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あっと驚く、北京オリンピックに向けた"規制"一覧表。
北京オリンピックの開会まで1月を切りましたが、北京市民やオリンピック観戦者にとってははた迷惑な規制が着々と強化されています。
在中国日本大使館が、ご親切にもそうした規制を一覧表にまとめてらっしゃいますので、それをベースに突っ込みを入れてみましょう。

「環境オリンピック」と言ってるくらいですから、まずは環境関連から。

7月1日から排ガス基準を満たしていない北京市以外の自動車は乗り入れ禁止。
これまでは、排ガス基準を満たしていない自動車が、ワンサカ走っていた、ということでしょう。

7月20日以降の土木工事や作業は中止。
未だに建築中のビルとかあるんですが、どうするんでしょうね?
外観だけはきれいになるとは思います。あれは1999年、中華人民共和国の建国50周年を祝う式典や軍事パレードが天安門広場を貫く長安街と言う大通りで行われました。その長安街に面する東方広場は1999年当時建設中で、建国記念日の10月1日の半月前にはまだ骨組み状態でした。ところが10日も経たないうちに、外観だけは立派な建物が完成していたのです。当時、大したものだと感心しましたが、中味は空っぽだったそうです。ハリボテだったのです。
北京の工事現場で働く方の多くは、内陸部など経済発展が遅れている地方からの出稼ぎ労働者です。作業が中止されれば職を失うことになりますし、北京を追い出されることにもなります。この施策は環境対策だけではなく、治安維持対策も兼ねているのです。

排出基準を満たさない事業所は操業停止。セメント製造業は生産を一時中止。
ガソリンスタンド、印刷、家具生産など有機排ガスを基準以上に排出する事業所は操業中止。

やはり、普段はすごい排ガスを出している、と言うことなんでしょうね。これだけでは心配なのか、更に不可解な規制。

無風状態など汚染物質が拡散しない気象条件の場合は"応急の措置"を執る。
排出基準を満たさない事業所の操業停止だけでは不安なのでしょう。風が吹かなければ大気汚染は酷くなるので、すべての工場の操業をも止めてしまう腹積もりなのでしょう。それにしても、汚染物質は風で"拡散"させてしまうものだと、考えているのでしょうか。

お次は北京名物の交通渋滞関連の規制。もちろん、その一部は環境対策にもつながるでしょう。

7月20日以降、北京市内を走行できる車両をナンバープレートの奇数・偶数で制限。
お金持ちの方は、奇数と偶数のナンバーの自動車を用意したそうです。

貨物輸送車両は六環路(第6環状道路)より北京市内に入れない。
その六環路の外側に、貨物デポ(集配センター)を用意して、生鮮食料品を含むあらゆる物資を小分けにして市内に搬入させ楊としているのですが、物流のボトルネック出現に、北京の物価は急上昇。市民の不満は高まるばかりです。

北京市内の幹線道路には"オリンピックレーン"を設置。通行証が無ければ走行できない。
きっとオリンピック関係者じゃなくとも、知り合いに偉いお役人がいれば通行証はゲットできるでしょう。そのレーンを走行する車両で、"真の"オリンピック関係者はどれほどいるのか、楽しみではあります。

軽微な自動車事故の当事者は、すぐに現場を立ち去ること。
"軽微な交通事故後の言い争い"は確かに中国における道路渋滞の主要因です。ちょっとした物損事故でも、お互いに道路の車線を塞いだままで、どっちが悪いと言い争いをします。でもこの"御触れ"、随分前に出されていたのですが、いままではあまり効果が無かった感じです。

大雨や深い霧の場合は、高速道路を閉鎖。
何なんでしょうかね、これ??

そして、恐らく当局が最も懸念している治安維持に関連する規制。

地下鉄でも手荷物検査を実施。
7月20日より出迎えなどで空港に出入りする人にも安全検査を実施。
7月20日より北京上空の小型機の飛行やアドバルーンの掲出を禁止。
オリンピック開会式のある8月8日は19:00以降、北京首都空港の離着陸禁止。
オリンピック期間中、デパートなど混雑が予想される施設では入場制限を実施。
電気製品などを郵便などで発送することを制限。

これらは明らかに爆弾テロ対策と言えるでしょう。メイン会場『鳥巣』(中国国家体育場)でオリンピックを観戦予定の方、ご注意ください。
『鳥巣』(中国国家体育場)に、ライターや日焼け止めを含む乳液系化粧品を持ち込むことを禁止。
使い切りライターや日焼け止め乳液は、手荷物検査で没収されそうです。
こちらもテロ対策でしょう。
北京に乗り入れる長距離バスの乗客は、身分証による実名登録を行う。
あちこちでバス爆発の噂が出てますし、当局としてはオリンピック期間中、北京市民以外の"外地人"(地方居住者)はできるだけ排除したいのでしょう。地方居住者に"不穏分子"が多いと考えているのです。
そのいっぽうでオリンピックを契機に、外国人不適格滞在者を追い払う動きもあったとされます。ワーキング・ビザを持たずに就労している外国人やプレス・パスを持たずに取材活動をしているジャーナリストなどが主たる対象と考えられます。一時は、「日本国民に対する15日以内の滞在ならビザ不要」という優遇を中止する、と言う情報まで流れたのですが、やはりオリンピックの集客が心配になったのか、引き続きビザ無し入国と滞在が認められます。

北京市内の空港、駅、主要道路、オリンピック会場周辺を含む主要地区では、オリンピックやそのスポンサー以外の広告掲示を禁止。
これはおまけ。
これは高額なスポンサー料を支払っているオリンピックのスポンサーやサプライヤーの利益を保護するための規制で、北京オリンピックに限らず開催都市が約束させられていることです。こうした規制を掻い潜って、オリンピックのスポンサーでは無い企業の効果的なプロモーションを仕掛けるのが広告会社の腕の見せ所とも言えます。特にスポーツ・ブランドは、オリンピックのたびに非スポンサー企業が裁判沙汰を起こしたりしています。
北京オリンピックの場合、中国広告協会が、オリンピック・スポンサー/サプライヤー以外の企業がオリンピック選手を使用した広告を放映・掲載するのを、7月より禁止にしてしまいました。日本企業でも例えばオリンピック・スポンサーではない東芝が中国の著名水泳選手をイメージ・キャラクターに、オリンピックに向けた大型テレビの広告活動を展開し、オリンピックのワールド・スポンサーであるパナソニックに対抗しようとしたのですが、できなくなってしまいました。
日本ではJOCが「がんばれニッポン」と言うオリンピックの競技会とは別口のスポンサーを募って、原則としてそのスポンサーのみが日本人オリンピック選手を広告で使用できるようにしています。
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by pandanokuni | 2008-07-10 21:53 | 社会ネタ
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