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『10人に一人がマイカー』北京の交通渋滞と環境問題。
北京市統計局の発表によると、2004年末の時点で北京市の個人所有自動車台数は129万8千台で常住人口(戸籍は別として実際に常住している北京市民)11人に1台という割合なのだそうです(人民網日本語版)

個人普及率10%、世帯普及率としては25%くらいでしょうか。日本の場合、地方の大学生の自動車所有率で15%程度、富山県あたりではマイカーの世帯普及率が95%といわれていますから、まだまだ比べものにならないと言えばならないのですが、2002年11月に中国国家統計局が発表した北京市の個人所有自動車台数が62万4千台だったことを考えれば、2年で2倍ということですから、やはり凄い状態と言えてしまいます。
たしかに、ウチの会社のスタッフもマイカー通勤が増えています。20代後半のマネージャークラスの半数は自分の自動車を持っています。手取り月給5年分もするクルマがなぜ買えてしまうのだろう、とホント不思議に思えちゃうのですが、中国の場合まぁいろいろあるんでしょう。

北京の場合、そもそも大通りの幅がとてつもなく広かったり、建物ひとつひとつが馬鹿デカかったりして、大通りを挟んだ筋向いのビルまで行くにも、なかなか歩く気になりません。しかも公共交通機関が便利とは言えません。地下鉄とライト・レールは2008年のオリンピックに向けて建設中ですが、現時点では路線も限られ市民の足にはなっていません。ですから、路線バスが主流となるわけですが、幹線路線は便数も多いのですが混雑が激しく、その他の路線は便数が少ない、ということで快適ではありません。数年前までミニ・バス(路線バスとタクシーの中間のような存在)が走っていて、そこそこ便利だったのですが、北京市中心部でももう走れません。タクシーも日本と比べれば安めの料金設定なのですが、最近は北京の地理をほとんど知らない地方出身の運転手さんが増えて、安全で快適な乗り物とは言えない状況です。
そんなワケで北京では、東京とは比べものにならないくらい、クルマがあると便利なのは確かです。

私が北京に着任した8年前、「なんでこんな道幅の広い道路を作っちゃったんだぁ」と思っていた、本線が片側3車線、側道が片側2車線の"三環路"(第三環状道路。東京で言えば、環七くらいの感じでしょうか)も、いまでは慢性的に渋滞しています。5年前その外側にできた"四環路"も、最初の頃はクルマがまばらで、タクシーの運転手さんは天津産シャレードがぶっ飛ぶ限界スピード(時速120Kmまでは大丈夫でした)でビュンビュン飛ばしていたのですが、いまは至る所でクルマの列ができてしまっています。
建設から40年以上経っても環八が環状線として繋がっていない東京と比べれば、北京の道路は凄い勢いで整備されているのですが、それでも自動車の増加の勢いにはついていけないようで、交通渋滞は激しさを増す一方です。

そして最も懸念されているのは環境問題です。化石燃料で走る自動車が増えれば、当然二酸化炭素が排出されます。
世界中のエコロジストたちが、中国の経済成長による世界規模での環境悪化を危惧しています。これは自動車に限ったものではなく、「13億の中国人民すべてが電化生活に入ったら、地球環境は最悪のものになるだろう、だから中国にはCO2排出を食い止める努力をして欲しい」と言う論理です。
冷静に考えると、これはちょっと先進国のワガママじゃないか、と思えたりします。60億の地球民の内で、これまで化石燃料の恩恵を受け地球温暖化を促進してきたのは、恐らく1割程度の"文化的な"人たちでしょう。いまようやく中国がそしてインドが、そうした"文化的生活"を享受できるレベルになりつつある、そんなたくさんの人たちがCO2を排出するようになると地球が壊れちゃう、だからこれからCO2を排出する国は遠慮しろ、何か対策を講じろ、という感じ。
環境対策には一層のコストがかかりますから、後発の中国やインドやアフリカに、こうしたことを求めると言うことは「お前らにクルマや電気なんて必要無い」と言っているようなものではないでしょうか。
平等に考えれば、一足先にCO2や環境有害物質を排出しつづけた国のほうが、一足先に排出を止める或いは抑えるべきだと思うのですが....
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by pandanokuni | 2005-01-25 16:04 | 社会ネタ
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