「ほっ」と。キャンペーン
地震発生当日の、中国のネットメディアとテレビの対応を追ってみました....。
北京からはExiciteブログがアクセスできない状態でした。
このエントリーは地震発生当日の北京時間2008年5月12日午後10時頃に、北京からlivedoorのほうにアップしたものです。Exiciteブログをご愛読いただいてる方もいらっしゃると思いますので、帰国後にアップさせていただいたものです。
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北京のオフィスがゆらりゆらり揺れたのは午後2時33分頃でした。感覚的には震度2~3くらいでしょうか。危険な感じはしませんでした。
でも中国人の社員は皆固まっています....。あちこちで女性社員の叫び声が聞こえます....。程なく、ビルのガードマンがやってきて、「エレベータが止まったので、階段で外に出てください」。ここは5階で良かったと思いました、と言うより、外に避難する必要なんかあるの??って感じです。皆階段を整然と下りて行きます。外に出るとビルのガードマンが「ビルの近くは危険だから離れるように」と。なかなか整然としていました。
現地の社員は生まれて30年、地震に出遭ったのは初めてのことだと言います。


避難1

この間、ほんの4~5分のことだったのと思うのですが、ケータイに上海の日本人同僚から電話が入りました。
「いま地震があって、避難しろと言われてるんだけど...。一応避難したほうがいいかなぁ...」
この電話で、この地震が北京周辺で発生した中小規模のものではなく、恐らく中国の北西部で発生した大規模なものなのだろう、と思いました。
ビルのガードマンに尋ねると、もうオフィスに戻っても構わない、と言うので、階段でのぼってデスクに就くと、さっそく「新華網」をチェック。「四川省でM7.5の大規模地震」の見出しが掲載されたのは午後3時少し前でした(後にM7.6、M7.8と修正)。「百度」のBBSである「貼[口篇に巴]」でも、この頃からこの地震のトピックが立ち始めました。

午後4時前、会議中だった私に「北京で今夜22時から24時の間に、2級から6級の地震が発生する可能性がある」と書かれたネットニュースの記事のプリントアウトを、現地社員が差し入れてくれました。SINA(新浪網)に午後3時37分に掲載されたもので、なんとあの人民日報のニュースポータルである人民網からの転載だと書いています。

予告

6級と言えば、日本の震度6以上にあたります。この記事に心配して、北京の現地社員たちは早く帰宅したい、と嘆願してきたのです....。「新華社の第一報が『アメリカ地震観測局によると』みたいな観測体制なのに、発生時間を2時間に絞り込んだ予知ができるはずないよ」となだめていると、さっそくSINA(新浪網)は記事を「北京では今晩、地震は起こりえない」と差替えていました。
とは言え、この"誤報"はネットや口コミを通じて広がっていて、今夜北京で大地震が起こると心配して、業務を早々に切り上げる会社も少なくなかったようです。

日本政府にはできないことだろうと言えば、地震が発生して1時間も経たないうちに「胡錦濤さんが万全の救援を指示、温家宝さんがさっそく現地に向かう」と新華社が伝えたことでしょう。胡錦濤さんがホントに指示したかは不明ですが、温家宝さんが飛行機に飛び乗り機内で声明を発表したのは事実です。
CCTV(中央電視台)の午後7時のニュース向けだったのかもしれませんが、中国の報道統制をとやかく言う前に、政権側の広報(パブリック・リレーション)の旨さを見習うことも必要かもしれません。こんなんだから、多くの人民は政権の為すことをそのまま信じてしまうのですよ....。

さて、仕事を終えてホテルに帰ってテレビをつけてみると、CCTV(中央電視台)とBTV(北京電視台)のどのチャンネルも特別番組など流さず通常番組のまま。震源地の四川衛星電視台はどうかと視ると、やはり通常番組のホームドラマが脳天気に放映されています。ただこのチャンネルだけ、画面下部に「地震の情報は入り次第お伝えします」とロールスーパーを入れていました。

STV

CCTVのニュースチャンネルだけ夜8時から地震特番に入りましたが、被害状況はスチル写真中心。現地の被害映像は現時点で解禁されていないようです。さすがテレビは中央宣伝部とテレビラジオ映画総局のお膝元だけあって、報道統制は効いているようです。少なくともCCTVの夜10時のニュースまで、現地の被害映像はお預けなんでしょう。日本のNHKが9時はニュースで一生懸命、地震のことを報道していましたけど....。
ま、被害の甚大さを伝えるよりは、人民に冷静に行動することと、政府などが救援活動に努力していることを伝えることのほうが、災害報道においては重要なのかもしれませんが。

ネットメディアは頑張ってますね。
例えばSINA(新浪網)のさっそく地震関連特集のページをつくって、2~3分おきに新しい情報を更新しています。ほとんどは地方のニュースサイトからの転載ですが、新華社の新華網もハイペースで情報を更改しています。

SINA

どこかの国を襲ったサイクロンのときのように人的・意図的な対応の誤りによって、被害が広がらないように願っています。

追記:12日午後10時以降、CCTV1チャンネルは地震報道番組に切り替え、終夜現地からの情報を主に電話による音声で伝えていました。
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by pandanokuni | 2008-05-17 16:57 | 社会ネタ
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