、とは思いましたが.....。
暫らくすると、家族連れのテーブルに鍋料理が運ばれてきました。その家族が食したのは「犬鍋」。愛くるしい子犬が持ち込んだ材料だったわけです....。
朝鮮族の方が比較的多い北京では朝鮮料理屋さんが結構あります。これからの寒い時期には「狗鍋」(犬鍋)を供するお店もあります。もちろん、東北地区の朝鮮族自治区ほどではありませんが、ご馳走として食べられてしまう"犬"もいまだにいるのです。

犬に噛まれて命を落とす人たち、愛犬のために当局を敵に回しても戦おうとする人たち、寒いときには身体の芯まで暖まると言う「犬鍋」を美味しそうに食する人たち、ほんと中国は多様なんですよ....。
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by pandanokuni | 2006-11-14 18:50 | 社会ネタ
【告知】ネット検閲に反対する24時間オンライン・デモンストレーション終了
フランス時間8日午前11時をもって、終了した模様です。
お疲れ様でした.....。
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by pandanokuni | 2006-11-08 20:36 | 社会ネタ