イラクからご帰還の8人、暖かく迎えられる....
イラクで武装勢力に拉致された中国人8人が、無事中国に帰還しました。中国のテレビや新聞では、一様に"おめでとう"ムードで報道。8人に対して批判的な論評はあまり見受けられません(人民網日本語版)

昨年は日本人も、"ボランティア活動"や取材のため、或いは良く分からない理由でイラクに滞在中拉致されました。日本政府の"外交努力"によって、"無事"帰還された方もいれば、残念ながら殺害された方もいました。その中でも、"イラクの人たちを救うボランティア活動のため"でイラクで人質となった3人の日本人に対して、帰国後"自己責任"を問う批判的な世論が沸きあがりました。

中国における報道によると、拉致された福建省出身の8人の中国人は、"職探しのため"イラクに入ったそうです。しかも何人かは2003年12月からイラクで"職探し"をしていたと言うことですから、まさにイラク戦争本番の真っ只中にリクルート活動をしていたことになります。その後、イラクでアルバイトを転々としていたのですが、なかなか良い仕事が見つからず、帰りの飛行機代も無くなりそうだったので、ヨルダン経由で帰ろうかとレンタカーで移動していたところを捕らえられた、と言うことです。

「何の当ても無く、とりあえず職を探しに危険なイラクに行っていた」なんて話は、日本人には俄かに信じられないと思います。アメリカ企業が中国人を求人して雇っていた、なんてことはさすがにあり得ないような気がするのですが、イラクの石油利権に絡む中国系企業が送り込んでいたのではないか、などと疑ってみたくなるのも当然かもしれません。当初武装勢力側は、「中国がイラクでアメリカの手助けをしているのであれば、許せない」と言うようなメッセージを発していたわけですから、彼らがアメリカの手下ではなく中国(企業或いは政府関係機関)が独自に送り込んできたことが判明したので、解放に至った、と考えることもできそうです。

何しろ、中国政府は「身代金は支払っていない」と言っていますし(払っていたとしてもそうは言わないでしょうけど)、彼らの帰国についても迅速で待遇も良さそうな雰囲気でした。
CCTV(中国中央電視台)のニュース映像を見る限り、福州市の空港に降り立った8人には、中国外務省の局長はじめ地元政府のトップクラスが出迎えに来ていて、暖かく握手などをしていました。到着後"取調べ"や"事情聴取"も無く、空港からチャーターされたバスでそのまま家族の待つ家に戻ったことになっています。中国の政府関係者にお咎めを受けたような感じはありませんでした。CCTVのニュースでは、「イラクは危険なので中国公民は、"できるだけ"行かないようにして欲しい」と言っていました。日本人が人質になったときの日本政府の態度より"国民思い"だなぁ、という雰囲気でした。

前述の通り、中国での報道は"英雄視"とまではいきませんが、"ご無事で何より"という論調です。ニュースサイト(新浪網)のBBSあたりには批判的な書き込みがたくさんあるのだろうと覗いてみましたが、大半の意見は8人に対して好意的で、"飛行機代少しくらい持たせろ"くらいの少し茶化した書き込みがある程度です。

私にはこの8人が中国政府或いは政府系企業によりイラクに送り込まれていた、とはどうしても思えないのです。彼らの出身地や報道映像で見る風貌、雰囲気、彼らの実家などから、外国で出稼ぎして一発当ててやろうと考えている典型的な中国人に思えるからです。こういう人たちはかつて、数週間もトイレも食事もできない密航船で確定した職場があるわけでもない日本に稼ぎにやってきたりしたわけですから、危険なイラクだってへっちゃらです。中国にはリスクを侵してでも外国で一旗上げようと考えている人たちが多いので、中国での報道もBBSの書き込みも比較的好意的なのではないかと思ったりしてしまいます。

ですから彼らに同情的で、日本人と間違えられて捉えられた、なんて(日経Web)報道までされちゃうのでしょう。悪役はいつも日本人ですから....
何か困ったことになると親族同士、友達同士、同郷同士、そして中国以外の国家に対しては中国人同士が強く結束して対応する、これが中国の人たちの習性であることも、付け加えておきたいと思います。
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by pandanokuni | 2005-01-27 13:51 | 社会ネタ
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