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北京の反日デモで、真っ先に経済的被害を被った人たち。
先週末の反日デモの影響で、既に経済的被害を受けている人たちがいます。ちょっとご紹介しておきましょう。

まず、北京在住の殿方や日本からの出張者のオアシス(?)、日本式スナック。北京市内だけで100軒近くありますが、みな日本人のお客さんを当て込んだお店です。4月9日(土)の夜は、外の騒ぎも知らずに普段どおりスナックでお酒を飲んでいた日本人も多かったようですが、日本のテレビニュースなどで"惨状"を知るに至って、日曜日からは客足が遠のきました。こうしたスナックは、週末に荒れた日本大使公邸付近から東三環路、日本大使館のゾーンに集中していますし、北京在住の日本人の間では不用不急の外出は避ける傾向にありますから、まず打撃を受けたのが、こうした日本式スナックや日本人向けカラオケでしょう。裏で操る日本人がいる場合もありますが、こうしたお店のほとんどは中国人がオーナーなのです。
いくつかのスナックでは「送迎サービス」を始めました。夜道が怖くて来れないお客さまを自宅やホテルまでお迎えして送り届けよう、というわけです。さすが中国人ママ、苦境にめげず頑張っています。

次に、中関村のデジカメ販売店。
IT製品販売店がたくさん集まる中関村。4月9日の反日デモがここから始まった理由もそこにあったのでしょうか。そうは言っても、パソコンやモニタなどの周辺機器は日本ブランドが大人気と言うわけではないので、日本ブランド以外の製品が売れれば販売店の人はそんなに困らないのです。ただデジカメやムービーカムとなるとワケが違います。特に中国で販売されているハイエンド・デジカメはほとんどが日本ブランドなのです。デジカメを売る人も、日本ブランド以外に勧められる製品がほとんど無いのです。
私の知人が働くお店は、日本ブランドのデジカメ専門店。9日は休業、10日はお店を開きましたが普段の日曜の1割も売れなかったそうです。このようなお店で働く人たちはフツー歩合給です。たくさん売れればお給料も多くなりますが、売れなければお給料がもらえないわけです。とても困っていました。

昨日の昼食は、現代城(北京市ほぼ中心部のオフィスビル)1階の吉野家に行きました。オフィスに近く、なんと言っても日本では食べることのできない吉野家の牛丼を食べることができるので、週に一回ほどここを利用するのですが、いつもの昼時よりはお客さんが少なかったです。いつもだと、カウンターの列も入口あたりまで長く続き、2フロアに広がる座席も空席が見つからず合席を強いられるほどの混雑なのですが、きのうはカウンターの列も短くて、座席が少ない1階にも6人掛けの席がまるまる空いていて、同僚と二人で悠々食べることができました。北京の吉野家は、日本の直営ではなくて台湾系資本のFCらしいのに....
東三環路などの路面に面した日本料理店は、9日に襲撃を受けたりして、未だに休業しているところも多いです。こうしたお店のほとんどは中国人オーナーですし、従業員もみな中国人です。私たち日本人や日本企業にも経済的被害が次第に拡大していくかもしれませんが、中国人にだって被害が及んでいるわけです。
by pandanokuni | 2005-04-13 16:53 | [実録]05年4月反日デモ
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