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国境は無視する性格のインターネットなのに。日本メディアと中国当局の意識差!?
Asahi.comの「映画海賊版を無料公開 在日中国人向けサイト」と言う記事を読んで、くすぐったくなってしまいました。
国内で運営されている在日中国人向けの複数のインターネットサイトが、現在公開中の人気映画「ダ・ヴィンチ・コード」を含む大量の映画やアニメなどの海賊版の映像をネット上で無料公開したり、加入者に有料でダウンロードさせたりしていることがわかった。

"中国からアクセスできる中国語主体のウェブサイト"には、世界中のドラマや映画が無料でダウンロードできるものがいくつもあります。日本のテレビドラマやアニメもアップされています。サーバーがどこにあるのかとか、どの国で運営されているとか、ハッキリしたことは分かりません。
この記事の"おかしさ"は、国内で運営されている在日中国人向けというところを強調しているところに思えます。「国内ではこれまで発覚した例がない」という記述も含め、まさしくいまなお、インターネットに国境が存在するという認識を前提としている感じがします。

もちろん、このニュースで指摘された事案には"脇の甘さ"も感じられます。一つの事案は「映画を無料公開している」らしいのですが、もう一つの事案:「東京都墨田区の中古パソコン販売会社は、都内と横浜市に展開する三つの販売店で1カ月2500円から映画視聴の会員カードを販売。カードに記載された会員番号とパスワードをサイトに入力すれば、視聴やダウンロードができる仕組み」だそうで、有料で代金決済が日本国内、しかもオフラインで行われたようです。この点において国内で運営されている在日中国人向けの有料サイトと解釈されたのでしょう。

前述の通り、映画やドラマなどの映像を無料で公開しているサイトは世界中にたくさんあります。
<中国からアクセスできる中国語主体のウェブサイト>を例にとると、サーバーがどこに置かれているのか、運営主体が中国居住者なのか(大部分は中国居住者により運営されているとは推測できますが)、ハッキリしたことは分かりませんが、むしろそれは重要な問題では無いように思えます。またユーザーは中国人に限られているわけでもありません。中国に居住している中国人のユーザーが大半であることは推測できますが、中国に居住していたり、ある程度中国語を読み取れる日本人だって利用しています。いや日本人だけではなく世界中の人たちが世界中から利用しているはずです。

<ネット上での無料公開>いう事案に限って考えてみると、「国内で運営されている在日中国人向け」サイトという枕詞を掲げたAsahi.comの記事は、妙に時代錯誤に思えてなりません。
インターネットは国境を無視する方向で進化し続けているからです。
Googleの検索結果には、サイトの国籍は無関係ですし、言語の障壁すら低くなりつつあります。梅田望夫さんが「ウェブ進化論」でも指摘されていますが、Google AdSenseと言うネット広告のシステムは、広告掲載サイトの国籍に関わらず、また閲覧者の国籍に関わらず、定額の報酬を原則としています。

YouTubeはどうでしょう?
このサイトに映像を提供する人たち、このサイトの映像を楽しむ人たちに国境は存在していません。日本のアニメやテレビ番組も公開されています。かと思えば中国人と思しき"Two Chinese Boy"の妙に素人っぽい手作りでクールでマッドなミュージック・クリップが人気を博したりしています。
YouTubeは映画やドラマを丸ごとアップできないよう制限時間を設けましたが、短時間だからと言って著作権の問題をクリアことにはなっていません。日本のテレビ局は著作権侵害の事案を発見するやYouTubeに対して削除要求を突きつけ、YouTubeも削除に応じているようですが、またユーザーがアップしたりして、結局はいたちごっこに陥っているようです(参考:IT media News)。

いずれにしても、日本の大新聞社やテレビ局は、インターネットが国境を無視してしまう性格のモノであることを認めたくなさそうです。

かたやネット統制で御馴染みの中国当局はと言うと、このことを充分認識しているようで、対策に余念がありません。
"国内の"商業サイトを許可制にして、不都合があれば削除や閉鎖を命じるという、一応の法整備を行いつつ、グローバル・サイトが中国でビジネス展開する際には、"そのあたりのこと"を充分わきまえてもらうのです。つまり政治的権力が及ぶ範囲(自国領土内)では、"検閲"と"圧力"で対応しようとしているワケです。

その上で、"国境警備"にも力を注いでいます。
"国境警備"の最たるものが一般に"金盾工程"(Gold Shield Project)"と呼ばれるものです。簡単に言えば、当局にとって好ましくない情報を含むサイトを、中国国内のコンピュータから見ることをできなくするシステムです。いわゆる"アク禁"です。当該サイトのサーバーがどの国にあろうが、そのサイトの管理者が何人であろうが、"アク禁"してしまうわけです。基本的には、当該サイトのドメインごと一時的にアクセスできなくする仕組みです。
しかし、この仕組みですと"アク禁"が目立ってしまうので、各国からの非難が日に日に大きくなってきました。最近は"アク禁"をより目立たなくするために、アップグレードを進めているらしいです。ユーザーのIPアドレスと閲覧履歴から、ユーザーごとに"アク禁"サイトを定め、しかも"アク禁"サイトをサブドメイン以下で細かく管理すると言う仕様との噂です。このシステムがうまく機能すれば、<特定ポータルやニュースサイトが全面的に繋がらない>ような大騒ぎは回避できますし、あるユーザーはアクセスできないページでも別のユーザーはアクセスできたりしますから、「"アク禁"なんかしていないよ。接続環境の問題でしょ。」といっそう”白を切る"ことが可能になるでしょう。
YouTube同様、こちらのほうもいたちごっこに陥ることは確実だと思いますが.....。
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by pandanokuni | 2006-06-16 12:59 | 社会ネタ
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