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外交官に限らず、弱みを握られれば脅され可能性はあるでしょう。
上海総領事館員が昨年自殺、「中国が機密強要」と遺書(Yomiuri Online)
出元である週刊文春の記事を読んでいませんので、詳しいコメントは差し控えますが、自殺された外交官に対しては気の毒に思います。

政治家だった橋本さん、官僚だった谷垣さん、そして今度の外交官と、色仕掛けスパイ工作ネタは、日本のメディアを断続的に賑わせる中国ネタのカテゴリーの一つと言えましょう。
前二者の場合は、それなりの権力者が当事者ですから、中国への批判よりもハメられた日本の当事者への批判が先に立たざるを得なくなり、日本のメディアの追及も尻ツボミで、テレビ・新聞などの大衆メディアでは遠慮気味でした。
でも、今回は名も知れぬ一外交官が主人公で、しかも不幸な結末となりましたから、”嫌な隣人・中国"をキャンペーンするのに格好の材料になりそうです。

弱みを握られた人は誰でも何処でも脅される可能性があります。
中国でも外交官に限らず、日本企業の駐在員や出張で訪中した著名企業のトップまでが、"弱み"を握られたりすることがあります。誰に握られるかと言うと、一時的にはホテルのガードマンだったり、公安(警察)だったり、中国の取引先だったり、或いは一晩を共にした女性本人だったりするわけです。
弱みを握った側は、何らかのキッカケや作用により、弱みを握られた人を脅すことがあります。
金銭授受を伴う秘め事のような違法行為を"法律的に処理"されると困るような日本人に対しては、公安(警察)の人が個人的にワイロを要求したりするかもしれませんが、これも脅しの一つでしょう。
中国企業に女の子絡みの接待を受け、翌日契約を迫られるケースもあるでしょうが、これも脅しの一つでしょう。
これは中国に限らず、世界の何処でも起こりうることです。中国が特に多いのかどうか、判断できる材料を持ち合わせてはいませんが。

中国には国家安全部という、いわば情報機関があります。どんな機密を収集するためか定かではありませんが、外資系企業などにも情報収集する"スパイ"を社員として潜り込ませたりしています。
アメリカのCIAが非合法な情報収集活動を一切していない、と思っている方は少ないと思います。中国でも外国の情報を非合法的に収集する場合もあるでしょう。そもそも国家機密などという情報は、合法的に収集することは難しいものです。
アメリカやイギリスの情報機関は"キレイ"で、中国は"汚い"とは言い切れないと思うのです。

なのにこうです....
「中国当局の執拗(しつよう)な恫喝(どうかつ)が原因だったとみられ、中国政府の外交官に対する非道な工作活動に波紋が広がるのは必至だ。」(zakzak)
この外交官の自殺、なんだか安部さんあたりが文春にリークしたんじゃないか、と思えてしまうくらい、中国バッシングの世論を煽り立てる方向に日本のメディアは動いているんじゃないでしょうか。橋本さんや谷垣さんのときは、どちらかと言うとトッと幕引きしようとしてたでしょうに....

亡くなられた領事館員は、ホントに責任感の強い方だったのではないかと推測します。「国を守ろうと“殉職”」(by zakzak)はちょっと大袈裟かもしれませんが、自分で自分の責任を取った立派な方だと思います。
でも自らの不注意で、弱みを握られたのは事実だと思います。
橋本さんや谷垣さん
のときは、弱みを握られたほうが悪い、と言う論調が、中国当局の色仕掛けは汚い、と言う論調より大きかったので、日本のメディアも中国バッシング・ネタとしては扱いにくく、尻切れトンボになりました。
でも今回は、中国当局の色仕掛けは非道だ、と言う論調が強く出せる雰囲気になっている気がします。そして、いまの日本では、そのほうが読者も増えるし、視聴率も上がるのでしょう。

潔く責任を取った領事館員は、1年半もたってからこの件が中国バッシング・ネタとしてメディアに取り上げられることを決して望んでいないと思うのですが....
by pandanokuni | 2005-12-29 03:29 | 社会ネタ
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