「ほっ」と。キャンペーン
日本男児と"寝た"章子怡(チャン・ツィイー)にバッシングの嵐....
コロンビア映画「SAYURI」が12月10日に日本とアメリカで同時封切になります。
S.スピルバーグらが製作をつとめ、「シカゴ」のロブ・マーシャルが監督の日本を舞台としたハリウッド映画です。
貧しさゆえに"置屋"に売られたひとりの少女が失意のどん底で出会った"会長"と呼ばれる紳士との物語。主人公"SAYURI"は妖艶な芸者となり"会長"と再会する、という原作も、アメリカ人作家アーサー・ゴールデンによるものです。

ところが、主人公"SAYURI"を演じるのは日本人女優ではなく、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の映画でお馴染みの中国人女優・章子怡(チャン・ツィイー)。
さらに、"元"張芸謀(チャン・イーモウ)監督の...、鞏俐(コン・リー)やマレーシア出身のアクション系女優・楊紫瓊(ミッシェル・ヨー)などがキャスティングされています。ハリウッドもアジア市場を、日本中心から中国へとシフトしている証でしょうか。スタッフ=アメリカ、舞台=日本、主演女優=中国という構造に、私などは"二兎、もとい三兎を追うもの一兎も得ず"になるのでは、と心配になります。

現にこの映画の概要が紹介されるや、中国では、主としてネットのBBSなどで章子怡に対する非難が続出。
一ヶ月ほど前に宣伝用のプレビュー・スチルで一糸纏わぬ後姿が公開されると(実はまったく別な映画の松坂慶子のスチルだったようですが)、"日本のオトコの前で脱ぐなんて最低だ""中国の恥さらしだ"などの書き込みが相次いぎました。
11月29日に日本で開催されたプレミア試写会とプレス・コンファレンスについて、中国でも報道されると、章子怡に対する非難は益々エスカレートしているようです。

「章子怡は芸者を演じ、日本人と"寝た" - 中国のオーディエンスは憤怒」などと新華社のニュースサイトでも報じられるようになりました。しかも、新華社らしくイギリスの主要紙の報道を新華社ロンドン支局が引用する形にしてあります。
ネット上の書き込みを引用して「お金のために、日本男児と"寝る"なんて、憤りもいいとこだ」とか、「日本の伝統的文化である芸者を中国人が演じるなんて無理。アメリカの監督はこんなことも分かっていない」という中国の映画監督・陳凱歌のコメントも載せています。
実際BBSでは、かつて旭日旗風のコスチュームを纏って顰蹙を買った趙薇(ヴィキー・チャオ)を引き合いに出し「あんたも歴史に無知なのか」とか「日中関係がこんなに緊張している矢先に」とか章子怡への非難がゴゴーと飛び交っているようです。
渡辺謙と濡れ場を演じた章子怡は、一部の中国人民にとって"国賊"になってしまったようです。

シンガポール系聯合晩報のWeb版では、"章子怡のSAYURI"は中国だけではなく日本の"2チャンネラー"(ネット住民)にも顰蹙を買っている、と報じています。
「日中の"2チャンネラー"は、結託して章子怡を攻撃する」という過激なタイトルで、中国では「売国奴」扱い、日本では「お笑いモノ」になっていとのこと。

映画公開前から、章子怡にはホントに気の毒なのですが、一部中国人からこのような非難が出てくるのは"想定の範囲"だったはずです。
また、芸者を中国人が演ずることに対して一部の日本人が抱く"違和感"は、章子怡に対する非難というより、キャスティングをしたアメリカ人中心のスタッフに対するものでしょう。
アジア市場を重視したコロンビア映画がとんだ墓穴を掘ることになってしまうのではないかと気がかりです。元を質せば日系資本の映画会社なのですから、もう少しデリカシーが欲しかったようにも思えます。
とは言え、欧米人にしてみれば、日本人だろうが中国人だろうがマレーシア人だろうが"差不多"(大差が無い)かもしれません。

中国でバッシング気味の章子怡ではありますが、もちろん「アカデミー賞目指してがんばれ!!」とか「真の国際派トップ女優に」というポジティブな報道もされていることをお忘れなく。
(12月4日 ぐりさんのコメント情報をもとに一部修正)
[PR]
by pandanokuni | 2005-12-01 22:44 | 社会ネタ
<< モモヒキ、穿きますか? オンナ... メディアも栄枯盛衰、センセーシ... >>