農村余剰労働力。
上海で CCTVのニュースを見ていました。
『農村余剰労働力』とは良く言ったモノですね。

中国の農村の多くは生産性が低く、農民の多くは貧困に瀕していますに、お父さんは大都会の建設現場に、お母さんはやはり都市部の裕福なご家庭の家政婦などとして、そして娘さんはやはり都市部の遊興施設などに、それぞれ出稼ぎに行く場合が多いのです。都市部に移り住んで家族寄り合って慎ましく暮らしている場合もあれば、家族が離れ離れになりお父さんが労働災害に遭ったりして二度と集まれない場合もあります。

農村の貧困に耐え切れず、自発的に都会に出稼ぎに行く。そうなると農村から農民が少なくなるのは必然ですね。
ところで、農民が少なくなると、一人当たりの耕作面積が増えて農村に残った農民は稼ぎが良くなる….。こんな話が成り立つのでしょうか?

農村の農民離れは”政策の一環”。
第17回共産党大会の精神を反映するもの。おかげさまで、農村に残った農民の収入は倍増し、暮らし向きが良くなりました。
そんな風に白々しく、中国中央テレビのニュースが伝えていたのです。

何でも、黒龍江省牡丹江のとある農村は、農民がみんな貧乏で借金を抱えていたのですが、四年前から労働力輸出訓練基地を立ち上げ、『農村余剰労働力』の再教育にあたりました。
研修を受け都市部に出稼ぎに行った兄妹は年末には1万2,000RMB(約18万円)を農村で待つ両親の元に仕送りしてきたそうです。
一方、農村に残ったある農民は出稼ぎ世帯5-6軒分の農地を借り受け、年収は5万RMB(約75万円)にまで達しました。
『農村余剰労働力』が農村を離れ、農家1軒あたりの耕地面積が増え、機械化が進み、収入が倍増!!その一方で、都会に出かけた出稼ぎ農民も大儲け。まさに、「1軒去って、2軒が富む」というわけです。

ま、農地を捨てやむなく都会に出稼ぎに出た農民を『農村余剰労働力』と呼ぶのもすごいですし、「1軒去って、2軒が富む」と、あたかも中国共産党の政策の賜物みたいに華々しく報道している図々しさも、相変わらずすごいですね。

貧困のため農業を捨てる人たちがいるから、残った農家1軒あたりの生産性は増す。これは何となく合っているような感じはするのですが、田舎で職業研修を受けて都会の労働力として送り出されていく農民はごくごく少数であることも確かでしょう。
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by pandanokuni | 2007-12-21 18:01 | 社会ネタ
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