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ゴールデンタイムのニュースでで公安部談話!中国政府当局の"焦り"。
きょう(21日)午後7時のCCTVニュース「新聞聯播」では、遂に"公安部談話"を取り上げる事態となりました。この「新聞聯播」は中国全国でみると最も視聴率の高いニュース番組です。上海市や広東省を除けば、その時間にテレビを見ている中国人の大半が見ている番組と言ってよいでしょう。

日本語字幕があるわけではないので正確さを欠くかもしれませんが、CCTVニュースのアナウンサーが淡々と読み上げた”公安部談話"の内容は:
  • 最近北京や上海で一部の群衆や学生が自発的に日本の歴史問題に関するデモを行った。

  • 彼らの愛国心は十分理解できる。

  • デモに関し、関係部門は社会秩序の維持と日本に関連する施設や人の安全を守ってきた。

  • 多くの大衆や学生は理智的に行動したが、少数の仕事を持たない人が公的或いは私的財産に危害を加え、秩序を乱した。

  • これは中国のイメージを傷つけ、法律が認めない行為である。

  • デモ活動を行う場合は、法律に則り許可を得てから行って欲しい。

  • 公安当局が許可をしていないデモや集会は違法行為である。

  • 不許可のデモには参加せず、またインターネットやケータイメールでの呼び掛けも行わないで欲しい。

こんな感じでした。
まるで、89年の天安門事件のときに学生に呼び掛けたCCTV「新聞聯播」みたいで、北京でデモを目撃したときより、緊迫した雰囲気を感じました(その頃北京にはいませんでしたが、『天安門』というドキュメンタリー映画で見た雰囲気です)。
そもそも、こうした呼び掛けをCCTV「新聞聯播」で行うことは、非常に稀なケースと言えるでしょう。このニュース番組自体、国家の方針を通達する機能が大きいので、「こうしよう」とか「ああすべきだ」とか言う話題はいつものことですが、「こうしてはいけない」と言う言い方はほとんど行いません。ときどき腐敗追放キャンペーンなんかでやるくらいでしょうか。

どちらかと言うとインターネットやケータイメールというパーソナル・メディアを通して広がった反日デモ、マス・メディアでは取り上げず口コミで広がったそのデモの状況。それなのに、火曜日あたりから公式メディアにさっそうと登場したと思いましたら、遂に全国区のお茶の間にまで"自粛せよ"のいわば警告です。しかも、"無かったこと"で通すこともできたはずの"破壊行為"があったことまで、13億人民に白状してしまったのです。
これは、ほとんど国内対策だと思うのですが(もちろん国際社会も意識しているでしょうけど)、こうした大キャンペーンで、事態の収拾を余儀なくされた中国政府当局には、大きな"誤算"だったと言えるのではないでしょうか。或いはこの"反日運動"相当根が深く、更に広く蔓延してしまったのでしょうか。
いずれにしても、中国当局の"危機感”と"焦り"を感じさせる出来事でした。

新華網に"公安部談話"が掲載されていました。ネットや新聞や堅物テレビ番組くらいなら、ある意味納得できるのですが、ゴールデンタイムのお国を代表するニュース番組で、これを(ほぼそのままだと思います)読み上げたのですから、中国政府当局もかなり何かに追い詰められている感じがするワケです。
(このポストは速報性を重視しました)
追記(北京時間23:10):この番組の映像がアップされていました(wmvファイル300k)
by pandanokuni | 2005-04-21 23:05 | [実録]05年4月反日デモ
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