バスとの物損事故の処理でわかったこと
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会社のクルマが事故りました。信号で停車中に後から走ってきた定期バスに幅寄せされ、右のサイドミラーを損傷しただけですが....
北京では交通事故が起こると、当事者同士がクルマを現場に停めたまま、路上で責任について激論を始めます。小さな物損事故でも、クルマを脇に寄せるようなことは滅多にありませんから、その後ろは大渋滞になってしまいます。

今回の事故は100%定期バスのほうに非があるのは、誰の目からも明らかでした。20代半ばのバスの運転手さんと同年代の車掌さんがバスを降り、こちらに駆け寄ってきました。バス停のすぐ近くですから、野次馬も数を増してきます。
こういう場合北京では、どっちに責任があるか大声の議論になり、仕舞いにはケンカになってしまうことも多いのですが、バスの運転手さんは気弱な性格なのか自分の非をスグ認め、「1,000元(約1万3,000円)で示談させてくれ」と言いました。
フツーの中国国産車であれば、このくらいの金額でサイドミラーを十分交換できます。ところがウチの会社のクルマは輸入車なので、部品の調達に時間がかかるし、1,000元じゃ修理できるはずがありません。そのことを、会社の運転手さんがバスの運転手さんに説明しました。
ウチの運転手さんは、自動車保険を使うことを勧めました。北京市内のバスは一応保険に加入しているようなので、「業務中の事故だし、保険を使えば、自腹を切る必要もないだろう」と言う親切心からです。するとバスの運転手さんは、「それだけは勘弁してくれ」と言うのです。

保険を使うような事故を起こしたバスの運転手はクビになってしまうらしいのです。「バス会社に知れると仕事を失うので、何とか自分で解決したい。分割でも払うから、信じてくれ」と言います。
ウチの運転手さんも紳士なのでボッタくるつもりは毛頭無いので、「修理工場で見積もりを取らないとわからないが3,000~4,000元(約4~5万円)は必要だろう」と言うと、バスの運転手さんはひどく落胆してしまいました。月の給料は1,000元しかもらってない、と言うのです。

この頃になると、事故を起こしたバスの乗客はバスを折り始めました。事故現場でバスは運休です。私も先を急ぐ身だったので、解決をウチの運転手さんに委ねてタクシーを拾い、現場を後にしました。
その後ウチの運転手さんは、バスの運転手さんをウチの会社に連れてきて、ウチの会社の幹部同席のもと、示談の念書を書いてもらったそうです。

ウチの運転手さんも昔はタクシーの運転手をしていて、それでも多いときは月3,000元くらいの収入があったそうです。でもバスの運転手さんが1,000元しかもらっていない、ということには納得していました。駆け出しの運転手だと、そのくらいの薄給も「有可能(たぶんそうだろう)」とのことです。同じ運転手仲間としてかなり同情していました。
手取り給料の4か月分もの示談金を自腹で払わなければならないバスの運転手さんはホントに気の毒でなりません。しかも、月1,000元の仕事を失いたくないがために、です。太っ腹の日本人ならポケットマネーで修理するから「もういいよ」と言いたい感じですが、会社のクルマですし、そうは行きません。

ウチの会社のクルマは対人賠償20万元(約260万円)までの自動車保険に入っているそうです。日本人としては死亡事故に対応できないと思ってしまいますが、運転手さんいわく「没問題(だいじょうぶ)」なのだそうです。むしろ、高級ヨーロッパ車と物損事故を起こしたり、重度後遺症の人身事故を起こしたりすることが心配だと言います。ウチの会社規定では業務上の事故は会社負担になっていますが。
ただ北京で日本人が運転して死亡事故を起こした場合の補償は、こんな金額では済まないようです。数年前ですが2桁違いの賠償を求められた方がいらっしゃいますから、お気をつけください。ちなみに、中国の対人賠償保険の最高額は100万元(約1,300万円)までだそうです。

その後、ちょっとうれしいニュースが飛び込んできました。修理工場からの見積もりです。部品調達に1ヶ月かかるのですが、修理代は2,200元とのこと。ウチの運転手さんも心持ち軽やかになってバスの運転手さんに電話していました。
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by pandanokuni | 2004-11-04 15:26 | 社会ネタ
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