テレ朝+TBS+岐阜県+陳良宇=テレビ広告料金は半額になる....。
その1:テレビ朝日の"不祥事"
テレビ朝日が1億3,000万円の所得隠しを国税局に指摘されたという事件(NIKKEI NET)、平たく言うと大物プロデューサーが番組制作会社に架空の発注をして、その番組制作会社のお金を接待や自分自身の派手な生活費用に流用していた、と言うお話のようです(nikkansports.com)。
ちなみに、9月28日のテレビ朝日『報道ステーション』でキャスターの古館さんは「キックバックは無かった。」と明言していました。

その2:TBSの"トバッチリ"
反体制的な番組と評価されることも多いTBSテレビ『筑紫哲也ニュース23』で今週月曜日からサブ・キャスターを務めているフリーアナウンサー・山本モナさんが妻子ある民主党の衆議院議員と仲良くしていたところを講談社の雑誌『フライデー』に取り上げられた、と言うお話。山本さんは大阪のテレビ局のアナウンサーから全国区に華麗なる転身を遂げた矢先とのことで、いわゆる芸能人ネタとして取材していた同誌がたまたま政治家との色恋沙汰にでくあわしたと言うことらしいのですが、同誌発売日である9月29日には臨時国会で安倍首相の所信表明演説が行われる日でもあって、ちょいと政治的な意図を感じさせるようなタイミングでのスクープではありました。
当該民主党議員のご家族は別格として、この騒動に一番困惑しているのはTBSでは無いでしょうか。低迷する視聴率のテコ入れに『筑紫哲也ニュース23』は元NHKの人気アナウンサー・膳場貴子さんを迎えて、番組の大規模なリニューアルを行った矢先の出来事です。フリーのキャスターとは言え、また大衆メディアのテレビ番組とは言え、取材する立場のヒトが取材される立場のヒトと緊密な関係にあることは、よろしいわけがありません。しかも、(一応)野党議員との親密関係が暴かれたわけですから、筑紫さんの政権政党批判もいっそう迫力を欠いてしまう感じです。

その3:岐阜県職員の約6割
12年間で17億円もの裏金づくりを行ってきた岐阜県の職員たち4,421人が処分を受けました。全職員の約6割が裏金作りに関わっていたという感じでしょうか。
この裏金は、県職員の宴会などの飲み食いや公費を使いにくい接待、出張時のホテルのアップグレードなどに使われ、或いは使う予定だったといわれています。つまり"その1"のテレ朝大物プロデューサー氏が架空発注して番組制作会社に出してもらったのと同じような目的と言えるでしょう。
蛇足かもしれませんが、9月29日のTBSテレビ『筑紫哲也ニュース23』でこの問題を現地からレポートしていたのが、"その2"で取り上げた山本モナさんでした。

その4:陳良宇さんの746億円
上海市のトップといえる陳良宇さんが"深刻な規律違反"を犯したとして、上海市党委員会書記や中央政治局委員を解任されてしまいました。中国国内メディアは「腐敗問題追及のため厳格に調査中」であることを大々的に報道していますが、具体的にどんな嫌疑がかけられているのかはまだ伝えられていない様子です。
共同通信社が伝えた香港紙の情報によると"上海一の富豪”と呼ばれている不動産開発で大成功した周正毅さんに、公金を不正に融資した際に口利きしたことなどが挙げられているようです。ここ数年来の上海の"不動産バブル"は陳さんが一部の不動産開発業者と屈託して仕込んできた或いは容認してきた、と言う見方が一般的でしたから、象徴的な周さんあたりが次の"やり玉"に挙げられるのは筋書き通りともいえるでしょう。周さんに不正に融資された金額が746億円(50億RMB)なんだそうです(Chunichi Web Press=共同電)。
もちろん、陳さんの解任とその周辺の調査は、中国政権内部での権力闘争の一環と考えられます。胡錦濤さんが江沢民さんの残り香をようやく消し去ったことの証と言うこともできるでしょう。当局が「腐敗撲滅」と宣伝しても、"内輪揉め"だということは、多くの中国人民もご承知のことでしょう。党の幹部の中で陳さんだけが汚職に関わっていて、腐敗しているなんて信じている中国人民はほとんどいないでしょう。岐阜県の職員と同じくお役人の約6割くらいは、公金を流用したり、地位や立場を利用して口利きしたり、或いはその見返りで賄賂を受け取ったりしている、と考えているのではないでしょうか。きっと3割から4割くらいは"腐敗"してない"良い"お役人さんもいらっしゃると信じることにして.....。

ここからが本題
テレ朝の"不祥事"がクビになった大物プロデューサー一人の問題と考えることは、中国共産党幹部で"腐敗"していたのは陳良宇さん一人だけと考えるくらい非現実的なことです。もちろん、テレ朝だけの問題、と考えることも同じです。広告業界に身を置く私の感触では、6割くらいは似たような"悪さ"をしていると思えます。つまり"良心派"は3割から4割の少数派で、全体としては"腐敗体質"だと言えると思います。広告会社も似たようなものです。
民放のテレビ番組は、広告収入によって制作されます。テレビ局の人たちが"悪さ"をしなければ、番組制作費は1割から2割くらい安くなるはずです。加えて、番組制作会社で働く"良心的な"社員のお給料も1割くらいアップできるかもしれません。
広告収入はほとんどの場合、広告主の企業から大手広告会社を経由して支払われます。広告会社はマージン(手数料)として1割以上ピンハネしてからテレビ局に支払います。もちろん広告枠売買の際の手数料は、広告会社のサービスへの見返りとして必要ではありますが、欧米あたりでは1割もいただかないのが常識になりつつあります。私が働いていた中国では、ほんの数%の手数料であってもありがたいくらいでした。広告枠の売買に関する手数料が数%台と言う世界的趨勢にも拘わらず、日本の巨大広告会社などは2割以上の手数料を受け取っているのです。
しかも、テレビ局や巨大広告会社の皆さんのお給料はとても高いのです。高額年収ランキングに登場するのは、いまもなお東京のキー局や巨大広告会社です((参考)

すごく単純化しますが、広告主の企業がテレビ広告を放送してもらうために、広告会社に100万円支払います。広告会社はそのうちの80万円をテレビ局に支払います。テレビ局は60万円を番組制作会社に支払って、番組を作ってもらいます。番組制作会社は50万円で番組を制作して、10万円を発注してくれたテレビ局のプロデューサーなどに還元するという図式なのです。こう考えていくと、テレビ広告料金は現状の半額くらいまで安くすることができるのではないかと思ってしまいます。

とは言え、メディア接触の多様化などで、テレビ広告の効果なんて怪しくなってきています(Joseph Jaffe (著) 「テレビCMの崩壊」などをご参照ください)。それなのに、いまだに影響力を過信している人たちがたくさん居るのは不思議なものです。江沢民さんの影響力低下や上海閥の解体という時勢を読めずに、ガンガンやってきた陳良宇さんやその周辺の人たちみたいにも思えます。それは、キー局の"花形番組"のキャスターに抜擢された矢先に、野党議員といちゃついてしまった山本モナさんの脇の甘さにも似たようにも思えてしまいます。もちろん、政権政党と"対決姿勢"を明確にするはずの臨時国会開会間際に"不倫報道"をされてしまった民主党議員のことは言うに及ばずです。岐阜県の職員の皆さんも、時勢を読めなかった人たちなのかも知れません。
それぞれ表沙汰になった背景にも怪しさが漂っているので、みなさん気の毒ではありますが仕方ありませんね....。
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by pandanokuni | 2006-09-30 02:54 | 社会ネタ
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