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ネット規制の政策には、対策もあります。
中国のインターネット規制についてネット関連企業の協力度を追求すべく、アメリカ議会下院外交委員会で公聴会が開かれました(CNN Web版ほか)。そもそも、シスコシステムあたりが黄金のシールドと呼ばれる特定キーワード排除ウォールで儲けていたのですが、グーグルもヤフーもマイクロソフトも中国で商売をやる以上、当局のお気に触るキーワードを含むページを"自主的"に削除してきたりしていたのです。

マイクロソフトの言い分:「表現の自由を促進するという意味で、中国へ進出することによるプラスはマイナスをしのぐ」。確かに、中国でもインターネットの普及によって情報収集が楽になりましたし、個人レベルの情報発信もしやすくなりました。
当局のお気に召さない書き込みをした方の個人情報まで提供し、結果その方が禁固10年になってしまったヤフーの言い分:「中国の法律に従うのはわが社にとっても苦痛だ」。苦痛だけども、ビジネスを捨てるわけには行かないわけですね。
そして、"正義の味方"アメリカ合衆国の国務省は、インターネット閲覧の規制を阻止するための特別チームを設置するそうです(NIKKEI Net)。

さてここで、こちら悪玉の見習いスポークスマン秦剛さんの主張:「私は全ての国にとって法律に従ってインターネットを規制するのは共通の行為であることを主張したい。インターネットを規制することで健康的で秩序正しいIT文化が発展し、公衆の利益となる。」
2チャンネルあたりで殺人予告して、"通報"されて、ひろユきさんが書き込んだ方の個人情報を提供して、その方がタイホされる、ってことは確かに日本でもあります。その国にとっての善悪の基準が違うと言うことでしょう。たしかに、日本にもアメリカにも法律に従ってインターネットを規制する行為が存在するのは事実ですから。

日本の特定サイトへのアクセス禁止も相変わらず続いています。
日本語のWikipeidaが中国から繋がらなくて、中国語版のWikipeidaはスルスル繋がるのは、きっとWikipeidaのほうで"当局のガイドライン"に"潔く"従っているからでしょう。"geocities.co.jp"のサイトは長い間、中国大陸から繋がりにくいままです。去年反日デモで盛り上がった頃、Exblogがアク禁になりました。2ヶ月ほどでアク禁解除になりましたが、どんな基準でアク禁にしたり解除したりするのか、いまひとつハッキリしていません。
seasaa.net(シーサーのブログ)が中国から繋がりにくくなって、かれこれ3ヶ月が経とうとしています。シーザーには私が良くお伺いする中国関係のブログがいくつかありますが、"夜のお楽しみ情報"あたりが当局の気分を損ねたのかなぁ、などと想像していました。ただ中国を鋭くウォッチする著名ブログ(このブログはシーザーではないのですが)の管理人さんによる、中国関連ニュースのリンク集ブログもシーザーなんですね....。どのブログがお気に召さなかったのか、なかなか解除してくれません。

特定サイトへのアクセス禁止という規制の方法は、ちょっと稚拙な感じがします。評判を下げるだけで効果は小さいのではないかと思うのです。
プロキシとかたまねぎとかある種のRSSリーダーとか中国語以外の検索サイトでキャッシュを拾うとか、ネットに関するちょっとした知識があると、中国からもアク禁サイトを見ることが可能なのです。権力が見せたくないと思っているモノほど、何とかして見てみたいと思う人たちがいるわけで、そういう人たちこと権力がそういう情報を見せたくないと思っている人たちなのです。権力にしてみても、一般ピープルは当面放って置いて良いくらいに思っているハズです。ちょっと"インテリ"とか権力に刃向かいそうな人たちこそ、アク禁情報をいろいろ努力してでも入手しちゃうわけです。

私は、知り合いの党員(まぁ私が見たところ"改革派"の若手、もちろん中国人)に、日本のメール・アカウントを作ってくれるようにお願いされたことがあります。彼が指定したフリーメールで、しかも日本に一時帰国した際にアカウントを作成して欲しい、とのリクエストでした。彼は海外の知人と"情報交換"にそのアカウントを使い、メール本文には書かず、画像ファイル(WordやPDFも良くないそうです)にして添付しているそうです。
こんなことを書くと私にもその知人にとっても面倒なことになりそうですが、本日付のasahi.comの記事を見て、この程度なら書いても大丈夫だろうと思ったのです。

中国共産党青年団機関紙でもある全国紙「中国青年報」の別刷り版である「週刊氷点」が発行停止に関して、政府系新聞の記者ですら海外のフリーメールなどを使い分けてる、と言う"暴露記事"です。「週刊氷点」の発行停止については、党の元幹部などがネット上で批判し、当局はそのサイトをアク禁にしたりしましたが、この種の"インテリ系の人"たちには効果が小さい、と言う証拠になっちゃいました。結果として編集長は"配置換え"になりましたが、「週刊氷点」の発行は再開される事になりました。
「週刊氷点」に関して、ホットな情報を提供されていた日本の方のブログがHatena Diaryにありますが、このブログもやはり「ちょっとだけ面倒なこと」になっていたそうです。

人は簡単に見ることのできないモノほど、一生懸命努力して見ようとするものです。規制が進化しても、対策も進化するでしょう。イタチゴッコです。"民主国家"からの評判を落とし、波風を立てるだけだと思うのですけど....
日本のブログ運営会社が、こちらの当局に私の個人情報を提供しないことを願っております!!
by pandanokuni | 2006-02-21 22:46 | 政治ネタ
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