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多チャンネル化する中国における"7時のニュース"
最近引っ越したマンションでは、100チャンネル以上のテレビが楽しめます。ちょっとご紹介しましょう....

まず、北京など中国都市部ではCATVの普及率が9割を超えています。テレビアンテナを立てずに、CATVから送られてくるチャンネルを視聴できるわけです。チャンネル揃えは各地域(北京であれば区など)によって若干の違いがありますが、私の住む朝陽区のCATVでは58チャンネルで放送しています。もちろん地元のCATV局が制作しているチャンネルなどほとんど無くて、いわゆる"地上波"テレビ局の放送を再送信しているだけです。

一般に北京市のCATVでは、以下のチャンネルが再送信されています:
  • CCTV(中国中央電視台) -15チャンネル(CCTVは1~12chと、ニュースch、音楽ch、小児chの15chあるんですよ!!)

  • BTV(北京電視台) -10チャンネル

  • 北京市以外の省(直轄市を含む)レベルのローカルTV局の衛星ch -30チャンネル(例えば、上海市の"東方衛視"や湖南省の"湖南衛星"など)

  • 中国教育台 -3チャンネル

  • 旅游衛星(Travel Channel) -1チャンネル

ここまでが北京の一般的な家庭で視聴できる、中国大陸を拠点とする"おりこうさん"のTV局58チャンネルです。

さらにウチのマンションでは、境外の("外国の"という意味ですが、香港や台湾を含みますから、こんな言い方をします)TV局の55chが衛星を経由して視聴できます。パラボナアンテナとデコーダを独自に用意したのですが、こうした受信方法を中国当局が許可しているわけではありません。でも、最近乱立している北京の"高級"或いは"国際"と冠がつくマンションではほぼ黙認されています。外国人居住者が多いから、ということでしょうが、こうしたマンションの居住者の恐らく過半数は大陸籍の中国人です。こうしたマンションには、「境外衛星テレビ受信キット」の宣伝チラシが時々ポスティングされています。3,000RMB~5,000RMBで設置できるので、ベランダにパラボラの花が咲いています。もちろん全世帯と言うわけではなく、入居世帯の2~3割くらいですけど。

私が受信しているのはAPSTAR-1(亜太1号)のディジタル・スクランブル放送で、CNN、HBO、Fox News、ESPN、BBC World、Animax、Disneyなど欧米系チャンネルが多く、香港のStar TV、Phonenix TV、Channel V、日本のNHK Worldなども視聴できます。なんとノーカットのアダルト・チャンネルも2つ含まれています。
NHKのBS-1、BS-2は衛星が違うので受信できないのですが、ワガママな私は東経110度B-SATアナログ放送用の受信装置も取り付けてしまいました。これで見れるのは3チャンネルだけで、2011年にはオシャカなのに....
ちなみに、台湾の陽光電視(Sun TV)や香港のStar TV、更にCNN、BBC World、NHK Worldなどは、当局の許可を受ければ中国人民も視聴できることになっています(原則としては政府関連機関や外国人向け住居やホテルですが)。

もちろん、一般の北京市民が楽しめるCATVの58チャンネルだけでも結構楽しめます。上海やチベットのローカル・ニュースを見たりできます。同じテレビドラマであっても、チャンネルによって放送期間や時間帯が異なるので、便利です。夕べはBTV-6(スポーツ専門チャンネル)で女子相撲の世界選手権をやっていました。日本のスカパでもやらないんじゃないか、というスポーツ中継も楽しめます。

でも、午後7時から約30分ほどは、58チャンネルの過半数の33チャンネルが同じ番組を流すのです。
CCTV-1のニュース番組「新聞聯播」です。このニュース番組は、中国当局から中国人民への大切な"伝達事項"を伝える役割を担っているので、全中国のローカルTV局の代表的なチャンネル(ほとんどが衛星chになります)は、必ず再送信しなければならない"決まり"になっています。ですから、この時間帯にザッピングすると、半分以上のチャンネルが同じニュース番組を放送していることになっちゃうのです。
この時間帯にテレビを見ている全中国人の7割近くが、同じニュース番組を見ていることになります。上海や広東あたりでは、別の番組を見ている人のほうが多いのですが、全中国でみると圧倒的な影響力です。

"人民元改革"(まぁ"切り上げ"なのですが)が、どんな形で発表されるか、仲間うちで話題になっていました。中国人民銀行のトレード・レートが徐々に上昇し、その後記者会見とかやるとか、国家の"指導者"が何かの会議で発表するとか、新華社あたりが中国人民銀行のリリースを配信するとか、いろいろ当てっこしていたのですが、発表の仕方も"意表を突いた"感じがしました。
CCTV-1のニュース番組「新聞聯播」が"第一報"だったのです。ちなみに新華社のニュースサイトが速報をアップしたのは19時23分でした。「新聞聯播」が第一報を流したのが19時4分頃と推定されますから、新華社では予定稿の準備すらしていなかったのでしょう....

人民元切り上げは、中国の一般ピープルにとっても関心の高い話題だったので、瞬時にして同一の内容をたくさんの中国人にコミュニケーションできるテレビニュース「新聞聯播」を利用することにしたのでしょう。
ちなみにだーれんさんのブログにもありましたが、この日のトップニュースは「東北振興」。黒龍江省の森林鉄道が観光資源として再利用されていると言う話。中国当局にとっては、人民元改革よりも東北三省の問題のほうを"重く受け止めている"、と考えることもできるのではないでしょうか....
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by pandanokuni | 2005-07-22 23:21 | 社会ネタ
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